2018.06.22 2020.08.12|新規開業ノウハウ
【居抜き物件で気を付けたい注意点】居抜き物件だと費用が少なくてお得?
飲食店を開業するときには、費用に関する計画もしっかりと立てておく必要があります。
特に、物件の取得や内装工事にかかる費用は、開業の予算の大部分を占めるものであるため、費用面の問題から、お得なイメージのある居抜き物件を選択することも少なくありません。
お得な場合が多い居抜き物件ではありますが、デメリットも知っておかなければ大きな失敗をしてしまう可能性があるといえるでしょう。この記事では、居抜き物件の注意点について解説していきます。
居抜き物件は費用の面でメリットが多い
居抜き物件で開業をする最大のメリットといえば、物件の取得や内装工事費などの費用を大幅に抑えることができる点にあるといえます。
居抜き物件では、すでに店舗の内装ができ上っているため、スケルトン物件よりも内装工事費用が少なくて済むといったメリットがあります。
前の物件の内装などを引き継げるということは、それだけでコスト減につながる場合が多い傾向です。
一般的な居抜き物件は、床や壁、天井はもちろんのこと、厨房やお手洗いなど主要設備が残っています。
しかし、物件によっては「一部居抜き」といった表現を用いたものも存在します。
「一部居抜き」とは、内装の一部だけが残っている状態を指しています。
メリットが多いとされる居抜き物件の場合でも、契約前に条件をしっかりと確認しておくことがポイントといえるでしょう。(※1)
※1.【居抜き交渉ねっと】居抜き物件とは?
細かい融通は利かなくなる
メリットばかりがあると思われがちな居抜き物件にも、デメリットはいくつかあります。
居抜き物件では、やはり細かいデザインの変更はききにくいという点がデメリットとして挙げられます。
特に、居抜き物件を取得して、自分好みのレイアウトに大きく変更しようと考えている人は要注意といえるでしょう。
なぜなら、居抜き物件の内装デザインにこだわりすぎてしまうと、必要以上に費用がかかってしまう可能性があるからです。(※2)
※2.【Orange Operation】飲食店の「居抜き」とは?メリット・デメリット、スケルトンとの違いを解説
しかし「前の店舗のイメージを引きずりたくはない」と考える場合が多いでしょうから、ある程度内装デザインにこだわりを持つことは、飲食店の開業では欠かせないことといえます。
そのため、居抜き物件の取得にあたっては、予算をしっかりと考慮することが大切です。
「コンセプトの実現は可能か」「雰囲気の良い空間を作ることができるか」などということについて検討を重ねたうえで契約をするべきといえるでしょう。
契約に関する責任を明確にしておこう
居抜き物件の契約を決めてしまう前に、契約の内容についてしっかり確認をしておくことが重要です。
居抜き物件では内外装や設厨房備などを引き継ぎ、権利を譲渡するための契約を結びます。これを「造作譲渡契約」と呼びます。
造作譲渡契約を結ぶ前に、「譲渡される項目などは特定しておくこと」「譲渡の行われる期日を確定すること」などに気を付けておきましょう。
そして、後のトラブルを防ぐために「造作譲渡契約書」を作成することをおすすめします。(※3)
※3.【ぶけなび】造作譲渡契約とは?
次に、「転貸契約」についても知っておきましょう。「転貸契約」とは、いわゆる「また貸し」のことです。
例えば、契約期間の途中で解約をする場合は、多額の違約金が発生してしまします。そのため、第三者にまた貸しをするのです。
転貸契約を結ぶ前に確認すべきことは、そもそも「その物件は転貸契約が可能か」ということを確認します。
さらに、所有権や、転貸後の責任の所在に関しても確認しておくと良いでしょう。(※4)
※4.【ぐるなびPRO】居抜き物件とは?メリット・デメリット、居抜き開業の基本
設備が古くて使えない可能性
居抜き物件では、前のテナントの設備を引き継ぐことはよくあります。
しかし、設備に関しては、物件取得時は「コスト削減ができた」と思っていても、実際にはすぐに壊れるなどの理由から使い物にならないこともあるのです。
そういった場合は、新たに設備を購入しなければならず、想定外の費用がかかってしまうことになります。
そのため、前の設備を引き継ぐときは、新店舗でも十分に使えるものであるかどうかをしっかりと確認しておきましょう。
有効活用することで経営を軌道に乗せられる
費用が抑えられるという点は居抜き物件の大きな魅力ではありますが、一方でデメリットがあることも理解しておく必要があります。
居抜き物件をうまく利用できれば、飲食店の経営を早い段階で軌道に乗せることができるのです。
こういった側面があることから、居抜き物件の利用価値は高いといえるでしょう。
居抜き物件を契約する場合には、費用面ばかりに目を向けるのではなく、その物件が持っているデメリットについても事前に把握しておくことが大切です。
監修者
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IDEAL編集部
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