2017.04.20  2024.03.19|店舗運営ノウハウ

小売店の商品陳列方法!重要性・ポイント・事例も紹介

小売店の商品陳列方法!重要性・ポイント・事例も紹介

本記事で、小売店の商品陳列方法をご紹介します。また小売店における商品陳列の重要性・ポイント・事例もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

小売店の商品陳列に関する基本情報

小売店の商品陳列に関する基本情報

小売店の商品陳列を検討する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を押さえることで、商品陳列で売上を伸ばしやすくなるからです。それでは小売店における商品陳列の目的や重要な理由、特徴、流れをご紹介します。

目的

まず小売店における商品陳列の目的は、顧客にとって見やすく、選びやすく、手に取りやすいように売り物を並べることです。顧客にとって見やすく、選びやすく、手に取りやすいよう商品を陳列することで、販売率の向上につながります。

また商品陳列には、顧客に実店舗での買い物を楽しんでもらう目的もあります。オンラインショップでは叶わない購買体験を提供することで、実店舗における集客と売上のアップが可能です。

重要な理由

次に小売店の商品陳列が重要な理由は、商品の魅力をアピールして、顧客の購買意欲をかきたてるためです。ターゲットとしている顧客層に商品を購入してもらうために、商品の魅力を伝えやすい商品陳列を心がけましょう。

特に商品陳列の整然さと分かりやすさが、重要です。商品陳列が乱れていると、顧客の購買意欲をかきたてづらくなります。そのため商品の補充作業をしたり、売れ行きに合わせて前出し作業をしたりして、顧客にとって見やすく、選びやすく、手に取りやすい商品陳列を保ちましょう。

特徴

それから小売店における商品陳列の特徴は、店舗の業態や商品などによって異なります。例えばスーパーマーケットやドラッグストアなどでは、ワゴンやゴンドラなどを用いた「量感陳列」が行われます。量感陳列の特徴は、活気やボリューム感、安さなどの伝達です。

一方でアパレルショップや雑貨店などでは、ショーウィンドウやステージなどを用いた「展示陳列」を行います。展示陳列の特徴は、商品の魅力や高級感のアピールです。店舗の業態に応じて、取り扱う商品や価格帯に合う商品陳列を選びましょう。

流れ

そして小売店における商品陳列の流れも押さえましょう。

  • 競合店の商品陳列を調査する
  • 自店舗のコンセプトに基づいて陳列するメイン商品を選ぶ
  • メイン商品を基軸にしてサブ商品の配置を決める
  • 従業員に商品陳列の目的や方法を伝える
  • 営業前や営業中に商品陳列を行う

なお商品の売れ行きやトレンドなどに応じて、商品陳列の定期的な見直しが必要です。新商品のキャンペーンや売りつくしイベントなどの際にも、特別な商品陳列を検討しましょう。

小売店の商品陳列方法

小売店の商品陳列方法

基本情報だけでなく、小売店の商品陳列方法も押さえましょう。本記事では、8点(縦陳列と横陳列、島陳列、エンド陳列、ジャンブル陳列、ウイング陳列、フック陳列、シンメトリー陳列)を取り上げます。

縦陳列

まず小売店の商品陳列方法として、縦陳列が挙げられます。床と垂直に同じ種類の商品を陳列する方法です。陳列の幅を取らないため、小規模店舗でも採用できます。

  • メリット :比較対象になる商品を一目で確認できる
  • デメリット:同じ種類の中から特定の商品だけを売り出すことが難しい

横陳列

次に横陳列も、小売店の商品陳列方法です。床と平行に同じ種類の商品を陳列する方法です。

  • メリット :縦陳列よりも大量の商品を並べられるため、顧客の注目を集めやすい
  • デメリット:顧客の目線に合わない高さに陳列されると、視認性が低下する

島陳列

また島陳列も、小売店の商品陳列方法です。顧客の動線上にワゴンやショーケースなどの什器を配置して、顧客の目に留まりやすい高さに商品を陳列する方法です。

  • メリット:店内を回遊する顧客が4方向から什器を確認できるため、商品の視認性が高まる
  • デメリット:店舗内の通路幅を狭める(通路の安全性や快適性に配慮しましょう)

エンド陳列

それからエンド陳列も、小売店の商品陳列方法です。陳列棚の両側面に別の陳列棚を配置して商品を陳列する方法です。

  • メリット :売場の広い通路に面するため、会計場所に並ぶ顧客の目に留まりやすい
  • デメリット:大量の商品を陳列すると、通路の見通しが悪くなる

ジャンブル陳列

そしてジャンブル陳列も、小売店の商品陳列方法です。ワゴンやバスケットなどの什器に、商品をごちゃ混ぜに(Jumble)して陳列する方法です。

  • メリット :商品を丁寧に並べる手間がかからず、特売感をアピールできる
  • デメリット:商品が傷ついてしまったり、安っぽく見えてしまったりする(高価な商品には向かない)

ウイング陳列

さらにウイング陳列も、小売店の商品陳列方法です。ダンボールやカゴなどに商品を入れて、陳列棚の横に羽根(ウイング)のように突き出して陳列する方法です。

  • メリット :陳列棚に並びきらなかった商品や関連商品を並べられる
  • デメリット:通路幅を狭めてしまう(動線に配慮しながら陳列しなければならない)

フック陳列

加えてフック陳列も、小売店の商品陳列方法です。フック型の什器に、商品を吊り下げて陳列する方法です。

  • メリット :自立しない商品(歯ブラシや吊り下げ菓子など)を整然と陳列できる
  • デメリット:吊り下げる商品の上部に穴が空いていないと陳列できず、後ろの商品を取りにくい

シンメトリー陳列

なお小売店の商品陳列方法として、シンメトリー陳列も挙げられます。縦の中心線を軸にして、左右対称に商品を陳列する方法です。

  • メリット :高級感を出しながら、売り出したい商品をアピールできる
  • デメリット:スペースを必要とする割には、大量の商品を陳列できない

小売店の商品陳列に関するポイント

小売店の商品陳列に関するポイント

陳列方法と併せて、小売店の商品陳列に関するポイントも押さえましょう。本記事では、7点(店舗のコンセプトとフェイシング、グルーピング、陳列量、ゴールデンゾーン、什器、効果検証)をご紹介します。

店舗のコンセプト

まず店舗のコンセプトが、小売店の商品陳列に関するポイントとして挙げられます。コンセプトは、店舗経営の基本方針(ターゲットとする顧客層や商品の価格帯など)です。店舗のコンセプトに基づいて、商品陳列の方法を決めましょう。

例えばファミリー層をターゲットに生活用品を販売する小売店であれば、季節のイベントごとに関連商品を陳列することで、集客と売上のアップを期待できます。店舗のコンセプトを設計する流れについて紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

フェイシング

次にフェイシングも、小売店の商品陳列に関するポイントです。フェイシングは、商品パッケージの表面(フェイス)が見えるように陳列します。パッケージの表面を見せることで、顧客に商品の情報(名称や特徴、原材料など)を伝えやすいです。

小売店の集客と売上を伸ばすためには、人気商品や新商品に対してフェイシングを行います。顧客が商品を手に取りながら購入を検討できるように、フェイシングの量を増減させて、陳列できる商品量を調整しましょう。

グルーピング

またグルーピングも、小売店の商品陳列に関するポイントです。グルーピングとは、同じグループの商品(種類や価格、素材など)を集めて陳列する方法です。顧客が目当ての商品を探しやすく、購買行動を促す効果(ついで買い)を期待できます。

例えばスーパーマーケットにおいては、野菜の近くに「鍋の素」を陳列したり、肉の近くに「焼肉のタレ」を陳列したりすると、販売率のアップにつながります。また雑貨屋においては、自然素材の商品をまとめて陳列することで、自然志向の顧客へのアピールが可能です。

陳列量

それから陳列量も、小売店の商品陳列に関するポイントです。陳列量を少なくして、商品ごとの間隔を広く取ると、高級感を演出できます。一方で陳列量を増やして、商品が密集した状態にすると、にぎやかさの演出が可能です。

例えば高価格帯の小売店であれば、陳列量を少なくして、商品の魅力をアピールしましょう。セール商品を売り出したい場合には、島陳列やジャンブル陳列などで商品を密集させると、お買い得さを演出できます。

ゴールデンゾーン

そしてゴールデンゾーンも、小売店の商品陳列に関するポイントです。ゴールデンゾーンとは、陳列スペースのなかで、顧客の目に留まりやすい(手に取りやすい)範囲です。一般的にターゲットする顧客層の身長が高いほど、ゴールデンゾーンも高くなります。

したがって手に取りにくい上部にサンプル商品を陳列したり、目に留まりづらい下部に関連商品や購入頻度の低い商品を陳列したりすると、販売率を高めながらスペースを有効活用できます。

什器

さらに什器も、小売店の商品陳列に関するポイントです。商品陳列用の什器を選ぶ際には、サイズや耐荷重、移動のしやすさなどを考慮しましょう。単発的に使う場合には、簡易組み立て式の什器やレンタルの什器が役立ちます。

また店舗のコンセプトや内装デザインに合わせて、おしゃれな什器を選びましょう。おしゃれな什器を選ぶポイントについて詳しくまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

効果検証

なお小売店の商品陳列に関するポイントとして、効果検証も挙げられます。イベントやキャンペーン、季節などが変わるタイミングで、集客や売上のデータに基づいて商品陳列の効果を検証しましょう。

商品陳列の効果が上がらない場合には、原因を突き止めて改善する必要があります。例えば商品陳列が乱れたり、不足したりする時間帯に販売率を下げていたなら、品出しや陳列を整えるタイミングを変更してください。

小売店の商品陳列事例

ポイントを押さえて小売店の商品陳列を工夫できるように、参考となる事例を調査しましょう。本記事では事例5点を取り上げて、各商品陳列のポイント(コンセプトとディスプレイ、グルーピング、ゴールデンゾーン、スタイリッシュな什器)をご紹介します。

コンセプトに基づいた商品陳列

コンセプトに基づいた商品陳列

まず「美術刀剣松本 東京西葛西店」様は、日本刀や刀装具の販売を行っている小売店です。「日本刀や刀装具の理解を広めたい」というコンセプトに基づいて、商品が陳列されています。

高級感を演出できるように、ヒノキが使用されたオリジナル什器に日本刀や刀装具が陳列されています。商品のサイズや収納のしやすさが考慮された什器です。店舗内を回遊する顧客の動線や目線に合わせて、壁際や通路に什器が配置されています。

ディスプレイも兼ねた商品陳列

ディスプレイも兼ねた商品陳列

次に「KAJA 湘南平塚店」様は、「リゾートのように暮らそう。」をコンセプトにしたインテリアショップです。インドネシアの手作り家具や雑貨などの商品陳列は、ディスプレイも兼ねています。

クッションカバーのコーナーでは、サンプルが目立つように陳列棚の上部に陳列されています。顧客が商品を選びやすいように、手に取りやすい高さには売り物のクッションカバーが並べられた商品陳列の形です。

グルーピングを意識した商品陳列

グルーピングを意識した商品陳列

また「PLUS YU」様は、電子機器とアウトドア商品を取り扱うライフスタイルショップです。電子機器のサンプル商品の近くに、本体ケースや充電器などがまとめて陳列されており、グルーピングが意識されています。

電子機器が金属製の什器に陳列されているのに対して、アウトドア用品は木製の什器に陳列されています。商品の魅力を引き出せるように、什器の素材が選択されている陳列の形です。

ゴールデンゾーンを押さえた商品陳列

ゴールデンゾーンを押さえた商品陳列

それから「日本堂」様は、美容商品を主に取り扱う免税店です。ゴールデンゾーンが押さえられており、顧客に商品を試してもらいやすいようにテスターが陳列。壁沿いの商品陳列だけでなく、通路上に島陳列も取り入れられています。

また自立できない商品が目立つように、フック陳列が取り入れられています。白をベースとした内装デザインに合わせて、陳列用の什器も清潔感を与える白色です。広い店内フロアが有効活用されて、顧客の動線上に商品が陳列されています。

スタイリッシュな什器が使用された商品陳列

スタイリッシュな什器が使用された商品陳列

そして「CPG GOLF Tokyo store」様は、ゴルフウェアを取り扱うアパレルショップです。ブランドイメージに合わせて、スタイリッシュな什器が使用されています。黒やシルバーの什器です。

限られたスペースで幅広い商品をアピールできるように、各種類の商品が1点ずつ陳列されています。トップスはハンガーにかけられた状態で陳列されているため、顧客が各商品を比較しやすく、従業員の陳列を直す手間を削減しやすいです。

小売店の商品陳列を工夫しよう!

IDEALは、店舗全般のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

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