2021.05.25  2021.05.22|店舗運営ノウハウ

ショッピングセンターの新たな波にどう乗る?ショッピングセンターの新しい形とは?

ショッピングセンターの新たな波にどう乗る?ショッピングセンターの新しい形とは?

「SCをオープンさせたいのですが、どんな課題がありますか。」
「SCを開業しても、この先需要がないでしょうか」
というお客様への記事です。

この記事で伝えていること↓
・SCってそもそもどんな施設?
・SCの需要が減っている理由
・これからのSCの形

「少し難しいテーマだな」と感じるかもしれませんね。

ですが、これまで多くのお店開業に携わってきたIDEAL(の中の人)が、どこよりも分かりやすく、見やすく解説していきます。

お客様には『「こんなSCにすればニーズがある」と、これからのSCに求めるものについて理解している人』になっていただきますね。

SCとは?

SCとは?

改めますが、SCとはショッピングセンターのことです(Shopping Centerの頭文字)

「ショッピングモール」という言葉もありますが、同じ意味です。

1つの施設内に、たくさんのお店を抱えているのが特徴ですね。

有名どころで言うと、
・イオン
・アリオ
・ららぽーと
・プレミアムアウトレット
などが挙げられます。

アパレルショップや飲食店、雑貨屋、靴屋など、いろいろなジャンルのお店が1つの施設の中で経営されています。

SCの課題:これまでのSCスタイルは減少傾向にある

SCの課題:これまでのSCスタイルは減少傾向にある

結論を言うと、これまでのSCスタイルは減少傾向にあります。

その理由は、人々が求めているものが変化してきたからです。

より具体的に理解していくために、
・アメリカのSCの状況
・日本のSCの状況
を例にして解説していきますね。

SCの課題:減少傾向にある理由①アメリカのSC状況

アメリカでSCが減少傾向にある理由は、以下の3点が挙げられます↓

・ネットショッピングが普及してきたから
・1つの地域にいくつものSCが建てられたから
・リニューアルできないほど建物が古くなったから

それぞれの理由を簡単に解説するとこうです↓

[ネットショッピングが普及してきたから]
より多くの人が、ネットショッピングを利用するようになり、直接SCに訪れる人が減った。

結果、売上が減り「営業していく意味がないな」と感じた店舗が、SCから撤退していった。

[1つの地域にいくつものSCが建てられたから]
SCが乱立してしまい、それぞれのSCで集客が伸びなかった。

[リニューアルできないほど建物が古くなったから]
SCは、古いもので築60年超え。
年数が経ちすぎて、リニューアルできなくなったSCは取り壊し。
その後、SCとは関係ない別目的の建物に建て替えられ、SCが衰退していった。

これまでのSCの特徴は、灰色の壁のボックス状の建物でした。
現在風のデザインとは程遠いデザインだったとのこと。

「グレーボックス」とも呼ばれ、薄暗く、開放感を感じない空間でした。
SCに対してレジャー感や憩いの場を求める顧客にとって、マッチしないSCだったのです。

SCの課題:減少傾向にある理由②日本のSC状況

SCの課題:減少傾向にある理由②日本のSC状況

日本での状況も理解しておきましょう。

日本でSCが衰退しているのか、と言うと、答えはNOです。

理由は下記のとおり↓
・SCの立地が変わってきただけ
・SCへのニーズは高まっている

簡単に解説しましょう。

これまでのSCは、郊外にある畑や田んぼの真ん中に作られてきました。

大きな駐車場を設けて、都心からわざわざ顧客が来ることも。
それが、近年では『駅ビルの中に複数の店舗を設ける』といった形でSCの需要が高まっているのです。

「わざわざ車で郊外に出かけなくても、駅に行けば買い物できる」
これ↑が、現在で求められている形だと理解できればOKです。

SCの課題をクリアするための新しい形とは?

SCの課題をクリアするための新しい形とは?

「じゃあ駅ビルにSCのように店舗を複数構えていけばいいのか」

というと、そうではありません。

駅の数には限りがありますし、どこの駅でも良いというわけではありませんからね。
流行り廃りもあって、店舗の入れ替わりが激しくなることも予想されるでしょう。

これから独自にSCを設けたいのであれば、考え方を変えなければなりません。

ヒントは『人は、どんなことに集まってくるのか』という視点を持つことです。
より具体的にお伝えするのに、アメリカを例にして解説していきますね。

SCの課題をクリアするために①米国のSCはライフスタイルセンターに

現代におけるアメリカのSCの多くは『ライフスタイルセンター』化しています。

”ライフスタイル”というくらいですから、”生活”がテーマのSCが増えてきた、と理解しましょう。

具体的には、以下の特徴が見られます↓
・休憩場所が多い
・自然豊かなエリアがある
・家族が楽しみながら過ごせる場がある

休憩場所にも、こだわりが見られるんですよ。

たとえば
・厚めのクッション付きのベンチ
・緑や花が豊かに飾られている空間
・天然木材のウッドベンチやテーブル
など。

ドリンク片手に自然を楽しみながら、談笑できるような、そんな”くつろげる空間”への演出力が高まっています。

SCの課題をクリアするために②日本のSCはパブリックスペース中心に考える

SCの課題をクリアするために②日本のSCはパブリックスペース中心に考える

日本ではどうでしょう。

結論、日本でSCを活性化させたいなら、パブリックスペースを充実させましょう。

『人がどんなことに集まってくるのか』←これがヒントだとお伝えしたのを覚えてるでしょうか。

現代では、少子化や地域の過疎化、ライフスタイルの多様化などによって、人と人とのつながりが弱くなってきた、と言われています。

「ではどうしたら地域が活性化されるか、どうしたら人同士のつながりが強くなるか」

それらを解決できるのが「SCになるのでは」という考え方です。

『人とのつながり』つまり『コミュニティ』を活性化するためには、まず人が集まること。

人が集まるには、”集まるための場所”を用意しないといけませんよね。

であれば、SC内に
・居心地の良いスペースを作る
・買い物ついでに立ち寄れる相談スペースを作る
・思わず参加したくなるような、イベントを実施する
などの工夫を施せることになります。

こうした工夫により、顧客の満足度がUPすれば、いずれ口コミで広がります。

話題性が生まれ、より多くの人々が利用してくれるSCになれるでしょう。

日本の新しいSCの形とは

日本の新しいSCの形とは

人々がこれからSCに求めることは、”過ごす時間”です。
もっと言うと、”暮らし”を提供できるSCを目指せるか、がカギです。

なぜなら、多くの現代人が求めるのは、モノではなく”コト”だからです。

”暮らし”を提供できるSCとは、たとえば
・旅行代理店があるSC
・美容室やエステがあるSC
・映画館やアミューズメントがあるSC
・医療施設や保育所、英会話教室があるSC
などが挙げられます。

『買い物しかできないSC』ではなく『生活の一部になれるようなSC』を目指しましょう。

ネットが当たり前になっている今は、モノや情報であふれています。
モノや情報に満足したら、次に人々が求めるのは”生活、暮らし”そのものなのです。

”体験”とも言い換えられますね。

とは言っても「もうそんなSCってあるでしょ。イオンとかららぽーととか」と感じた方もいるでしょう。
そこで、差別化するヒントをお伝えしますよ。

・公園をベースにしたSC
・ビーチをベースにしたSC

このとおり、2つの事例を紹介しますね。

新しいSCの形 例①"公園をベースに飲食店や店舗を配置(愛知県栄市久屋大通公園)

愛知県の『レイヤード ヒサヤオオドオリパーク』というSCを見ていきましょう。

公園の中に、いろいろなジャンルの店舗を設けたスタイルのSCです。

・飲食店
・アパレル
・レジャー
・アウトドア

といった、従来のSCと変わらない店舗数が、公園の中にあります。

エリア別に分かれていながらも、”公園”だからこその開放感を演出しています。

顧客に”身近なレジャー感”を提供していると言えるでしょう。

より、人々が集まりやすくなる点は、公園ならではのベネフィットですよね。

『Park-PFI』という制度で、お店の収益で公園の整備や維持管理を行っているのも特徴です。

参考サイト:公式HP

新しいSCの形 例②"ビーチをベースにおしゃれな飲食店やスポーツレジャーでビーチリゾートを実現(大阪府泉南市)

新しいSCの形 例②"ビーチをベースにおしゃれな飲食店やスポーツレジャーでビーチリゾートを実現(大阪府泉南市)

続いて、大阪の『泉南りんくう公園(SENNAN LONG PARK)』を見ていきましょう。

砂浜に沿ってレジャー施設や店舗を設けた、斬新なスタイルのSCです。

海に沿って、
・地域の産物が楽しめる:マルシェエリア
・スポーツが楽しめる:アクティビティエリア
・おしゃれな飲食店が豊富:コミュニティエリア
・リゾートホテル+キャンプのような宿泊ができる:グランピングエリア
に分かれています。

海風を感じならがショッピングやレジャーが楽しめるのが大きなベネフィットと言えるでしょう。

関西国際空港の近くでもあるので、飛行機の離発着する様子も見られるとのこと。
「”SC”とひとくくりにするには、とっても勿体ない!」と感じてしまうくらいです。

エンターテイメント性の強い施設だと感じられますね。
参考サイト:公式HP

まとめ:SCの課題解決へは「”暮らし”を提供する」が近道

まとめ:SCの課題解決へは「”暮らし”を提供する」が近道

「これからSCを作るのって、難しいの? ニーズはあるの?」というお客様へ「これからのSCはこんな風にしてみては」といった内容でお伝えしてきました。

SCそのものは、これから先もニーズがあると予想されます。

SC1つ作れば、多くのお店を構えられ、経済の発展につながる可能性が高いからです。

大切なのは、SCの形です。

・人々は、どんなことを求めているのか
・今、人気があるのはどういったものか
といった動向を、時代の流れとともに、しっかり把握していきましょう。

今の時代は、モノや情報が溢れ、わりと簡単に手に入ります。
だからこそ、ニーズは都度、生まれ変わるものなのです。

『新しいニーズにマッチしたSCを作り上げる』という姿勢が、成功へのカギと言えるでしょう。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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