2017.09.01 2020.09.09|店舗デザイン
成功したユニクロとH&Mから見る店舗デザイン・内装の違いと共通点
「アパレル業界、これからはネット販売が主流」そんな見出しがネット上を飾ったのはつい5年くらい前でしょうか。
その頃は、これからはアパレル関係はすべてネットでオーダーして自宅で受け取るやり方が広まり、アパレル店舗は消えてゆくのだろうと誰しもが想像したのではないでしょうか。
ところが、それから5年たった今、アパレル店舗は消えていないどころか、まだまだ健在のように見えます。これはいったいなぜなのでしょうか。
目次
ネット購入の問題点とは?
5年ほど前にアパレルのネット販売がピークに達したころから、アパレル商品の買い方はいくつかのステージを通って変わってきました。
まず最初は、とにかくネットで注文し自宅で受け取るやり方でした。これはたぶん、それまでにない新しい買い方だったので注目を集め、その新しさに集団心理が働き、誰しもがネット購入になびいていったのだと思います。
試着できない辛さ
ところが、ネット購入だと、試着をしないで買うわけですから送られて来たものが体形に合わなかったり、実際に受け取ったものがネット上のイメージと違っていたりという問題が起きやすくなります。
買ったものが合わない時は、期限付きの無料返品サービスがあり、損することはなかったのですが、返品のアレンジが面倒くさいことと、
変更した商品が届くまでさらに待たなくてはいけなくなり、それがストレスの原因にもなりました。
体形に合わない問題を解決するための手法として現れたのが、店舗で調べて試着しネットで発注するやり方です。
このやり方では、体形に合わない問題は解決しますが、オーダーした商品が届くまで待つことに変わりはありません。
そのため、最近では、反対に、ネットでいろいろ検索し、大体の情報を集めておいて店舗に行って試着し、そこで購入するやり方に変わってきているとも言われています。
世代間で差があるアパレル商品の購入方法
またアパレル関係の消費動向を調べた興味深い調査があります。マーケティング情報メディアである「BWRITE」が2016年に20歳以上の女性約200人を対象に行った調査ですが、
この調査では、世代間に違いがあることがわかります。30代や40代ではネット購入する人が多く、20代では店舗購入が多いという結果になっています。
30代や40代がネット購入を好むのは、「ネットで買ったほうが安い」「店員に煩わされることがない」「買に行く時間がない」ことなどを理由に挙げています。
一方20代が店舗購入を好む理由は、「試着できる/試着したい」「最終的に見て判断したい」「すぐに購入したい」などです。若い世代ほど、店舗で購入することを好んでいることがわかります。
アパレル店舗の問題
つまり20代では子供のいる人も少なく自由な時間が多くあり、その分、実際に商品を手に取って見て試着できる店舗購入の方が便利だということになります。
ただし、30代40代がネット購入を好む理由の一つとしてあげている「店員に煩わされることがない」を別の言い方で表現すると、「店員に煩わされたくないから店舗に行かない」ということにもなります。
アパレル店舗の開業を考えるときには改善の必要がある問題だと思います。
ユニクロとH&Mに見る成功するアパレル店舗とは?
では、実際に店舗を構えて繁盛している2つのアパレルショップを例にとって、成功するアパレルショップの要因を探ってみましょう。
この2つのショップとはユニクロとH&Mです。折しも最近オープンしたばかりの近くのショッピングセンターには、この2つのアパレルショップが隣同士に配置されています。
面白いのは、ユニクロとH&Mでは売っている商品のデザインも店舗内のアレンジも正反対なのにどちらも顧客でいっぱいということです。その魅力はどこにあるのでしょうか。
ユニクロはシンプルで整然
ユニクロではご存知のようにシンプルで機能的なアパレル商品がたくさん売られています。並べ方も整然とし、しかもしっかり色分けしていますから、
一見瞭然。だいたいどこにどのようなものが置かれているのかがすぐ分かるようになっています。そのため、ユニクロでは欲しいものがすぐみつかり、買い物が簡単です。
H&Mはカラフルな迷路
一方H&Mでは、デザインもエスニック的でカラフルなものが多いですね。
そして、商品の置き方はユニクロとは対照的で、結構ごちゃごちゃした感じになっています。(少なくとも近くにあるH&Mではそうです。)でもこのごちゃごちゃがなぜか心地良いんです。
ちょうどテーマパークなどにある迷路に入って出口を探しているのと同じで、ごちゃごちゃに並べられたアパレル商品の中をあちこち歩きながら自分の気に入ったものを探すのはどこかワクワクするものです。
2つのショップの共通点とは?
このように全く正反対の商品を正反対の店舗アレンジで売っているユニクロとH&Mですが、この2つのショップには共通点があります。
まずたくさんの種類の質の良いアパレル商品を売っていることです。そして店舗内が明るく清潔です。その上、ユニクロもH&Mも店員がうるさくないのがうれしいです。
少しは声を掛けてくる店員もいますが、こちらが話したくない素振りを見せればそれ以上迫ってくることはありません。それに、試着室やレジにいる店員の態度がとても丁寧。良く教育されているのがわかります。
違いと共通点、そのどちらからもユニクロとH&Mの人気の秘密が垣間見れますね。
まとめ
ひと頃ネット販売に顧客をとられたアパレル店舗ですが、最近では自分の目で見て選びたい、試着して買いたいという顧客の要求が強まり、また復活している感があります。
アパレル店舗として世界的に有名なユニクロとH&M。この2つのアパレルショップは対照的で大きな違いがありますが、同時に共通点もあります。その違いと共通点からすてきな店舗デザインのアイデアを見つけてください。
監修者
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IDEAL編集部
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