2017.07.21  2020.11.24|店舗運営ノウハウ

【ショッピングセンターの課題とは?】現状と今後と求められるショッピングセンターの新しい役目

【ショッピングセンターの課題とは?】現状と今後と求められるショッピングセンターの新しい役目

たくさんの店舗を抱えるショッピングセンター(これ以降SCと呼びます)。

20年ほど前は、新しい買い物のコンセプトとして世界中に幾つものSCが出現し、日本では郊外の田んぼの真ん中などに作られたりしましたが、そのせいで駅前の商店街をシャッター通りに変えてしまったほどの集客を誇りました。

ところが最近になり、アメリカではそうしたSC(アメリカではショッピングモールと呼ばれています)から多くの店舗が撤退し、ゴースト化しているというニュースが報じられています。

では、日本でも同様にショッピングセンターには将来がないのでしょうか。

アメリカでSC(ショッピングセンター)が消えている理由とは

アメリカでSCが消えている理由とは

アメリカでSCが消えているのは4つの理由があります。SCの乱立、建物の老朽化、現在の要求にマッチしないデザイン、そしてネットショップの拡張です。

SC(ショッピングセンター)の乱立

SCの乱立

アメリカのSCは1950年代に始まり、1980年代あたりからSCブームに入り、各地にSCが作られました。1つの地域に5つものSCが建てられたところもありました。

つまりSCが乱立し、各SCでも集客が思うように伸びなくなってしまったのです。

建物の老朽化

建物の老朽化

2番目の理由である建物の老朽化は、建物の年数を見るとわかります。SCの古いものはすでに築60年を越えているものもあります。

リニューアルするには年数がたち過ぎているものも多く、そうしたSCは取り壊し、別の目的のために建て替えられています。

現在の要求にマッチしないデザイン

その頃建てられたSCは灰色の壁のボックス状の建物で「グレーボックス」とも呼ばれていました。

こうした古いタイプのSCは、現在のデザインの凝ったSCとは違い、屋根から光が降り注ぐようには設計されていませんから、開放感がなく、現在、レジャーや憩いを求めてSCに行く人の要求にマッチしません。

ネットショップの拡張

アメリカのSCが衰退したもう一つの理由はネットショップの拡張により、より多くの買い物をネットで済ますようになったためです。

それでもまだ実際の店舗から物を購入したい人もいるのですが、店舗側としては、来る人が減り、売り上げが伸びなければ、営業する意味がなくなってしまいます。

日本のSC(ショッピングセンター)

日本のSC(ショッピングセンター)

「急増する大型ショッピングセンター」、これは2015年のあるビジネス記事の見出しです。この見出しの通り、日本のショッピングセンターはまだまだ健在です。

ただ、SCの立地がこれまでの「田んぼの真ん中」から「駅の周辺」に変わって来たという事実はあります。

駅ビルの発展

駅ビルの発展

駅前通りの商店街は、SCができるまで日本の買い物の中心的存在でした。

それが、SCが郊外の野原や田んぼの真ん中に作られ、大きな駐車場を構えることにより集客し、その結果、駅前通りはシャッター通りにまで変容してしまいましたが、最近ではその「駅」がまた集客の中心になっているのです。

といっても、集客の中心になっているのは、駅の周辺に建てられた「駅ビル」で、昔の駅前通りが店舗の水平の広がりを見せていたのに対し、駅ビルは店舗の垂直の広がりを造り出しています。

ただ駅ビルといっても、どの駅でも良いと言うのではなく、やはり利用客の多い駅に付随した駅ビルがSCの発展には適しています。

札幌駅の駅ビル

札幌駅の駅ビル

例えば最近人気を呼んでいる札幌市。札幌市の札幌駅には「アピア」「エスタ」「パセオ」「さっぽろステラプレイス」の4つのSCと「大丸札幌店」が直結しています。

4つものSC?多すぎるのでは?と思うかもしれませんが、どのSCも人でいっぱいです。出店している店舗数も600以上。

その人気の秘密を探ってみると、顧客を飽きさせないよう、常に進化しリニューアルや新しいプロジェクトを導入していることがわかります。

商品のディスプレーの仕方にもいろいろな工夫が感じられます。物を買うという楽しみだけでなくエンタメ的な要素を多く取り入れ集客に結びつけていることが分かります。

地方のSC(ショッピングセンター)の今後

では、地方のSCはどうでしょうか。

地方のSCもまだまだ利用客が多いですが、世代が交代し、それまでSCを利用していた世代がシニアや高齢者となった地域では、SCは買い物をするための場所というより、

人に会ったり、お茶を飲んだり、エンタメを楽しんだりするコミュニティーの場に代わってきているように感じられます。
ですから、このように異なる目的や要求に合せ、SCをリニューアルすることが必要になります。

レジャーや社交の場としてのSC(ショッピングセンター)

レジャーや社交の場としてのSC(ショッピングセンター)

明るい雰囲気づくり

明るい雰囲気づくり

買い物よりも、レジャーや社交の場としてのSCにするためには、まず明るい雰囲気作りが必要です。

具体的には、家とは違った雰囲気に浸り気分転換ができ、何かのアクティビティーに参加したり、エンタメを鑑賞したり、人と会ってお茶やコーヒーを楽しんだりできる場であることが必要になります。

そのためには、楽しい明るい気持ちになれるように、SCの建物内のデザインを変えることが要求されます。

質の良い飲食店の誘致

今後期待される社交の場としてのSCの役割ですが、社交には人との食事が欠かせません。そのため、SCを魅力的にするには、質の良い飲食店の誘致が必要となるでしょう。

最近はファーストフードの人気が落ちていると言われています。今後はファーストフードに変わる、例えばエスニック的な飲食店や、クリエイティブな料理を提供するような飲食店が集客につながるかもしれません。

イベントの開催

イベントの開催

店舗デザインとは直接関係はないのですが、イベントの開催も集客の大事な要素になります。

興味をそそるようなミニ・コンサートやファッションショーなど、また学校の休みに子供たちを対象にしたイベントなどをアレンジするとSCが更に魅力的な場になります。

まとめ

一時期、人気を博したSCが、最近になり、その形態の変化を求められるようになっています。SCは多くの店舗を収容し、経済の発展にとっても大切なものです。

現在、どのようなことが要求されているのかまた人気があるのかという動向をしっかり把握し、新しい要求にマッチしたSC作りが進められるよう期待したいと思います。

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。

> IDEALの編集者ポリシー

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

店舗作り、集客の
無料見積もり・相談をする