2017.05.15 2020.08.04|店舗運営ノウハウ
【3事例で見えた特徴と問題点】コンビニ経営が難しいワケ
街中の看板広告によく見かけるのが「コンビニ開業しませんか」といったフランチャイズの広告です。
我々の暮らしに便利なコンビニですが、さまざまなサービスが増えており、経営者の苦労も絶えません。24時間営業のつらさやアルバイトもだれでも出来るというようなイメージがあり、外から見るのと実際に働くのでは大きなギャップが感じられます。
そんなコンビニ経営の難しさをここでご紹介していきます。
利便性のあるコンビニは需要も高い
コンビニは日本最大のサービス業といっても過言ではないくらい、我々の暮らしに浸透しており、無くなっては困る業態といえます。利便性があり、需要も高く、多くの新規開業者がコンビニ経営を真っ先に思いつくことでしょう。
コンビニは地域の防犯の役目も担い、24時間営業していることで、翌日早朝に必要になる急な買い物やATMの利便性、車などを運転しているときのトイレ休憩などで非常に助かったという人は少なくないはずです。
そんなありがたいコンビニですが、いざ経営するととんでもないくらい大変で、とても利益を出すことなんて不可能ではないかというくらいコストがかかり、肉体的にも精神的にも重労働となっています。
多様化するサービス
コンビニでできることをすべて把握している消費者は何人いるでしょうか。基本的には食料品や日用品の買い物になります。コピー機やFAX、ATMに宅配受け取りというのは従来のサービスの一環でもあります。
コーヒーメーカーの設置や今ではドーナツもショーケースで販売しているなど、「ここはどこだ?」というような展開をしています。プリント機能では名刺まで作れたりします。
スマホアプリと連携すれば、急に必要になった場合にその場でデータを作成できることから重宝することでしょう。
しかし、これらの業務や操作方法などをしっかりとマニュアルで勉強し、アルバイトに教育をしていくのがオーナー店長の役目でもあります。
アルバイトの教育
深夜のコンビニへ行くと、眠そうな店員が奥の部屋から出てきて、不愛想にレジを打つ姿を目にします。
夜にまで愛想よくしろとはいえませんが、ある程度のあいさつ「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」くらいは元気にしてほしいものです。なぜ無愛想な店員が多いのでしょうか。
オーナー店長の場合、基本的に家族経営していますので、昼は子どもや妻が働き、夜は夫がシフトに入っているケースが多くあります。
しかし、複数店舗をもっていたり、お昼のシフトに人員が足りずに入っているオーナー店長もいることでしょう。このような状態だと、深夜のアルバイトが入ってきたら、任せっきりになってしまいます。
慣れてくると手を抜きがちに仕事する
深夜のアルバイトというのは、最初は緊張気味にしているものの、慣れてくるとどうしても手を抜きがちになります。
特にワンオペレーションでやりくりしている店舗ですと、深夜はどちらかというと暇な時間帯が長く、やることも見つからないので、バックヤードで座っていたりしています。
このような状態が続くと、アルバイト自身が気づいて気持ちの改善をすることが難しく、アルバイトのモチベーションは下がる一方となります。
オーナー店長も辞められたら自分がほぼ24時間拘束されてしまうので、なかなか強く言えなかったりします。
しかし、これではアルバイトは育ちませんし、何よりお客様が不愉快になります。例え深夜でも愛想の良い店員というのは気持ちが良く、地域に複数あるコンビニですから、お客様は満足感の高い店舗を選ぶことがうかがえます。
面接で資質を見抜けるように
ある程度は面接で適正を見抜き、笑顔、活気がありそうな人材を積極的に採用するようにしていきましょう。
また、定期的に面談を実施し、アルバイトの不平・不満を聞きながら、一緒になって改善していく方法を模索していくと、アルバイトのモチベーションが向上するきっかけになります。
誰でも放ったらかしにされるよりかは、仕事ぶりをきちんと見てくれていて評価されるほうが嬉しいものです。
廃棄ロスの考え方
コンビニを経営していく中で、大問題となっているのが廃棄ロスについてです。一般論でいくと、お弁当などの惣菜に関して、注文し過ぎると賞味期限が早い商品ですので、もちろん廃棄する商品が増えます。
例えば10個の唐揚げ弁当を注文して10個全てが出た場合、売り切れとなってしまいますが、廃棄ロスはありません。理想的な展開といえます。
しかし、コンビニ本部からすると、その10個の唐揚げ弁当が完売したいがために、次のお客様は唐揚げ弁当を選べずに、他のお店に行ってしまったという解釈をしてきます。
これを売上ロスと考えると、本来なら購入されていたはずの唐揚げ弁当の売上が消えてしまったわけです。
このことから、本部は陳列が空になって、売上を逃さないようにするために、売れ残りが出てもお客様を逃すなという指令を出してきます。現場としてはかなりキツイ指令といえます。
廃棄ロスがロイヤリティに
この廃棄ロスですが、実はロイヤリティが加算されている店舗があります。廃棄したというのは売上になりませんから、ロイヤリティは支払わなくていいといのうが一般的な解釈です。
しかし、コンビニ業界は廃棄ロスを販売費として扱い、ロイヤリティを発生させています。
あとあと、気づいても後の祭りです。こういうのは、事前に話し合いがなされないケースが多いので、コンビニを経営する際は十分気をつけましょう。
監修者
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IDEAL編集部
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