2022.06.11|店舗デザイン

店舗内装の打ちっぱなしコンクリートとは?メリット・デメリットや施工事例

店舗内装の打ちっぱなしコンクリートとは?メリット・デメリットや施工事例

店舗の内装デザインを調べているとよく聞く「打ちっぱなしコンクリート」。「取り入れるメリットはある?」「デザインするときのコツを知りたい!」とお悩みではありませんか?デザインするコツをつかまないと、おしゃれで機能的な内装を実現できません。

そこで本記事で店舗内装に「打ちっぱなしコンクリート」を施工するメリット・デメリットを解説します。向いている業種・業態、施工事例もご紹介しますので、内装デザインをご検討中の経営者・担当者の方は、ぜひご覧ください。

打ちっぱなしコンクリートとは?

打ちっぱなしコンクリートとは?

「打ちっぱなしコンクリート」とは、コンクリートで造られた躯体(建物の構造体である柱や梁、壁など)が元のままに見えるように仕上げられた状態です。通常の内装工事においては躯体のコンクリートが塗装やタイル、壁紙などで仕上げられますが、あえて見せることでクールでスタイリッシュな印象になります。

打ちっぱなしコンクリートは、躯体がコンクリートで造られている鉄筋コンクリート造(RC)や鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC)の建物において利用可能です。コンクリートをむき出しにすると表面が傷みやすいため、保護するためには透明な塗装で仕上げます。

なお外壁と内壁を打ちっぱなしにするデザインもあれば、片方だけを打ちっぱなしにするデザインも可能です。デザインのコツについて後ほど詳しくご紹介します。

店舗内装に打ちっぱなしコンクリートをデザインするメリット

店舗内装に打ちっぱなしコンクリートをデザインするメリット

クールでスタイリッシュな店舗の内装をデザインするときには、打ちっぱなしコンクリートを取り入れたいですよね。ただしメリット・デメリットを把握したうえで、効果的に打ちっぱなしコンクリートをデザインしましょう。

内装空間が広く見える

内装を天井材や壁材で仕上げるよりも、打ちっぱなしコンクリートにする方が内装空間が広く見えます。内装材を施工しないので天井や壁が厚くならず、躯体ギリギリのところまで空間を使えます。

また内装空間が広がることで、家具の大きさやレイアウトが制限されなくなります。打ちっぱなしコンクリートにより空間を有効活用でき、店舗作りの幅が広がるわけです。

多くの店舗内装にマッチしやすい

コンクリートのグレーカラーはさまざまな素材やカラーになじみやすいので、多くの店舗内装にマッチしやすいです。内装材の合わせ方によって、ヴィンテージやラグジュアリーなどのテイストを表現できます。

例えば金属やガラスなどの無機質素材と合わせればモダンテイストなりますし、木材や土などのナチュラル素材と合わせれば落ち着いた雰囲気にできます。店舗のコンセプトに合わせて、打ちっぱなしコンクリートに組み合わせる素材を検討してください。

防音性が高い

コンクリートは空気振動を伝えにくい特徴があるため、防音性が高くなります。外部の騒音を遮ることができますし、店内の音が外に漏れにくくもなります。店内を静かに保つために騒音対策をしたい場合や店内で音楽や映像を流す場合に、打ちっぱなしコンクリートがおすすめです。

ただし躯体の構造によっては、上階から足音や椅子を移動させる音などが伝わってくる場合があります。空気振動ではない「天井や壁が直接振動して発生する音」に対しては防音性が低いので、ご注意ください。

耐火性に優れている

コンクリートは燃えにくい素材(不燃材料)です。1000度の炎にさらされても数時間は形を維持できるので、耐火性に優れています。万が一火事になってもすぐには燃え広がらず避難の時間を稼ぐことができますので、火を使う飲食店やサロンなどにおすすめです。

また耐火性があるため、火災保険料が安くなる傾向にあります。一般的に木造建築にかかる保険料の1/3程度に抑えられるので、固定費の節約ができます。実際の保険料については、加入する火災保険会社にお問い合わせください。

おしゃれに見える

打ちっぱなしコンクリートは洗練された雰囲気やスタイリッシュな印象を与えるので、おしゃれに見えます。デザイナーズ物件でもよく使われており、打ちっぱなしコンクリートを取り入れることで内装の印象を変更できます。

またコンクリートの壁や天井はさまざまな什器や設備と相性が良いので、内装空間のトータルコーディネートがしやすい点も魅力的。おしゃれさに敏感な顧客層をターゲットにする場合には、ぜひ取り入れたいデザインです。

維持費を抑えやすい

コンクリートは丈夫な素材であるため、施工後の維持費を抑えやすくなります。内装紙を施工すると一般的に10年程度で劣化して張り替えが必要になりますが、コンクリートであれば張り替えが不要です。

もちろんコンクリートも劣化しますが、風化から保護する塗装をしておけば時間の経過とともにほどよい風合いを出せます。また外断熱工法(外壁と柱の間に断熱材を入れる工法)を施している場合には、断熱材が外壁を保護する役割を果たして、鉄筋の腐食やコンクリートのひび割れを防ぐことができます。

店舗内装に打ちっぱなしコンクリートをデザインするデメリット

店舗内装に打ちっぱなしコンクリートをデザインするデメリット

打ちっぱなしコンクリートには、デメリットもあります。工事を完了してから内装を変更するには、余分な改装費用がかかります。内装をデザインする前に、デメリットについて慎重に検討しておきましょう。

湿気対策が必要になる

打ちっぱなしコンクリートには結露とカビが発生しやすいため、湿気対策が必要になります。コンクリートは砂や水をセメントで混ぜて作られており、コンクリート内の水分が数年かけて蒸発していきます

したがってコンクリートは水分を吸収しやすいうえに気密性も高いので、水蒸気が室内に滞留しやすくなります。こまめに除湿や換気を行って、拭き掃除などのメンテンナンスも心がけてください。湿度の高い日や施工からしばらくの間は、特に注意が必要です。

断熱性が低い

打ちっぱなしコンクリートにすると内壁に断熱材を施工できない(断熱性が低い)ため、夏は暑くて冬は寒い空間となります。コンクリートは熱伝導率が高く、外気の影響を受けやすいです。

なお内装空間を快適にするために空調を強くすると、光熱費がかかりますのでご注意ください。ただし外断熱工法を取り入れることで、外気の影響を受けにくくすることが可能です。店内を温めたり冷やしたりする際に空気が外に逃げず、室温をコントロールしやすくなります。

配線や配管に配慮しなくてはならない

打ちっぱなしコンクリートにすると、通常は内装によって隠される電気配線や給排水設備などもむき出しになりますので、見た目に配慮しなくてはなりません。スタイリッシュな内装をデザインしたくても、配線や配管が乱雑なままだと逆効果になってしまいます。

目立たなくするには什器や設備で隠したり、配線や配管をの流れをデザインに取り入れたりするとよいです。工夫次第でスッキリ見せたり、おしゃれさを出したりすることが可能です。

特別なデザイン・工事に対する費用がかかる

打ちっぱなしコンクリートと聞くと、壁材や天井材がいらないために内装費用を抑えられるとイメージされる方もいるでしょう。しかし実際には上記の湿気や断熱・配線・配管に配慮した特別なデザイン・工事に対する費用がかかります。

また内装が施工されている居抜き物件を賃貸する場合には、内装材を取り外して処分する費用に加え、打ちっぱなしにしたコンクリートの表面を修繕する費用がかかります。

打ちっぱなしコンクリート店舗が向いている業種・業態

打ちっぱなしコンクリート店舗が向いている業種・業態

打ちっぱなしコンクリートのメリット・デメリットを踏まえて、向いている業種・業態を紹介します。打ちっぱなしコンクリートのデザイン面と機能面の特徴を活かすことで、店舗の集客と売上を向上させましょう。

ハイクラスをコンセプトとする店舗

打ちっぱなしコンクリートは、ハイクラスをコンセプトとする店舗の集客に有効です。内装の配色に対してグレーカラーの割合が大きいと、統一感のある落ち着いた雰囲気を演出できます。コンクリートに合わせて照明も活用できると、さらに高級感を出せます。

例えばヘアサロンの内装に打ちっぱなしコンクリートをデザインするなら、落ち着いた内装空間に華やかな什器や設備を配置することで、コントラストを効かせて華やかに見せることができます。

物販店舗

アパレルショップやインテリアショップなどの物販店舗において商品を引き立たせて陳列するために、打ちっぱなしコンクリートが効果的です。コンクリートのグレーカラーを背景にすることで、商品自体の色を引き立てることができます。

打ちっぱなしコンクリートの内装にはシンプルデザインの商品でも個性的な商品でも陳列できますが、陳列棚などの什器のテイストを合わせることがポイントです。内装空間全体に統一感をもたせて、商品と調和させましょう。

バーやカフェなどの飲食店

スタイリッシュでクールな雰囲気を出したいバーやカフェなどの飲食店にも、打ちっぱなしコンクリートは向いています。おしゃれさだけではなく防火性も優れていますので、火を使う厨房設備にマッチしているからです。

ただし表面を加工していないコンクリートに油汚れが付くと、目立ってしまいます。厨房付近にも打ちっぱなしコンクリートをデザインするなら、劣化と汚れを防止する透明な塗装が必要です。

店舗内装に打ちっぱなしコンクリートをデザインするコツ

店舗内装に打ちっぱなしコンクリートをデザインするコツ

開業する店舗の業種や業態に打ちっぱなしコンクリートが向いていると判断したら、店舗内装に打ちっぱなしコンクリートをデザインするコツをご確認ください。店舗全体の統一感を保ちながら、集客と売上に効果的な内装をデザインしましょう。

内装デザインのコンセプトを明確にする

まずはコンセプトを明確にすることで、内装デザインの方向性やポイントを決めましょう。コンセプトに応じて、打ちっぱなしコンクリートの活かし方が変わるからです。なるべく細かくコンセプトを設計することが重要です。

例えば打ちっぱなしコンクリートで「おしゃれな内装」をデザインする場合でも、金属やガラスを組み合わせた都会的な空間と、木材や土を組み合わせた自然を感じる空間とでは印象が異なります。

照明で温もりを出す

内装を打ちっぱなしコンクリートにすると、全体的にトーンダウンします。無骨な印象にならないように、照明で温もりを出しましょう。照明によって内装空間の印象をコントロールするために、さまざまな色味と強さを試すことが重要です。

特に温もりを感じさせたい場合には、白色よりも暖色系の照明が向いています。黄色やオレンジの照明はグレーと相性がよく、自然な形で店内を温かい印象にしてくれます。

床の素材や配色を工夫する

コンクリートの壁や天井はシンプルなので、床のデザインが引き立ちます。特に温もりを感じる木材がおすすめで、無機質な印象を和らげてくれます。他にも大理石や竹、タイル、カーペット、モルタルなどの素材を検討しましょう。

壁や天井がコンクリートのグレーカラーに統一されていれば、床にアクセントカラーを入れるとより目立ちます。グレーは重たい印象を与えますので、店内を華やかにしたいなら明るめの色を、重厚な雰囲気にしたいなら暗めの色を床に取り入れて、内装空間の印象を整えましょう。

塗装で表面を保護する

コンクリートの表面はざらざらしているため、手や服に汚れが付いてしまう可能性があります。またシミや油汚れが付きやすいので、コンクリート表面を保護することを検討してください。

コンクリートの表面を保護するには、顔料を含まないクリア塗料による塗装が効果的です。クリア塗料は透明なので、コンクリートの質感を保ちながら表面を保護できます。またカビ防止に役立つ塗料もありますので、耐久性を上げることも期待できます。

店舗内に除湿器を設置する

打ちっぱなしコンクリートの湿気対策として、店舗内に除湿器を設置しましょう。拭き掃除で結露やカビを防ぐこともできますが、徹底するためには労力や人件費がかかります。

また梅雨や雨天には換気をしても除湿を十分にできなくなりますので、除湿器の利用がおすすめです。費用を抑えたい場合には、エアコンの除湿機能を活用しましょう。

店舗内の通気・換気を良くする

除湿器の設置と併せて、店舗内の通気・換気を良くしましょう。換気扇を回したり、窓や扉を定期的に開けたりすると対策できます。他にも設備や備品を壁にぴったり付けないようにすることで、乾燥させやすくなります。

特に水回りは湿気が溜まりやすいため、飲食店の厨房やサロンの施術室では意識的に換気をしましょう。換気扇を24時間回す方法が、楽で効果的です。感染症対策にも有効ですので、こまめに換気しましょう。

店舗内装における打ちっぱなしコンクリートの施工事例

デザインの参考となるように、IDEALの施工した店舗内装における打ちっぱなしコンクリートの事例をいくつかご紹介します。理想に近い施工事例を探しておくと、内装業者にデザインを依頼する際にも役立ちますよ。

建築構造を生かした温かみを感じる店舗内装

建築構造を生かした温かみを感じる店舗内装

ヘアサロン「suri-ru hair (スリールヘアー)」様は、顧客も従業員も笑顔になれる店舗づくりを目指されています。柱と筋交の建築構造を生かしながらデザインされることで、内装空間が広さとスタイリッシュさを感じさせます。

木目調の内装材が打ちっぱなしコンクリート風のグレーカラーとマッチしており、温かみが演出されています。スタイリッシュさと温もりを共存させるデザインの参考となる事例です。

職人技で天然素材を施工した店舗内装

職人技で天然素材を施工した店舗内装

パーソナルジム「PLUS ME」様は「最上の空間で理想の身体をつくる」をコンセプトに内装をデザインされました。打ちっぱなしコンクリートではなく、壁や床に天然素材を選び、職人技により味わいのある経年劣化を再現

さらに天然素材の施工された内装空間に黒い什器や間接照明を配置することで、特別感やインパクトを感じさせています。打ちっぱなしコンクリートの内装空間にも応用できるデザインですので、ご紹介しました。

開放的な空間を実現した店舗内装

開放的な空間を実現した店舗内装

フィットネスジム「Polfit」様は天井や柱を打ちっぱなしコンクリートにすることで、開放的な内装をデザインされました。大きな窓を施工して自然光を取り入れることで、開放感が増しています。

コンクリートのグレーと木目の茶色、清潔感のある白色を基調にしながら、自然光とアクセントカラーの黄色が加わることで明るい雰囲気となっています。自然光と内装のカラーをうまく生かしている事例です。

スタイリッシュにコストダウンを実現した店舗内装

スタイリッシュにコストダウンを実現した店舗内装

コンディショニングジム「メディカル・フィット24」様は天井や柱を打ちっぱなしコンクリートにすることで、コストダウンを下げつつスタイリッシュな内装をデザインされました。配線をまとめることで、天井を見上げても乱雑な印象を受けません。

またエントランスの壁や什器に曲面を取り入れることで、優しい雰囲気が演出されています。施術室にはホワイトの建具と壁を施工することで、清潔感と落ち着きを感じる空間がデザインされています。

コツを押さえて打ちっぱなしコンクリートを取り入れよう

コツを押さえて打ちっぱなしコンクリートを取り入れよう

打ちっぱなしコンクリートはデザイン性に優れていますが、メリット・デメリットを十分に考慮してデザインする必要があります。他の素材と組み合わせることで豊富なテイストを演出できますので、コツを押さえて打ちっぱなしコンクリートを店舗の内装に取り入れましょう。

IDEALは店舗内装のデザイン・施工はもちろん、物件探しや資金調達、Web集客までワンストップソリューションとしてご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

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