2020.11.17|店舗デザイン
店舗の内装工事の坪単価や相場は?予備知識を増やしてリスクを減らそう
「新しくお店を開業したい。内装工事って相場でいくらするの?」という疑問にお答えする記事です。
結論から言いますと、店舗の内装工事は工事する広さ×1坪辺りの工事費を理解しておけば、大体の費用が見えてきます。
この”1坪辺りの工事費”の相場が、一般的には30万~50万ほどと言われています。
これを「坪単価30万~50万」と言い表します。
例えば「12坪くらいの小さめのカフェを開業したいな」としたとき、
12坪×30万=360万
が、おおよその内装工事にかかる費用として計算できます。
が、例のように単純計算して「いくらあれば大丈夫です」と、一概には言えません。
なぜなら、
・店内のデザインの設計具合
・内装に使う材質のグレード
・居抜き物件なのかスケルトン物件なのか
・どんな設備をどのくらいどこに設けるか
・お願いする専門業者、デザイン設計/施工会社の値段設定
に左右されるからです。
そこで今回の記事では、
・坪単価の相場と工事内容
・業種別でみる内装工事費相場
・床や壁に使う材質別で見る相場
・内装費用をできるだけ低く抑える5つのコツ
・内装デザインと工事費用で迷った時の決め手
を、お伝えいたしますね。
内装工事の”どんなことにいくらかかるのか”を知っておけば、理不尽な割高請求をするような、悪質業者の言いなりにならずに済みます。
事前に知ることで、精神的に余裕を持つことにも繋がりますね。
目次
- 店舗の内装工事の単価、相場、工事内容
- 内装工事費は”坪単価”で計算すると予測可能
- 内装工事費の相場は30万~50万ほど
- 内装工事の値段の内容は大きく3つに分けられる
- 店舗の業種別でも内装工事費用は変わる
- 飲食店の内装工事費相場
- 小売店内装工事費相場
- 美容系内装工事費相場
- 店舗で使用する材質のグレード次第で内装工事費の単価は変わる
- 壁の材質
- 床の材質
- エリアごとにも内装工事費は変わるケース
- 繁華街(ビジネス街)と閑静地(住宅街など)では工事費はあまり変わらない
- 内装工事費用を抑える為の5つのコツ
- 抑えるコツ①業者の種類を事前に知っておく
- 抑えるコツ②複数の業者から見積しておく
- 抑えるコツ③内装工事費の相場を理解する
- 抑えるコツ④居抜き物件を選ぶ
- 抑えるコツ⑤DIYを行う
- 工事費用よりも実現させたい内装デザインを重視しよう
- お店の内装工事の単価は物件と広さによって変わります
店舗の内装工事の単価、相場、工事内容
自分のお店をオープンするのに避けては通れない内装工事について理解を深めましょう。
店舗における内装工事の
・単価
・相場
・工事内容
についてお伝えしていきます。
内装工事費は”坪単価”で計算すると予測可能
お店の内装工事の値段は、『1坪辺りいくら』で計算すると「このくらいだろうな」と予想しやすくなります。
この1坪辺りの内装工事費は、専門業者や施工会社によって値段設定が異なります。
※参考:1坪(約3.3㎡/畳約2枚分)
例:[約10席ほど座れる小さめのカフェを開業したい]
<居抜き物件を使う場合>1坪約40万円のA施工会社にお願いするとする>
10席分の客席(約8坪)+ 厨房(約3坪)= 全体約11坪
※1坪≒1.3人座れる計算
【約11坪のカフェ開業で必要な内装工事費は440万】というように予測できます。
内装工事費以外にもかかる費用はあります。
余裕を持って資金調達をしておきましょう。
【注意!】
10坪以下の場合、割高になるケースもあります。
工事する範囲が小さいということから、最低料金を設定している場合があるからです。
内装工事費の相場は30万~50万ほど
内装工事費のおおよその相場は、1坪辺り約30万~50万とされています。
もう少し細かく言いますと居抜き物件かスケルトン物件かで相場が変わります。
[物件ごとの内装工事費 相場]
・居抜き物件の内装工事費 1坪≒20万~40万
・スケルトン物件の内装工事費 1坪≒30万~70万
お店の内装工事にかかった全ての金額を合わせ、1坪辺りで割った金額が、上記のような金額だというカラクリです。
内装工事の値段の内容は大きく3つに分けられる
内装工事の値段設定としての内訳は以下の通りです。
[内装工事の値段設定内訳]
①内装設計・デザイン費
・人件費
・技術料
・デザイン費
など
②内装・設備工事費
・仮設工事費
・解体工事費
・素材、材料費
・天井、床、壁の改装費
・電気、ガス、水道、冷暖房設備
など
③設備機器・備品購入費
・電気、家具、インテリア
・必要機器設置費(調理器具など)
など
工事を進めてくれる施工会社によって工事内容や値段にバラつきがあります。
ですので「おおよその内容なんだな」と参考までに留めておいて下さい。
店舗の業種別でも内装工事費用は変わる
内装工事費は店舗の業種、種類によっても大きく変わっていきます。
必要な設備があればあるほど費用かかかるからです。
例として、
・飲食店
・小売店
・美容系
を挙げてお伝えしていきます。
飲食店の内装工事費相場
飲食店の内装工事費の相場は、おおよそ以下の通りです。
[カフェ]
1坪≒約15万~30万円
規模が小さい分費用は抑えられる。
[和食店]
1坪≒約30万~50万円
高級感を感じさせるようなデザインにすることが多いのでデザイン費が大きくなるケースが多い。
[焼肉店]
1坪≒約50万~100万円
ダクトや空調、無煙ロースターなどの設備が必要になる分、費用がかかる。
[ベーカリー、スイーツ店]
1坪≒約50万~100万円
オーブンやニーダー、大型の冷蔵冷凍庫などの設備費用が大きくかかる。
小売店内装工事費相場
小売店の内装工事費の相場は、おおよそ以下の通りです。
[雑貨店]
1坪≒約30万~40万円
飲食店のような厨房などの設備費がない分、コストは抑えられる。
美容系内装工事費相場
美容系店舗の内装工事費の相場は、おおよそ以下の通りです。
[美容室、サロン、リラクゼーション]
1坪≒40万~80万円
設備や機材で費用がかかる。
また『より高級感あるデザインにする=材質の良い素材を選ぶ』ので、その分費用がかかる。
店舗で使用する材質のグレード次第で内装工事費の単価は変わる
内装工事費は、使用する素材によっても変わります。
具体例として、
・床の材質
・壁の材質
を挙げて、1坪辺りのおおよの相場をお伝えします。
壁の材質
店舗で一般的に使用されている壁材は以下の通りです。
[壁紙(クロス)]
・紙クロス
・ビニールクロス
・コルク風クロス
・聚楽/珪藻土クロス
[塗り壁]
・漆喰
・珪藻土
・土、砂、聚楽
[天然壁]
・木
・石材
・レンガ
・大理石
[その他壁材]
・タイル壁
・コンクリート壁
参考価格としては、1坪≒2万~5万円ほどが多く見られます
(※あくまで材料だけの価格相場です。施工代は含みません)
細かい素材設定や価格設定は各専門業者ごとに異なります。
あくまで参考までに。
床の材質
店舗で一般的に使用されている床材は以下の通りです。
[フローリング系]
・複合フローリング
・単層フローリング
[シート系]
・長尺シート
・クッションフロア
[タイル系]
・磁気タイル
・タイルカーペット
・コンポジションタイル
参考価格としては、1坪≒1万~6万円ほどが多く見られます
(※あくまで材料だけの価格相場です。施工代は含みません)
細かい素材設定や価格設定は各専門業者ごとに異なります。
あくまで参考までに。
エリアごとにも内装工事費は変わるケース
お店の場所(都内か地方か)によっても内装工事費は変わるのかというと、答えはYES。
理由は以下の通りです。
・人件費
・交通費
・専門道具や材料などの運搬費
「都内に比べて地方に行けば安く済む」という単純な話ではありません。
あくまで「そのお店までたどり着くまでにかかる費用がかさむ」というイメージを持っていただけると分かりやすいでしょう。
繁華街(ビジネス街)と閑静地(住宅街など)では工事費はあまり変わらない
「繁華街や閑静な土地の場合で内装工事費は変わるのか」というと、あまり変わらないケースが多いです。
専門の施工業者で設定している金額は『1坪あたりOO円』と言われていることが多くいです。
1坪辺りの金額を『土地価格で変えてる』と言ったケースはあまり見られません。
あえて言う慣れば、その物件の家賃には違いがあります。
(都会にいけば行くほど、家賃が上がるのが一般的ですね)
内装工事費用を抑える為の5つのコツ
内装工事費を抑えるコツは以下の通りです。
・業者の種類を事前に知っておく
・複数の業者から見積しておく
・内装工事費の相場を理解する
・居抜き物件を選ぶ
・DIYを行う
順に解説します。
抑えるコツ①業者の種類を事前に知っておく
業者の種類を知っておくことで費用を抑えられる理由は以下の通り。
・業者によって「あれができる、これができない」が分かる
・問題が発生する度にどこにどう連絡したら良いか分かる
からです。店舗の内装工事専門の会社はたくさんあります。
大きく分けて以下の3つのタイプに分けられ、
・デザイン設計会社
・工事専門会社
・デザイン+工事施工会社
これらの会社から、内装工事をお願いする業者をどこにするか、お客様ご自身で見つけなければなりません。
一般的に、デザイン設計はA社、工事会社はB社、と各会社への連絡やタスクをお客様で行います。
低コストの専門業者にそれぞれお願いすることで、全体のコストが抑えられるメリットはありますが、
・信頼できる専門業者を探す時間
・それぞれの会社の間に立る手間
など、やることがダントツに増えてしまうデメリットがあることを覚悟して下さい。
一番スマートなのは、1つの会社でほぼ全てのプロセスを行ってくれる専門会社にお願いすることです。
抑えるコツ②複数の業者から見積しておく
複数の業者から見積もりをしておくことで、費用を抑えられることに繋がります。
理由は、
・希望を伝えやすくなる
・1社だけだと「実は相場より高かった…」と後から気づくことがある
・他と見比べることで「OOが要る、OOは要らない」が明確になる(ムダが減る)
などが挙げられるからです。
お客様が後悔しないよう、1社だけでなく複数の業者から見積書を取ることを強くオススメします。
抑えるコツ③内装工事費の相場を理解する
相場を予め知っておくことは、結果的に費用を抑えられることになります。
なぜなら、理不尽な割高請求をするような、悪質業者の言いなりにならずに済むからです。
もし「思ったよりも高いな」と感じたら、遠慮なく専門業者に問い合わせましょう。
抑えるコツ④居抜き物件を選ぶ
先程もお伝えしました通り、居抜き物件を選ぶことで内装工事費が抑えられます。
なぜなら、”使いまわしができる物件”だからです。
1から作り上げるスケルトン物件よりは初期費用が抑えられます。
ただし、
・空調やキッチンが使えるか
・その他必要な設備が壊れていないか
を、良く見極めることが必須。
もし設備全ての工事し直しとなった場合、結果的に予想以上にコストがかかってしまうからです。
居抜き物件を選ぶなら、良い居抜き物件を慎重に選びましょう。
抑えるコツ⑤DIYを行う
お客様ご自身でDIYをえば、出来るだけ費用を抑えられます。
ただし、素人では専門的な工事はできません。
個人でできる範囲には限界があるので、あくまで簡単な棚や装飾などに留めておきましょう。
工事費用よりも実現させたい内装デザインを重視しよう
ぜひお客様には、工事費を抑えるよりも、内装デザインを優先してほしいとお伝えします。
なぜなら、内装は商品の一部だからです。
低コストを気にしすぎた結果、
・居心地の悪い雰囲気
・使い勝手の悪い動線
・メンテナンス性が悪い
・必要な部分にお金をかけない
など、結果的に運営コストが高くなるケースもあります。
内装デザインとは、お客様のコンセプトを目に見える空間として形にしたものです。
人々の心に刺さるような空間は、集客、リピーター確保において最も重要な要素。
「”空間”という商品なのだ」と心得て頂きたいのです。
お店の内装工事の単価は物件と広さによって変わります
自分のお店を開きたいお客様へ、内装工事の単価、相場、その他必要な知識についてお伝えしてきました。
内装工事の相場は、坪単価辺り30万~50万ほどです。
この値段は、
・物件の種類
・床や壁に使う素材
・お願いする専門業者の値段設定
によって大きく変わります。
複数の見積もりを見比べる際のベースとして、ぜひ頭の片隅に記憶しておいて下さい。
「内装工事費の相場はわかった。実際に次はどう動けばいいか…」
そのような疑問がさらに浮かぶのであれば、ぜひIdealにご相談ください。
Idealは「何から始めたらいいかわからない」というお客様の助けになります。
同時に、お客様のタスクを最小限に抑えることが可能かもしれません。
『必要な手続き、内装デザイン設計、施工』までを代行することが可能だからです。
与えられた空間を存分に活かすのはもちろん、お客様の希望や願いを根本から理解するのを前提に進めます。
コンセプトを汲み取ることはもちろん、急な提案や変更にもできるだけ臨機応変に対応することがIdealの強みです。
お客様の理想とするお店が出来上がるよう、悩みや疑問点を一つ一つ丁寧に対応、解決させていただきます。
まずは一度、ご相談してみて下さい。
監修者
-
IDEAL編集部
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