2018.03.01  2022.07.25|店舗デザイン

店舗の内装をDIYできる?流れとメリット・デメリット、ポイントも解説

店舗の内装をDIYできる?流れとメリット・デメリット、ポイントも解説

「店舗内装をDIYしたいけれど流れが分からない」「どこまでDIYできるの?」とお悩みではありませんか?手軽で自分好みにデザインできるDIYですが、安全面やスケジュールに配慮しながらDIYを進める必要があります。

そこで今回は、店舗内装DIYの流れやメリット・デメリットを解説します。DIYしやすい箇所とDIYしにくい箇所や注意点も紹介します。店舗の開業や改装、移転などをご検討中の方はぜひご覧ください。

店舗の内装をDIYする流れ

店舗の内装をDIYする流れ

店舗内装のDIYにはさまざまな準備が必要ですので、限られた時間で計画的に店舗内装を準備することが求められます。店舗の内装をDIYする流れについて具体的に確認していきましょう。

必要な工事を洗い出す

まずは理想の店舗内装にするために必要な工事を洗い出しましょう。内装の一部だけをDIYしたい場合でも、全ての工事を洗い出すことが重要です。工事内容を明確にすることで必要な時間と日数の目安が分かり、工事のプランを立てやすくなります。

特に必要な設備工事を確認しましょう。電気や水道などの設備工事には資格が必要ですので、資格を所持しない場合には業者に依頼しなくてはなりません。必要な工事が分からない場合にも、内装業者に相談してください。

業者に見積もりを依頼する

必要な工事内容を洗い出したら、業者に見積もりを依頼しましょう。内装工事の費用感をつかむため、複数業者から相見積もりを取ることをおすすめします。同じ希望条件を提示したうえで見積りを出してもらい、工事の内容や料金、アフターサービスなどを細かく比較してください。

なお見積もりを依頼する際は、予算も必ず伝えてください。予算内で実現できる工事を提案してもらうためです。またDIYより内装業者に頼むほうが安くなる場合がありますので、予算を考慮しながらDIYしたい箇所を検討しましょう。

DIYできる工事を選ぶ

工事内容が決まったら、DIYできる工事を選びます。後ほど詳しく解説しますが、内装工事にはDIYしやすい箇所とDIYしにくい箇所があります。

例えば壁紙の貼り替えだけならDIYしやすいですが、壁の撤去や床の解体などは大がかりな工事になるためDIYしにくいです。DIYする範囲を明確にして、無理な工事による事故やコストの無駄を避けてください。

工具や内装材を準備する

DIYする箇所と業者に頼む箇所を整理できたら、DIYに必要な工具や内装材を準備しましょう。DIYを開始してから足りない物が出てくると、作業が順調に進まなくなる危険性があります。

DIYに用いられる工具には、主にハンマーやのこぎり、やすり、ドリルなどがあります。女性やDIY初心者でも使いやすい工具もあります。必要な工具をリストアップして、ホームセンターやネット通販などを利用して購入しましょう。

DIYを実行する

工具や内装材を準備できたら、DIYを実行しましょう。各工程にかかる所要時間(塗装時間や接着剤の乾燥時間など)を細部まで計算して、完成後に内装全体を見渡して微調整できるように余裕をもってDIYに取り組みましょう。DIYする場合には、計画通りに作業が進まない危険性があります。

業者に依頼する場合には、スケジュールに従って期日までに仕上げてくれます。DIYを予定どおりに完了できない場合やDIYできない作業がある場合には、DIYを断念して業者へ依頼することを検討してください。

店舗内装をDIYするメリット

店舗内装をDIYするメリット

店舗内装をDIYする流れを確認したところで、店舗内装をDIYするメリットを詳しくみていきましょう。集客と売上を伸ばすためには、DIYのメリットを活かして効果的に内装をデザインする必要があります。

内装にかかる工事費用を節約できる

外部業者に依頼する場合と比べて、DIYする場合にはデザイン費や工賃などを抑えられる分だけ内装にかかる工事費用を節約できます。節約できた費用を他の開業準備に充てることが可能です。

自店舗により強い愛着をもてる

苦労して壁や床などをDIYすることで、自店舗により強い愛着をもてます。さらに従業員と一緒に作業することで、店舗を作り上げる一体感を味わいながらモチベーションの向上を期待できます

自分好みの内装をデザインできる

業者に内装デザインを依頼すると、決められた選択肢の中から内装材やデザインなどを選ぶ必要があります。しかしDIYする場合には自分好みの内装をデザインできるので、理想やこだわりを表現しやすくなります。

店舗内装をDIYするデメリット

店舗内装をDIYするデメリット

店舗内装のDIYから費用やデザイン、モチベーションなどに関するメリットがありますが、デメリットも存在します。DIYする前にデメリットについて把握しておき、DIYする箇所と業者に任せる箇所の割合を慎重に検討しましょう。

手間と時間がかかる

専門的な知識や技術がない場合に想定以上に手間と時間がかかると、店舗の営業開始日に間に合わない危険性があります。特に初めてDIYする場合は失敗する危険性も念頭において、余裕をもってスケジュールを組むようにしましょう。

安全性が保証されない

強度が必要な箇所をDIYすると、安全性が保証されない危険性もあります。例えば重量のある設備や什器を載せる棚や台をDIYで造作する場合には、強度が足らずに設備・什器が落下して顧客や従業員が怪我をするリスクがあります。無理なDIYを実行する前に、内装専門業者へ相談しましょう

予算管理しにくい

DIYに不慣れな場合には、予算管理をしにくいです。一回で理想的な内装を実現させることが難しいと、想定以上に時間と費用がかかったり、途中で業者に仕上げを依頼したりしなくてはならないからです。予算と工期を検討して、DIYする箇所を限定しましょう

店舗内装でDIYしやすい箇所

店舗内装でDIYしやすい箇所

店舗内装をDIYするメリット・デメリットを踏まえて、DIYしやすい箇所をご紹介します。店舗内装専門業者レベルの知識がなくてもDIYしやすい箇所がありますので、ご覧ください。

壁の塗装

まず使用する道具が少ないため、DIYで壁の塗装をしやすいです。ペンキやスプレーが用いられ、乾燥までに時間がかかります。さまざまな種類の塗料がありますので、店舗の雰囲気やコンセプトに合わせて選んでください

例えば「乾いてからチョークでペイントできる黒板塗料」や「磁石がくっつくマグネット塗料」、「アンティーク風の仕上がりになるアイアン塗料」などの機能性をもつ製品が存在します。

なお塗料は独特の臭いがしますので、十分に換気しながら塗装を行ってください。換気することで、乾燥時間も早くなります。また技術に自信がない場合は顧客の座席から見えない箇所だけDIYするようにしましょう。

床の張り替え

壁の塗装と並んで、床の張り替えはDIYしやすい箇所です。ただし張り替え難易度が高い素材(フローリングやレンガ、石材など)もあります。床を剥がしたり釘打ちしたりする技術が必要ですので、DIYする箇所を慎重に検討してください。

手軽にDIYできる床材として、シート状の床材やフロアタイルが挙げられます。シート状の床材を貼るだけで、簡単に床の印象を変えられます。カットしやすく剥がせるタイプを選べば、元の状態に戻すことが可能です。

またフロアタイルを置くだけでも、簡単に床をDIYできます。シート状の床材に起こりがちなヨレができません。釘や接着剤が必要ないので、他の方法と比べて初心者が試しやすい方法です。

什器の塗装や施工

種類によりますが、DIYにより什器の塗装や施工も可能です。素材によって塗料を塗りづらい点や剥がれてしまう点にご注意ください。使用する素材の特性を事前に調べておくことがポイントです。

また施工する難易度の低い什器を選びましょう。例えばカウンターや棚などは構造が比較的単純ですので、初心者でもDIYしやすいです。素材や部品などを自由に選べるため、好みに応じてデザインできます。

ただし什器の取り付けに不備がないように注意してください。柱や梁といった建築物の躯体に影響する施工には、専門知識が必要です。什器の重さや施工場所によっては、内装業者への依頼を検討しましょう。

照明器具の取り替え

照明器具の取り替えも、DIY可能です。ただし高所での作業となるので安全を確保して、配線などの高度な施工を避けてください。危険な作業については、専門業者に任せましょう。

照明は、内装空間全体の印象を左右します。照明器具を取り替えるだけでも、好みのイメージに近づけることが可能です。例えば同じ飲食店でも、落ち着いたバーには暖色系の色合いが適して、大衆向け居酒屋には白色系の明るい色が向いています。

また光源の種類によっても、印象が変わります。例えば「HIDランプ」は光束が大きいため、大規模空間への使用に適しています。直接照明と間接照明などを使い分けると、コンセプトに合った内装空間を表現しやすいです。

店舗内装でDIYしにくい箇所

店舗内装でDIYしにくい箇所

DIYしやすい箇所と併せて、DIYしにくい箇所もご確認ください。内装には有資格者でないと手を加えられない部分が存在するため、作業を始める前にDIYできる箇所を確認しましょう。

水道・ガス・電気・通信設備

国の定める資格保有者だけしか、水道・ガス・電気・通信設備の工事をできません。各設備工事に求められる資格は、以下の通りです。

  • 水道設備工事の資格:給水装置工事主任技術者や下水道排水設備工事責任技術者など
  • ガス設備工事の資格:簡易内管施工士など
  • 電気設備工事の資格:電気工事士など
  • 通信設備工事の資格:電気通信主任技術者など

無資格でDIYを行うと従業員や顧客に危険が及ぶだけでなく、違法行為として罰せられる可能性があります。例えば電気工事士免状を取得していない者が該当工事をしてしまうと、一年以下の懲役もしくは十万円以下の罰金を課されるか併科される場合もあります。

e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律 」第36条

耐久性のいる内装・設備

耐久性のいる内装・設備の施工については、内装専門業者などに任せましょう。万が一地震や台風などの自然災害によってDIYした内装部分が壊れると、顧客や従業員にケガを負わせてしまう危険性があるからです。

耐久性を求められる内装部分とは、主に以下の箇所です。

  • 重い天板を使用するカウンター
  • 壁付けの食器棚
  • 厨房内のガスや水道につなぐ調理台や作業台
  • ドアや窓などの建具
  • 天井から吊るすアート作品や重量のある剥製
  • 重みのかかる床
  • 階段や柱

窓やドアなどの建具については、開閉時のスペースや安全性も考慮しなければなりません。安全性を脅かす危険性のある箇所をDIYしないでください。

店舗内装DIYの注意点

店舗内装DIYの注意点

今回の記事の最後に、スムーズに作業できるように店舗内装DIYの注意点をご紹介します。店舗内装DIYの失敗を防ぐために、法的制限や節約方法を事前に把握しておきましょう。

費用と時間をかけすぎない

予算と計画に従ってDIYを完了できるように、費用と時間をかけすぎないようにしましょう。工事内容によっては、業者に依頼したほうが費用が安く済む場合があります。工事や材料の相場価格などを調べて、業者に依頼する場合の見積もりとDIYする場合の費用を比較しましょう。

またDIYしている間も物件に賃料がかかります。DIYに膨大な時間がかかると予想される箇所については、業者に施工を依頼しましょう。特に作業に不慣れな場合には、余裕をもったスケジュールを立てて営業開始予定日に間に合うように進めてください。

DIYできない工事を業者に依頼する

先ほどご紹介したとおり有資格者でないと施工出来ない箇所がありますので、DIYできない工事を業者に依頼しましょう。業者に理想のイメージが伝わるように、具体的な希望条件を事前にまとめておくことが大切です。

施工の順番についても、業者と打ち合わせが必要です。例えば業者が設備工事を行う箇所にDIYで棚を取り付けてしまうと、設備工事のために棚を取り外す手間がかかります。細かな点まで業者と確認しておきましょう。

内装空間に統一感を出す

明確なコンセプトに基づいて、内装空間に統一感を出しましょう。コンセプトを意識せずに好きな物を並べているだけでは、まとまりのない雰囲気に仕上がってしまいます。

例えばモダンな内装空間にアンティークな什器を置いてしまうと、店舗のコンセプトが不明確になります。DIYする作業に集中するだけではなく、内装空間全体のバランスを考えながら作業を進めましょう。

範囲を限定して内装空間をDIYしよう!

範囲を限定して内装空間をDIYしよう!

手軽に行えるDIYですが、デメリットや注意点も理解しましょう。資格が必要な工事だけではなく大がかりな工事も内装専門業者に任せて、範囲を限定して店舗内装をDIYしましょう。

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店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の経営者・担当者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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監修者

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