2020.07.21 2020.09.09|店舗デザイン
デザインされた店舗が顧客へ与える印象と効果
店舗デザインの工夫をすると顧客に与える印象が変わり、売上にも大きな影響を及ぼすことが知られています。
しかし、何をすれば顧客を変化させることができるのかがわからず、店舗デザインに苦労しているケースもあるでしょう。この記事では店舗デザインがもたらす代表的な三つの効果とその効果に影響する因子を解説します。
目次
店舗デザインはお客様の来店動機に働きかける
店舗を利用する顧客を増やすのはマーケティングにおける基本目標です。店舗デザインは顧客が店舗を訪れたいかどうかを左右する要素となるため、工夫によってマーケティングに匹敵する効果を発揮します。
影響力が大きい四つの因子について紹介するのでどのようにデザインすべきかを考えてみましょう。
目を奪う店舗の外観デザイン
まだ店舗を訪れたことがない顧客がこの店に入ろうかと悩んだときに見ているのは外観です。
外観から受ける印象によって入店するかしないかの判断をするのは一般的で、外観デザインによる効果は大きなものです。まず、遠方からでもどのようなサービスをしている店舗かがわかることが大切です。
オブジェクトや看板などを駆使して一目でわかるように仕上げると顧客が気づいてくれる可能性が高まります。さらに近くの建物と比べて際立って見えるように色彩や色のパターンを工夫すると顧客の目を奪うことができます。
そして、近くに来て店舗の様子を見たときに、安心してくれるような情報を確認できるようにしておきましょう。店内の様子を窺える、料金やメニューが外に掲示されているといった点は安心感をもたらす重要なデザインです。
集客力に響く話題性
顧客が来店する動機は必ずしも店舗を外から見た様子で入ってみたいと思ったからだとは限りません。口コミやブログ、SNSなどで話題になっていたから行ってみたいと考えることがよくあります。
話題性がある店舗デザインにするのは顧客に興味を持ってもらうために重要な因子です。外観デザインで目立つオブジェクトを使う方法や、内装で独特なテーマ性のあるデザインにする方法など、多様なアプローチを選べます。
一般の人は意外性や共感性があるものを話題にしたいと考えてブログやSNSなどで共有し、口コミで話題にする傾向があります。話題性を高めるにはターゲットにする顧客層を考え、その人たちの考え方を理解してデザインを工夫することが必要です。
店舗への滞在を促すファーストビュー
店舗に顧客に踏み入れてもらうことができても、奥まで入らずに出て行ってしまうことも少なくはありません。
顧客が商品を見てみよう、サービスを利用してみようと思うかどうかも店舗デザインによって左右されます。この点で重要なのがファーストビューです。
店舗に一歩足を踏み入れたときの第一印象によって、そのまま入っていくか、引き返すかが変わります。
もともと顧客が持っていたイメージとのギャップがあまり大きくないことが重要で、外観と内装の橋渡しをする空間を作ることが必要です。
また、奥を覗くと明るいと感じるように照明を設計するのも効果的で、人は明るいところに向かいたくなるという心理を活用する効果的な方法です。
ブランドを重視したデザイン
ブランド名が知られている場合にはブランディングを意識した店舗デザインをするのが効果的です。
ブランドイメージによって店舗に入らずともどのようなサービスを受けられるかを想像してもらえるため、来店動機に大きな影響を与えます。
店舗の外観だけでなくファーストビューでもブランドカラーを意識するといった工夫をすることでスムーズに顧客を店内に引き込めるでしょう。
店舗デザインは顧客の滞在時間に影響する
店舗デザインは入店した顧客がどのくらい滞在したいと思うかにも働きかける効果があります。
内装デザインが顧客の滞在時間には大きな影響を与えますが、どのようにしてデザインしたら良いのでしょうか。重要な因子を三つ取り上げて考えてみましょう。
色彩効果の影響
店内の雰囲気に大きな影響を与える因子としてまず挙げられるのが色彩です。環境の色彩効果によって心が大きく動かされることがよく知られています。
赤色や橙色、黄色などは緊張感や気分の高揚をもたらし、活動的になるように働きかけます。
滞在時間は短くて良いから活発な消費行動をして欲しいという店舗に向いていて、ファーストフード店などでよく用いられているデザインです。
一方、青色や緑色は心の落ち着きや冷静さをもたらすことから滞在時間は長くなりますが、消費行動は抑えられがちです。サロンやクリニックなどのように待ち時間が長くて、リラックスして欲しい店舗に最適な色調でしょう。
空間の広さの効果
顧客の心地良さを決める重要な因子となるのが空間の広さです。窮屈な空間は圧迫感があって出て行きたいという気持ちになりやすく、開放的過ぎる空間は落ち着かないと感じてしまう傾向があります。
サービスの内容に応じた適度な空間の広さを整えると顧客が満足する快適さを提供できます。レストランのテーブルなら隣と少し間隔があった方が窮屈感がなくなるでしょう。
ただ、狭い個室は良くないというわけではなく、居酒屋やバーではしばしば作られているデザインです。狭いと情報が外に漏れにくいという印象を持つ傾向があり、秘密の相談をしたいときに重宝されます。
このような心理の違いを意識しながら空間の広さを設計していくのが大切です。
レイアウトのデザイン
顧客が快適に利用できるかを左右する因子としてレイアウトも挙げられます。店舗デザインではレイアウトによる動線の設計が重要です。
一周しないと入口からレジまで行けないといったレイアウトにして大きな売り上げを出すのに成功している事例もあります。
しかし、顧客としては滞在時間が長くなる前提で入らなければならないため、速やかに買い物を済ませたい人からは敬遠されてしまうでしょう。
ターゲットによって適切な動線設計が異なり、すぐに目的のものだけ買いたい人を大勢集めていくのなら動線の自由度を上げ、無駄なくサービスを利用できるようにレイアウトするのが肝心です。
店舗デザインの工夫が顧客のリピーター化につながる
顧客にまた来たいと思ってもらい、リピーターとして売上に貢献してもらうことは店舗経営において欠かせないことです。店舗デザインは顧客の再訪意思にも大きな影響をもたらします。
リピーター化につながる重要な因子が二つあるので、それぞれどのような工夫が必要なのかを詳しく理解しておきましょう。
顧客ニーズに期待に応えるデザイン
リピーターを獲得するための工夫として最も重要なのがニーズに応えることです。期待していたサービスを受けられたというだけで十分で、期待以上の満足をさせることは必須ではありません。
店舗デザインにはサービスの内容が全く同じでも、顧客としては質が高いと感じさせることができる力があります。
リラックスしたいと考えている顧客が集まるなら、青色や緑色の色彩効果を使い、窮屈間のないスペース作りをしてサービスを提供すると満足度が高くなります。
顧客が何を求めているかを分析して、満足度の補強を重視したデザインにすると、また来たいという声が上がるようになるでしょう。
清潔感を重視した仕上がり
顧客が今回きりで終わりにしようと思ってしまうのは嫌な点が気になったからだということがよくあります。肯定される要素を増やすよりも否定される要因を失くすのが実は顧客のリピート意志を高めることにつながります。
ネガティブな要因として多くの顧客に共通するのが清潔感のなさです。白などの明るい色調や白色照明などを利用して清潔感のあるデザインに仕上げるのは顧客が再訪する店舗の候補にしてもらうために欠かせないことです。
集客の基本になる店舗デザインの工夫
店舗デザインは顧客を店内に導き、滞在させて購入を促し、再訪したいと考えてもらうための要素を詰め込むことができます。
集客力を上げるためには外観や内装、レイアウトに至るまで幅広く顧客に合わせた設計をする必要があります。しかし、目的やコンセプトに合ったデザインをすれば顧客の心を動かすことができるので工夫をしてみましょう。
監修者
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IDEAL編集部
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