2021.04.01 2021.03.23|店舗運営ノウハウ
整理整頓の基本!”3定管理”を知っていますか?
「3定管理って何ですか?開店方法について調べているうちに目につきました。必要な知識なのでしょうか。」というお客様への記事です。
結論から言いますと、3定管理(読み方:さんていかんり)は、商品や在庫のための迷子防止策です。
もともとは、工場や製造業などでよく使われる言葉であり、膨大な量の部品や材料を効率よく管理できるための考え方として知られています。
一方で、飲食店や販売店にも十分すぎるほど有益な考え方でもあるのです。
3定管理を把握しておくことで、商品の整理整頓から管理方法までを根本から理解できるようになるんですよ。
当記事では、
・”3定管理”という概念
・5Sの重要性
について、どこよりも分かりやすくお伝えしていきますね。
初めてのお店を持つとなると、初心者の皆様は開店ノウハウばかりを集めてしまいがちです。
ですが、重要なのは開店してからの運営方法をしっかりと確立することです。
3定管理を知らないのと、知っているのとでは、後者の方がスマートな運営を実現できます。
開店ステップに入る前に、もう少しだけ深く知識をストックしておきましょう。
目次
3定管理とは”位置、物、量”のこと
3定管理とは「在庫として決まっているものが、決まった場所に、決まった量だけ置ける」管理方法を指します。
具体的には、
・定位→商品を置く”場所”を定める
・定品→商品として置く”もの”を定める
・定量→商品を置く”量”を定める
の3つの意味を持っています。
分かりやすく言うならば、お店における商品の整理整頓の基本と心得だと理解して下さい。
3定管理は、お店運営の基本である”5S”の内の一つでもあります。
5Sについては後ほど詳しくお伝えしますね。
3定管理を行うことで「〇〇に△△がどれくらいある」かが、誰にでも分かるようになります。
理想的な3定管理
3定管理ができているということは『誰がみても在庫の状態がよく分かるようになっている』ということです。
もし3定管理が行われていなければ、
・発注数を間違ってしまう
・情報を共有しない人が出てきてしまう
・在庫にあったはずの商品を紛失してしまう
・在庫の変更があったことをシェアしない人が出てくる
など、会社としての機能的なパフォーマンスが下がってしまいます。
最悪の場合、商品の管理不足が原因で、利益低下へと繋がってしまうことも考えられます。
それらを防ぐには、社員全員が、在庫情報を把握できるように表示することが大切なのだと心得ましょう。
3定管理の具体的な方法
3定管理を実施する具体的な方法としては、以下が挙げられます。
・商品を置く”場所”を固定化する
・商品として置く”物”を決めておく
・商品として置く”量”を決めておく
それぞれ詳しくお伝えしますね。
3定管理の方法①在庫を置く”場所”を固定化する
在庫を置く場所を固定化し、名前をつけましょう。
◇ポイント◇
・在庫の位置を変えない
・在庫を置く棚に名前を付ける
・在庫を置く箇所に名前をつける
・棚番マップ(在庫の地図)を作る
ただ、固定化するだけでは、まだ足りません。
必ず固定箇所に、番号なり名前なりを付けましょう。
固定化し名前をつけることで、お店に関わる全ての人が「〇〇が△△にある」と理解できるようになります。
また、
・棚がどこにある
・〇〇という商品がAという棚にある
など『棚番マップ』なる在庫の地図があればなおベスト。
特に、お店や在庫そのものの規模が大きくなる際は、ぜひ取り入れましょう。
3定管理の方法②在庫として置く”モノ”を決めておく
在庫として置くモノを決めましょう。
◇ポイント◇
置き場を決めるときは在庫の特性を考慮すること
やみくもに棚番を決めると、かえって生産性を下げてしまう可能性があるからです。
在庫として置いておくモノは”常に決まっている”と”決まっていない”に分かれます。
[在庫として置いておくモノが決まっている]
=固定ロケーション
置く在庫が明確に決まる
[在庫として置いておくモノが決まっていない]
=フリーロケーション
置く在庫がその都度変わる
フリーロケーションの場合、”何を仕入れたか”と”何を卸したか”‘を、常に記録しなければなりません。
どこにどのくらい置いたか分からなくなり、在庫の中身を把握できなくなるからです。
3定管理の方法③在庫として置く”量”を決めておく
在庫として置いておく量を決めましょう。
在庫の量を決めておく理由は、品質と安全を保つためです。
◇ポイント◇
・買いすぎない
・山積みにしない
・棚の耐荷重を確認し、常に表示させておく
具体的には、
・白線などで、在庫を置ける範囲を可視化する
・保管用のケースや箱などの入れ物を使用する
などの、心理的かつ物理的に工夫できます。
重要なのは、耐荷重を超える量を置かないよう配慮すること。
耐荷重を超えた場合、棚が壊れてしまい、保管している在庫が落ちてくる可能性あります。
とても危険で、ケガや事故の原因になります。
また、
・奥にある在庫が見えなくなる
・劣化が早くなってしまう可能性がある
ため、置く量を決めるのは重要なことです。
3定管理で得られるメリット
3定管理で得られるメリットは下記の通りです。
①作業効率UP
②回転率がUP
③見栄えがUP
④最新の情報が維持されている
「そんなことか」と感じられたかもしれませんね。
ですが①~③を理解しておくことは、重要なことです。
詳しくお伝えしますね。
3定管理のメリット①作業効率がUPする
1つ目は、作業効率がUPする、という点です。
具体的には、
・誰かに聞きに行く
・知ってる人を探す
・やみくもに探し回る
という”ムダ”な動きが無くなります。
”モノ”を探す、あるいは”詳しい人”を探すという行為のために、作業が中断することになります。
結果、業務効率が下がり、質を落とすことになりかねません。
置く場所とモノと量が決まっているだけで、自然に作業効率が上がることになりますね。
3定管理のメリット②回転率がUPする
2つ目は、お店の回転率がUPする、という点です。
回転率が上がる理由は、素早く商品を提供できるからです。
商品を素早く提供できることで、顧客を待たせることなくスムーズな接客ができます。
スムーズな商品提供ができる裏には、
・在庫切れを防止できている
・在庫のイレギュラーに気づきやすくなっている
といった背景があるものだと理解して下さい。
決まった場所で決まった量、モノを管理できれば、
・在庫が無くなっている
・在庫が少なくなっている
ことに気が付きやすくなります。
結果的に、お店の回転率を上げているのだと把握しましょう。
3定管理のメリット③見栄えがUPする
3つ目は、見栄えがよくなる、という点です。
商品や在庫を、決まった量、決まった場所に保管できているということは、整理整頓がきちんと成り立っているということです。
整理整頓が徹底されれば、仕事場としての見栄えが良いというだけでなく、人々に良い印象を与えられます。
結果、安心感と信頼を得られやすくなるのです。
キレイに片付けられたお店であれば、顧客だけでなくスタッフに対しても大きな安心感と信頼感を与えられます。
3定管理のメリット④最新の情報が維持されている
4つ目は、在庫情報が常に更新される、という点です。
在庫情報の更新がきちんと維持されれば、お店の経営、運営にマイナスに働くことはありません。
むしろプラスに働きます。
在庫情報を最新に保つには
・使った在庫を元に戻す(モノによる)
・変更があったときは都度更新する
ことを徹底しましょう。
例えば
「少し材料が余ったな。明日すぐに使うからこの場に置いておこう」
といった小さなことでもNGです。
たとえ残り少ない材料となった場合でも、必ず保管する棚、場所に戻すよう徹底して下さい。
それまで懸命に取り組んでいた3定管理が、全てムダになります。
置き場を決めてあるのですから、その場所に置かれないと3定管理の意味がありません。
また、在庫を置く場所や量、モノが変わったときは必ず更新しましょう。
情報が新しいものだと分かるよう、更新した日時を記録しておくと良いでしょう。
飲食店運営には”5S”が必要
飲食店の開業となれば、5Sは徹底していきましょう。
5Sとは
・整理
・整頓
・清掃
・清潔
・躾
のローマ字の頭文字を取って表した言葉です。
5Sの中で言う『整理、整頓』に当たるのが、お伝えしてきた3定管理です。
特に、食品を扱うお店は、5Sが必須です。
飲食店は、衛生的に問題がなく、クリーンな環境であることが求められるからです。
飲食店として5Sを徹底する具体的な動きについてお伝えしていきますね。
飲食店の5S:整理
徹底的に整理しましょう。
・必要なもののみ保管する
・要らないものは破棄する
・必要なものと要らないものを区別する
当たり前のことかもしれませんが、意外とできない店舗が多いのです。
飲食店の5S:整頓
徹底的に整頓しましょう。
・保管する場所を決める
・必要な量だけを使用する
・使ったら元の場所に戻す
整理整頓を心がけることは、イコール3定管理を意識することになります。
飲食店の5S:清掃
お掃除は定期的に実施しましょう。
ゴミやホコリが溜まってからお掃除するのは時間と労力がかかります。
定期的に、小さくサクッとお掃除する方が工数が少なく済みますよ。
清掃の手順はマニュアル化しましょう。
誰でもできるようにすることが理想です。
誰が見ても「キレイなお店だな」と感じるお店を維持しましょう。
飲食店の5S:清潔
常にクリーンなお店を維持しましょう。
目で見える箇所だけではなく、
・クリーンな空間
・身だしなみが整ったスタッフ
・道具や器具の消臭、除菌、防菌
など、掃除だけでカバーできない部分を指します。
顧客やスタッフに「清潔感があってクリアな印象」を与えられるお店を維持しましょう。
飲食店の5S:躾
躾…というと、あまり良い印象ではありませんが、”習慣づけ”を徹底しましょう。
具体的には
・スタッフに情報を共有する
・スタッフにルールを知ってもらう
・スタッフにルール通り動いてもらう
といったことを徹底して下さい。
3定管理と5Sを、お店に関わる人全員に共有しましょう。
「お店のオーナーや店長だけで把握していれば良い」という考えは適切ではありません。
まとめ:3定管理ができればクリーンなお店になる
お店の開業を目指しているお客様へ、3定管理の考え方と具体的なノウハウをお伝えしてきました。
3定管理が徹底できれば、
・誰かに聞きに行く
・知ってる人を探す
・やみくもに探し回る
といったムダな要素が省けるようになります。
また、
・作業効率がUPする
・回転率がUPする
・見栄えがUPする
・最新の情報が維持されている
といったメリットも得られます。
結果的に、お店全体のパフォーマンスが良くなるものだと期待できるのです。
オーナーとして「在庫管理にもこだわりを持ちたい」というお気持ちもあることでしょう。
ですが、まずは基本的な考え方を理解しておきましょう。
こだわりを持つのは、ベースが出来上がってからでも遅くはありません。
「お店の運営上、3定管理が重要なのだと理解できました。ですがやることが多すぎて開店準備がスムーズに進められるか不安です」
このような悩みを抱くのであれば、ぜひIDEALにご相談ください。
多くの飲食店開業に携わってきたIDEALであれば、そのようなお客様の不安や負担を減らせるかもしれません。
IDEALでは、
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を、お受けいたします。
お客様の理想的なお店が出来上がるよう、お悩みや疑問点に一つ一つ対応いたします。
まずは一度、ご相談してみてはいかがでしょうか。
監修者
-
IDEAL編集部
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