2020.08.31|店舗デザイン
店舗デザインで働きやすさと集客を向上させる
リアル店舗の経営を安定させるために必要なことはいくつかあげられます。まずニーズに合った商品選びも重要ですし、集客が見込みやすい立地条件も外すことはできません。
そして、ショップデザインも業績を伸ばすうえで重要な要素の一つです。この記事ではショップデザインに焦点を絞り、従業員にもたらす影響や顧客に与える印象などについて解説していきます。
ショップデザインを決めるポイント
ショップデザインを考える際に、費用よりもまず優先したいのは使いやすさと居心地の良さ、そして見た目の印象です。
もちろん、予算に合わせることも大切ですが、金額だけに囚われてしまうとどうしても妥協点が増えることになります。その結果、使い勝手が悪くなったり印象が悪く客数が伸び悩んだりすることも出てくるでしょう。
どんなに人気の商品やサービスを扱っても、ショップのデザイン次第では客離れにつながるかもしれません。もちろん、万が一の事故や火災に備えて避難経路を確保することも重要です。
ショップデザインを決めていくには、2つのポイントで考えていく必要があります。まず一つは従業員にとって働きやすい空間であること、そしてもう一つは客に付加価値を提供できることです。
ショップデザインの付加価値とは、そこでなければ味わえない雰囲気と考えればいいでしょう。
「そこでなければ」という感覚には個人差がありますが、「非日常的な雰囲気」と「日常に近い居心地の良さ」、そして「安心感」などがあげられます。
ショップデザインがもたらす働きやすさ
どのような業種でも、働きやすい店舗の条件としてあげられるのは機能性が高いことです。
まず、客にスムーズなサービスを提供するために好ましい動線を作り、従業員が動きやすい空間を作るようにしましょう。
見た目のデザインも大切ですが、ショップは機能的であることも重要なポイントです。空間をデザインすることは家具や電化製品をデザインすることと変わりはありません。
どんなに高価な壁材や床材を使っても、使い勝手が悪ければ辛い思いをするのは従業員です。
店内の動線が整っていないと、その分従業員の動きにも無駄が出やすくなります。1人の客に対して1人の従業員しかいない店内であれば問題は少ないかもしれません。
しかし、客や従業員の人数が増えるほど全体の動きは乱れてくる傾向があります。例えば飲食の場合、厨房の入り口がレジのすぐ横にあったらどうなるでしょうか。
混雑時にはレジに客が並び、料理を提供するのも支障が出ます。そうなれば、客に不満を感じさせるだけでなく、従業員の間にも不満が生まれることになります。中には、従業員同士のトラブルに発展することもあるでしょう。
ショップデザインを考えるときは、そこで何人の従業員が働くのか、実際に客が入ったときはどのような動きをするのかをイメージすることが大切です。
そうすれば、おのずと理想的なレイアウトと広さが導き出されます。そして、もう一つ押さえておきたいのは従業員だけが利用できる空間を設けることです。
したがって、食事や休憩の際にくつろげる空間をどこかに設けるようにしましょう。もちろん、着替える場所も必要です。面積には限界がありますから、すべて理想通りにできないこともあります。
それでも、可能な限り従業員が使える空間を作ることで働きやすい店舗作りが可能です。従業員にとって動きやすく機能的な店内となっていて、くつろげる空間があることでストレスの解消を図ることができます。
そして、働きやすい店舗を作ることで良いサービスへとつながる可能性が高いです。
ショップデザインが与える客への影響
アメリカのサンフランシスコに本社を置く「オープンテーブル」が飲食店利用客を対象に行った調査によれば、店を選ぶ基準でもっとも多かった回答はメニューの78.2%、次いで回答数が高かったのは雰囲気で64.4%です。
価格で選ぶという人は58.2%にとどまり、店内の雰囲気や居心地が良ければ価格にはあまり固執しない人が多いことがわかります。
つまり、このアンケートから見えてくるのは、ショップデザインが魅力的であればそれだけ集客が見込みやすいということです。
今回の調査は飲食店で実施したものですが、他の業種に対しても同じようなことがいえます。ショッピングや食事をする際、「買う」「食べる」といった目的以外に「非日常感」や「癒し」を求める人もいます。
店内の滞在時間が長いほど、リラックスできる空間であることを求める傾向は強まるでしょう。例えば、エステサロンや美容室などがその一例です。
プロの手で施術してもらうだけでなく、自宅とは違う雰囲気を体験できることにも価値を求める人は多いといえるでしょう。
このように、ショップは客にとって居心地の良いものであることが大切です。もちろん、スタッフの対応の良さも集客するうえで外すことはできません。
しかし、客にリラックス空間を提供することで「もう一度来たい」と感じてもらい、その結果リピーターを増やすことは十分可能です。
そして、もう一つ、ショップデザインが持つ役割があります。それは、客層をコントロールしやすいということです。
性別や年代だけでなく、独身またはファミリーなどどのような層が集まるかはショップデザインで左右されると考えていいでしょう。
例えば、子育て層の女性をターゲットにした美容室にしたいなら、キッズスペースを設けるのも一つのアイデアです。間仕切りに透明のアクリルボードを使えば、施術中も子どもの行動が目に入りやすく安心できます。
幅広い層に受け入れられやすく、懐かしい雰囲気を持つ店舗を考えるなら古民家を利用するのもいいでしょう。古民家を利用した店は郊外に多く見られますが、解体すれば都心に移築することも可能です。
撮影セットと同じような要領で、さまざまな時代の空間を再現することも無理な話ではありません。
ショップデザインは働く側と客側の双方で考えよう
ショップデザインを考えるうえで大切なのは、見た目の印象だけではありません。そこで働く従業員が働きやすい空間であることも大切です。
そしてもちろん、顧客にとって居心地が良く、商品やサービスにはない付加価値が感じられることも重要といえます。この2点をポイントにし、機能性を押さえながら他店と差がつくショップデザインを考えていきましょう。
監修者
-
IDEAL編集部
日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
> IDEALの編集者ポリシー
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。