2017.06.22 2020.08.04|店舗運営ノウハウ
店舗の家具選びで重要な3つのポイント
立飲み居酒屋や立ち食い蕎麦など、立ったまま食事をするお店もありますが、世の中にある飲食店のほとんどは椅子や床に座ってテーブルを囲んで食事をするスタイルが一般的です。
それら椅子やテーブルなどの家具はお客様の滞在時間や行動などに大きく影響を与え、お客様にどのように過ごして欲しいかによって家具を選定することが 重要になってきます。
目的にあった家具を選定するために必要なことをご説明します。
カウンター席の高さ
多くの飲食店(特に和食系の飲食店)では厨房の前にカウンター席を設けています。料理人との距離が近いので会話もしやすく、1人でも利用しやすい席です。
そのカウンターの高さは大きく分けて「ハイカウンター」と「ローカウンター」の2種類あり、どちらを採用するかによってお店の印象が大きく変わってきます。
ハイカウンターは一般的に客席側の床から1m前後の高さに天板がきます。そのため、椅子も足が付かないような高さのものになるので、足置きを取り付けるがオススメです。
この高さに座ると、目線が厨房内のスタッフと同じくらいの高さになり会話もしやすく、厨房機器よりも高い位置に天板が来るので、調理や洗い物の手元も見えにくくなります。
座面が高いと浅く座ることになるため、カウンターに近い位置で食事をすることとなり、省スペースで納めることができます。ハイカウンターは活気のある大衆向けの店舗や、スタッフとの会話も楽しめるバーなどに向いていると言えるでしょう。
ローカウンターは通常のテーブルと同じくらいの高さ(客席床から70cm前後)のカウンター席で、比較的高級店に多くみられます。
椅子に深く腰掛けることができるため、ゆったりと食事やお酒を楽しむことができます。深く腰を掛けるため、椅子を大きく引いて座るお客様もいるので、背後の通路は余裕を持って広く確保する必要があります。
厨房の床が客席の床より高く設定されている場合には、厨房機器がカウンターより高くなってしまうこともあるため、飛び出した部分を隠すために立ち上がりを設ける必要があり、お客様に圧迫感を与えてしまうこともあります。
ローカウンターを検討される際は、立ち上がりがどうなるか設計者によく相談するのが良いでしょう。
テーブルのサイズが与える影響
飲食店に訪れたお客様は、滞在時間のほぼ全ての時間をテーブルの前で過ごします。そのため、テーブル席の居心地の良さはお店の印象に大きく影響します。
お客様にどのように過ごして欲しいかによってテーブルのサイズや形状を決めるようにしましょう。
カフェやファストフード店など、テーブルに乗せる料理が少ない業態では、必要最小限のサイズにし、その分席数を増やすことができます。
小さいテーブルが並んでいると、隣の客との距離が近くなるため、長時間ゆっくりするようなお客様は少なくなります。
また、このような業態ではセルフサービスのお店が多く、お客様の食事中に食器を下げるなどのサービスが不要になります。
「奥行き55cm×幅45cm」程度でも2名席に充分なサイズです。
反対に、居酒屋や料理店などの長時間食事を楽しむようなお店では、テーブルのサイズが小さいと料理を置くスペースが少なくなるので、スタッフが食器を下げる回数が増えてしまいます。
お客様目線から見ても、テーブルの上がごちゃごちゃしているとあまり気持ちの良いものではありません。
これらのような業態では「2名席:奥行き75cm×幅55~60cm」程度あるとゆっくり食事を楽しめるでしょう。
ベンチシート席の影響
高級店になればなるほど、独立した席が多くなり、ソファーやベンチシートの席は少なくなります。これらのような席は、比較的賑やかなお店などで好まれるタイプの座席スタイルです。
その理由の1つとして、レイアウトを自由に変えられることです。大人数の宴会で利用する場合などベンチシート席のあるお店は個室完備のお店に次いで人気があります。
主にベンチシート席は壁沿いに配置することが多いため、テーブル席に比べて人の通りが少なくなります。
そうすることで常に人が背後を通るといった不快感が少なくなります。
また、賑やかなお店にベンチシート席をおすすめするもう1つの理由は、収納スペースが増えることです。
お客様の回転率が低い居酒屋などの業態では「席数を増やすこと=売上アップ」に繋がります。
そのため、収納スペースなどは最小限あるかないかの状態になる場合もあります。そんな時にベンチシートの座面下のスペースが活躍します。
主にベンチシートは木枠で組まれており、中は空洞になっているため、お客様のコートを入れたりすることができます。
また、焼き鳥屋や焼肉屋など洋服へ匂いが付きやすい業態などでもベンチシート内に洋服をしまうことで匂いの付着を多少軽減することができます。
洋服を掛けるスペースはハンガーなどで対応しているお店に関しては、お店の備品関係を収納することもできるので、店舗側にとってもメリットがあるでしょう。
まとめ
椅子やテーブルなどの家具を選ぶ際、見た目や価格に目がいき勝ちですが、「どういったお店にしたいか」や「お客様にどのように過ごして欲しいか」などを踏まえた上で選定すると、お客様からより一層愛されるお店になっていくでしょう。
監修者
-
IDEAL編集部
日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
> IDEALの編集者ポリシー
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。