2017.06.06  2022.10.15|新規開業ノウハウ

雑貨屋を開業する流れ!業態・届出・許可・資金や商品の開発と仕入れ先

雑貨屋を開業する流れ!業態・届出・許可・資金や商品の開発と仕入れ先

本記事で、雑貨屋を開業する流れを解説します。雑貨屋の業態や開業の届出・許可、資金、商品の企画・開発と仕入れもご紹介します。

「雑貨屋を開業したいけど何から始めたらいいの?」「必要な届出や資金を知りたい!」とお悩みではありませんか?雑貨屋の開業や移転、リニューアルをご検討中の方はぜひご覧ください。

雑貨屋とは?業態を紹介

雑貨屋とは?業態を紹介

雑貨屋とは、日用品(キッチン用品や生活用品、洋服、装飾品、一般食品など)を販売する店舗です。ただし雑貨屋によって、取り扱う商品や業態が異なります。主に3つの業態がありますので、特徴を踏まえて業態を選びましょう。

店舗物件型

雑貨屋の業態として、まず店舗物件型があります。まとまった開業資金が必要ですが、内装や品ぞろえを工夫してコンセプトを表現しやすい業態です。加えて顧客と直接的にコミュニケーションが取れるため、顧客の満足度を上げて集客と売上につなげやすいです。

ただし店舗物件を賃貸契約して開業する場合は、物件探しや内装工事の依頼などを行う必要があります。初期費用や届出・許可などを確認したうえで、計画的に開業準備を進めてください。

なおフランチャイズに加盟して開業をサポートしてもらう方法もあります。ただし加盟料を支払う点や経営の自由度が低くなる点にご注意ください。

ネットショップ型

ネットショップ型は、店舗物件型に比べて開業資金を抑えやすい業態です。場所や時間を問わずに、雑貨屋に集客できる点が魅力です。例えば雑貨販売専用アプリへの店舗登録や公式サイトの開設をすれば、海外の顧客へ販売することも可能です。

ただしオンライン上に競合店が多く、価格競争に陥りやすいデメリットもあります。対策として独自に開発した商品を販売したり、SNSで商品の魅力を発信して差別化を図ったりしてください。

なおターゲットの特性に応じて、実店舗にネットショップを併設することも可能です。ネットショップ限定の商品を企画したり、実店舗での割引キャンペーンを実施したりすることで、集客を工夫しましょう。

店舗付き住宅型

雑貨屋には、店舗付き住宅型の業態もあります。住宅の一部分に店舗を開業することで、一般的な店舗物件よりも少ない賃料で店舗を経営できます。店舗付き住宅の賃貸物件選びについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

なお店舗付き住宅型には、2種類あります。店舗兼用住宅(店舗部分から住宅部分へ行き来できる構造)店舗併用住宅(店舗部分から住宅部分へ行き来できない構造)です。店舗付き住宅の建築に対する用途市域による制限について解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

雑貨屋を開業する流れ

雑貨屋を開業する流れ

雑貨屋の業態を決めたら、開業準備を進めていきましょう。スムーズに開業できるように、雑貨屋を開業する流れを解説します。

コンセプト設計と事業計画書立案

まず雑貨屋のコンセプト設計と事業計画書立案を行います。設計したコンセプトに基づいて販売する商品やターゲットを決めて、資金計画を立ててください。商品の仕入れや開業後の経営がスムーズになります。

なお雑貨屋などの物販店にも活用できる事業計画書の書き方についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

開業資金の調達

立案した事業計画や資金計画に基づいて、必要な開業資金の調達をしてください。開業資金には雑貨屋物件の取得費や内外装工事費だけではなく、運転資金や集客活動費、採用研修費などが含まれます。

自己資金だけで足りない場合は、銀行の融資や知人からの借入、公的機関からの補助金・助成金などの利用を検討しましょう。開業資金の調達方法についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

物件探しと内装工事

店舗物件に雑貨屋を開業するなら、物件探しと内装工事を行います。開業資金調達と並行して物件探しを行い、物件を契約できたら内装工事を業者へ依頼します。

店舗の立地や賃料などは集客と売上に影響するため、慎重に選びましょう。店舗物件の探し方や注意点などを解説していますので、次の記事も併せてご覧ください。

加えて店舗の内装デザインも、雑貨屋のコンセプトを実現するために重要です。内装デザイン・工事の流れや業者選びなどをご紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

商品の開発・製造または仕入れ

物件探しや内装工事を進めながら、商品の開発・製造または仕入れを行いましょう。独自に開発・製造する場合も既製品を仕入れる場合も、一貫したコンセプトに基づいて商品を販売することが重要です。

商品の開発・製造や仕入れ先の選定について、後ほど詳しく解説します。

開業に必要な届出・許可

物件や商品の準備を進めながら、雑貨屋を開業するために必要な届出・許可を申請する準備を進めてください。販売する商品や業態に応じて、開業届や特定商品の販売許可などが必要になりますので、後ほど具体的にご紹介します。

集客活動

開業準備が整ってきたら、集客活動を開始しましょう。開業前から集客活動を展開して雑貨屋の認知度を高めることで、開業後の売上につながることが期待できます。

具体的な方法としてチラシ作成や看板の設置などのオフライン集客と、ブログやSNSなどのオンライン集客があります。店舗の業態やターゲットによって効果的な集客方法は異なるため、予算と照らし合わせて検討してください。

なお以下の記事でWeb集客について詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

雑貨屋開業に必要な届出・許可

雑貨屋開業に必要な届出・許可

雑貨屋の業態や販売する商品などに応じて届出・許可の申請が必要になります。主な届出・許可をご紹介しますので、法律を遵守して開業後のトラブルを避けるためにご確認ください。

事業開始等申告書

「事業開始等申告書」とは、個人事業を開始する際に「都道府県税事務所」へ提出しなければならない書類です。よく税務署と間違えてしまうため、ご注意ください。

都道府県税事務所と税務署の違いとして、所得税や消費税の徴収を管理する税務署に対して、都道府県税事務所は「個人事業税」を管理している役所です。税務署に確定申告をすれば、事業開始等申告書の届出は不要ですが、個人事業を開始するなら提出して損はないです。

提出の方法や期限などについて、管轄の県税事務所に確認してください。東京都では、次のWebサイトで手続きできます。

参照:東京都主税局「事業を始めたとき・廃止したとき」

個人事業の開業・廃業等届出書

個人事業を開始する場合に、「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)の提出が必要です。税務署に個人事業の開始を届け出ると、確定申告の時期に申告書が郵送されてきます。開業届の提出方法は、事業開始1ヶ月以内に税務署へ持参または郵送や電子申告をします。

開業届を提出するメリットは、次に解説する「青色申告特別控除」が受けられる点や純損失の繰越(赤字を3年間繰越可能)をできる点、貸倒引当金の一部を売掛金や貸付金の必要経費にできる点などです。国税庁のWebサイトから開業届をダウンロードできます。

参照:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁

青色申告承認申請書

青色申告承認申請書

開業届の提出により受けられるメリットのひとつに、「青色申告」の選択があります。確定申告には「青色」「白色」があり、青色申告すると最大65万円の所得控除を受けることが可能です。

青色申告をする場合には、事業開始日から2ヵ月以内に「青色申告承認申請書」を税務署に提出しなければいけません。提出が遅れてしまった場合は「白色申告」しかできなくなりますので、注意が必要です。

国税庁のWebサイトから提出先の確認や書式のダウンロードができます。

参照:国税庁「[手続名]青色申告書の承認の申請」

一般型輸出物品販売場許可申請手続

「一般型輸出物品販売場許可申請手続」は、「免税店」になるための手続きです。一ヶ月程度をかけて店舗図面や免税店運営マニュアルなどを提出します。

外国人観光客をターゲットにする雑貨屋に必要な申請となります。国税庁のWebサイトから書式をダウンロードできます。

参照:国税庁「[手続名]一般型輸出物品販売場許可申請手続」

古物商許可申請書

「古物商許可申請書」は、中古家具や古本、中古ゲーム機、リサイクル品、アンティーク家具・雑貨などの買取から販売までを行うための届出になります。古物には一度使用された物品だけではなく、一度取引された新品も含まれます。

古物商を許可されるためには最大60日ほどかかるため、早めの手続きをおすすめします。申請に19,000円かかりますが、雑貨店経営の初期費用として高くありません。警視庁のWebサイトから必要書類や申請場所の確認ができます。

参照:警視庁「古物商許可申請」

飲食店営業許可

雑貨屋と併用して喫茶店を営業したい場合は、「飲食店営業許可」が必要になります。飲食店営業許可における注意点は、保健所による店舗図面のチェックです。

飲食店の内装には制限がかかるため、自由な空間をデザインしづらくなります。内装を工事してから飲食店営業許可を申請すると、改装が必要になるリスクがあります。

飲食店営業許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

菓子製造業の営業許可

雑貨屋でパンやお菓子を製造して販売する場合には、「菓子製造業」の営業許可が必要になります。飲食店と同様に、事前に図面や設備基準を確認したうえで申請しなくてはなりません。

菓子製造業の営業許可についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください

雑貨屋の開業資金

雑貨屋の開業資金

届出・許可の申請と併せて、雑貨屋の開業資金も確認しておきましょう。相場や内訳を把握したうえで、必要な資金を正確に計算するためです。予算内に理想的な雑貨屋を開業できるように、節約方法も併せてご紹介します。

開業資金の相場

実店舗に雑貨屋を開業する場合には、開業資金の相場は坪単価20万~60万円程度です。10坪の物件を賃貸するなら、200万〜600万円程度かかります。

ただし雑貨屋の業態や立地、規模などによって、金額は変わります。店舗物件の内装にこだわってデザインしたり、人気の立地に開業したりすると、開業資金が1,000万円を超える場合も想定されます。

なお実店舗をもたないでネットショップを開設する場合は、10万〜50万円程度の開業資金だけで済みます。開設するWebサイトの外注費やネットショップを運営する従業員の採用などの条件によって、開業費用は変動します。

開業資金の内訳

雑貨屋の開業資金は初期費用(開業前に支払う経費)と運転資金(開業後に毎月支払う固定費に分けられ、内訳は次のとおりです。

初期費用の内訳

  • 物件取得費
  • 内装工事費
  • 仕入れ費
  • 集客活動費
  • 設備・備品・什器購入費

運転資金の内訳

  • 物件の賃料
  • 水道光熱費
  • 人件費
  • 仕入れ費
  • 集客費

店舗物件型の雑貨屋を開業する場合には、物件取得費として賃料6~12か月分程度が必要です。毎月の支払いに影響するため、賃料を月間売上10%以内に収めてください。仕入れ費は取り扱う商品によって金額が変わりますので、経営を圧迫しないように正確に計算しておきましょう。

ネットショップだけを経営する場合は、物件に関わる費用が不要です。ただし集客費(通信やECサイト構築)や設備・備品・什器購入費(パソコンや商品撮影用機材など)、人件費(ネットショップの管理者や運営者)などが必要になります。

開業資金の節約方法

雑貨屋の開業資金の節約方法を取り入れて、無駄なコストを省きましょう。

例えば居抜き物件を活用する方法があります。居抜き物件には旧借主が施工した設備や什器が残っているため、開業の費用や時間を節約できます。居抜き物件についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

またネットショップ型の雑貨屋であれば、物件取得費や毎月の賃料を削減できます。ただし売上を伸ばすためには、Web集客を効果的に展開する必要があります。次の記事も併せてご覧ください

雑貨屋の商品企画・開発・製造

雑貨屋の商品企画・開発・製造

雑貨屋で独自の商品を販売する場合には、商品の企画・開発・製造が必要になります。集客と売上につなげるためには、ターゲットのニーズに応える商品を販売することが重要です。

市場を調査する

雑貨屋の商品企画を開始するために、市場を調査してください。顧客のニーズや流行を知らなければ、収益を上げ続けられません。ただしコンセプトに基づいた独自性のある商品を開発するように意識しましょう。

例えば競合店の売れ筋商品のジャンルやデザインを研究して、ニーズの高い商品を製造しましょう。しかしデザインを摸倣したり著作権を侵害したりできません。トラブルを避けるために、独自のコンセプトが必要です。

材料を揃えて試作する

市場調査を踏まえて製造販売する商品を決めたら、材料を揃えて試作しましょう。試作することで、問題点や改善点を解決できます。加えて継続的に材料調達が可能であるかを検討してください。

例えば店舗独自のアクセサリーをデザインできても、技術的にイメージどおりに製造できない場合があります。また販売した商品の再注文が入っても、材料を安定して調達できなければ納品が遅れる恐れがあります。

なお企画・開発した商品の製造を専門業者へ依頼することも可能です。試作を重ねて改善しながら、材料の仕入れルートも確保してください。

適切な値段を設定する

試作の末に販売する商品を製造できたら、適切な値段を設定しましょう。販売価格が安すぎれば利益を得られず、高すぎれば販売数を増やしにくくなります。集客に利用するサイト・アプリの利用手数料や人件費、材料費を計算したうえで、相場と労力に見合った値段を設定してください。

また市場調査で商品ごとの販売価格の相場を把握しておけば、値段設定の目安になります。材料をまとめて仕入れることで原価を抑えたり、作業効率を上げることで利益率を高めたりしましょう。企画したオリジナル雑貨の製造を外注することもご検討ください。

雑貨屋の仕入れ先

雑貨屋の仕入れ先

雑貨屋がオリジナル商品を開発・製造するのではなく、既製品を仕入れて販売する業態もあります。店舗の規模やターゲットに応じて仕入れ先を選定できるように、雑貨の主な仕入れ先をご紹介します。

雑貨のメーカーや問屋

雑貨屋の商品を仕入れる先として、まず雑貨を製造するメーカーやメーカーから雑貨を仕入れている問屋が挙げられます。メーカーにまとめて注文すると仕入れ費を抑えられ、雑貨問屋に相談すると異なるメーカーの商品を比較できます。

雑貨のメーカーや問屋と取引することで、売れ筋商品や新作商品の情報を手に入れやすくなります。ただし発注数を調整しづらいデメリットや継続的に仕入れられないリスクがあります。予算やスケジュールと照らし合わせましょう。

展示会や見本市

次に定期的に行われる展示会や見本市も、雑貨の仕入れ先となります。小物から食品まで多種多様なジャンルの商品が揃うため、市場の傾向を知ることができたり、同じ日に複数メーカーと取引できたりするメリットがあります。

ただし展示会や見本市には入場制限が設けられる点に注意してください。雑貨屋の経営者や招待客でなければ入場できない展示会や見本市がありますので、事前に主催者の発信する情報を確認しておきましょう。

ネットショップ

またネットショップも雑貨の仕入れ先となり、誰でも簡単に仕入れることが可能です。例えばネットショップではジャンルを問わずに雑貨が販売されており、海外のネットショップから仕入れることもできます。

しかし輸入手続きが必要になったり、実際の商品がWebサイトに掲載されている画像と違ったりする恐れがあります。信頼できるWebサイトを利用したり、支払いや郵送の方法を確認したりして、トラブルを防ぎましょう。

流れを把握してスムーズに雑貨屋を開業しよう!

流れを把握してスムーズに雑貨屋を開業しよう!

雑貨屋の開業には、さまざまな準備が必要です。大まかな流れを把握して、スムーズに雑貨屋を開業しましょう。独自性のある雑貨屋を開業できるように、計画的に資金計画立案や届出・許可申請を進めることが重要です。

IDEALは雑貨屋を含む店舗のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までのワンストップソリューションをご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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