2020.08.24|店舗デザイン

マーケティング視点で考える店舗デザイン

マーケティング視点で考える店舗デザイン

店舗のデザインはさまざまな要素によって決定されますが、店舗を運営する経営者にとって重要な要素になるのがマーケティングの視点です。

外観や内装だけにこだわって店舗のデザインをしても、店舗の売上には直接結びつかない場合もあり、マーケティング効果を視野に入れた店舗のデザインが必要になります。

ここでは、新規出店や改装のために、店舗のデザインを検討している人のために、マーケティング視点で考える店舗のデザインのポイントについて、詳しく紹介します。

店舗のデザインにマーケティング視線を取り入れることの重要性

マーケティング視点で考える店舗デザイン

店舗を運営する際に、集客に直接大きな影響を与えるのが店舗のデザインですが、マーケティングを重視した店舗作りをするうえで考慮すべきなのがSTP戦略という考え方です。

STP戦略とはマーケティングの世界において古くから重要視されてきた伝統的な考えで、経済学者のフィリップ・コトラーが提唱した、マーケティング活動における基本的な戦略のことです。

現在でも多くの企業が、マーケティング活動のための有効な手段としてSTP戦略を採用していて、店舗のデザインを決定する際にもさまざまな面で応用できる考え方です。

STP戦略は企業の販売活動を3つの段階に分けて、マーケティングを分析することが特徴の市場戦略です。

STP戦略をおこなうにあたって企業が一番はじめにおこなわなければいけないのは、STPのSにあたるセグメンテーションです。

セグメンテーションとは市場をその特性によって、細かく分類することを意味していて、企業がマーケティングをおこなううえで、全ての戦略決定の基礎となるような重要性の高い分析です。

セグメンテーションでは、対象となる市場を実際に調査し、商品を購入している購買層の特徴や、どのような商品が購入されているのかということを、正確に分析していきます。

実際の調査をもとに、顧客をグループ分けしていくのがセグメンテーションにおける一番重要なポイントで、

若い世代の購買層や、高齢者の購買層など、市場に存在する各種の購買層を分類していくことにより、市場の全体像を把握することができます。

可処分所得など経済的な視点から市場を細分化する方法も一般的で、高額所得者の購買層や低所得者の購買層など、

購買層を細分化していくことにより、それぞれの購買層でどのような商品が購入されているのかということを検討することが可能です。

マーケティング視点を取り入れた店舗のデザインをおこなううえでも、このセグメンテーションという考え方は非常に重要になります。

店舗を運営するにあたっては、その店舗の立地のする場所にどのような種類の購買層が存在するのかということを知っておくことは、マーケティング活動における最も基本的な戦略です。

店舗の周辺に存在している購買層を細かいセグメントに分類していくことで、マーケティングの対象となる市場の具体的な全体像を、より明確な形で把握することができます。

市場に存在する購買層が限定されることにより、店舗のデザインの方向性も自ずと定まってくるので、店舗の運営もイメージしやすくなります。

STP戦略において、実際のマーケティング活動に大きな影響を与えるのが、STPのTにあたるターゲティングです。

これはセグメンテーションによって細分化された市場の中から、ターゲットとすべきセグメントを決定することを意味しています。

どのようなセグメントを選択するかによっても、その後のマーケティング戦略が大きく変更することになるので、

企業がイメージする販売活動にあったセグメントをターゲットに選ぶことが、店舗の運営を効率的におこなうための重要なポイントになります。

店舗のデザインにおいてターゲティングが重要な意味を持っているのは、ターゲットに選んだ特定のセグメントによって、店舗のデザインも大きく変更される可能性があるからです。

高額所得者をターゲットに選択した場合、店舗のデザインも購買層の趣味に適合するような、高級感のあるデザインを採用したほうが、顧客にとって魅力のある店舗作りがしやすくなります。

低所得者をターゲットに選んだ店舗であるならば、誰でも気軽に利用しやすいデザインを採用したほうが、顧客にとっても利用しやすい店舗になるので、マーケティング活動にもプラスの効果が期待できます。

店舗の設計において、ターゲティングを考慮したデザインを検討する場合、複数の購買層をターゲットに選択して、店舗のデザインを決定するという方法もあります。

例えば、高額所得者の購買層をターゲットにすると同時に、女性の購買層をターゲットにするという方法をとることも可能で、この場合に最適となる店舗のデザインは、高額所得者を対象とした店舗のデザインとは若干異なったものになります。

女性を主なターゲットとして店舗のデザインを考慮するという意識も必要になり、高額所得者の女性にとって魅力のある店舗がどのようなものであるのかを、しっかりと研究することも必要です。

STP戦略においてマーケティングの効果に最終的な影響を与えるのが、STPのPにあたる、ポジショニングという考え方です。これは、ターゲットとして選んだセグメントに対して、具体的な利益を提案することを意味しています。

特定の購買層に属する顧客に、企業が自社の商品やサービスを購入してもらいたいと考えても、顧客が企業の商品に興味を持ってくれなければ、

販売活動が成立することはありえないので、顧客にとっても商品が利益をもたらすものであるということを、企業が顧客に対し具体的に提示する必要があります。

顧客にとって、どのような利益があるのかを、企業自らが検討していくことがポジショニングにおける一番重要なポイントで、そのために欠かすことができないのが自社の商品をもう一度正確に分析することです。

商品が顧客の要望を満たすようなものであるかを検討していくことも、ポジショニングをするうえでは重要なことで、顧客が享受できる利益という観点から自社の商品を再分析することにより、さらなる魅力的な商品作りが可能になります。

店舗のデザインにおいても、このベネフィットという考え方は、非常に重要なものになります。

店舗のターゲットとして選択した特定の購買層に対して、店舗の商品やサービスがどのような利益を与えることができるのかということを店舗のデザインを決定する過程で再検討することにより、

顧客にとっても魅力のある店舗作りを進めることができます。顧客が望んでいる商品やサービスを具体的に実現できるような、店舗のデザインがこの場合には必要になります。

例えば、店舗を利用する購買層が、店舗での買い物のしやすさを重視している場合には、店舗のデザインも、そのような顧客のベネフィットを実現できるようなものに変更するのが最適な方法です。

通路の広さも店舗での買い物のしやすさに大きな影響を与えますが、通路の幅に十分なゆとりのあるデザインを採用したほうが、顧客にとって利用しやすい店舗作りができます。

ターゲットの利益を満たすことができるような店舗のデザインを採用することで、一時的な利用客を、店舗の継続的な利用客に取り込むことが可能になるため、

店舗が自身のポジションを確立することができます。これが、STP戦略を活用した店舗のデザイン作りにおける、最終的な目標です。

マーケティングの視点が決める店舗のデザイン

店舗のデザインを決定するうえで欠かせないものになるのが、マーケティングの視点です。

伝統的なマーケティングの戦略であるSTP戦略も、店舗のデザインを決定するうえで、役立てることができる考え方です。

STP戦略ではセグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングという3つの方法でマーケティングをおこないますが、店舗のデザインにもこれらの考え方を応用することで、顧客にとって魅力のある店舗作りが可能になります。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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