2021.06.10  2024.06.22|店舗運営ノウハウ

個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請できる?いつまで・いくら・流れ・注意点・事例

個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請できる?いつまで・いくら・流れ・注意点・事例

本記事で「個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請できる?」という疑問にお答えするために、期限(いつまで)・上限(いくら)・流れ・注意点・事例をご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請できる?基本情報を紹介

個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請できる?基本情報を紹介

引用元:事業再構築補助金の公式サイト「トップページ」

個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請できます。申請を検討できるように、基本情報(事業再構築補助金の目的と背景、条件、期限(いつまで)、上限(いくら))をご紹介します。

目的と背景

まず事業再構築補助金の目的は、中小企業等に対する事業再構築の支援です。新分野への展開や事業の転換、業種・業態の変更などが支援されます。事業再構築の具体例については、後ほどご紹介します。

事業再構築補助金が導入された背景には、コロナ禍(2020~2022年)による日本経済の不況がありました。日本経済の回復を目指して、2021年に事業再構築補助金の公式サイトが開設され、2024年6月時点で第12回まで公募されています。

参照元:

事業再構築補助金の公式サイト「事業再構築補助金とは?」

経済産業省「事業再構築補助金」

条件

次に事業再構築補助金の申請条件は、公式サイトに掲載されています。個人事業主・フリーランスを含む共通の条件は、次のとおりです。

  • 事業再構築指針に沿う
  • 認定経営革新等支援機関などと事業計画を策定する
  • 付加価値額を向上させる

以上のほかにも、枠ごとに対象事業者(業種・業態や成長率など)が定められています。

  • 成長分野進出枠(通常類型)
  • 成長分野進出枠(GX進出類型)
  • コロナ回復加速化枠(通常類型)
  • コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
  • サプライチェーン強靱化枠
  • 卒業促進上乗せ措置
  • 中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「必須申請要件」

期限(いつまで)

それから事業再構築補助金の申請期限は、公募開始から数か月です。公式サイト掲載の「補助事業の手引き」で確認できます。例えば第11回の公募は2023年8月10日に開始され、10月6日が申請期限でした。

第12回の公募は4月23日に開始され、7月26日が申請期限です。個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する流れについては、後ほどご紹介します。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「スケジュール」

上限(いくら)

そして事業再構築補助金の上限は、枠によって異なります

  • 成長分野進出枠(通常類型):6,000万円
  • 成長分野進出枠(GX進出類型):1億円
  • コロナ回復加速化枠(通常類型):3,000万円
  • コロナ回復加速化枠(最低賃金類型):1,500万円
  • サプライチェーン強靱化枠:5億円
  • 卒業促進上乗せ措置:1億円
  • 中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置:3,000万円

ただし個人事業主・フリーランスや中小企業などの従業員数によって、補助の上限額は異なりますので、ご注意ください。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「必須申請要件」

個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する流れ

個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する流れ

基本情報だけではなく、個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する流れも確認しましょう。7点(応募申請から採択結果の確認、交付申請、補助事業の実施、実績の報告、精算払請求、事業化状況の報告まで)に整理してご紹介します。

応募申請

まず個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する流れは、応募申請から開始されます。応募申請は、事業再構築補助金に応募するために事業計画書を提出する手続きです。

事業再構築補助金の申請条件として、事業計画書を策定する際には、認定経営革新等支援機関などに相談しなければなりません。認定経営革新等支援機関の探し方については、事業再構築補助金の公式サイトで紹介されています。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「応募申請」

採択結果の確認

次に応募申請した個人事業主・フリーランスは、事業再構築補助金の採択結果を確認しましょう。応募申請の締め切り後に、事業再構築補助金の交付候補者が採択され、公式サイトに結果が掲載されます。

例えば第11回には9,207者が応募申請し、2,437の事業再構築補助金の交付候補者が採択されました。幅広い業種から交付候補者が採択されていますが、特に製造業と卸売・小売業、建設業の割合が大きかったです。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「採択結果」

交付申請

それから事業再構築補助金の交付候補者に採択された個人事業主・フリーランスは、交付を申請してください。交付申請は、事業再構築補助金を受給するための手続きです。事業にかかる経費の適切さが精査されます。

したがった事業計画書に記載した経費が、全て補助対象として認められるわけではありません。交付申請前に事業再構築補助金の公式サイトから交付規程を入手して、補助対象として認められる経費を確認しましょう。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「交付申請(第11回公募)」

補助事業の実施

続いて事業再構築補助金の交付申請を終えた個人事業主・フリーランスは、補助事業を実施します。指示される期限内に、交付申請後に決定した内容の補助事業を実施してください。事務局から指示される際には、「状況報告書」を提出しなければなりません。

なお補助事業の内容や代表者などを変更する際には、各種申請が必要です。申請内容ごとに注意点があるため、事業再構築補助金の公式サイトから交付規程や公募要領を入手しましょう。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「補助事業実施(第11回公募)」

実績の報告

そして事業再構築補助金の補助事業を実施した個人事業主・フリーランスは、実績を報告します。補助事業完了後から30日以内(または補助事業実施期間の終了日まで)に、実績報告書などを提出してください。

補助事業の内容によって、実績報告書以外にも、旅費明細書や備品管理台帳、画像データ用台紙、専門家業務報告書等が必要です。採択された補助事業の実績報告に必要な書類を確認しましょう。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「実績報告(第11回公募)」

精算払請求

また事業再構築補助金の補助事業実績を報告した個人事業主・フリーランスは、精算払いを請求します。「精算払請求書」に不備がなければ、請求後8営業日程度で補助金が指定口座に振り込まれる仕組みです。

ただし補助事業の確定検査(補助金額の確定)後に、「補助金確定通知書」を受領しなければ、「精算払請求書」を送付できません。「精算払請求書」の不備を指摘された場合には、早急に修正しましょう。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「精算払請求」

事業化状況の報告

なお精算払の請求した個人事業主・フリーランスは、事業再構築補助金による事業化状況を報告します。交付規程に基づいて、合計6回の報告(補助事業による事業化や付加価値額、知的財産権の取得など)が必要です。

なお補助事業による収益を得た場合には、補助金額を上限として納付しなければなりません。事業化状況報告システムを利用して、「事業化状況・知的財産権報告書」を提出しましょう。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「事業化状況報告(第11回公募)」

個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する際の注意点

個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する際の注意点

個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する流れと併せて、申請する際の注意点も確認しましょう。5点(最新情報と必要書類、電子申請システム、対象となる経費、受給までの資金繰り)をご紹介します。

最新情報

まず最新情報が、個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する際の注意点として挙げられます。2021年3月の第1回から2024年6月の第12回までに、申請の条件や補助金額などが改定されているからです。

特にコロナ禍による経済不況対策としての役割を終えたため、事業再構築補助金は抜本的な見直しをされています。申請を検討する際には、必ず最新情報を確認しましょう。

参照元:中小企業庁「中小企業等事業再構築促進基金及び事業再構築補助金の抜本的見直しを行った上で本日から第12回公募を実施します」

必要書類

次に必要書類も、個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する際の注意点です。応募申請や交付申請、実績報告、精算払請求、事業化状況報告に、必要書類が定められています。

そこで事業再構築補助金の公式サイトで、公募要領や交付規程を入手したうえで、申請の準備を進めましょう。

参照元:

事業再構築補助金の公式サイト「応募申請」

事業再構築補助金の公式サイト「交付申請(第11回公募)」

事業再構築補助金の公式サイト「実績報告(第11回公募)」

事業再構築補助金の公式サイト「精算払請求」

事業再構築補助金の公式サイト「事業化状況報告(第11回公募)」

電子申請システム

それから電子申請システムも、個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する際の注意点です。事業再構築補助金の申請(応募や交付、報告など)には、電子申請システムを利用しなければなりません。

事業再構築補助金の公式サイトに、電子申請システムの操作マニュアルや注意点などが掲載されています。書類の添付方法や見積もりの取り方などが定められていますので、ご注意ください。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「応募申請」

対象となる経費

また対象となる経費も、個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する際の注意点です。交付候補者に採択されてから、交付申請の際に補助対象となる経費が審査されます。

事業再構築補助金の公式サイトでは、対象となる経費の種類(建築費や改修費、設備工事費、広告宣伝費など)や発生時期などについて説明されています。

参照元:事業再構築補助金の公式サイト「よくあるご質問」

受給までの資金繰り

そして受給までの資金繰りも、個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請する際の注意点です。原則的には、補助事業の実績報告後に、精算払いの形で事業再構築補助金が支給されます。

事務局の事前承認を受けることで、一部の経費は概算払の形で支給されますが、基本的に資金0円で補助事業を実施することはできません。必要に応じて開業資金の調達方法を検討しましょう。

個人事業主・フリーランスによる事業再構築補助金の申請事例

注意点に気をつけて個人事業主・フリーランスが事業再構築補助金を申請できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点(老舗旅館と甲冑工房、学習塾、食品卸売業者、ホテル)を取り上げて、各事例の特徴をご紹介します。

飲食サービス業の飲食店を開始した老舗旅館

飲食サービス業の飲食店を開始した老舗旅館

まず「料亭・旅館三川屋」は、飲食サービス業の飲食店を開始した旅館です。事業再構築補助金を申請して、ファミリー層や若年層をターゲットに、旅館の屋上に焼肉店を施工しました。料亭経営のノウハウや仕入先を活用した新規事業です。

コロナ禍には、店内飲食や団体宿泊の顧客が減少し、料亭の売上が落ち込みました。そこで焼肉店の開業前から、弁当のテイクアウトや郷土料理の地方発送の事業も展開している事例です。

参照元:経済産業省九州経済産業局「『事業再構築補助金』採択・支援事例のご紹介」

生活関連サービス業のフォトスタジオを開始した甲冑工房

生活関連サービス業のフォトスタジオを開始した甲冑工房

次に「丸武産業株式会社」は、生活関連サービス業のフォトスタジオを開始した甲冑工房です。事業再構築補助金を申請して、ブライダルフォトサービスを提供するフォトスタジオを施工しました。コロナ禍でも対応できる新規事業です。

コロナ禍にイベントが自粛されると、甲冑レンタルの売上が減少しました。そこでフォトスタジオと併せて披露宴会場も施工し、ブライダル事業も展開しています。地元の飲食店や神社とも連携している事例です。

参照元:経済産業省九州経済産業局「『事業再構築補助金』採択・支援事例のご紹介」

学習支援業のオンライン授業を開始した学習塾

学習支援業のオンライン授業を開始した学習塾

それから「株式会社白谷塾」は、学習支援業のオンライン授業を開始した学習塾です。事業再構築補助金を申請して、ICT技術を導入し、オンラインとオフラインで授業を提供しています。教育ノウハウを活用した新規事業です。

コロナ禍には、通塾の制限により、授業料の売上が減少しました。そこで都市部だけではなく、地方の生徒もターゲットに加えて、オンライン授業を提供しています。都市部と地方の教育格差是正も期待できる事例です。

参照元:経済産業省九州経済産業局「『事業再構築補助金』採択・支援事例のご紹介」

食品加工業のペットフードを開発した食品卸売業者

食品加工業のペットフードを開発した食品卸売業者

続いて「株式会社九州築地」は、食品加工業のペットフードを開発した卸売業者です。事業再構築補助金を申請して、栄養価の高くて無添加の商品を開発しました。卸売の仕入れ力を生かした新規事業です。

コロナ禍には、取引先のホテルや飲食店が休業・時短営業したことで、食品卸売業の売上が低下しました。そこで卸売しているチョウザメを活用して、ペットフードの加工販売を開始しました。養殖数の多い地元食材を活用した事例です。

参照元:経済産業省九州経済産業局「『事業再構築補助金』採択・支援事例のご紹介」

宿泊業のワーケーション施設を開始したホテル

宿泊業のワーケーション施設を開始したホテル

そして「株式会社レッドハピネス」は、宿泊業のワーケーション施設を開始したホテルです。事業再構築補助金を申請して、ワーケーションに必要な設備・機器・什器を備えた宿泊施設を確保しました。ホテル経営のノウハウを活用した新規事業です。

コロナ禍には、ビジネス客や観光客の宿泊と結婚式の予約がキャンセルされ、売上が落ち込みました。そこで地元の観光資源を活用して、ワーケーション施設事業を開始しました。北欧式サウナや貸切風呂を導入して、他の宿泊施設との差別化を図った事例です。

参照元:経済産業省九州経済産業局「『事業再構築補助金』採択・支援事例のご紹介」

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監修者

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