2021.04.08 2021.04.02|新規開業ノウハウ
常連に愛される小料理屋を開業するための基本知識
「小料理屋を開きたい。何から始めたらいいでしょうか」というお客様への記事です。
結論から申しますと、”小料理屋における開業までの流れを把握”しましょう!ということです。
”開業までの流れ”とは次のとおりです↓
①コンセプトを決める
②資金を調達する
③内装、外観を決める
④内装施工業者を決める
⑤資格、許可証を取得する
⑥食器、備品を集める
⑦宣伝方法を考える
⑧助成金、補助金について調べる
これらのステップを把握しつつ、常連に愛される小料理屋を作り上げていきましょう。
顧客から愛される小料理屋を作り上げるには、”空間作り”がカギです。
当記事では、
・小料理屋を開業する流れ
・愛される小料理屋にするためのポイント
について分かりやすくお伝えしていきますね。
お客様の理想とする小料理屋が出来上がるよう、事前に知識を蓄えておきましょう。
目次
- 小料理屋を開業する流れは8ステップ
- 小料理屋の開業ステップ①コンセプトを決める
- 小料理屋の開業ステップ②資金を調達する
- 小料理屋の開業ステップ③内装、外観、物件を決める
- 小料理屋の開業ステップ④内装施工業者を決める
- 小料理屋の開業ステップ⑤資格、許可証を取得する
- 小料理屋の開業ステップ⑥食器、備品を集める
- 小料理屋の開業ステップ⑦お店の宣伝方法を考える
- 小料理屋の開業ステップ⑧助成金、補助金について調べる
- 常連に愛される小料理屋のポイント
- 愛される小料理屋にするために①立地条件
- 愛される小料理屋にするために②温かいコミュニケーション
- 愛される小料理屋にするために③日々の喧騒を忘れられる空間作り
- 愛される小料理屋にするために④顧客の心をつかむサービス提供の徹底
- IDEALでの事例紹介
- 小料理屋としての見栄えの良さを維持しよう
- 小料理屋の見栄えUP①整理整頓を意識する
- 小料理屋の見栄えUP②換気設備の重視を忘れずに
- 小料理屋としてクローズドキッチンにするメリット
- ”小料理屋=クローズドキッチン”のメリット①落ち着いた空間を演出
- ”小料理屋=クローズドキッチン”のメリット②多くの料理を一気に作れる
- ”小料理屋=クローズドキッチン”のメリット③見栄えを気にせず、収納を使える
- 小料理屋としてクローズドキッチンにするデメリット
- ”小料理屋=クローズドキッチン”のデメリット①顧客への提供に時間がかかる
- ”小料理屋=クローズドキッチン”のデメリット②厨房内の清潔、整理整頓が維持できるか
- ”小料理屋=クローズドキッチン”のデメリット③料理の出来上がりを気にしないといけない
- まとめ:愛される小料理屋にするには”顧客とどれだけ寄り添えるか”がカギ
小料理屋を開業する流れは8ステップ
小料理屋を開業するまでの流れを、押さえておきましょう。
流れは以下のとおりです↓
・コンセプトを決める
・資金を調達する
・内装、外観を決める
・内装施工業者を決める
・資格、許可証を取得する
・食器、備品を集める
・お店の宣伝方法を考える
・助成金、補助金について調べる
それぞれ、分かりやすくお伝えしていきますね。
小料理屋の開業ステップ①コンセプトを決める
まずはコンセプトを決めましょう。
コンセプトは5W2Hを埋めていくように決めていけばOKです。
[5Wとは]
What…どんなサービス、メニューをしたいのか
Who…どんな人にサービスを提供したいのか
Where…どこでサービスを提供するのか
When…いつ営業するのか
Why…どうしてこの小料理屋なのか
How…どのようにして提供するのか
How much…いくらで提供するのか
コンセプトは、小料理屋としての土台であり、軸です。
軸がしっかり決まっていないと、リピーターは増えません。
コンセプトにブレが見られると、顧客は小料理屋のファンになってくれないからです。
小料理屋の開業ステップ②資金を調達する
コンセプトが決まったら、資金を集めましょう。
これから資金をコツコツ貯めるのはあまり現実的ではありません。
結論、小料理屋の開業には融資を利用するのが一般的です。
開業に向けてしっかり自己資金を貯めてきたのであれば融資は必要ありません。
ですが飲食店開業者の多くは、融資を利用し開業資金に充てるパターンが多く見られます。
あとから、開業資金に助成金や補助金を充てる、といったケースもあります。
助成金や補助金については後ほどお伝えしますね。
小料理屋の開業ステップ③内装、外観、物件を決める
次に内装、外観を決めて行きましょう。
決める、といってもこの時点では情報収集をし「こんな雰囲気が良いな」と、イメージを固めていくだけでOK。
このあと内装を施行する業者とデザイン設計を進めるからです。
物件探しは、最も時間をかけるべきステップです。
・場所
・構造
・居抜き物件
・スケルトン物件
資金を見ながら慎重に選ばなければなりません。
物件は、一度決めたら中々変えられませんからね。
小料理屋の開業ステップ④内装施工業者を決める
物件が決まれば、内装、外観を工事してくれる施工業者を選びます。
施工業者は3種類あります。
ご自身の状況に合わせた業者を選びましょう。
<タイプ①施工会社>
・工事のみを行う
・自社で設計デザインをしない
・元請けとなる業者から仕事を請け、設計図に従って工事を行う
<タイプ②設計、施工会社>
・デザイン設計~施工を自社で行う
・自社で、設計デザインを専門とする建築士、デザイナー、工事を行う内装工も在籍
<タイプ③デザイン設計会社>
・デザイン設計のみを行う
・自社で施工に携わることはない
・一般住宅のみ、店舗デザイン設計のみなど専門分野が会社ごとに変わる
小料理屋の開業ステップ⑤資格、許可証を取得する
内装、外観を専門業者に託したら、ご自身は小料理屋オープンのための資格と許可証を取得するステップに入りましょう。
”資格”はこれ↓
・防火管理者
・食品衛生責任者
”許可証”はこれ↓
・飲食店営業許可
・深夜酒類提供飲食店営業許可
[防火管理者]
小料理屋の収容人数が、顧客とスタッフ合わせて30人以上の場合に必要です。
各自治体の消防署の講習を受講することで取得できます。
[食品衛生責任者]
食品衛生責任者は、小料理屋に必ず1人置かなければなりません。
各自治体の保健所にて講習を受け、テストに合格すると取得できます。
[飲食店営業許可]
飲食店営業許可を取得するには、
・必要書類が揃っていること
・食品衛生責任者がいること
が条件です。
[深夜酒類提供飲食店営業許可]
深夜0時から日の出までの間に、お酒の提供をする場合に必要な届け出です。
深夜酒類提供飲食店営業許可を取得するには、
①飲食店営業許可を取る
↓
②深夜にお酒を提供できるのか、条件を確認する
↓
③必要な書類を揃えておく
↓
④警察署へ届け出る
という流れです。
警察署にて書類が受理されれば、約10日ほどで深夜営業が可能です。
小料理屋の開業ステップ⑥食器、備品を集める
小料理屋に必要な食器や備品を集めていきましょう。
資格、許可証の取得手続きを進めながら必要な備品を少しずつ集めていきましょう。
食器、備品は、小料理屋のコンセプトイメージに合ったものを選ぶこと。
”コンセプトに合わせたモノだけ”と絞っていくことで「あれもこれも」とあちらこちらと探す手間が省けます。
小料理屋の開業ステップ⑦お店の宣伝方法を考える
小料理屋としてどう顧客にアピールしていくか、宣伝方法を考えましょう。
例えば、
[オンライン]
・自社サイトを作る
・ポータルサイトを利用する
・SNS(Twitter、Instagram、Facebook、Pinterest)を利用する
など。
[オフライン]
・チラシを作る
・ポスティングする
・地域のイベントに参加する
など。
開店当初の宣伝方法は、オンラインとオフラインとで使い分けると効果的に集客できます。
小料理屋の開業ステップ⑧助成金、補助金について調べる
最後に助成金や補助金が利用できないか情報収集しましょう。
助成金、補助金は飲食店を開業してからすぐに手元に入るわけではありません。
おおよそ申請してから約1年後に手元に入るイメージを持ってください。
助成金、補助金は、開業のときに借りた融資に充てることができます。
「こんな助成金があったの?」と、気づいたときには募集が終わっていた……
なんてことにならないよう、最新の情報を常に確認するクセをつけましょう。
常連に愛される小料理屋のポイント
どうせなら常連に愛される小料理屋にしていきたいですよね。
愛されるための方法は4つです↓
・立地条件
・温かいコミュニケーション
・日々の喧騒を忘れられる空間にする
・顧客の心をつかむサービス提供を徹底する
ぜひ、押さえていきましょう。
詳しくお伝えしていきますね。
愛される小料理屋にするために①立地条件
1つ目のポイントは小料理屋に合う立地条件であるか、です。
結論、小料理屋であれば、路地裏か人通りから少し離れたエリアを選びましょう。
なぜなら、小料理屋を利用する人々のニーズに合わせたエリアを選ぶべきだからです。
小料理屋を利用する人々は、騒がしい空間を避け、静かで落ち着いた雰囲気の中食事を楽しみたいから小料理屋を選びます。
であれば小料理屋は、
・静かな雰囲気が漂うエリア
・人の流れが多くないエリア
・隠れ家風になれるようなエリア
を、立地条件としていきましょう。
愛される小料理屋にするために②温かいコミュニケーション
2つ目のポイントは、温かいコミュニケーションができる雰囲気にすること、です。
顧客用の座席をカウンター席のみにすると、コミュニケーションが取りやすくなります。
つまり、スタッフと顧客の距離感を程よく近づけるような空間にすることです。
温かいコミュニケーションを成り立たせるには『会話しやすいレイアウトにすること』が最初のステップです。
”顧客への寄り添い”を意識した空間作りを心がけていきましょう。
愛される小料理屋にするために③日々の喧騒を忘れられる空間作り
3つ目は、日々の喧騒を忘れられる空間にすること、です。
”喧騒を忘れられる空間”は『和風な非日常感』を感じられる内装にすることで、実現できます。
具体的には、
・杉板や竹など”和”を感じる自然素材を使っている
・間接照明で”和ムード”を漂わせる
・高級感も感じられる
といった内装に仕上げること。
小料理屋に合う”和”の雰囲気を作り上げることで”喧騒を忘れられる空間”に仕上がります。
愛される小料理屋にするために④顧客の心をつかむサービス提供の徹底
最後に、顧客の心をつかむサービス提供ができるか、という点です。
小料理屋に来てくれた顧客を一人一人気にかけ「今日もお疲れ様、お仕事どうだったの」といった家族のような声掛けができるか。
”心をつかむ”なんて聞くと、難しいように感じられるでしょう。
ですが、至ってシンプルです。
『いかに顧客に寄り添えるか』
大切なのはこれだけです。
寄り添うことができれば、愛される小料理屋になるのです。
IDEALでの事例紹介
ここでIDEALが施行した小料理屋の事例をご紹介しましょう。
『いぶり 有楽町店』を施行したときのポイントは下記のとおりです。
・あえてプライベート空間を提供している
・特徴的な和モダンな雰囲気で非日常感を演出
・自然素材をふんだんに取り入れて親しみ感を演出
人々が抱く”小料理屋のイメージ”を再現し、かつ、他の小料理屋とは違う”プライベート感”で差別化しているのが特徴です。
小料理屋としての見栄えの良さを維持しよう
小料理屋としての見栄えを良くするのも重要なポイントです。
・整理整頓を意識する
・換気設備を整える
この2点だけです。
それぞれ詳しくお伝えしますね。
小料理屋の見栄えUP①整理整頓を意識する
整理整頓された空間を維持しましょう。
顧客に見える部分はもちろんですが、顧客に見られない部分も含めて整理整頓されていることが重要です。
顧客に見える部分でいうと、
・日本酒のボトルの並べ方
・食器や調理道具の定位置
・食材を管理している場所、方法
など。
小料理屋としての内装、外観はいい雰囲気なのに、お酒や食器が散らかっているようでは台無しです。
いつでもどこでも、整理整頓を心がけましょう。
小料理屋の見栄えUP②換気設備の重視を忘れずに
換気設備を整えておきましょう。
できれば換気効果の高い『高機能換気設備』を導入するとベストです。
コロナの不安がまだ続く中、感染を広げないための対策は小料理屋にも求められます。
「このお店は感染対策をきちんと行っていますよ」と、アピールすることも必要です。
小料理屋としてクローズドキッチンにするメリット
ここでは、クローズドキッチンならではのメリットとデメリットをお伝えしてきましょう。
クローズドキッチンとは、食事する場から離れた場所にあるキッチン、厨房を指します。
まず、メリットは以下のとおりです↓
・落ち着いた空間を演出できる
・多くの料理を一気に作れる
・見栄えを気にせず、収納を使える
クローズドキッチンのメリット、デメリットを予め把握することが目的です。
小料理屋は、クローズドキッチン型のレイアウトが多く見られます。
小料理屋としての運営がスムーズに行えるよう、今のうちにイメージトレーニングをしていきましょう。
”小料理屋=クローズドキッチン”のメリット①落ち着いた空間を演出
1つ目のメリットは落ち着いた空間を演出できる、という点です。
クローズドキッチンにすることでなぜ、落ち着いた雰囲気が作られるのかというと、顧客との距離が遠くなるから。
調理場は、食材を取り扱うのに適度に明るい空間であることが求められます。
同時にどうしても”雑音”が生まれてしまいますよね。
一方で、顧客が食事を楽しむ場は、小料理屋としての雰囲気、ムードを漂わせなくてはなりません。
調理場を離すことで、それぞれ必要な空間を保てるようになるのです。
また、顧客は食事と会話に集中できます。
調理する側も「大きな音を出さないよう調理しなくては」と、気を使う必要がなくなります。
また顧客に見られる緊張感がなくなるので、より調理に集中できますね。
”小料理屋=クローズドキッチン”のメリット②多くの料理を一気に作れる
2つ目のメリットは、多くの料理を一気に作れる、という点です。
顧客と離れたキッチンなので、顧客の視線を気にすることなく調理に集中できます。
”調理だけ”をすればいいので、一度に多くの注文を受けたとしても混乱することが少なくなります。
”小料理屋=クローズドキッチン”のメリット③見栄えを気にせず、収納を使える
3つ目は、収納スペースを使える、増やせる、という点です。
たとえ収納スペースを増やしたとしても、小料理屋の雰囲気を損なわせる心配がありません。
顧客の目に入らない空間なので、調理しやすいよう食材や調理器具の収納スペースを増やすこともできます。
スムーズな調理のためにレイアウトを変えることも可能です。
小料理屋としてクローズドキッチンにするデメリット
クローズドキッチンのデメリットは次のとおりです。
・顧客への提供に時間がかかる
・厨房内の清潔、整理整頓の維持が必須
・料理の出来上がりを気にしないといけない
以上3つについてお伝えしていきますね。
”小料理屋=クローズドキッチン”のデメリット①顧客への提供に時間がかかる
デメリット1つ目は、料理をテーブルまで運ぶのに時間がかかる、という点です。
キッチンと顧客との距離が遠ければ遠いほど、持ち運びに時間がかかってしまいます。
予め「できあがりまで少々お時間を頂戴します」と声掛けすることで、顧客の食事を待つストレスの解消につなげているケースが多いです。
”小料理屋=クローズドキッチン”のデメリット②厨房内の清潔、整理整頓が維持できるか
2つ目のデメリットは、清潔な空間、整理整頓が維持できるか、という点です。
顧客に見られない分、掃除や整理整頓が疎かになる場合があります。
どこでも、いつでも清潔感を感じられるような工夫が求められます。
例えば、
・厨房スタッフに日頃から整理整頓を心がけさせる
・調理器具や調理機器を大切に使うよう声掛けする
など、スタッフへのアクションが必要です。
”小料理屋=クローズドキッチン”のデメリット③料理の出来上がりを気にしないといけない
最後に、料理の出来上がりを常に気にしないといけない、という点です。
先にこのデメリット解消法をお伝えしておくと、デシャップ(Dish UP)スタッフを設置すること。
出来上がった料理を、接客担当に渡す橋渡し的なスタッフが必要だということです。
キッチンとテーブルまで距離がある分、料理を運ぶのに時間がかかります。
そうなると、料理を運ぶスタッフは料理の出来上がりを常に気にするようになります。
キッチンとホールを連携させ、速やかに顧客の元へ料理を出すスタッフが必要になるのだと理解しましょう。
まとめ:愛される小料理屋にするには”顧客とどれだけ寄り添えるか”がカギ
小料理屋をオープンしたいお客様へ、常連客に愛される小料理屋の作り方、コツについてお伝えしていきました。
小料理屋をオープンするには、正しいステップを把握しておきましょう。
・コンセプトを決める
・資金を調達する
・内装、外観を決める
・内装施工業者を決める
・資格、許可証を取得する
・食器、備品を集める
・宣伝方法を考える
・助成金、補助金について調べる
また、愛される小料理屋を作り上げるには、
・立地条件
・温かいコミュニケーション
・日々の喧騒を忘れられる空間にする
・顧客の心をつかむサービス提供を徹底する
を意識することです。
お伝えしてきたポイントを押さえ、こだわりあふれる魅力的な小料理屋を作り上げてください。
「小料理屋として必要な知識や内装作りのポイントは理解できました。ですがやることが多すぎて開店準備がスムーズに進められるか不安です」
このような悩みを抱くのであれば、ぜひIDEALにご相談ください。
多くの飲食店開業に携わってきたIDEALであれば、そのようなお客様の不安や負担を減らせるかもしれません。
IDEALでは、
・デザイン設計
・内装工事の施工
・お店のパンフレット作り
・お店のWEBサイト作り
を、お受けいたします。
理想的な小料理屋が出来上がるよう、悩みや疑問点に一つ一つ対応いたします。
まずは一度、ご相談してみてはいかがでしょうか。
監修者
-
IDEAL編集部
日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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