2023.01.11  2023.01.12|店舗運営ノウハウ

飲食店のクレーム対応マニュアル!カスタマーハラスメントの対応例

飲食店のクレーム対応マニュアル!カスタマーハラスメントの対応例

本記事で、飲食店のクレーム対応が重要な理由と対応マニュアルを解説します。クレームの対応例とカスタマーハラスメント対策もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

飲食店のクレーム対応が重要な理由

飲食店のクレーム対応が重要な理由

まずは飲食店のクレーム対応が重要な理由を解説します。飲食店の集客と売上を失わないように、顧客からのクレームに適切に対応しましょう。

放置すると信用を失うから

まず顧客から飲食店に対するクレームを放置すると信用を失います。集客に悪影響を及ぼす恐れがあるため、速やかにクレームに対応しましょう。

またクレームに対して迅速な対応ができないと、他の顧客に悪い評判を流される恐れもあります。さらに悪質なクレーマーに対応できないと、不当に高額な賠償金を求められる恐れがありますので、ご注意ください。

飲食店経営の課題を解決できるから

またクレームに対応することで、飲食店経営の課題を解決できます。例えば「従業員の接客態度が悪い」「料理の味が薄い」などのクレームが別々の顧客から入るなら、接客や調理の課題です。

課題を解決するために対策することで、顧客に誠意を示しつつ接客や調理を向上できます。従業員のクレーム対応力が高まると、他のクレームに対してもスムーズに対応可能です。

顧客満足度を高めるきっかけになるから

そしてクレームに丁寧で迅速に対応できれば、クレーマーからリピーターへの変容を期待できます。初期段階で誠実に対応して顧客に納得してもらえたら、飲食店営業に対する顧客満足度が高まるからです。

ただし対応を間違えると、2次的なクレームに発展する恐れがあります。顧客や従業員の負担を増大させないように、顧客の心情や損失を読み取りましょう。

接客マニュアルを改善できるから

さらに新たなクレームやクレーム対応の経験から、接客マニュアルを改善できます。接客マニュアルを常に改善していくことで、より適切な接客が可能です。改善するたびに全従業員に周知徹底して、ロールプレイングなどの研修によって定着させましょう。

また来店した顧客からの直接的なクレームだけではありません。間接的なクレーム(SNS投稿やグーグルマップの口コミなど)に対しても、対応方法を接客マニュアルに盛り込む必要があります。

競合飲食店との差別化を図れるから

なお顧客から飲食店に対するクレームへ対応してサービスやメニューを改善できると、競合飲食店との差別化を図れます。クレームの対応策を検討すると、独自性のあるメニューやサービスを考案するきっかけが生まれるからです。

飲食店だけではなく、顧客からのクレームから大ヒット商品やサービスが生まれています。クレームの沈静化だけに意識をとられず、競合と差別化できる新しいメニューやサービスを開発する機会と捉えることも大事な視点です。

参考:電道報「嫌われキャラだった“ガリガリ君”が、アイスの売り上げを3倍にできたワケ

飲食店のクレーム対応マニュアル

飲食店のクレーム対応マニュアル

飲食店経営に重要なクレーム対応のために、マニュアルをご紹介します。初期段階で従業員が適切に顧客からのクレームに対応できるように、基本的な対応手順を文書にまとめておきましょう。

顧客の気分を害した点を謝罪する

まず飲食店のメニューや接客によって顧客の気分を害した点を謝罪しましょう。冷静に対話できるように、クレームを入れた顧客の気持ちを落ち着けることが先決です。感情的になっている顧客に対して飲食店側の主張を伝えようとしても、収拾がつかなくなる恐れがあります。

ただし悪質なクレーマーが揚げ足取りをする恐れもありますので、事実確認前に店舗側の責任を認めないでください。あくまで気分を害した点を限定的に謝罪するだけです。

顧客と事実確認を行う

謝罪したら顧客と事実確認を行い、クレームの内容や気分を害した理由などを聞き出してください。ヒアリング中に疑問点や反論したい気持ちが芽生えても、最後まで顧客の意見を聞くことが優先です。顧客に対して感情的に反論すると、問題解決が遅くなるからです。

なお顧客と事実確認を行う際は、傾聴の姿勢を意識します。顧客の言葉を繰り返すことで、従業員も相手の心情を理解しやすくなります。適度に相槌を入れながら、相手の心情を汲み取りましょう。

店舗責任者に報告する

クレームの内容や顧客の状態を確認できたら、店舗責任者に報告してください。接客対応の従業員だけでは対応策を判断できないからです。

ただし対応の仕方によって、顧客の不満や怒りが増大する恐れもあります。クレームの内容や顧客の状態に応じて、臨機応変に対応しなくてはなりません。「緊急時にはクレーム対応したうえで店舗責任者へ事後報告する」と周知しておきましょう。

顧客に解決策を提示する

店舗責任者の判断によって、顧客に解決策を提示します。クレームの内容や顧客の心情、従業員の過失などを踏まえて、解決策を判断します。具体な解決策として返金や料理の再提供などが挙げられます。

解決策を提示しても顧客に納得してもらえないときは、店舗責任者も同席して顧客と解決策を相談してください。顧客が相談する時間を取れないときには、日を改めることになります。

再度謝罪をして感謝の気持ちを伝える

顧客に納得してもらえたら、再度謝罪をして感謝の気持ちを伝えてください。顧客から飲食店へのクレームが飲食店経営を改善するための貴重な意見になるからです。再発防止策を説明すると、顧客が納得しやすいです。

なお飲食店に不満を感じてもクレームを入れないで、次回からの来店を取りやめる顧客もいます。クレームを入れる顧客は、リピーターや常連客になる可能性があります。顧客が帰る際は出入り口まで見送って、誠心誠意対応してください。

飲食店に対するクレームの対応例

飲食店に対するクレームの対応例

飲食店のクレーム対応マニュアルを踏まえて、具体的な対応例をご紹介します。調理や接客、会計などに関するクレームがありますので、対応策を整理しておきましょう。

飲食物への異物混入

まず飲食物への異物混入は、クレームにつながります。仕込みから調理中、顧客への提供までに、髪の毛や小さな虫、ビニール片などが入る恐れがあります。飲食店では、そもそも異物混入ゼロを目指すべきです。

ただしクレームが入った場合は、謝罪して異物が混入した飲食物を回収してください。次に代わりの飲食物を無償提供します。そして原因を特定したうえで、顧客に対策を説明して再度謝罪します。

なお飲食物へ異物が混入する原因は、主に従業員の身だしなみや食材の扱い方です。事実確認のために顧客にヒアリングする場合は、顧客を疑わないように注意してください。

料理や食器の状態の悪さ

次に料理や食器の状態の悪さも、クレームを招きます。例えば「料理の分量や味付けが前回と違う」「食器に汚れや割れがある」などです。

料理の品質に関しては、貴重な意見へのお礼と今後の品質改善を約束すると、顧客の気分を害することを避けられます。単なる顧客の味に対する好みなら品質に問題はありませんが、提供するたびに分量や味付けが揃っていないなら品質の改善に努めましょう。

食器の汚れや割れに関しては、まず気分を害したことを謝罪します。特に食器が割れている場合は、謝罪と同時に顧客に怪我がないかを確認してください。新しく調理した料理を清潔な食器で提供してください。

接客の不手際

また従業員の接客の不手際も、顧客がクレームする対象です。言葉遣いや料理の提供方法などが原因です。接客に対してクレームが入った場合は、不快感を与えた点を謝罪してください。

謝罪した後は、不手際を起こした従業員に事実確認をします。顧客の意見だけで判断しないで、従業員の意見を確認したうえで対応策を決定してください。

なお次に同じクレームが入らないように、関係した従業員に対する指導と従業員全体に対する周知徹底も必要です。必要に応じてクレーム対応マニュアルを改善しましょう。

提供時間の遅さ

さらに飲食物を注文してからの提供時間の遅さも、クレームを発生させます。飲食店には滞在時間に余裕のない顧客も来店します。クレームが入った場合は、待たせている点を謝罪してください。

次に調理担当者に提供時間を確認して、状況に応じて優先的に調理します。クレームを入れている顧客に提供時間を伝えて、再度謝罪してください。また素早く提供できるドリンクメニューやサイドメニューを先に提供することで、メインメニューが提供するまでの時間を埋めることもできます。

ただし他の顧客が不公平感を感じないように配慮してください。混雑時は提供時間がかかるため、入店時や注文時にあらかじめ目安の時間を伝えておくと、クレーム発生を防止できます。

精算の間違い

なお精算の間違いに対しても、顧客からクレームが入ります。まだ会計途中なら、請求している金額と預かっている金額を顧客と一緒に再確認しましょう。即時に対応して納得してもらえれば、大きなクレームに発展しなくて済みます。

しかし顧客が退店したあとに「おつりが間違っていた」とクレームを受ける場合もあります。当日の売上データを確認してから連絡すると伝えて、顧客の連絡先と連絡できる時間帯を聞きましょう。

売上データに過不足がなければ精算の間違いとはいえませんが、確認して連絡することで顧客に納得してもらいやすくなります。

飲食店に対するカスタマーハラスメント

飲食店に対するカスタマーハラスメント

適切にクレーム対応しても、飲食店に対するカスタマーハラスメントを受ける恐れがあります。冷静に対応してトラブルを防ぐために、事前に対策しておきましょう。

長時間の説教や土下座の強要

まず顧客から従業員に対する長時間の説教や土下座の強要は、カスタマーハラスメントです。飲食店の営業が止まる場合には、営業妨害に当たります。

まずは適切にクレーム対応して一定の時間が経過したら、責任者が間に入って対処することが必要です。暴言や暴力を受ける場合には、毅然とした態度で接してください。従業員や他の顧客に危害が加わる恐れがあるなら、警察へ通報します。

なおカスタマーハラスメントへの対応に追われて他の顧客に迷惑がかからないように、飲食店のオペレーションが乱れないように注意してください。

度を越した作り直しの要求

また度を越した作り直しの要求も、カスタマーハラスメントに該当します。もちろん間違えて注文と異なるメニューを提供した際は作り直しが必要で、お詫びのサービスを提供する場合もあります。

しかし悪質な顧客が料理の大部分を食べたあとに、「口に合わない」「期待と違った」などとクレームを入れる場合があります。エスカレートすれば、カスタマーハラスメントに該当します。

まずは注文伝票などの裏付けを用意して、店舗側に落ち度がないことを伝えてください。度を越した作り直しの要求に対しては毅然と対応して、状況に応じて営業妨害として警察への通報が必要です。

閉店時間を過ぎても退店しない

さらに閉店時間を過ぎても退店しない行為も、カスタマーハラスメントです。特に居酒屋やバーなど酒類を扱っている飲食店では、お酒が入ることで盛り上がりやすいです。しかし閉店時間を過ぎても居座られると、従業員の閉店作業や勤務時間に影響します。

閉店時間から15分程度ならば許容できるものの、30分以上も居座られるなら毅然と対応しましょう。トラブルになったあとでアルコールの入っていた顧客から「酔っていたので覚えていない」と言われないように、店内で録画や録音しながら対応することが必要です。

また顧客に時間を守ってもらうために、営業時間やラストオーダー時間の明示が必要です。例えば入店して飲酒する前にラストオーダー時間を伝えたり、ラストオーダー時間前に閉店時間を確認したりしましょう。

飲食店に対するクレームに適切に対応しよう!

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監修者

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日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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