2017.05.23  2020.09.09|店舗デザイン

店舗デザインを基本としたコンセプトの作り方

店舗デザインを基本としたコンセプトの作り方

店舗には、庶民向きのタイプから高級感を感じさせるタイプ、アートを飾ったタイプからシンプルなタイプなどいろいろあります。

こうした違いは店舗の経営者のコンセプトの違いによるものです。
コンセプトを決めるには自分が求めているイメージを絞り込み、実現の可能性を探ることが必要です。

コンセプトがはっきりしないと?

あなたはこれから開こうとしている店舗をどんなコンセプトを持ったものにしたいと考えていますか。コンセプトが適していないと、どんなにすばらしい店を作っても集客はむずかしくなります。

すでに営業している店舗の中にはコンセプトがはっきりしていないものもあります。
一つ例を挙げると、2つの異なる料理を取り扱っているレストランです。

例えば、一人のシェフが2つの国の料理を受け持っているレストランがあったとしたら、入ってみたいという気持ちになりますか。大抵の人は入ってみたいとは思わないでしょう。

それは、「どちらの料理も中途半端」、そんな印象を持ってしまうからです。

でも一つの建物内に2つの料理、例えば日本料理と中華料理のコーナーを別々に設けて、「日本と中国の一流シェフがそれぞれの味を披露」なんていうコンセプトにしたらどうでしょう。

ちょっと行ってみたいなという気になりませんか。

一つの建屋内で、中途半端でない2つの異なった料理が楽しめるのは、とても魅力的だと思います。

ベトナムで成功したレストランのコンセプトとは?

実際、ベトナムには、一つの敷地内にいくつかの郷土料理を一堂に集めると言うコンセプトで成功した例があります。

ベトナムに行ったことがある人は気づいたと思いますが、ベトナムには、普通のレストランの他に、路上で食べ物を売る屋台もあります。

屋台では、大抵家庭的な料理が売られています。そして、こうした屋台の料理にはおいしいものが多いのです。そこで、ある人が一つの案を思いつきました。

ベトナムの各地域から屋台でおいしい料理を作っている人をホー・チ・ミン・シティーに集め、一つのレストランで料理をしてもらうことにしたのです。

かくして生まれたのが「Quan An Ngon(レストラン美味)」です。

コンセプトのすばらしさと料理のおいしさで、一躍人気レストランとなり、今では世界的にも名前を知られるようになりました。

店舗のコンセプトはイメージ作りから

「レストラン美味」のように、見方を少し変えるだけでも素敵な店舗づくりにつながるものもあります。それがコンセプトです。

ところが実際には、店舗デザインを考えるときに、急にレイアウトの考案や配色選びを始める人がいます。でも、コンセプトはレイアウトや配色選び以前の問題なのです。

はっきりしたコンセプトをつかむためには、いろいろな手法がありますが、そうした手法を使う前に、まずあなた自身の気持ちを明確にすることが大切です。

まず、できる限り多くの店舗を観察し、できるだけ多くの店舗デザイン雑誌や記事に目を通します。そうすると自分の頭の中に好きな店舗のイメージが作られます。

次は一人になれる所に行き、リラックスし、自分が今から開こうとしている店舗をイメージしてみます。その店で楽しく働いている自分の姿を想像してみてください。自分の店舗がどんなものか見えてきましたか。

店舗のイメージ作りではこんな質問を

理想とする店が見えてきたら、今度は自分にいくつかの質問をしてみてください。まず最初に、「なぜ店舗を開きたいと考えているのか」と質問してみてください。

もちろん生活費を稼ぐためという理由もあるでしょう。

でも会社勤めでもなく、農園を開くのでもなく、「店舗を持とうとしている」のには、はっきりとした理由があるはずです。
理由がはっきりしたら、次はもう少し具体的な質問をします。

あなたの店舗ではどんな商品やサービスを提供していますか。どんな顧客がやってきますか。顧客の年齢層はどうでしょう。
店舗はどんな所にありますか。駅の近く?田舎?それとも海岸に近い所?

イメージした店の実現可能性の分析手法

もうどんな店舗を持ちたいか具体的なイメージが見えるようになったはずです。イメージが見えてきたら次は現実と照らし合わせて実現の可能性を検証していきます。

その時に役に立つのがポジショニングとSWOT法などの分析手法です。

ポジショニング

ポジショニングは、店舗を持とうとする地域に同じ業態でどのような店舗があるかを調べ、自分の店舗が他の店舗と差別化できるかどうかを確認する手法です。

具体的には縦軸と横軸を引き、それぞれの軸にキーワードを設定します。このキーワードはあなたのコンセプトの根幹をなすものです。

例えばイメージした店が前述のレストランだとしたら、縦軸には「アジア系‐ヨーロッパ系」、横軸には「値段高い‐安い」を設定してみます。

すると大まかには、「アジア系で高い」「アジア系で安い」「ヨーロッパ系で高い」「ヨーロッパ系で安い」の4つの組み合わせができることになります。

もちろんこんなにはっきりしたタイプだけでなく、各カテゴリーの中間に位置するタイプもあります。例えば「ヨーロッパ系に近いアジア系で値段もまあまあ」など。

ポジショニング手法を使えば、目指す地域にどのようなレストランが存在しているのかを調べ、自分の店舗がその地域で特別な存在になれるかどうかを判断することができます。

SWOT法

SWOT法は、一種のブレーンストーミング手法で、イメージ化された店舗について、その要素を言葉にして分析するものです。

SWOTとはStrength (強み)、Weakness(弱み)、Opportunity (機会)、Threat(脅威)の頭文字を組み合わせたものですから、この4つのカテゴリーについて可能な限りの要素を書き出して行きます。

例えば、次のような要素が上がって来るでしょう。

強み:その地域にはこの種類の店舗がないのでユニークな存在になれる
弱み:理想の店舗を持つのに資金が足りない
機会:更に別の国の料理を増やし、店舗を拡張できる可能性がある
脅威:少子化で高齢者が増えている → 高齢者はこのような店舗に興味がないかもしれない。

SWOT法で分析すれば、より現実的で実現可能な店舗づくりが見えてきます。

まとめ

店舗デザインの基本として欠かせないコンセプト。

店のコンセプトを決めるには、まず多くの店舗を観察し、より多くの情報をインプットし、その上で求めている店のイメージを見える化します。

更には、分析手法を使って実現の可能性を模索することが大切です。

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監修者

IDEAL編集部

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