2017.04.29  2020.08.03|店舗運営ノウハウ

【店長の役割】お店のトップがオーナーではなく店長であるワケ

【店長の役割】お店のトップがオーナーではなく店長であるワケ

お店を開業するオーナーにとって、自ら現場責任者として活動するケースもありますが、やはり経営に専念したいものです。そのときに必要となるのが、自身の代わりに現場を仕切ってくれる店長の存在です。

身内で固める場合を除いて、どんな人材が良い店長となるでしょうか。飲食店を例にして考えていきましょう。

店長は経営者である

サービス業の現場を経て新規開業する人は、恐らく店長を経験していることが多いでしょう。

企業に従事していたゆえに、「自分だったらもっとこうするのに…」という思いから、オーナーになってやりたいようにしてみようという気持ちが強くでています。

しかし、サービス業を経験していないオーナーの場合、店長の存在というのは普段何をしているかというのはあまり印象がないことでしょう。

店長とは経験者にしか分からない苦悩がたくさんあり、店舗にとっては一種の経営者ともいえる存在といえます。新オーナーからすれば、自分が経営者であるはずなのに、なぜ店長は経営者ともいえるのでしょうか。次にみていきます。

お店のトップはオーナーではなく店長

多くの大手チェーン店で取り扱われている内容としてあるのが、店長はそのお店のトップといえる存在です。オーナーはその店舗の運営を監督する立場にあります(オーナー店長の場合を除く)。では店長の仕事とはどのようなものなのでしょうか。

現場の作業ができる

店長たるもの、スタッフを教育しないといけません。特に飲食店などのサービス業は、客単価が安いほど、店長以外はアルバイトというケースがほとんどです。自分が作業できないと人に教えることができません。

店長には現場の作業がすべてできないといけません。子供が急に熱を出したり、部活が長引いたりして、アルバイトは急な欠勤が多いものです。欠員補充がすぐにできない場合は、店長がその担当部署を補てんしないといけません。

また、アルバイトは自然と仕事を覚えていきますが、作業スピードが速くなってくると、店長以上に発言力が強くなるアルバイトも出てきます。このようなアルバイトを抑えるには担当作業を任せきりにしてはいけません。

店長が定期的にローテーションでシフトに入り、改善するところや手を抜いていそうなところをチェックし、常に指導・教育できるようにしておかなくてはなりません。増長するアルバイトは、お店にとってさまざまな悪影響を及ぼします。

売上やコストの管理

店長の仕事は時間帯によっての売上管理も重要です。どの時間帯にどのような客層が入店しているか、客単価はどうなっているか、売れている商品と人気がない商品の把握もしています。

また、食材の発注・原価管理や光熱費の状況、アルバイトの人件費など、さまざまお金に関わることを把握しています。

一カ月に関わる売上やコストからくる利益というのは、現場にいる店長が一番把握しやすくなっています。

さらに、どのコストを削減していくか、どの商品に力を入れていくかというのは、外から見たオーナーよりも、現場のスタッフの意見やお客様の声を直接聞いている店長の方が理解しているといえるでしょう。

最も大事な人材教育

店長の仕事で重要なのが、人材教育です。軸となるアルバイトリーダーを育て、自身が休みの日もシフトを回していけるようにしないといけません。店長にとってアルバイトを育てるというのは、自身の多忙な業務を軽減することにつながります。

教育も配膳からメニューを提供してレジでお会計という作業だけではなく、お客様への接し方や清掃など、どうしてこれらが仕事に必要なのかということを理解してもらわないといけません。

また、学生を雇っていると、就職活動や試験で長期離脱したり、辞めることも出てきます。そんなときは求人をかけますが、また一から育てる必要があります。

色んな年齢層がいるお店なら、アルバイト同士のトラブルも勃発するでしょうし、それを解決しなくてはいけません。

店長はその他の仕事も盛りだくさん

アルバイトのシフトを作成するのも店長の仕事です。業者との付き合いや新メニューの考案、時にはお客様からのクレーム対応に追われます。

朝9時から仕込みが始まり、11時から23時まで店舗だと、片付け終わるのが深夜0時を回っています。拘束時間だけで15時間以上も超えることになります。

最近社会問題となっている、ブラック企業によるうつ病や過労死問題ともかかわってきます。それほど店長の仕事はハードスケジュールなのです。

良い店長とは

それでは良い店長とはどのような人材なのでしょうか。上記の仕事を完璧にやり遂げる人材かといえば、そんなスーパー店長は存在しないでしょう。

それよりも、オーナーと密に連絡が取りあえて、現場の問題点を提起し、悩みを素直に打ち明けることができる存在は良い店長といえます。

また、店長は現場の最高責任者です。アルバイトリーダーに主導権を握られたり、お局さんを作ってしまったりしてはいけません。

常に自身が責任者として存在し、アルバイトをと良好な関係を築きながらも、叱るべきところはどのスタッフであっても差別することなく叱れる人材が良い店長といえます。

オーナーは店長を助けるもの

店長は上記に挙げた以外にも、まだまだ仕事はあります。業績が悪くなると販促活動を考えないといけません。

しかし、売上が悪いのにアルバイトを多くシフトに入れることもできず、結局店長自身がシフトに入って、人件費をカバーしなくてはならなくなります。

このような状況では販促活動の案など考えている暇もありません。社員を2人体制にすると人件費だけで圧迫し、さらに多くのアルバイトを削らないといけなくなります。

オーナーはこのような状況でも店長を叱咤するのではなく、責任を押し付けてもいけません。むしろ、店長を助けるように努力し、お互いに問題点を考えていき、一緒にお店を作り上げていくように努力をしていきましょう。

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監修者

IDEAL編集部

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