2020.12.11  2022.03.16|新規開業ノウハウ

美容室・美容院の開業準備!コンセプト設計・資格取得・集客方法も解説

美容室・美容院の開業準備!コンセプト設計・資格取得・集客方法も解説

「どのように美容室の開業準備をしたらよいのか」「美容室開業に必要な資格や集客手段は何か」とお悩みではありませんか?初めて開業するときには、何かと迷ってしまうものです。

本記事では美容室の定義から、コンセプト設計、開業の準備・資格・知識などについて解説していきます。美容室開業に関する注意点やよくある質問もご紹介しますので、不安を少しずつ減らしていきましょう。

「美容室」と「美容院」「ヘアサロン」の違い

「美容室」と「美容院」「ヘアサロン」の違い

「美容室」や「美容院」「ヘアサロン」として経営されている店舗のほとんどが、「美容所」に該当することになります。

美容師法では「美容の業を行うために設けられた施設」が「美容所」であると定められています。「美容の業」とは「パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすること」です。

引用:美容師法第二条

なお「床屋」や「散髪店」と呼ばれる店舗のほとんどは、「理容所」に該当します。理容師法において「理容」とは「髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整えること」だと定められています。

引用:理容師法第一条の二

本記事ではヘアサロンや美容院を含めた美容所を対象として、美容室と表記して解説していきます。

美容室のコンセプトを設計するポイント

美容室のコンセプトを設計するポイント

美容室を開業するためにコンセプト設計が必要な理由は、下記のとおりです。

  • ターゲットを明確にして、集客を増やすため
  • 顧客だけではなくスタッフにも美容院の魅力や強みを示すため
  • 一貫したサービスを提供しつつも、サービスを改善していくため

それでは美容室コンセプト設計のポイントを3点ご紹介します。

美容室開業の動機を深く考える

美容室を開業したい動機には、今まで顧客として美容室に通ったときの満足した経験や不満に思った体験が影響しているのではないでしょうか?

例えば「もっと新人教育に力を入れて経営したい」「もっと質の良い薬剤を使って美容サービスを提供したい」といった動機を深く掘り下げながら、理念やビジョンに落とし込んでいきましょう。

ターゲットとポジションを明確にする

開業動機を踏まえながら、経営する美容院のターゲットと市場におけるポジション(立地や営業時間、サービス内容、価格帯など)を明確に定めましょう

例えばアンチエイジングに貢献するサービスを提供したいなら若年層の出入りするエリアは適さないため、ターゲットとなる40-50代女性層がよく訪れるエリアに出店すると集客を見込めるでしょう。

また髪質を整える白髪染めサービスを開発したり、昼間の料金を安くしたりすることで、主婦層のファン獲得を狙う戦略が必要です。

コンセプトを内装デザインにより表現する

開業する美容院のターゲットやポジションが明確になったら、内装デザインとして表現していきましょう。

例えば「質の高いヘアケアにより癒しの時間を提供する」コンセプトの美容室を開業するなら、「清潔感・高級感・おしゃれさのある内装」をデザインします。内装デザインの専門家に相談することで、バランスの取れた美容室をデザインできます

なお店舗のコンセプト設計について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

美容室の開業準備

美容室の開業準備

美容室のコンセプトを設計できたら、具体的な開業準備を始めることができます。工事や手続きには時間がかかりますので、1年ほど前から計画的に開業準備を進めることが必要です。

開業資金の相場と調達方法

美容室の開業資金は、出店エリアや規模に応じて500-1000万円ほどかかります。約20坪のスケルトン物件に美容室を開業するための資金(合計1000万円)の内訳を試算してみました。

  • 物件取得費:200万円ほど
  • 内装工事費:500万円ほど
  • 備品購入費:50万円ほど
  • 設備購入費:250万円ほど

自己資金だけで費用が足りない時には、開業資金を調達する方法を検討しましょう。

  • 親族や知人からの借入
  • 民間金融機関の融資
  • 日本政策金融公庫や地方自治体の融資
  • クラウドファンディング
  • 助成金や補助金の申請

また不要な開業資金を抑える方法も検討しましょう。

  • スケルトン物件ではなく居抜き物件を選ぶ
  • 中古やリースの設備や機材(イスやシャンプー台など)を利用する

運転資金

美容室を開業してから毎月の営業のために必要な運営資金。月間売上200万円の美容室における毎月の運転資金(合計120万円)の内訳を試算してみました。

  • 賃貸料:20万円(売上の10%以内)
  • 人件費:60万円(売上の30%以内)
  • 光熱費:10万円(売上の5%以内)
  • 集客費:10万円(売上の5%以内)
  • 備品費:20万円(売上の10%以内)

 

小規模の事業主だけで経営する美容室においては、従業員に支払う人件費はかかりません。従業員を雇う場合には、人件費の目安を売上の30%ほどに抑えましょう。

売上から運転資金を差し引いた額が経営者の利益になります。ただし開業準備にかかったローンの返済や設備の修繕費などもかかるので、経費を細かく計算しながら会計処理を行いましょう。

店舗物件と内装工事

開業資金を確保できたら、美容室を開業する店舗物件を契約して内装工事をしましょう。物件を工事して開業したら簡単に移転や改装できませんので、コンセプトに合う物件を探すことが重要です。

美容室を開業できる店舗物件には、居抜き物件とスケルトン物件があります。サービス内容や規模に応じて、必要な設備・備品の種類や数が変わります。美容室に必要となる設備については後ほど詳しく紹介します。

届出や許可の申請

美容室開業に必要となる届け出や許可の申請は、次の通りです。

  • 税務署へ開業届を申請
  • 保健所へ美容所の開設届を申請
  • 労働基準監督署へ労働保険の加入手続き
  • 年金事務所へ社会保険の加入手続き

もし個人事業主として美容室を開業するなら、開業届と併せて税務署へ『青色申告承認申請書』も提出しましょう。条件を満たすことで、確定申告において特別控除を受けることができます。

また美容室の内装工事を終えた後に、保健所による構造や設備の検査を受けることになります。認可されない場合には、改装工事が必要になります。

さらに従業員を雇う場合には労災保険である雇用保険と労災保険に加入して、経営者が保険料を負担します。雇用保険については従業員の勤務時間に応じて強制加入義務が生じます。

参考:厚生労働省「雇用保険の加入手続はきちんとなされていますか!」

最後に社会保険である健康保険と年金保険については、雇用する従業員の数や形態によって加入義務が異なります。

参考:厚生労働省「社会保険適用拡大」

従業員

美容室を拡大する場合や経営に専念する場合に従業員を雇用するときには、採用や研修の費用と時間が必要になります。離職率を低くして経営を安定させるためには、従業員が気持ちよく勤務できる環境を整備することが望まれます。

美容室に必要な設備・備品

美容室に必要な設備・備品

美容室の内装をデザインするときには、必要な設備・備品を把握しておくことが必要です。3種類(大型設備・美容系備品・消耗品)に整理してご紹介します。

大型設備

下に挙げた美容室の大型設備は電気を多く使用しますので、充分な電気容量が求められます。

  • ドライヤー
  • カット椅子
  • セット椅子
  • シャンプー台
  • パーマ用機器
  • ヘアアイロン
  • 縮毛矯正アイロン

美容系備品

下に挙げた美容系備品を使用するときには、においが店内にこもらないように換気設備や空調設備の機能性が高いことが求められます。

  • パーマ液
  • カラー剤
  • タオル
  • コットン
  • イヤーキャップ
  • シャンプー/トリートメント
  • アルミホイル
  • パーマゴム
  • ゴム手袋

消耗品

美容室に必要な消耗品は次の通りです。

  • ティッシュ
  • トイレットペーパー
  • 除菌スプレー
  • 検温器具
  • ハンドソープ
  • 雑誌類

美容室の開業に必要な資格や知識

美容室の開業に必要な資格や知識

費用や店舗の準備を進めながら、美容室を開業するために必要な資格や知識を習得しましょう。今回は2種類(美容師や管理美容師の免許と店舗経営に関する知識)に整理して解説していきます。

美容師や管理美容師の免許

美容師免許は、美容師として顧客へ美容サービスを提供するために必須となる資格です。もともと美容師として働いていたのでしたら、美容師免許を所持しているので問題ありません。しかし今から取得するという場合には、専門学校などの美容師養成施設に通わなければなりません。

また管理美容師免許は、美容師を雇う場合に必要になる資格です。取得するためには、3年以上の美容師経験と講習の受講が必須になります。

店舗経営に関する知識

美容室を経営するためには、次のような知識が必要になります。

  • 美容室への集客
  • 美容室の営業形態
  • 労務管理
  • 税務や財務、会計の処理
  • 生命保険や損害保険

美容室への集客手段を検討するときには、「どのように開業する美容室をターゲットに知ってもらえるか」をイメージしましょう。オンラインとオフラインの集客方法について、後ほど詳しくお伝えします。

美容室の営業形態とは「個人事業主」か「法人」のどちらで経営するかを決めるということです。初めて開業するときには個人事業主として小規模の美容室を経営する場合が多いです。売上が伸びて「税金を抑えたい」「店舗を増やしたい」と思うタイミングで法人化する場合が多いです。

労務管理とは、従業員を雇用や退職、病気療養などに関する手続きを行うことです。税務や財務、会計の処理には、給与計算や年末調整、所得税・保険料の計算などが含まれます。人件費を支払える場合には、労務や会計の業務を担当する従業員を雇うことができます

生命保険や損害保険の知識は、予期せぬ災害や事故に備えるために必要です。経営者の生活はもちろん店舗の経営や融資の返済などを想定して、保険の加入を検討しましょう。

開業する美容室への集客

開業する美容室への集客

美容室の開業まで数か月になったら、集客手段を決定して宣伝広告を行いましょう。オフラインとオンラインとに分けて、集客方法を紹介します。

オフライン集客

美容室のオフライン集客として次のような手段が用いられます。

  • チラシ
  • メンバーズカード
  • スタンプカード
  • パンフレット

紙媒体だと印刷代や紙代がかかってコストがかかりますが、ターゲットや地域によってはオンライン集客よりも効果を発揮します。

オンライン集客

次のような手段が美容室のオンライン集客方法です。

  • 美容室の公式Webサイト
  • 美容に関するコラム記事
  • SNS上の電子クーポン
  • 美容室の紹介サイト

スマホでの情報検索や予約が年々増えていますので、オンライン集客により新規顧客を一気に獲得することが可能です。

美容室を開業するときの注意点 

美容室を開業するときの注意点 

美容室開業によくある失敗事例を把握しておくことで、経営につまずくことを回避することができます。今回は代表的な注意点を4つご紹介します。

コンセプトに合う立地と物件を選ぶ

コンセプトに合わない立地や物件に開業してしまうと、人通りが多くてもターゲットを効率的に集客できません。余分な集客費を節約するためには、物件契約前に市場を入念に調査しましょう

また賃料の高い物件を選んでしまうと経営を圧迫してしまうので、予想月間売上の10%以下で賃貸できる物件を契約しましょう。

必要な開業資金を調達する

初期投資をかけ過ぎてしまい運転資金を蓄えておかないと、開業後に売上げが安定する前にローン返済や固定費の支出ができなくなり早期に休業や廃業に追い込まれてしまいます。

したがって開業した時点で6-12か月分の運転資金を蓄えておくと、経営が不安定な時期にも赤字を補填することができます。また効果的に宣伝広告を打ち出すために、毎月の集客費も確保しておきましょう。

有能な美容師を確保する

美容師のスキルや経験が足りないと、悪い評判が広がってしまい集客を減らしてしまいます。また劣悪な労働環境の美容院を経営していては、すぐに有能な美容師を失ってしまいます。

美容サービスを提供する美容室にとって、有能な美容師の確保は必須です。美容スキルだけでなく接客態度も基準としながら採用を決定しましょう。同時に従業員の働きやすい環境を整備することも必要です。将来的に多店舗展開を目指すなら研修体制も整備して、店舗を任せられる美容師を育てていきましょう

効果的に集客する

有能な美容師やおしゃれな内装を準備しても、開業する美容院の存在が知られなければ集客を増やすことはできません。特に開業してから数か月の売上は、開業前からの集客努力が大きく影響します。

開業直後には注目されやすいため、集客の費用対効果が高いです。ターゲットの生活行動を分析したうえで効果的な集客手段を選択して、オフライン集客とオンライン集客を組み合わせましょう。

美容室開業に関する質問

美容室開業に関する質問

今回は美容室開業準備を解説してきましたが、まだまだ分からない点がありますか?美容室開業に関する質問をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

自己資金はどのくらい必要ですか?

新規開業する場合に開業資金の全額を調達することは難しいので、開業資金の30~50%以上を自己資金で賄いたいです。

例えば日本政策金融公庫の新創業融資制度の申請条件として、「創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金(事業に使用される予定の資金をいいます。)を確認できる方」という条件があります。

参考:日本政策金融公庫「新創業融資制度」

自己資金がない場合には担保を設定したり、事業計画書で返済能力を示したりすることで融資や補助金・助成金を申請できる場合があります。審査においては事業計画書を含めて申請書類が総合的に判断されますので、綿密な計画を立てておきましょう。

管理美容師の免許は絶対に必要ですか?

美容師法によると、美容師2人以上で営業する美容室に管理美容師を配置しなくてはなりません。つまり1人で経営する美容室には必ずしも必要ではありません。

参考:美容師法第12条3

しかし美容室を衛生的に管理するための資格ですので、多店舗を出店するためや感染症対策のために取得しておくとよいでしょう。

美容所の開設届を申請するときの注意点はありますか?

保健所に美容所の構造設備を確認してもらう手続きが「美容所の開設届」です。注意点は事前に保健所に相談することです。

内装の図面をデザインしてもらったら工事の前に保健所に相談して、修正点がないかを確認してもらいましょう。工事後に改善要請があった場合は、改装工事が必要になるからです。

開業資金を抑える方法はありますか?

開業資金の中で内装工事費と設備購入費の割合が高いので、抑える必要があります。内装工事費を抑える方法の一つは、設備を譲渡してもらえる居抜き物件を契約することです。ただし譲渡される設備や備品の種類や状態を事前に確認しましょう。

設備購入費を抑えるためには中古品・リース品を利用したり、開業前に最小限の設備だけを施工したりしましょう。利益が出てきた段階で、必要な設備・備品を徐々に増やすことができるからです。

どうしたら美容室の理想的な内装をデザインできますか?

美容室の内装が具体的にイメージできない場合には施工事例を参考にしたり、内装業者に相談したりしてみましょう。言葉で明確なコンセプトを表しておくと、内装デザインがスムーズになります。

理想的な内装をデザインする方法について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

効率的に準備して理想的な美容室を開業しよう

効率的に準備して理想的な美容室を開業しよう

明確なコンセプトに基づくことで無駄を省きながら、効率的に開業準備と集客を進めることができます。特に予算がなくては準備できませんので、開業資金を細かく計算して計画的に調達していきましょう。

IDEALは美容室を始めとする店舗のコンセプト設計から物件探し、内装工事、資金調達などをワンストップソリューションでお手伝いしております

店舗の開業や移転、改装などについてお困りの際には、ぜひIDEALにご相談ください。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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