2022.10.29  2022.10.27|店舗運営ノウハウ

飲食店の原価率が低いメニュー!平均や目安・計算式・注意点・抑えるポイント

飲食店の原価率が低いメニュー!平均や目安・計算式・注意点・抑えるポイント

本記事で、飲食店の原価率が低いメニューをご紹介します。原価率の平均や目安、計算式、注意点、抑えるポイントについても解説します。

「飲食店の原価率が低いメニューは何?」「目安や注意点を知りたい」とお悩みではありませんか?飲食店の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

飲食店における原価率とは?

飲食店における原価率とは?

飲食店における原価率とは、売上額に対する原価(仕入れ値や原材料費)の割合です。原価率の基本知識を確認しておきましょう。

原価率の目的 

飲食店において原価率を計算する目的は、提供するメニューの価格設定の妥当性を調べるためです。各メニューの原価率を調整すれば妥当な価格設定が可能となり、利益を確保できます。原価率を計算せずに営業を続けていると、赤字経営に陥る危険性があります。

原価率は、売上額における原価(仕入れ値や原材料費)の割合です。原価率と利益率は反比例の関係で、原価率が高いメニューほど利益率は少なくなります。飲食店営業の利益率を拡大させるためには、適切な原価率に抑えた価格設定が重要です。

原価率の平均

帝国データバンクの調査によると、2021年における飲食店の原価率の平均は、37.5%でした。新型コロナウィルス感染症の拡大やロシアによるウクライナ侵攻などの社会情勢から、原油や小麦などの原材料価格が高騰していると分析されています。

参考:帝国データバンク「特別企画︓「主要外食 100 社」価格改定動向調査」

飲食業界で推奨される原価率の目安は、30%程度です。30%程度にできれば、売上から安定した利益を確保できます。30%を上回ってくると売上を圧迫するため、コスト削減が必要になります。光熱費や賃料などの固定費はカットしづらいため、原価率をコントロールして経費の適正化を図る必要があります。

業態別の目安

飲食業界の原価率は業態ごとに異なり、業態別の目安は次のとおりです。

  • 40%前後ーダイニングレストラン
  • 35%前後ーカフェやバー
  • 30%前後ーラーメン屋
  • 25%前後ーデリバリー・テイクアウト専門店

ダイニングレストランは料理の品数が豊富で調理する食材が多岐に渡るほど、原価率が高くなります。特に高級食材を用いるステーキ屋や寿司屋などでは、原価率が高くなります。

カフェやバーは主に軽食や飲料を提供する場合に、原価率が低くなります。ただし調理する食材が多くなると、ダイニングレストランと同様に高くなります。 

ラーメン屋はスープやトッピングの食材によって、原価率が変動します。ラーメン屋のメニュー開発ポイントを紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

デリバリー・テイクアウト専門店は、配達業者へ支払う手数料(35%程度)を含めて価格を設定します。売上に配達手数料が含まれているため、原価率の目安は25%と低く見えます。

原価率の計算式

原価率の計算式は、次のとおりです。

  • 原価率(%)= 原価(円)÷ 販売価格(円) × 100 

例えばダイニングレストランでメインメニュー(ステーキ)とサイドメニュー(フライドポテト)、ドリンクメニュー(ビール)を提供するとします。各メニューの原価率は、次のようになります。

カテゴリーメニュー原価(円)販売価格(円)原価率(%)
メインメニューステーキ500円1,250円40%
サイドメニューフライドポテト30円200円15%
ドリンクメニュー生ビール200円500円40%

上記のメニューを一度に販売すると、原価率は37.4%(原価730円÷販売価格1,950円×100)になります。値引きをしてセット料金1800円で販売するなら、原価率は41%(原価730円÷販売価格1,800円×100)になります。

原価率を踏まえた飲食店のメニュー開発

原価率を踏まえた飲食店のメニュー開発

飲食店における原価率の基本を把握したうえで、利益を出せるように原価率を踏まえたメニュー開発に取り組みましょう。メニュー単品の原価率を正確に出したうえで、メニュー全体の原価率を調整することが重要です。

原価率の低いメニュー

飲食店における原価率の低いメニューはサイドメニューに多く見られ、フライドポテトや枝豆などが代表的です。冷凍保存可能で調理の手間がかからない点が、原価率の低いメニューの特徴です。

またポテトサラダも、原価率が低いメニューです。野菜料理はボリューム感があり、仕入れ値の安い食材もありますので、有効に利用しましょう。旬の野菜を使用すれば、より一層のコストダウンと美味しい料理が提供できます。

なおペペロンチーノのように具材が少ない料理やドリンク類は、基本的に原価率が低めです。

原価率の高いメニュー

肉や魚など原価が高い食材や消費期限が短い食材を使用するメニューは、原価率が高くなります。代表的な原価率の高いメニューは、お刺身やステーキ、ハンバーガーなどです。

食材の価格は自然災害や外国為替などの影響を受けやすく、原価率にも影響します。特に肉や魚は漁獲量や流通量が変わりやすいため、常に安定した供給が望めるとは限りません。価格が高騰した食材を購入する必要がないよう、代替メニューや新メニューの開発にも取り組んでいくことが大切です。

ただし魚や肉などのメインメニューは顧客から良い評判を得やすく、SNS映えを意識して情報発信すれば集客効果も期待できます。Web集客方法についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

メニュー全体の原価率バランス

飲食店がメニューの販売価格を決める際は、メニュー全体の原価率バランスを図ることが大切です。つまり提供する全てのメニューの原価率を下げるのではなく、メニュー全体の原価率を目安(25ー35%程度)に抑えることが重要になります。

メニュー全体の原価率バランスを図る理由は、飲食店の利益を確保するためです。原価率の低いメニューの販売数で、店舗の利益を増やすことができます。そのためには原価率の高いメニューと低いメニューを一緒に注文してもらえる販売方法の工夫が必要です。

ただし高級食材を使った味も見栄えも良いメニューは、顧客満足度が高く宣伝効果もあります。集客数を伸ばせれば注文されるメニューの数も増えていくので、メニュー全体の原価率バランスを図りやすくなります。

飲食店が原価率を計算する際の注意点

飲食店が原価率を計算する際の注意点

メニュー全体の原価率バランスを図るために、原価率を計算する際の注意点がいくつかあります。飲食店の利益を確保できるように、正確に計算しましょう。

歩留まり

飲食店が原価率を計算する際は「歩留まり単価」を用いることで、正確な原価率を出すことができます。歩留まりとは、仕入れた食材のうち実際に顧客に提供できる部分です。魚であれば骨や内臓を除外した部分が、歩留まりとなります。

歩留まり単価は、「仕入額÷歩留まり率」で計算されます。仕入れ値1㎏5,000円の食材を購入して歩留まり率80%なら、歩留まり単価は6,250円(5,000円÷80%)です。

仕入れ値ではなく歩留まり単価を用いて計算すると、各メニューの原価率が変わります。歩留まりで単価で原価率を計算しないと、正確な原価率を出すことができませんので注意してください。

FLコスト

FLコストとは、食材費と人件費を合わせた費用です。飲食店の経営ではFLコストの割合を抑えることが重要とされています。食材費と人件費が経費の大半を占める飲食業界においては、いかにFLコストを抑えるかで利益に差が出てくるからです。

飲食店のFL比率(売上額におけるFLコストの比率)の目標を60%以内にしましょう。店主一人で経営する場合は人件費を抑えられますので、浮いた費用を材料費に回すことが可能です。

FL比率は、「FLコスト(原材料費+人件費)÷売上高×100」で計算できます。例えば月間売上100万円でFLコスト50万円なら、FL率50%(50万円÷100万円×100)となります。

フードロス

飲食店の原価率の計算には、フードロスも影響します。原材料を廃棄するほど原価が値上げされることになり、原価率を上げる要因になります。フードロスと原価率は比例するため、フードロスの量を把握することは正しい原価率を計算するために重要です。

フードロス率を下げるために、在庫や売上をデータ管理してください。過剰に仕入れている食材があれば、仕入れ量を見直さなくてはなりません。どうしても仕入れ量を減らせない食材があるなら、複数のメニューに用いることでロス率を減らすことができます。

粗利額

飲食店を経営する際は原価率の計算だけにこだわらず、粗利額にも着目してください。粗利額とは、販売額から原価を引いた金額です。

次のように同じ原価率30%のメニューでも、販売価格によって粗利額が異なります。

  • チキン丼:販売価格1,000円で粗利額300円
  • サラダ :販売価格   300円で粗利額90円

チキン丼の販売価格は1,000円と高いので、粗利額も300円と高くなります。サラダの販売価格は300円と安いので、粗利額として90円しか得られません。したがって粗利額の高いメニューの注文が多いほど儲けが出ますので、粗利額が高いメニューの回転をいかに上げていくかを考える必要があります。

飲食店が原価率を抑えるポイント

飲食店が原価率を抑えるポイント

メニュー全体の原価率のバランスを図ることが、原価率を抑えるポイントにつながるとお伝えしました。他にも飲食店が原価率を抑えるポイントがありますので、いくつかご紹介します。

食品ロスを減らす

原価率を上げないように、まず食品ロスを減らすようにしましょう。食材の保存方法と仕入れ量を適切にしてください。保存方法が適切でないと、すぐに食材が傷んでしまいます。食材ごとに適した保存方法を徹底して、ムダのない在庫管理を行いましょう。

過剰な仕入れ量を減らすためには、天気や曜日ごとの来客者数をデータ観測してください。また売上高に対して在庫数が多い場合には、仕入れ量を検討しましょう。定期的に棚卸しをして、在庫管理を行うことが重要です。

オーバーポーションを防ぐ

オーパーポーションを防ぐことも、原価率を抑えるポイントです。オーバーポーション(過剰な分量の提供)を防ぐには、メニューごとに使用する食材の量を計算して、レシピどおりに仕込みや調理を行ってください

またメニューのレシピのみならず、業務全体のオペレーションもマニュアル化させましょう。業務をマニュアル化させることで、従業員の無駄な仕事を軽減して業務効率アップを期待できます。結果として、人件費や店舗全体のコストカットへと繋がっていきます。

飲食店経営のコスト削減策などについてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

メニューや価格を見直す

食品ロスやオーバーポーションを減らしても原価率を抑えられない場合は、メニューや価格を見直しましょう。原価率の高いメニューと低いメニューのバランスを図ることで、顧客満足度を維持したまま利益確保が可能になります。

まず飲食店の主力メニューとセットで注文してもらえるように、原価率の低いメニューの開発に力を注いでください。旬の食材を利用した季節限定メニューなら仕入れ価格も安くなり、原価率を下げるメニューになります。

ただし原価率を抑えたいからといって、安易に主力メニューを値上げしたり、食材を減らしたりすることを避けましょう。固定客を失う要因になりかねないからです。

仕入れ先を見直す

特定の仕入先だけに絞らず、仕入れ先を見直しましょう。複数の業者と契約することで、値段の交渉や安くて質の良い食材の購入が可能となります。食材は天候や需給動向などの影響を受けやすく、必要な食材が手に入らないトラブルも想定されます。

仕入れ価格を抑えることができれば、原価率を下げることも可能になります。仕入先の候補として、次の業者が挙げられます。業者ごとの長所を理解して、食材ごとの仕入れ先を検討しましょう。

  • 卸業者
  • 業務用スーパー
  • 市場
  • 生産者との直接契約
  • 通販サイト

飲食店の原価率を適切に設定して利益を得よう!

飲食店の原価率を適切に設定して利益を得よう!

適切な原価率を設定してメニューを開発できる飲食店は、利益を得やすく安定した経営が期待できます。原価率の高いメニューと低いメニューを組み合わせて、顧客満足度を得られるようにメニュー全体の原価率バランスを図ってください。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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