2020.12.27 2021.01.04|新規開業ノウハウ
飲食店の経営オーナーになるために”資格”と”失敗例”を学ぼう
「自分の飲食店を持ちたい。オーナーになるのに何か資格って必要?どんなことに気をつければ失敗しないで済む?」という疑問にお答えする記事です。
当記事では、
・飲食店のオーナーとして必須な資格
・オーナーになるために把握しておくべきこと
・飲食店の開業における失敗例7つ
をお伝えしていきます。
「お店を持ちたい!」と思う人の多くは、開業までの流れや必要な手続きなどをメインに情報収集していきます。
意外と盲点なのが”失敗例から学ぶ”という点です。
「お店作りではどんなことに気を付ければいいのか…」を、知るには「これが出来ていなかったから失敗してしまった…」というケースから学び取ることが手っ取り早いです。
お店作りに関して”理解を深める”という意味で、当記事を参考にしてもらえればと思います。
目次
- オーナーになるための資格を紹介
- 食品衛生責任者と防火管理者になるには
- 調理師免許や栄養士などは必須ではないがプラスになる
- オーナーになるために勉強しておくと良い知識
- 開店までの順序をしっかり把握しよう
- 飲食店オーナーによくある失敗例7つ
- 飲食店失敗例①計画的に進められない
- 飲食店失敗例②商品、味が未開発のまま開業してしまう
- 飲食店失敗例③飲食店を持つことへの情熱が確かなものではない
- 飲食店失敗例④他の飲食店の成功事例、失敗事例を学ぼうとしない
- 飲食店失敗例⑤ビジネスモデル、お金の流れをきちんと計算していない
- 飲食店失敗例⑥お店のコンセプトをきちんと決めないで開業してしまった
- 飲食店失敗例⑦本来、来店して欲しい顧客が来ない、立地が合っていない
- 失敗例を踏まえてしっかり準備しよう
- 飲食店のオーナーになるには、学んでから計画性を持って行動しよう
オーナーになるための資格を紹介
飲食店のオーナーになるには必須な資格があります。
それが、
・食品衛生責任者
・防災管理者
の、2点だけです。
食品衛生責任者と防火管理者になるには
食品衛生責任者と防火管理者は、決められた講習を受講することで取得できます。
[食品衛生責任者]
『食品衛生責任者』は、”食品衛生責任者養成講習会”を受講し『修了証』(『食品衛生責任者』としての資格)を受け取ることで資格取得となります。
『修了証』は、内装工事が終える頃、保健所へ『飲食店営業許可申請』の手続きをする際に提出が求められます。
保健所からの『営業許可』をもらう為にも必ず必要な資格です。
逆に、保健所から営業許可をもらえなければ、お店をオープンできません。
[防火管理者]
『防火管理者』は、”防火管理者講習”を受講し、修了することで資格取得となります。
また、お店の収容人数が30人(顧客+スタッフ)以上の場合にのみ、防火管理者が必要です。
調理師免許や栄養士などは必須ではないがプラスになる
調理師免許や栄養士などの、料理に関する資格は必須ではありません。
ですが「持っておくとアピールなる」という意味では、あった方が良いという資格。
ご自身のお店をアピールしたいのであれば、オーナーになる前に、フードコーディネーターや、飲食店のジャンルに関する資格(カフェならバリスタ、バーならソムリエなど)を取得しておくと良いでしょう。
オーナーになるために勉強しておくと良い知識
飲食店のオーナーになった人たちが、オーナーになるまでに実践してきたこととしては、
・飲食店や飲食系の関連企業で実際に働き、知識やノウハウを身に付ける
・接客、仕入れ、メニュー開発、スタッフ教育、広告宣伝に関する知識を得る
などのステップを踏んでいるケースが多いです。
お店をオープンするまでのステップ、オープンしてから売り上げが軌道になるまでのステップなど、経済学、経営学、人材育成、メニュー開発等を学んでいます。
開店までの順序をしっかり把握しよう
「飲食店のオーナーになるぞ」と、本腰を入れるのならば、開店まで順序、ステップは頭に叩き込みましょう。
お店のオープンまでの期間は、約1年ほどかかります。
流れは以下のようなイメージです。
「自分のレストランを開くぞ!」と決意する
ステップ①コンセプトを練る→12ヶ月前
ステップ②お店作りの”事業計画”を立てる(融資を受けるのに必要)→11ヶ月前
ステップ③お店に合う物件を探す→8ヶ月前
ステップ④資金調達/融資を受ける→5ヶ月前
ステップ⑤料理・メニューを練る→4カ月前
ステップ⑥内装&外装設計、施工→3ヶ月前
ステップ⑦厨房、調理設備の購入→3ヶ月前
ステップ⑧食器やその他備品購入→2ヶ月前
ステップ⑨各種届出、必要な手続き→1ヶ月前
ステップ⑩スタッフ採用、教育する→1ヶ月前
ステップ⑪プレオープン→1週間前
ステップ⑫お店オープン
おおよそこのような流れになります。
それぞれのステップの中でもやること、調べなきゃいけないことはたくさんあります。
開業までの順序を元に、情報収集をしっかりやっていきましょう。
情報収集、ステップをきちんと踏まなければ、結果的にお店の経営がマイナスになってしまいますよ。
飲食店オーナーによくある失敗例7つ
ここでは、飲食店のオーナーによくある失敗例をお伝えしておきます。
なぜなら失敗例も必要な情報の一つだからです。
[飲食店開業での失敗例]
①計画的に進められない
②商品、味が未開発のまま開業してしまう
③飲食店を持つことへの情熱が確かなものではない
④他の飲食店の成功事例、失敗事例を学ぼうとしない
⑤ビジネスモデル、お金の流れをきちんと計算していない
⑥お店のコンセプトをきちんと決めないで開業してしまった
⑦本来、来店して欲しい顧客がこない、立地が合っていない
「ここをしっかりやらないと、マズイんだな」と、情報の一つとして把握しておきましょう。
順に詳しくお伝えしていきますね。
飲食店失敗例①計画的に進められない
1つ目は計画的に進められない、という点です。
お店作りを一から計画できない、計画通りに物事を進められない、計画通りに進まない時に、クリアしなければならないことを解決をしようとせず逃げてしまう。
これらを繰り返しては、お店オープンまでの道のりが遠くなります。
最悪の場合「1年足らずでお店を閉めてしまう…」なんてことに成りかねません。
この失敗例のケースを避けるには、面倒に感じるかもしれませんが
・計画を立てる
・計画通りに進める
・課題があったら解決する
これらも、お店作りのステップの1つとして心得ておきましょう。
飲食店失敗例②商品、味が未開発のまま開業してしまう
2つ目は、商品や味が出来上がっていない状態のままお店をオープンしてしまう、という点です。
「そんなことがあるのか…」と感じてしまうかもしれませんが、意外とあるケースですよ。
[例]
コンセプト決めの時に「オーガニック嗜好の女性にウケの良いプレート料理を提供しよう」と、何となく計画を立てる。
↓
メニューを考えつつも、次の物件探し、デザイン施行業者決めなどが気になり出し、メニューを細かく決めずに次のステップへ進めてしまう。
↓
内装工事や役所の手続きなど、次々にやることが出てきてしまい「気付いた時には開業まで日にちがなかった…」
というケースです。
結局、メニューにそこまでこだわれず、
「開業してからメニュー開発をし、それまでの売り上げが計画通りに行かなかった…」
と、味や商品のレベルが低い状態で妥協し、仕方なくお店を開店する場合もあります。
この失敗例のケースを避けるには、メニュー開発を済んでから次のステップに進むこと。
先ほどの”失敗例①”でいう『計画的に進める』を活かすことにも繋がります。
飲食店失敗例③飲食店を持つことへの情熱が確かなものではない
3つ目は、飲食店を持つことへの”情熱”が確かなものではない、という点です。
どういうことかと言いましと「自分がお店を持つことに向いているのか、どんなに苦しくても諦めないで続けられるか」と、確かな情熱を持っているか、ということです。
ただ単に「儲かるらしい」や「今、人気だから簡単に売り上げが上がるだろう」と”軽い気持ちだけで開店する人も少なからずいる”ことを理解して下さい。
ご自身の飲食店を持つことへの情熱があるかどうかを十分に見極めずに、開店したお店の未来は、そんなに明るくはありませんよ。
この失敗例のケースを避けるには、お店を持つことに情熱を持っているかを見極めること。
自分自身に問いてみて「自分の情熱は確かなものだ!」と判断でいれば、これからのことが自然に計画的に進められます。
飲食店失敗例④他の飲食店の成功事例、失敗事例を学ぼうとしない
4つ目は、他の飲食店のケースを学ぼうとしない、という点です。
結論、ご自身のお店のモデルになるような『モデリングできるお店』を見つける、ということをしましょう。
”他のお店の成功例、失敗例を見て学ぶ”ということを避けていると、解決方法がいつまでも見つからない場合があるからです。
「誰の力も借りず、1から自分の力でお店を作り上げたい!」という気持ちも理解できます。
ですが、色々なケーススタディを把握することが、”誰かの力を借りる”ということでしょうか?
この失敗例のケースを避けるには、他かから”学ぶ得る”こと自体も、ご自身の力で行動しているというように考え方を変えることです。
飲食店失敗例⑤ビジネスモデル、お金の流れをきちんと計算していない
5つ目は、お店のビジネスモデルが完成していない、お金の流れをきちんと計算していない、という点です。
ビジネスモデルが完成していない、お金の流れを計算していないとは「どのくらい売り上げがあって、どのくらいの利益が出ているのか」を把握していない、ということです。
経営上、把握しなければならない数字が分かっておらず、分析ができない、できていない、というケースがあります。
経営状態が悪くなっているのに、気合や根性論で解決しようとすると、失敗します。
この失敗例のケースを避けるには「現状をきちんと把握し、受け入れて、プラスにするためにしなければならないことをする」という、このステップから逃げてはいけません。
飲食店失敗例⑥お店のコンセプトをきちんと決めないで開業してしまった
6つ目は、コンセプトをきちんと決めないでお店をオープンしてしまった、という点です。
・どのようなビジネスをするか
・どんな人に対して提供するのか
・どのような商品を提供するのか
という、お店のコンセプトをきちんと決められなければ、立地、商品、内装、外観などに一貫性を感じられなくなってしまいます。
「コンセプトをきちんと決められない」ということは、市場調査やライバル店の調査も行えていないことにもなります。
この失敗例のケースを避けるには、細かいくらいにコンセプトを決めて下さい。
コンセプトの決め方は、以下の様に
[5W]
What…何を売るのか
Whomどんな人に売るのか
Where…どこで売るのか
When…いつ営業するのか
Why…どうしてこのお店なのか
[2H]
How…どのようにして売るのか
How much…いくらで売るのか
5W2Hに沿って考えていくことです。
飲食店失敗例⑦本来、来店して欲しい顧客が来ない、立地が合っていない
7つ目は、来店してほしい顧客が来ない、立地が合っていない、という点です。
理由は、3つあります。
・市場が合っていない
・客層が明確に特定されていない
・顧客のニーズの変化に気が付いていない
これらが起きる原因は、コンセプトがきちんと決まっていないということです。
どういうことかと言いますと、コンセプトが決まるということは、ターゲットが定まっているということ。
ターゲットが定まっていると、自ずと商圏(お店を持ちたいエリア)が決まります。
”商圏に合う立地から物件を探す”というステップがコンセプト決めの一部でもあります。
なので「本当はこんな顧客に来てほしいのに…」と、来てほしい顧客と立地が一致していないということは『コンセプトが決まっていない』あるいは『コンセプトに合う商圏ではない』ということになります。
この失敗例のケースを避けるには、決めたコンセプトに従う、ということを意識して下さい。
コンセプトに合わせた立地を選択できなければ、1からコンセプトを決め直すことになります。
失敗例を踏まえてしっかり準備しよう
結論、失敗例を学び、しっかり準備した上でお店を作り上げていきましょう。
お伝えした7つの失敗例から、お客様がするべきことは、
・コンセプトをしっかり練る
・市場調査、ライバル調査をする
・しっかりと事業計画を立て、何度も練り直す
・開業後にお金の管理ができるよう最低限の知識を得る
ということです。
その上で、
・どんな食べ物やお店のスタイルが人々に求められているのか
・どんなエリアならターゲットが集まるのか
・そのエリアにどんなライバル店があるのか
・どんなことで差別化したらいいのか
などをリサーチしていきましょう。
その結果「この場所で、こんなスタイルのお店なら生き残れる!」と、見つけ出すことが重要です。
飲食店のオーナーになるには、学んでから計画性を持って行動しよう
飲食店を開き、オーナーになりたいお客様へ、オーナーに必要な資格と飲食店開業の失敗例7つをお伝えしてきました。
この後、すぐにでもお客様がするべきことは4つです↓
①どんなお店にしたいのか”コンセプト”を5W2Hに沿って練る
②必要な資格、勉強しておくべきことは何か、を知る
③お店の失敗例や成功例の情報を集めて知識、ノウハウを得る
④お店をオープンするまでの計画を立てる
情報収集する中で、時折負担に感じるかもしれません。
ですが「こういう時はどうするの?」と感じる部分は、その分野に詳しいプロや経験者に聞くことで解決できるかもしれませんね。
『わからなければ、調べる、確認する、聞く』これが大切です。
心身ともに余裕を持って取り組んで行きましょう。
「オーナーになるために学ぶべきことは理解した。それでも1人きりで進めるのは不安だ」
そのように不安に感じられるのであれば、ぜひIdealにご相談ください。
Idealは「どうしよう…」というお客様の助けになります。
「こんなに沢山のことを進めるのは不安だ…」と感じるお客様の負担を減らすことができるかもしれません。
店舗作りに強いIdealであれば『必要な手続き、内装デザイン設計、施工』までを代行することが可能だからです。
お客様の理想とする飲食店が出来上がるよう、疑問点を一つ一つ丁寧に対応させていただきます。
まずは一度、ご相談してみてはいかがでしょうか。
監修者
-
IDEAL編集部
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