2017.06.02 2020.08.06|新規開業ノウハウ
【小売業の専門用語の特徴】開業する前に覚えておきたい知識
小売店を営むことを考えている方も少なくないことでしょう。
スーパーやコンビニ、衣料品などの物販店では、個人で経営するかフランチャイズなどで運営してくかで道が分かれますが、どちらにしても専門用語が飛び交うことがあります。
ただ漠然と経営に専念しているだけでなく、今まで畑違いの職種で全く知らないという用語などがでてくるといざ困る経営者の方もいるはずです。
ここでは初めて小売業に挑戦するために知っておきたい用語をご紹介していきます。
目次
小売店への流れや呼び方にも特徴がある
小売店は基本的に問屋に商品を発注しています。問屋は各メーカーから商品を仕入れていますが、その流れや呼び方にも独特の特徴があります。
メーカーから問屋への卸価格のことを【仕切値】といいます。これは【NET価格】とも呼びます。NET価格とはメーカーの最終価格のことをいい、それ以上値引くことが出来ない価格のことです。
問屋から小売店への価格は【卸値】といいます。これは【下代(げだい)】とも呼びます。基本的に問屋のNET価格を下回る卸値は付きません。
小売店での販売価格は【上代(じょうだい)】と呼び、下代を上回る価格で上代を設定しないと、利益をだすことができません。
定価とはメーカーが設定する流通させたい価格ですが、実際に消費者はその金額で購入することはせず、他の販売店と比較したり、類似品を探すことがありますので、小売店が最終価格を設定しています。
商品価格の例
メーカーA社が定価10000円で設定した商品を流通させる場合、問屋B社には5000円で販売します(仕切値)
問屋B社は小売C店へ6400円で販売します(卸値)
小売C店は消費者へ8000円で販売します(上代)
それぞれ儲けを出していますが、小売店と問屋の関係では【掛け率】というのが存在しています。
この掛け率というのは、【○掛け】という呼び方で浸透しており、一般的ではありませんが、商品の価格(上代)に対しての掛け率が卸値(下代)という事になります。
上記の例でいくと、上代が8000円で、掛け率が8掛けで下代が6400円ということになります。
買掛と売掛
買掛とは商品を購入していながらも、代金を支払っていないことを指します。逆に売掛とは商品を渡しているものの、代金を受け取っていないことをいいます。要するにツケ払いと同じ意味合いになります。
企業間取引では一回の決済にしてしまうと、商品を発注するたびに先方に振り込む必要がありますので、その手数料を莫大になり、手続きに時間がとられてしまいます。
その面倒を無くす為に月末や翌月末にまとめて手続きするのが買掛と売掛となっています。
しかし、小売店の場合ですと、販売するのは基本的に消費者になりますので、レジでの直接決済になります。そのため、売掛になることはまずありません。
小売店や流通でよく使う用語
小売店や流通関連でよく使われる用語をみていきましょう。
CVP
CVPとは医療用語に見られますが、管理会計上の用語として扱われています。
Cはコスト、Vがボリュームで販売量、Pがプロフィットで利益となり、損益分岐点分析に使われています。損益分岐点は売上―コスト=0(利益=0)となりますので、利益がゼロになる売上高を調べるのに用いられます。
デファクトスタンダード
デファクトスタンダードとは、事実上の標準を指しており、JISなどの機関が定めた規格とかではなく、市場で流通することで世間一般的に認知された基準のことをいいます。
ちょっと古いですが、ビデオではVHS、ゲームではファミコンが大人から子供問わず、認知されていました。デファクトスタンダードを多く仕入れることで他店と差異を付けることができます。
EDLPとHILO
EDLP(Everyday Low Price)とHILO(High-Low Price)は商品販売戦略で、前者が限定的に安い商品を置かず、常時低価格販売を行うことを指します。後者は販促などで、期間限定で特売セールを実施し、集客UPを狙うことを指します。
プライスゾーン
プライスゾーンとは品種ごとにおける売値の上限と下限のことをいい、その範囲内が2対1になるように設定することが求められています。
プライスライン
プライスラインは売値の種類を指し、一番多く売れていて、人気があるプライスラインのことをプライスポイントといいます。
マークダウン
マークダウンとは値下げすることを意味します。売り切りを目指すには、利益が少なくなっても値下げを早めに実施することが必要です。
消費期限が短い商品では、マークダウンのタイミングによって廃棄ロスが増えてしまう恐れがあります。
見切り
設定された小売価格を引き下げることを指します。廃棄ロスを防ぐのに用いられますが、早すぎると販売ロスになりますので、見切りにはタイミングが重要です。
マークダウンと同じ意味合いにとられたり、業種によって言葉が使い分けていたりします。
ユニット・プライス
スーパーなどの商品によく見られますが、商品の一定単位当たりの価格を指します。
例に挙げると1パック200gの豚肉スライスを400円で販売していると、100g当たりは200円となります。これは消費者が比較しやすいようにしており、購入意識を高めています。
赤伝(あかでん)
赤伝とはマイナス伝票のことで、辞書にも載っていません。商品が破損などしていたときに返品をしますが、その商品は一度仕入れていますので、伝票が上がっています。
そこにマイナス金額となる納品伝票を切ってもらい、プラマイゼロになるようにしています。もちろん、赤い伝票のことではありません。
監修者
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IDEAL編集部
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