2020.08.24 2020.09.09|店舗デザイン
新規顧客の獲得を促すための店舗デザインとマーケティング
どのような店舗にしようかと思案しているときにマーケティングの考え方を取り入れたことはあるでしょうか。
店舗をデザインするときには機能性の高さや見た目の美しさにこだわってしまい、集客という視点を忘れてしまいがちです。
この記事では店舗デザインによってマーケティング効果を上げて新規顧客の来店を促すための方法を紹介します。
ブランディング視点での集客を試みよう
店舗のデザインによって店舗そのものにマーケティング効果を発揮させられるようにするアプローチとして最も一般的なのはブランディングです。
企業としてブランドを立ち上げ、オフィシャルショップを開店したり、チェーン店展開をしていて新店舗を設置したりするようなときにはブランディングを重視したデザインにするだけで高い集客効果を期待できます。
ブランディング戦略を立てることは企業にとって大きな課題の一つで、ブランディングに成功すれば成長を遂げて多くの顧客を安定して獲得し、さらに顧客を育て上げられるようになります。
ファッションやアパレル業界ではブランドを重視したマーケティングがよく展開されていますが、だんだんとブランディングの考え方はあらゆる業界に広まってきました。
飲食店やスーパー、ドラッグストアなどでもブランドイメージによる販売戦略が取られるようになり、大手企業だけでなく地域に根差した中小企業でもブランディング戦略の策定と展開に成功している事例が増えてきています。
このようなアプローチを考える上では顧客が実際に商品を購入したり、サービスを利用したりする体験の場である店舗を活用することが重要です。
ブランディングのどのようなステージにあるかによって効果的なデザインの仕方にも違いがあります。
ブランドは立ち上げてまだプロモーションをそれほど行っていない無名の段階から、ある程度の知名度があって消費者に聞くと「聞いたことがある」という段階に進み、
さらに誰もが知っている有名ブランドとしての地位を獲得するのが一般的です。このステージごとにどのような戦略で店舗デザインをしたらブランディングによるマーケティング効果が得られるのかを確認していきましょう。
最もわかりやすいのが既にブランドの知名度を向上させるのに成功して、誰もが知っているレベルになっているときです。この場合にはブランドイメージを体現するような店舗をデザインするのが効果的です。
ブランドロゴを付けた看板を設置し、ブランドカラーを基調とした店舗にするのが基本になります。
ブランドによってスタイリッシュなのか、穏やかな雰囲気なのか、ワクワクする感じなのかといったようにイメージが大きく異なります。
そのイメージを表現することを意識して店舗の外装を整えると、遠くから店舗を見た人もこのブランドのお店かもしれないと思って近くまで来てくれるでしょう。
ブランドイメージそのものが集客手段になるので直感的に理解できるように仕上げるのがポイントです。
店内についても同様でどんなことを求めている消費者が自社ブランドを好んでいるのかを調査し、期待する体験をできるようにするのが大切です。
リラックスしたい、はしゃぎたい、ゆっくりと過ごしたい、スムーズに買い物をしたいといったようにブランドのコンセプトやイメージによって顧客が期待することは違います。
その期待に応えられるように内装の明るさや色調、店内のレイアウトや空間の作り方を工夫するのが大切です。
こうなりたいと思って来店した顧客がもっとその気持ちが強まるように心理的な効果を与えるという視点で内装をデザインすると良いでしょう。その満足度が高いとリピーター化にもつながるので重要な観点です。
次に、ブランドとして発展途上にあるケースを考えてみましょう。この段階ではブランドを前面に押し出した店舗デザインをするだけではマーケティング効果はあまり上がりません。
ブランドの価値を同時に発信できるようにデザインするのが合理的で、体験してみたいという気持ちを持ってもらえるように工夫をすると新規顧客の来店が増えていくでしょう。
同時にブランディングも進めていくために、世の中に定着させたいと考えているブランドイメージに合わせて店舗デザインをします。
その際にただブランドカラーやロゴなどによってイメージを伝えるだけでなく、文字やオブジェクトによって価値を発信する店舗に仕上げるのが肝心です。
例えば、「こんなに安いなんて知らなかった」というフレーズを看板に入れると、安さがアピールポイントのブランドだと理解してもらうことができます。
大きめのオブジェクトや看板に記載してよく見えるようにしておき、気になった消費者に店頭まで来てもらえるようにするのが良いでしょう。そのときに消費者は本当に安いのかなという疑問を持っています。
入店する前に確かに安そうだから入ってみようと思ってもらえるようにするのが重要で、安いかどうかわからないままでは入店せずに立ち去ってしまう可能性が高くなります。
店頭に料金表を掲載したり、お得なセール品を立て看板で紹介したり、のぼりで典型的なメニューの価格を示したりすると魅力を感じてもらえるでしょう。
このような形で遠くまで宣伝できるようにしつつ、消費者が感じた魅力を近くに来たら具体的にその宣伝内容の魅力がわかるようにすると新規顧客の来店につながります。
特に重要なのがブランドを知っている消費者の持っているイメージと合うように仕上げることです。発展途上の段階ではブランドイメージも少しずつ軌道修正をしていく必要があります。
ブランディングのときにはその結果を反映する必要がありますが、結果として消費者が抱いてきたイメージから外れてしまうと既存顧客を失うことになりかねません。
新規獲得にばかりこだわってしまうと述べ来店数が増えずに悩むリスクがあるので注意が必要です。
最後に、これからブランドを打ち立てるような段階で店舗デザインによるマーケティングをしたい場合を考えてみましょう。
この場合にも基本的には発展途上の段階にあるブランドと同じで、打ち出したいブラントイメージに基づいて店舗をデザインしつつ、文字などのわかりやすい情報で顧客に価値を伝えることが必要です。
ただ、既存顧客がいない点が大きな違いで、一からマーケティングに成功できるようにブランドイメージを作り直すことができます。
市場調査をして他社の状況も確認し、消費者に他とは違うと思ってもらえるようなコンセプトやイメージを考案するのが重要です。
それに基づいて顧客を獲得しやすいイメージを打ち出してデザインをしていくとブランディングがスムーズに進みます。
無名の状況から新規顧客を獲得するには比較をするのも大切です。
他社の店舗と類似したイメージを与えられる外装で店舗をデザインするのも効果的で、有名なブランドの店舗と間違えて店頭まで来てしまう人もいるでしょう。
そして、店頭のポスターやのぼりを見てみたら魅力がありそうだから入ってみようと思ってくれることもあります。
全体的な外観だけは他社と類似性を見せ、詳しく見ていくと独自性が見えるようにするというアプローチは新規参入のときには特に効果的です。
ブランドのイメージと価値をデザインで伝えよう
店舗への新規顧客の来店を促すためにはブランドを活用するのが効果的です。ブランドの知名度がどのくらい知られている段階なのかに応じて適切なデザインをする必要があります。
知名度が低い段階ではブランドの価値を伝えられるようにデザインすることで集客力が高まります。ブランディング視点でデザインし、マーケティング効果のある店舗に仕上げましょう。
監修者
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IDEAL編集部
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