2026.02.18 2026.02.17|店舗運営ノウハウ
店舗工事の費用内訳を完全整理|見積書で必ず確認すべき項目とは
目次
内装や設備の仕様に応じて大きく変動する店舗工事の費用。見積書を受け取っても、どこに着目すれば良いのか判断に迷う方も多いのではないでしょうか。本記事では、店舗工事にかかる費用の内訳を明確に整理し、見積もりの確認ポイントや工事のコストを適切に管理するための視点を具体的に解説します。無駄な出費を避け、納得できる選択をするための実践的な知識を提供します。
店舗工事とは?費用が発生する理由を正しく知る

店舗工事に含まれる主な作業項目とは
店舗工事とは、商業目的で使用する空間を整えるための内装や設備の工事を指します。床・壁・天井などの内装仕上げだけでなく、照明・空調・電気・給排水といったインフラ設備も含まれるのが一般的です。
業種によって必要な設備は異なり、飲食店なら厨房機器、美容サロンなら給湯設備、小売店ならディスプレイ什器など、用途に応じた施工が追加されます。そのため、住宅とは異なり標準化が難しく、工事項目が多岐にわたる点が特徴です。
また、店舗では見た目のデザイン性に加え、来店者の導線や空間の機能性など「営業に直結する要素」も重視されます。視認性や回遊性の設計は内装と一体で考えられるため、専門性の高い対応が求められます。
なぜ高額になりやすいのか?住宅とは異なる店舗特有の要素
店舗工事が高額になりやすい理由は、目的と前提の違いにあります。住宅は生活空間としての快適さが基準ですが、店舗では集客力やブランド表現が求められるため、仕様や施工に多くの工夫が必要です。
さらに、建築基準法や消防法、バリアフリー基準など各種法令への対応が不可欠です。営業許可を得るには、事前にこれらを踏まえた設計が求められ、確認や調整の手間も費用に反映されます。
工期が限られている点もコストを押し上げる要因です。開業日に向けて短期間で仕上げる必要があるため、工程や人員の調整にもコストがかかります。こうした背景から、店舗工事は費用の構造が複雑になりやすいのです。
店舗工事の費用内訳を解説|主要6項目と相場感
内訳①:内装工事(床・壁・天井など)
店舗の印象を左右する空間設計の中心が内装工事です。床材の選定や壁の仕上げ、天井の造作まで、店舗の雰囲気を演出する重要な工程が含まれます。内装の仕様によって必要な工程が増え、工事範囲が拡大することで費用にも大きな差が生じます。特にコンセプト重視の空間では、素材や加工にこだわる分、予算に余裕を持つ必要があります。
内訳②:電気・照明・空調設備
照明や空調は快適な店舗環境を構築するために欠かせない設備です。設置する照明器具の種類や配置計画によって、印象だけでなく光熱費にも影響を与えるため、設計段階から計画的に検討する必要があります。空調についても、客席数や店舗面積に応じた容量の選定が求められ、設置箇所や動線を踏まえた配線・ダクト工事などが費用に含まれます。
内訳③:給排水・ガス工事
飲食や美容関連業種では、給排水やガスの配管工事が大きなウェイトを占めます。特に厨房や施術スペースが必要な業態では、配管の引き直しや専用機器の設置が求められるため、物件の条件次第で費用に大きな開きが出る部分です。また、給水設備の位置や容量に応じて、別途設備工事が必要になるケースもあります。
内訳④:厨房・什器・サイン・家具など
厨房機器やカウンター、棚などの什器類は、用途やレイアウトに応じてオーダーメイドされることも多く、工事費とは別に購入費や設置費が発生します。また、サインや看板、ディスプレイ什器といった集客要素も工事と並行して設置が必要なケースが多いため、あらかじめ内訳として分けて計上しておくことが重要です。
内訳⑤:設計・デザイン費
設計・デザインに関する費用は、施工そのものではなく、空間全体の企画構成にかかる費用です。レイアウトの提案、素材選定、照明計画などがこれに該当します。特に店舗では、業種・業態に応じた営業効率や動線の設計が求められるため、専門的な知見を持つ設計者への依頼が前提となることが一般的です。
内訳⑥:施工管理費・諸経費
現場での安全管理・進行管理にかかる費用や、資材の運搬、廃材処理といった間接的な作業に対する経費も、見積書に含まれる項目です。これらは「工事以外に必要な運営コスト」として計上されることが多く、実際の施工費と区別して管理することで、全体の工事費の透明性が高まります。
スケルトンと居抜き|物件形態で費用はここまで違う

スケルトン物件は自由度が高いが費用も高額
スケルトン物件とは、内装が一切施されていない状態の物件を指します。天井や壁、床がむき出しの状態で引き渡されるため、ゼロから空間を作り上げることになります。そのため、内装や設備の設置に必要な工事項目が多く、初期費用が高くなりやすい傾向があります。
一方で、設計の自由度が高く、自社の業態やブランドイメージに合わせた空間づくりがしやすい点は大きなメリットです。導線設計や機能配置を自由に構築できるため、長期的な視点で見ると投資価値がある選択といえます。ただし、施工の進め方によっては想定外の追加費用が発生することもあるため、事前に全体の設計と見積もりを明確にしておくことが重要です。
居抜き物件は低コストだが制約あり
居抜き物件とは、前のテナントが使用していた設備や内装が残された状態で引き継がれる物件です。設備や什器をそのまま活用できる場合、初期工事の範囲が限定されるため、比較的低コストで出店できるという利点があります。
特に業種が前テナントと同じ場合、レイアウト変更が最小限で済むケースもあり、短期間で営業を開始できる点もメリットです。しかし、既存設備が古かったり、現状のままでは使用しにくい場合、結局修繕や交換の費用がかかることもあります。
また、設計の自由度が低く、業態転換に必要な構造変更が困難なこともあるため、内見時には設備の状態や使い勝手を入念に確認する必要があります。見積もりの段階で、どこまで流用可能か、どこに手を入れる必要があるかを明確にしておくことで、予期せぬ追加費用を避けることができます。
選び方のポイントと判断基準
物件形態の選択は、単純にコストだけで決めるのではなく、事業の方向性や将来の展開も踏まえて判断する必要があります。初期費用を抑えたい場合は居抜きが有利に見えますが、運営開始後に生じる制約やメンテナンスの負担が経営に影響することもあります。
一方、スケルトン物件は初期投資こそ大きくなりますが、ブランド戦略や集客導線を重視した設計が可能であり、長期的に見れば利益に直結する設計が実現しやすくなります。選択にあたっては、工事費だけでなく、営業戦略・回収見込み・将来的な店舗展開まで含めた視点を持つことが重要です。
よくある誤解とトラブル|見積書で注意すべきポイント
見積書のチェックポイント5つ
店舗工事における見積書は、ただの金額一覧ではなく、工事内容の理解と判断の基礎となる重要な資料です。しかし、初めて工事を依頼する場合、項目の意味や記載の意図が読み取りにくく、誤解や見落としが生じやすいのも事実です。
見積書で特に注意したいのは、以下のような点です。
工事項目が細かく分かれているか
工事内容が大まかにしか記載されていない場合、何にいくらかかっているのかが把握できません。内訳が細かく明記されているかを確認することで、後のトラブルを避けやすくなります。
数量と単価の明示
面積・数量・単価が明確でない場合、価格の妥当性を判断するのが難しくなります。内容が曖昧な表記は、費用の根拠を確認する上での障害になります。
材料・仕上げ内容の記載
使用する素材や仕様が記載されていないと、完成後にイメージとの乖離が起きる恐れがあります。できる限り具体的な記載がされているかをチェックしましょう。
設計費や管理費の有無
設計費や現場管理費が見積書に含まれているか、または別途発生するかは大きなポイントです。金額だけで比較するのではなく、含まれている範囲を確認することが重要です。
消費税や諸経費の記載
消費税が別途か内税か、雑費や諸経費が含まれているかは、全体予算を正しく把握するために不可欠な要素です。
これらの項目は、見積書の段階で明確にしておくことで、後の費用トラブルを未然に防ぐ手がかりになります。
「一式表記」に潜むリスクとは?
見積書で頻繁に見られるのが、「一式」という表現です。これは一連の作業や材料をまとめて記載する形式ですが、具体的な内容が分からないまま契約に進んでしまうと、追加費用が発生した際に根拠を確認しにくくなります。
例えば、「内装工事一式」とだけ記載されていた場合、施工範囲や素材のグレード、仕上げ方法が不明確なため、完成後に思っていた内容と異なることが起きやすくなります。また、変更や修正が必要になった際、追加費用として請求されるケースも見られます。
一式表記を完全に避けることは難しい場合もありますが、口頭で済ませず、書面での補足説明を求めることがリスク回避に有効です。
追加費用・変更費用が発生するケースと対応策
工事を進める中で、予期しない変更や調整が発生し、追加費用が発生することは珍しくありません。たとえば、既存設備の状態が想定より悪かった場合や、設計変更が必要になった場合などが挙げられます。
こうした事態に備え、契約時点で「変更時の対応ルール」を明確にしておくことが大切です。費用変更がある場合は、事前に合意書面を取り交わすことや、都度見積もりの再提示を求めるなど、透明性を確保する仕組みを整えておくことでトラブルの発生を防げます。
費用を抑える具体策|賢いコストマネジメントのヒント
相見積もりと業者選定の戦略
店舗工事において費用を適切に管理する第一歩は、複数の施工業者から見積もりを取得することです。1社のみの見積書では相場との比較ができず、提示された内容が適正かどうか判断しにくくなります。異なる業者からの提案を比較することで、工事項目やコスト構造の違いが明確になり、不要な項目や過剰な仕様に気づくきっかけになります。
また、価格だけでなく、提案力・対応の柔軟性・工程管理の実績など、複数の観点から総合的に判断することが求められます。業者ごとの特徴を見極め、信頼できるパートナーを選定することが、結果として費用面の安定にもつながります。
中古什器や補助金・助成金の活用
設備費や備品費を抑える手段としては、中古什器の活用が有効です。新品に比べて大幅にコストを削減できる可能性があり、状態の良い機器を選べば、機能的にも大きな差が出ない場合があります。ただし、保証やメンテナンス対応なども事前に確認し、運用面に支障が出ないように準備することが大切です。
また、自治体や商工会議所などが提供している補助金や助成金の情報を収集し、条件に合致する制度を活用することも、初期費用の軽減に効果的です。公的制度の中には、内装・設備投資に対して一定の支援を行うものもあるため、工事計画を立てる段階で確認しておくとよいでしょう。
設計段階からのコスト最適化アプローチ
コスト削減は施工段階だけでなく、設計初期からのアプローチによって実現しやすくなります。たとえば、動線計画やレイアウトの工夫によって、設備機器や電気配線の長さを抑えることができれば、見えない部分の工事費用を減らすことが可能になります。
また、素材の選定も費用に大きく影響します。同じデザイン性を持ちながらも価格帯が異なる材料を比較検討することで、見た目のクオリティを維持しつつコストを抑えることができます。設計者と密に連携し、予算と目的に応じた仕様調整を行う姿勢が求められます。
このように、設計・施工の各段階でコスト意識を持ち続けることで、無理のない範囲で最適な工事計画を実現しやすくなります。
業種別の店舗工事費用相場|飲食・美容・物販でどう違う?
飲食店は設備費が高くなりやすい
飲食店は、店舗工事において特に設備工事の比重が大きくなる傾向があります。厨房機器の設置や給排水、換気設備、グリストラップの設置など、調理に必要な機能を整えるための工事が複雑になりやすいためです。また、油や煙の排出に対応する排気設備も必要とされることが多く、これらの工事内容が初期費用を押し上げる要因となります。さらに、消防法への対応や衛生基準のクリアなど、法令面でも配慮が必要です。
美容室・サロンは内装と機材のバランスが重要
美容室やサロンは、設備面では給湯や配管工事が必要になる場合があり、施術スペースの確保や専用設備の導入が求められることもあります。一方で、来店者に与える印象を重視する業態であるため、内装のデザイン性が重要視される点も特徴です。内装と機器のバランスをどう取るかによって、費用構成が大きく変わってきます。空間演出と機能性の両立を考えた設計が求められます。
物販店は什器・導線設計が鍵
物販店では、飲食店やサロンに比べて設備工事の割合は少ないものの、什器の設置やディスプレイの設計がコストに影響を及ぼします。商品をどのように並べ、どのように手に取ってもらうかを前提としたレイアウトが必要となるため、導線設計や照明計画にも配慮が必要です。また、店舗の印象に直結する外観やサイン計画も含めて、視認性を意識した空間づくりが求められます。
まとめ|見積書は「交渉の土台」、判断基準を持とう
記事の重要ポイント再確認(費用内訳の整理)
店舗工事における費用の内訳は、単に金額を見るだけでは全体像をつかむことができません。内装工事、設備工事、什器・サイン・設計費・管理費といった構成要素を正しく理解し、見積書の中でそれぞれがどのように反映されているかを確認することが、判断の出発点となります。
さらに、物件の状態や業種の特性によって、必要な工事項目は変化します。スケルトン物件か居抜き物件かといった条件によっても、費用構造は大きく異なります。そうした背景を踏まえたうえで、費用をどう管理し、どこに投資すべきかを見極める目線が欠かせません。
見積書は「答え」ではなく「対話の入り口」として捉え、金額の妥当性だけでなく、提案内容や業者の対応力まで含めて判断することが、後悔のない選択につながります。
IDEALショップが選ばれる理由とは?
店舗工事は、見積もりの妥当性だけでなく、設計・施工・運用における一貫性が重要なテーマとなります。IDEALショップでは、物件探しから設計・施工・集客支援までを一気通貫で支援する体制を整えており、プロジェクト全体の整合性を重視した提案が可能です。
単にデザイン性を追求するのではなく、来店導線や業務効率、業種特性に合わせた機能性を重視した空間設計を行っている点も、実務を意識した現場目線に基づいています。さらに、初期の相談段階から工事後の運用フェーズに至るまで、長期的な視点でのサポートを行うことにより、持続可能な店舗運営を支えます。
見積もり時点での明確な内訳と、将来を見据えた柔軟な提案力。この2つを両立している点こそが、選ばれている理由のひとつです。
※この記事はIDEALショップの専門スタッフが監修しています。
店舗工事を成功に導く第一歩とは?
はじめての店舗工事において、「何を基準に判断すればよいかわからない」と感じることは自然なことです。しかし、費用構造の理解と、見積書の読み解き方を知ることで、不要なコストを避け、目的に合った空間を実現するための基盤が整います。
IDEALショップでは、そうした判断基準を持ちたいと考える方のために、ヒアリングから見積もりの比較、設計提案までを丁寧にサポートしています。まずはご相談から始めてみてください。適正な判断が、納得のいく出店へとつながります。
監修者
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IDEAL編集部
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