2020.11.25|新規開業ノウハウ

内装工事をする際に知っておきたい”建築基準法”と”内装制限”【分かりやすく解説】

内装工事をする際に知っておきたい”建築基準法”と”内装制限”【分かりやすく解説】

「建築基準法と内装制限ってなに?自分のお店にも関係あるの?」という疑問を解決する記事です。

結論から言いますと、飲食店であろうがなかろうが、お店を持つのであれば、建築基準法と内装制限は知っておかなければなりません。

なぜなら建築基準法と内装制限に従っていないお店は、どの業種であろうと罰則の対象になるからです。

今回の記事では
・内装制限がある理由
・内装制限の基本的な内容
・建築基準法と消防法との関係
・内装制限の緩和策6つ

についてお伝えしていきます。

建築試験を受けるわけではないので「内装制限、建築基準法全てを理解せよ」とは言いません。

が、罰則を受けないためにもお客様自身がするべきことは2つ↓

①自分のお店が内装制限の対象になるのか、条件を確認する
  (内装制限の対象は特殊建築物だけではありません。

②内装制限対象の場合、どの場所でどのような対応が必要なのかを確認する

少しボリュームが大きい内容ですが「え、知らなかった…」と後悔しないために、お店作りにおける内装制限について理解を深めていきましょう。

”内装制限”とは

内装制限とは建物にを店の内装の素材なども1を定めるルールのうちの一つ。

簡単に言いますと、
「お店でお店の内装に使う素材をはこれにしてね」
「この高さの位置にこのくらい使ってね」

と決められています。

”内装制限”がある理由

内装制限がある理由は、
・人の命を守るため
・火災を最小限に抑えるため です。

もしもあなたがくつろいでいるカフェが火事になったら…
そのカフェが燃えやすい素材の内装だったら…

きっと最悪のケースが起こってしまうでしょう。

内装制限は、そんな最悪なケースを防ぐためのルールです。
自分のお店を持つのであれば必ず従いましょう。

万が一の際でも多くの人の命を守れるように。

内装制限に従っていないと罰せられる

内装制限に従っていないと 建築基準法違反(建築法違反)となり、罰せられます。

ですので、内装制限に従って内装作りを進めていかなければなりません。

とは言っても、内装工事をお願いする業者であれば内装制限について知識はあるはず。

ですが、全てを業者任せにするのではなく、お店のオーナーとなるお客様自身も「内装制限ってあったよね…」と、必ず頭に入れておくことは必須です。

内装制限の基本的な内容

内装制限の基本的な内容

内装制限を簡単にまとめると、

①壁と天井の仕上げ材は”燃えにくい素材”を使う
②規定を超える建物には”火災の煙を排除する設備”を付ける
③内装制限の対象となる建物は細かく決められている

となります。もう少し詳しくお伝えしますね。

内装制限の基本①壁と天井の仕上げ材は”燃えにくい素材”を使うこと

内装制限は、壁と天井に使用する素材と場所が決まっており『建築基準法』によって定められています。

内装制限と『建築基準法』との関係性は後ほど説明します。

内容は基本的には以下の通り。
◇どこに?:床から1.2m以上の高さの壁~天井にかけて

◇何をする?:仕上げ材料として燃えにくい素材(難燃以上の素材)を使用する

◇難燃以上の素材ってなに?:火に触れても、5分後に燃え出すような素材(燃えるのに時間がかかる素材のこと)

◇難燃以上の素材具体例:難燃繊維(ハロゲン系加工物やリン系化合物など)を使ったもの

[予備知識:燃えにくい素材カテゴリー]
・不燃材料 : 火が触れてから燃え始めるまでの時間が20分
・準不燃材料 : 火が触れてから燃え始めるまでの時間が10分
・難燃材料 : 火が触れてから燃え始めるまでの時間が5分

”燃えにくい素材を使用する”ということは、木材などの燃えやすい素材の使用に制限があるということです。

どうしても木材を使用したい場合は『緩和策』があります。
緩和策については後ほど詳しくお伝えします。

内装制限の基本②規定を超える建物には”火災の煙を排除する設備”を付けること

内装制限の基本②規定を超える建物には”火災の煙を排除する設備”を付けること

内装制限は、建物によっては”火災の煙を排除する設備”を設置しなければなりません。

この決まりは『消防法』によって定められています。
内装制限と『消防法』との関係性については後ほど説明します。

内容は基本的には以下の通り。
◇どんな建物に?:床面積500㎡を超える特殊建築物
        3階以上で床面積が500㎡を超える建築物

◇何を設置する?:自然排煙設備(窓のこと)あるいは機械排煙設備(大きめの換気扇のようなもの)

内装制限の基本③内装制限は”不特定多数の人が集まる場所”が対象

内装制限は基本的に”不特定多数の人が多く集まるような場所”が対象です。

内装制限は特殊建築物と、特殊建築物ではないけどある基準を超えた建物が対象です。

【内装制限の対象:業種別(以下特殊建築物という)】
1:劇場、映画館、劇場、集会場など
2:病院、診療所、クリニック、ホテル、旅館、民宿、共同住宅、こども園など
3:百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェ、バー、飲食店、公衆浴場など
4:自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ、テレビスタジオなど
5:地下または地下工作物内に上記1~3の居室を有するもの

【内装制限の対象:特殊建築物以外の場合】
・3階以上+各階の床面積の合計が500㎡以上(≒テニスコート約2面分:195㎡×2)
・2階+各階の床面積の合計が1000㎡以上(≒テニスコート約5面分:195㎡×5)
・1階建て+床面積が3000㎡以上(≒日光東照宮の敷地延面積:2,953.63㎡)
(学校は除く)
内装制限一覧表:日本塗装協会より引用

特に階数が1階以上の場合でかつ床面積が500㎡を超える建物にお店を開きたい場合は要注意。

内装制限の対象かどうかが分かるフローチャート

お客様がこれから作るお店が、内装制限の対象かどうか以下のフローチャートで確認してみましょう。

内装制限確認フローチャート

内装制限一覧表はこちら:日本塗装協会より引用

”建築基準法(建基法)”と”消防法”

”建築基準法(建基法)”と”消防法”

結論から言いますと、内装制限は『建築基準法』と『消防法』で決められているルールです。

「どういうこと?」と感じますが、

『建築基準法』の中の内装制限
『消防法』の中の内装制限

というイメージ。

なぜ2つの法律に属しているかというと、内装制限としての目的が違うから。

・建築基準法の内装制限
・消防法の内装制限

それぞれ詳しくお伝えしていきますね。

”建築基準法(建基法)”の内装制限

建築基準法とは、人々の安心安全な生活、利用するための建物のルール。

具体的には、建築物(家、住宅地、お店、学校、病院など全ての建物)の、
・敷地
・設備
・構造
・用途

に関するルールを定めた法律のこと。(管轄:国土交通省)

[建築基準法の中の内装制限]
目的:火事が起きたときの避難経路を確保するため
内容:火災が広がらないような素材「内装はこういう素材を使いましょ」という内容

”消防法の内装制限”の内装制限

”消防法の内装制限”の内装制限

消防法とは、
・火災から人々の生命、身体、財産を保護する
・火災、地震などの災害による被害を軽減する

ためのルールを定めた法律のこと。(管轄:総務省が管轄)

[消防法の中の内装制限]
目的:火災予防・初期消火・人命救助・本格消火
内容:火災を抑えられるように「排煙設備、消火栓、消化器はここにおいてね」という内容

内装制限の緩和策は6つある

内装制限の緩和策は6つある

結論から言いますと、内装制限には緩和策があります。

内装制限全てにきちんと従うと「木目や風合いを出せない!」「思い通りのデザインにならない!」となるからです。

緩和策は以下の通り6つあります。

①天井の高さをより高くする
②スプリンクラーを設置する
③天井を準不燃の素材で仕上げる
④木造のお店は3つの条件をクリアする
⑤厨房+客室一体型は距離を半分以上離す
⑥梁(はり)あらわしは床面積の1/10にする

緩和策もある意味”規定”です。
6つの緩和策を行えば、木材を生かした内装に仕上がります。

順に詳しくお伝えしますね。

(※2020年11月時点の情報です。
 実際に施工する時は、最新の法律、ルールを業者とともに確認して下さい)

緩和策①天井の高さをより高くする

床~天井までの高さが6mを超えていれば、内装制限の対象になりません。
たとえ窓が無かったとしてもです。

理由は、煙の動きが関係します。

火災時の煙はモクモクと広がり、天井で一時的に溜まります。
その後ゆっくり下へと降りていきます。

煙が上に行けば行くほど、人に触れずに済むのでダメージが最小限で抑えられます。

緩和策②スプリンクラーを設置する

緩和策②スプリンクラーを設置する

結論から言いますと、スプリンクラー等の消火設備と排煙設備があれば、内装制限の対象になりません。

つまり天井、壁にも木材が使えるということです。

参考資料:建築プレミアムー建築基準法施行令

理想的な内装に仕上げるには、スクリンプラーを設置するのがスマートです。
が、費用はそれなりにかかります。(相場:100,000~200,000円/1台)

緩和策③天井を準不燃の素材で仕上げる

天井を準不燃材料で仕上げれば、内装制限の対象であったとしても木材を使用できます。

ただし、以下の条件がさらに追加になります。
・壁に使用する木材は、表面に不燃性を含む下地用パテを下塗りしたものにする
・壁の仕上げを木材、合板、構造用パネル、パーティクルボード又は木材等と難燃材料を組み合わせる

緩和策④木造のお店は3つの条件をクリアする

緩和策④木造のお店は3つの条件をクリアする

「新しく木造のお店を建てたい」となった場合、以下の3つの条件をクリアしなければなりません。

・床面積の合計200㎡ごとに75分の準耐火構造の床、壁
・スプリンクラー等の消火設備と自動火災報知設備を設置
・都度閉鎖する店内の場合は75分防火設備による区画(シャッターなど)が必要

(常時閉鎖する居室の場合は500㎡以内ごとの区画でOK)

[”準耐火構造の床、壁”の意味]
木の表面に火が触れても、燃え広がりにくい断面にするということ。
ログハウスをイメージしてもらえると分かりやすいでしょう。

同時に、以下に当てはまる建物だと、内装制限の対象になる(木材を自由に使えない)ので注意です。

・4階以上ある建築物
・高さが16 mを超える建築物
・または法で別途定める高さ13 mを超える建築物

店舗全体が木造のお店は、どうしてもルールが厳しいです。
なぜなら火災時に燃え広がりやすいから。

これら3つの条件をクリアできなければ、内装制限に従っていないと見られるので注意しましょう。

緩和策⑤厨房+客室一体型は距離を半分以上離す

内装制限は、顧客から調理場が見えるタイプのダイニングキッチンスタイルにも緩和策があります。

◇何をする?→燃えにくい素材の垂れ壁で区切る
◇どこに?→”火元(コンロ)から天井までの距離”の半分以上離れた箇所

垂れ壁で区切れば、調理場以外の客室などは内装制限の対象となりません。

ちなみに、IFヒーターを使った厨房室の場合は以下の通りです。
・IH調理器と周囲の距離について『消防法』にて制限がある
・火気を使っていないので『建築基準法』では内装制限の対象ではない

緩和策⑥梁(はり)あらわしは床面積の1/10にする

緩和策⑥梁(はり)あらわしは床面積の1/10にする

天井に梁をあらわしたい場合にも、緩和策があります。

それが、床面積の1/10だけを梁の面積にすればOK。
天井に梁があるのと無いのとでは空間への印象もガラリと変わります。

「内装制限のせいでオシャレにできない…」と諦める必要はありません。
緩和策の通りにすれば、理想的な空間に近づけるのだと心得ましょう。

店舗の内装工事を依頼する前に知っておきましょう

店舗の内装工事を依頼する前に知っておきましょう

全てを業者任せにし、自分は無知のままでいることは避けましょう。

内装制限や建築基準法を知る時間は「お店を持ちたい」と、思ったその瞬間から切り離せないプロセスです。

同時に業者とのコミュニケーションは必須。
コミュニケーションが取れる業者とは、信頼できる業者でもあります。

店舗作りに強く、信頼できる内装業者であれば「大丈夫かな」と不安に感じることが無くなります。

内装制限を知らずにお店作りは進められない

お店を開きたいお客様へ、内装制限と建築基準法、消防法との関係性についてお伝えしてきました。

この後、お客様自身がするべきことは2つです↓

①自分のお店が内装制限の対象になるのか、条件を確認する
②内装制限対象の場合、どの場所でどのような対応が必要なのかを確認する

内装制限を知るということは『ご自身のお店がどういうルールで作られていくのか』を知ることでもあります。

法律が絡む内容なので、難しく感じるかもしれません。

ですが、難しいと感じる部分は、内装施工業者と確認、コミュニケーションを取りながら正しく進めていくことが重要です。

『わからなければ、調べる、確認する、聞く』これが大切です。

心身ともに余裕を持ってお店作りに取り組んで行きましょう。

「内装制限や建築基準法の内容はだいたい理解した。でも内装制限を気にしつつ内装デザインを決めていけるだろうか」

そのような疑問がさらに浮かぶのであれば、ぜひIdealにご相談ください。

Idealは「じゃあ、どうしたら良い?」というお客様の助けになります。
同時に「こんなに沢山のことを覚えられない…」と感じるお客様の負担を減らすことができるかもしれません。

店舗作りに強いIdealであれば『必要な手続き、内装デザイン設計、施工』までを代行することが可能だからです。

お客様の理想とするお店が出来上がるよう、悩みや疑問点を一つ一つ丁寧に対応、解決させていただきます。

まずは一度、ご相談してみて下さい。

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