2017.05.30  2020.08.06|新規開業ノウハウ

繁盛店に共通する立地条件のポイントってなに?

繁盛店に共通する立地条件のポイントってなに?

店舗デザインを考えるときに、外すことのできない要素に立地条件があります。

一等地、エリート地、お宝地など、いろいろな表現がありますが、これまでは立地がよければ、商売がうまく行く可能性が高いと言われてきました。ところが、以前は一等地と考えられていた駅前通りが今はシャッター通り。

昔は華やかでいつも買い物客で賑わっていた通りが寂れ、人の姿がなくなっているのです。

では、繁盛店にするために、「店舗の立地」をどのように考えて行ったらよいのでしょうか。

立地条件の今と昔

店舗を広告などで紹介するときは、以前だったら「駅から徒歩0分」の表現に見るように、駅に近く簡単にアクセスできることが大切な要素の一つでした。

ところが、一番便利なはずの駅前通りは、今はシャッター通りに変容してしまい、立地の意味がわからなくなっています。なぜ近くて便利なのに顧客が来なくなってしまったのでしょうか。

考えられる一番大きな理由は、庶民の生活が車に頼る生活になったことです。

それまではバスで駅前の商店街に出かけそこで買い物をしてまたバスで帰ってきました。それが、今は、ほとんどの家庭に車が普及し、買い物はすべて車で行うようになりました。

車に頼る生活に合わせ、各町では、田んぼや野原の真ん中に、駐車場を完備した大きなショッピングセンターが建てられました。

このショッピングセンターには生活用品を扱う店舗が集約されていますから、そこに行けば、ほとんどの買い物の用は足りてしまいます。

これに対して、ショッピングセンターが建てられ始めた頃、昔ながらの駅前通りはどうだったでしょうか。

まず、駐車場がありませんでした。

あっても車を2~3台駐車できるほどの小さなものが付随しているだけで、すぐに満車になってしまいました。しかも、売っていたものは昔とあまり変わらない「伝統的」なものがほとんどでした。

これでは、訪れる顧客が少なくなってしまったこともうなずけます。

駅前通りは今でも一等地?

シャッター通りは今では当たり前の光景になってしまいましたが、実際には駅から降りてアクセスしやすい駅前通りは、まだ一等地になれる要素を持っているのです。

それを示す例がオーストラリアにあります。

オーストラリアには日本よりももっと規模の大きなショッピングセンターが各地域にありますが、昔の商店街もまだ健在です。

(ここで敢えて「昔の商店街」としたのは、オーストラリアでは鉄道網が日本ほど発達していないので、大通りが必ずしも駅に近いところにあるとはかぎらないからです。)

オーストラリアも、ショッピングセンターが作られたころには珍しさも手伝って、昔の商店街を利用する顧客も一時的に減ったのですが、地方政府が対策することにより賑やかな場所に復活しています。

一番大きな対策は、駐車場を十分に作ったことです。

路上駐車の規則を変えてより多くの車が駐車できるようにしたり、50台くらい停められる駐車場を作ったりしました。おかげで、一番混む土曜日の朝でさえ、駐車に困ることはなくなりました。

2つ目の対策は、店舗への税金を減らし、店舗を誘致したことです。
スーパーマーケット、パン屋、八百屋、レストラン、銀行、ガソリンスタンドなど、様々な店舗が出店するようになりました。

駅前通りの立地を活かした店舗

上述のオーストラリアの例は、地域の政府の力があって実現したことで、それを日本で今すぐに実現するのは、難しいかもしれません。けれども、適切な対策を施せば、昔の商店街も復活できることを物語っています。

そうした長期的対策はさておき、現在でも、駅前の便利さを活かしてでビジネス効果を上げている店舗もあります。

ビジネスホテル

ビジネスホテルは、名前の通りビジネス関係者をターゲットにしたホテルです。

ビジネス関係者にとって時間を有効に使うことは一番大切なことですから、駅で電車から降りて、簡単にアクセスできる駅前のビジネスホテルは魅力的な存在です。

また、旅行者に中には移動に時間を掛けたくない旅行者もいます。
そのような人にとっても、駅前のビジネスホテルはありがたい存在になっています。

レストラン

駅前に作られたレストランは、駅前のビジネスホテルの建設に付随して発展したものです。

こうしたレストランは、ビジネスホテルの宿泊客が夕食を取るための場所を提供しています。ただ、駐車場が完備されていないため、その地域の人が訪れることが少ないのが残念です。

今後この点を改善していけば、駅前を一つのレストラン街として発展することも可能なのではないでしょうか。

コンビニストア

コンビニストアにとって利用客の多い駅の駅前は一等地だと言えます。

駅前にあるコンビニは、電車を待つ少しの間に、また、電車から降りて目的地に向かう前の時間帯に、ちょっとしたものを買うのに最適の店舗です。

実際駅前に作られたコンビニストアはいつも人でいっぱいです。

インターネットの影響を受ける立地選び

店舗の立地選びを考えるときにもう一つ忘れてはいけないのが、インターネット上で店舗の名前を知られることです。
何か物を買いたいとき、サービスを受けたいとき、大抵の人はまずインターネット上で情報を集めます。

たぶんいきなり店舗に行く人は、スマートフォンを持っていない人ぐらいでしょう。ですから、インターネット上でどれくらいアピールできるかが実際の立地よりも大切になっています。

言い換えれば、インターネット上で、買い手に、売っている商品を買いたいと思わせることができれば、少しくらい不便な所に店舗があっても人はやってくるのです。
特に車に頼ることの大きい地方の店舗ではその傾向が大きいと言えるでしょう。

まとめ

以前は店舗づくりには立地選びが重要な意味を持っていました。特に駅前通りは一等地として商店街が発展したところでした。

ところが、車の普及に伴い大規模なショッピングセンターが出現し、一等地だった駅前通りはシャッター通りに変容してしまいました。

一方で、ホテルやコンビニストアなど駅前のアクセスの良さを活かして成功している店舗もあります。またインターネットで名前を知られることも大切な要素になっています。

店舗の立地選びは、今確かに、別の次元に入っているのです。

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監修者

IDEAL編集部

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