2022.03.05  2022.03.10|新規開業ノウハウ

カフェ開業の準備・費用・資格・集客!経営に失敗しないコツも紹介

カフェ開業の準備・費用・資格・集客!経営に失敗しないコツも紹介

「どのようにカフェを開業するの?」「カフェをデザインする方法を知りたい」とお悩みではありませんか?カフェ開業には多くの準備が必要で、予算内に計画的に進めなくては利益を上げることができません。

そこで今回はカフェ開業に必要なコンセプト設計から内装デザイン、資金調達、資格取得、届出申請までを解説していきます。失敗事例も紹介しているので、カフェ開業をお考えの経営者・担当者の方は、ぜひご覧ください。

目次

  1. カフェを開業する流れと準備
    1. ステップ1.カフェのコンセプトを事業計画書にまとめる
    2. ステップ2.カフェの物件選びと内装デザイン・工事
    3. ステップ3.カフェの開業資金調達(融資・補助金・助成金の申請)
    4. ステップ4.カフェの開業に必要な資格・スキルの取得
    5. ステップ5.カフェ開業に必要な届出・許可申請
    6. ステップ6.カフェへの集客手段の決定
  2. 開業するカフェのコンセプト設計
    1. カフェ市場の調査(顧客層と競合カフェの分析)
    2. カフェのターゲット選定
    3. カフェのポジション決定
    4. コンセプトを言語化
  3. カフェを開業する物件を探すときのポイント
    1. 物件の条件を細かく設定して情報収集する
    2. 家賃を予想売上の10%に抑える
    3. 内装業者と一緒に内見する
    4. 外からの視認性が高い物件を選ぶ
    5. 居抜き物件で内装工事費・設備費を抑える
  4. カフェの内装やメニューをデザインするときのポイント
    1. 一貫したコンセプトに基づき、ターゲットのニーズに応える
    2. 顧客と従業員の動線を意識する
    3. おしゃれさと居心地の良さを実現する
    4. テイクアウトやデリバリー、ネット販売に対応する
    5. 期間や季節に限定したメニューも考案する
  5. カフェ開業資金と調達方法
    1. 業態別のカフェ開業資金の相場
    2. 店舗型カフェ開業資金の内訳
    3. カフェ開業資金を抑えるポイント
    4. カフェ開業に利用できる補助金・助成金
  6. カフェ開業に必要な資格やスキル
    1. 飲食店開業に必須となる資格
    2. 調理に役立つ資格
    3. コーヒー提供に役立つ資格
    4. 経理・財務・税務・労務に関するスキルや経験
  7. カフェ開業に必要な届出・許可
    1. 個人事業主に必要な届出
    2. 法人に必要な届出
    3. カフェ開業の届出・許可申請
    4. 人材採用に必要な手続き
  8. カフェ開業によくある失敗事例
    1. 経営能力が不足している
    2. 初期投資が大きすぎる
    3. 収支計画が甘い
    4. 効果的に集客できない
    5. 人材不足に陥ってしまう
  9. 予算内にカフェ開業準備を計画的に進めよう

カフェを開業する流れと準備

カフェを開業する流れと準備

カフェを開業してから利益を上げるためには、開業前の限られた時間を有効に活用しながら計画的に準備を行うことが必要です。

そこでカフェを開業する大まかな流れと準備を6ステップに整理しましたので、一つずつ確認していきましょう。

ステップ1.カフェのコンセプトを事業計画書にまとめる

開業するカフェの提供するメニューやサービスの「品質」や「付加価値」を言葉で表現した「コンセプト」。

開業1年ほど前から、コンセプトを具体的な言葉に表しながら事業計画書に落とし込んでいきましょう。コンセプト設計の方法を後ほど解説します。

ステップ2.カフェの物件選びと内装デザイン・工事

開業半年ほど前には、開業するカフェのターゲット層が出入りするエリアを選定して、コンセプトに合う貸店舗物件を探して契約しましょう。

店舗を賃貸したら、予算内で内装をデザインして工事します。物件選びのコツや内装工事の注意点などについて後ほど詳しく解説します。

ステップ3.カフェの開業資金調達(融資・補助金・助成金の申請)

物件契約と同時期に、開業に必要な資金を計算して調達しておきましょう。規模や業態に応じて300-1500万円ほど必要です

自己資金だけで開業資金を確保できないときには、民間金融機関の融資や公的機関の助成金などを申請します。申請方法を後ほどご紹介します。

ステップ4.カフェの開業に必要な資格・スキルの取得

カフェの内装工事が進む間に、計画的に開業に必要な資格を取得しましょう。カフェ開業に必須とされる資格は2つ(食品衛生責任者と防火管理者)あります。

またカフェ開業に必須ではありませんが、利益を上げるためにバリスタ資格や税務処理能力などを身につけることが有効ですので、後ほど解説します。

ステップ5.カフェ開業に必要な届出・許可申請

開業3カ月ほど前から、カフェ開業に必要な届出や許可申請(開業届または法人設立届、税務書類の提出、社会保険の加入、営業許可の申請など)を行うことが必要です。

なお業態やメニューに応じて必要となる届出や許可がありますので、注意が必要です。

ステップ6.カフェへの集客手段の決定

開業2か月ほど前には集客手段を決定して、具体的な宣伝広告活動を始めましょう。オフライン広告(チラシや壁広告など)とオンライン広告(WebサイトやSNSなど)を組み合わせながら、ターゲット層に開業するカフェの存在を紹介するためです。

他にも従業員を雇う場合の採用業務や仕入れ業者の選定など、さまざまな準備があります。一覧表にまとめて、計画的に進めましょう。

開業するカフェのコンセプト設計

開業するカフェのコンセプト設計

カフェのコンセプトを決めることで、商品・サービスの「付加価値」を顧客に伝えたり、「品質」を一定に保ったりすることができます。

それではマーケティングでよく活用されるSTP分析に基づいて、コンセプトを設計していきましょう。

カフェ市場の調査(顧客層と競合カフェの分析)

まずはカフェの開業を検討しているエリアの市場調査をして、競合カフェを訪れている顧客層を把握しましょう。どんなカフェに対してどんな商品・サービスが求められているかを分析するためです。

またカフェ市場調査は、エリア内で提供されていない商品・サービスを開発して競合店からの差別化を図るためにも重要です。

カフェのターゲット選定

市場調査と競合分析を踏まえて、開業するカフェに集客するターゲット層を選定します。ターゲットを絞ることで、顧客の具体的なニーズに応える商品・サービスを開発することができます。

例えば同じカフェを開業する場合においても、若年層の女性をターゲットとするカフェとサラリーマンの男性層をターゲットするカフェでは提供されるメニューや内装の雰囲気が全く異なります。

カフェのポジション決定

集客したいターゲットを選定したら、カフェ市場における独自のポジションを決定します。顧客層と競合カフェの分析に基づいて、差別化を図りましょう

例えば同じサラリーマン男性をターゲットするカフェにおいても、「ランチタイムに素早く食事ができるカフェ」と「仕事前後にゆったり過ごせるカフェ」などの違いが考えられます。

コンセプトを言語化

開業するカフェの市場における独自のポジションを決定したら、いよいよコンセプトを言葉に表現(言語化)します。今回は「5W2H」の枠組みに当てはめながら、事例としてある都市に暮らす「子育て中の女性」をターゲットとするカフェのコンセプトを下の表を使いながら考えてみます。

5W2H意味役割カフェのコンセプト例
Whyなぜ開業目的ゆっくりランチを楽しんでもらうため
Whatなにを商品・サービスヘルシーなランチとデザートキッズスペースを完備
Whereどこで立地・物件駅と集合住宅に近いエリア
Whenいつ営業時間・時期ランチタイム
Whom誰にターゲット層子育て中の女性
Howどうやって営業形態イートインとテイクアウト
How muchいくらで販売価格1杯500円から、1皿1,000円から

上の表にまとめた内容をつなげると、「ゆったりとランチを楽しんでもらうために、駅と集合住宅に近いエリアで、子育て中の女性をターゲットとして、ランチタイムにイートインとテイクアウトで、1杯500円・1皿1,000円から、ヘルシーなランチとデザートを提供するカフェ」というコンセプトを言葉に表すことができました。

カフェを開業する物件を探すときのポイント

カフェを開業する物件を探すときのポイント

理想のカフェのコンセプトを考えることができても、開業したいエリアに予算内に収まる物件を見つけられなくては、コンセプトを実現することはできません。

そこで初期投資を抑えて開業する方法にも触れながら、具体的な物件探しのポイントを6点に整理してご紹介します。

物件の条件を細かく設定して情報収集する

まずは店舗物件の立地や広さ、周辺環境などの条件を細かく設定してから、飲食店向けの物件情報サイトにアクセスして家賃相場や物件などの情報収集をしましょう。

またWebサイト上以外にも、開業前から不動産業者や食品関連業者やカフェ経営者などとのつながりをもっておくと、多方面からWeb上に掲載される前に最新情報を集めることができます。

家賃を予想売上の10%に抑える

物件を賃貸するための家賃は、立地や広さによって大きく変わります。しかし売上に対して家賃の比率が高くなればなるほど、利益率が下がることになります。

そこで物件を探すときの一つの基準として、家賃の占める比率を売上の10%以内に抑えることを設定しましょう。例えば月間売上200万円を見込めるのであれば、毎月の家賃が20万円までの物件が候補となります。

内装業者と一緒に内見する

物件の候補を見つけたら、「内装のデザイン・施工を依頼する業者」に内見へ同行してもらいましょう。カフェのコンセプトを実現できる物件なのかを専門家に見極めてもらうためです。

外からの視認性が高い物件を選ぶ

飲食店の存在を通行する歩行者や車両に認知してもらうために、外からよく見える(視認性が高い)物件を選びましょう。

外からの視認性が高い物件とは、具体的には「店内の様子が見えやすい」「大きな看板を設置できる」「二階以上にある」「地下にある場合には階段の場所がわかりやすい」というような物件になります。

居抜き物件で内装工事費・設備費を抑える

前借主の施工した内装や設備が残されたままの居抜き物件。スケルトン物件(内装や設備が解体された躯体だけの状態)に比べて、内装工事費と設備費を大幅に抑えることができます。工事期間を短縮できるため、開業までの準備期間や家賃を節約することもメリットです。

ただしデメリットとして、前に営業していた飲食店の悪い印象が残ってしまったり、コンセプトに応じて内装や設備をデザインしにくかったりします。居抜き物件について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

カフェの内装やメニューをデザインするときのポイント

カフェの内装やメニューをデザインするときのポイント

カフェの物件探しと並行して、設計したコンセプトに基づいてカフェの内装やメニューをデザインしていきましょう。顧客に提供する商品・サービス・内装設備(座席や壁紙、備品など)を通じて、コンセプトを実現することになります。

一貫したコンセプトに基づき、ターゲットのニーズに応える

一貫したコンセプトに基づいてメニューや内装をデザインしてターゲットのニーズに応えることで、無駄な出費を減らしたり固定客を獲得したりすることが可能となります。飲食店側からコンセプトやターゲットが明確に示されると、ターゲット層の顧客からアプローチしやすくもなります。

顧客と従業員の動線を意識する

顧客が来店してから退店するまでの動きや従業員が営業時や準備時に作業する動きを想定しましょう。動線設計が不十分だと商品・サービスを効果的に提供することができなくなり、回転率が悪くなったり顧客の満足度が下がったりして、集客や売上を伸ばすことができないからです。

おしゃれさと居心地の良さを実現する

見た目のおしゃれさはもちろん、顧客が居心地の良さを感じることができるように内装やメニューをデザインすることも必要です。例えば奇抜で目を引く客席を施工しても、提供するメニューに合わないのであれば顧客が満足しながら飲食することができないでしょう。

テイクアウトやデリバリー、ネット販売に対応する

特に2020年からのコロナ禍において、時短営業を求められるときでもテイクアウトやデリバリー、ネット販売に対応することで、なるべく集客と売上をキープし続けることができます。来店する顧客が満足できるメニューや内装をデザインすることが第一ですが、経営者として社会の変化や状況に対応することも必要でしょう。

期間や季節に限定したメニューも考案する

開業する飲食店の看板メニューをデザインすることが先決ですが、期間限定メニューや季節限定メニューを提供することで新規顧客を獲得したり、固定客を飽きさせない工夫をしたりしましょう。限定メニューに応じて内装に変化を与えることができるようにデザインしておくと、顧客の満足度を上げることができるでしょう。

カフェ開業資金と調達方法

カフェ開業資金と調達方法

内装工事やメニュー開発はもちろんのこと、人材募集や広告宣伝などにも経費がかかります。カフェ開業資金を正確に計算して余分な経費を抑えつつ、不足する経費を調達することが必要です。

そこでカフェの業態別の開業資金の相場と内訳、抑えるポイント、調達方法を確認していきましょう。

業態別のカフェ開業資金の相場

まず飲食店の開業資金は予想年商の50%ほどが適正です。家賃を月商の10%程度に抑えるとすると次のように計算できます。

  • ある店舗型カフェに必要な月商=家賃(15万円とする)×100%×12か月=1800万円
  • ある店舗型カフェの開業資金=1800万円×50%=900万円

次にカフェの業態を3種類(住居併設型・移動販売型・店舗型)に整理して、開業資金の相場をご紹介します。

移動販売専用車や移動式コンテナを利用して移動販売を行う移動販売型カフェ。開業資金の総額は、300万円前後(車・コンテナの大きさや設備により変動)です。店舗型と住居併設型と比べると、物件取得費を内装工事費を圧倒的に抑えることができます。ただしイベント会場や店舗に申請して、営業する手間や費用がかかります。

所有する住宅の一階や離れに併設する住居併設型カフェ。開業資金の総額は、600万円前後(坪数やメニューなどにより変動)です。下の店舗型カフェとは異なり、物件取得費が不要です。ただし所有する住宅の用途地市域(カフェを開業できるか)を確認する必要があります。

ビルの貸店舗に開業する店舗型カフェ。開業資金の総額は、1,000万円前後(坪数やエリアなどにより変動)です。上の住居併設型や移動販売型と比較すると、物件取得費の分だけ開業資金が多くなります。しかし居抜き物件を契約することで内装の設備費と工事費を抑えることができますので、後ほど詳しくご紹介します。

店舗型カフェ開業資金の内訳

1000万円前後が必要とされる店舗型カフェの開業資金。具体的な内訳を下の表にまとめて、例としてある居抜き物件(10坪、家賃月10万円)にカフェを開業するための資金を試算してみます。

開業資金の内訳経費の目安居抜き物件
(10坪、月10万円)
賃貸物件取得費
(保証金と礼金、賃料)
開業資金の10%程度60万円
(家賃10万円×6カ月分)
内装工事費
(デザイン料・工賃・内装設備費)
開業資金の20%程度
坪単価5-50万円(※1)
50万円
(坪単価5万円×10坪)
厨房設備費
(主にスケルトン物件※3)
開業資金の20%程度
坪単価20-50万円
0円
造作譲渡料
(居抜き物件のみ)(※4)
100-500万円程度 (※3)160万円
原材料費開業資金の10%程度50万円
人件費開業資金の10%程度100万円
広告宣伝費
(Webサイト管理費・グルメサイト登録料など)
開業資金の5%程度30万円
諸経費
(消耗品費や修繕費など)
開業資金の5%程度30万円
運転資金開業資金の10-20%
家賃の6-12カ月分
120万円(家賃10万円×12カ月分)
合計金額600万円
※1:スケルトン物件と居抜き物件で大きく変動します
※2:前借主により施工された造作(内装設備)を譲渡してもらうための費用です
※3:居抜き物件においても追加で設備を購入する場合あり
※4:譲渡される設備の状態や数により大きく変動します

なおカフェを含む飲食店開業資金の経費について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

カフェ開業資金を抑えるポイント

カフェ開業資金の内訳を計算したら、次の5点を踏まえて不要な経費をなるべく抑えましょう。

1点目は居抜き物件の契約を検討することです。前借主の施工した造作を譲渡してもらうことで、設備費と工事費を大幅に抑えることができます。ただし内装デザインの自由度が狭まる点に注意が必要です。

2点目は、賃料値下げやフリーレントを交渉することです。所有者が借主に早く入居してほしい物件を見つけることができれば、通常よりも割安に物件取得費に抑えることが可能です。ただし入居者が見つからない物件を契約する前には、立地条件や前借主の経営状態などをよく調べましょう。

3点目は中古品利用やリース契約を検討することです。内装や厨房の設備・機器の中古品やリース品を利用することで、新品を購入するよりも経費を抑えることができます。ただし状態の悪い設備・機器を使用していると、修繕費や交換費用が余分にかかる可能性もあるので、注意しましょう。

4点目は内装工事や部材調達を自分たちで行うことで、専門業者に開業準備を任せる必要を抑えることができます。ただし準備に必要な時間とスキルが足りない場合には、開業準備が計画通りに進まなくなる危険性があります。

5点目は、ブログやSNSを運用してマーケティング活動することです。例えばインスタアカウントを運用してキャンペーンを実施することで集客を伸ばしながら、顧客に良い評判を拡散してもらうことが期待できます。ただしWebマーケティングに必要なスキルや時間が足りない場合には、成果を出すことが難しくなります。

カフェ開業に利用できる補助金・助成金

カフェの開業に必要な経費をなるべく抑えても資金が不足する場合には、補助金や助成金を申請して調達することを検討しましょう。申請してから受給するまでに審査期間がありますので、募集要項をよく確認することが必要です。

今回は2022年2月現在に申請ができる4つの補助金・助成金をご紹介します。ただし最新の募集要項が掲載されているWebページへアクセスして、申請の期間や条件、審査内容を確認してください。

「創業助成金」制度では、地方自治体から個人や中小企業に対して創業費用が助成されます。例えば東京都中小企業振興公社の創業助成金制度では、助成対象経費の2/3以内で100万円〜300万円が助成されます。

参考:TOKYO創業ステーション「創業助成事業」

「小規模事業者持続化補助金(一般型)」制度では、経済産業省中小企業庁から開業している小規模事業者に対して事業持続費用が補助されます。経営計画書と実績報告書を提出して審査に通ることで、最大50万円が補助されます。

参考:ミラサポplus中小企業向け補助金・総合支援サイト「小規模事業者持続化補助金(一般型)」

「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」制度では、経済産業省中小企業庁から中小企業・小規模事業者に対して設備投資費が補助されます。生産性を向上させる取り組みを認められると、最大1,000万円の補助金が出ます。

参考:ものづくり補助金総合サイト「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」

「キャリアアップ助成金」制度では、厚生労働省から中小企業事業主に対して非正規雇用労働者から正規雇用労働者への人材採用・育成費用が助成されます。キャリアアップ計画が認定されると、正社員登用する従業員1人に対し最大57万円が支給されます。
参考:厚生労働省「(キャリアアップ助成金制度)」

なお他の開業資金調達方法について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

カフェ開業に必要な資格やスキル

カフェ開業に必要な資格やスキル

開業準備には、必要な資格の取得やスキルの習得も含まれています。店舗工事・メニュー開発・従業員採用を進めても、業種や業態によって法的に必要とされる資格がないと開業することはできません。

それではカフェ開業に必要な資格・スキルを紹介しますので、必要な準備を確認して計画的に進めましょう。

飲食店開業に必須となる資格

カフェを含む飲食店の開業には、食品衛生責任者と防火管理者の資格を取得することが必須です。

食品衛生責任者の資格は、都道府県主催の講習会に参加することで取得できます。カフェを開業する地域の保健所に営業許可を申請をするために必要です。調理師や栄養士、製菓衛生士などの資格を所持していると、講習会参加が免除されます。

【例:東京都の食品衛生責任者講習会】

講習と試験費用
食品衛生学 2.5時間
公衆衛生学 0.5時間
食品衛生法 3.0時間
   合計 6.0時間
12,000円(教材費を含む)
※日程などについては公式サイトを確認してください。

参考:一般社団法人東京都食品衛生協会「食品衛生責任者養成講習会」

防火管理者の資格は、都道府県主催の講習会に参加することで取得できます。店舗の規模が「収容人数30名以上」の場合に取得することが必要です。店舗の延べ面積により講習内容が変わるため、300㎡以上なら甲種を300㎡未満なら乙種の講習会に参加します。

【例:東京都の防火管理者講習会】

申請や相談の窓口講習内容と費用
地域の消防署防火・防災管理新規講習 5,500 円
防災管理新規講習     2,100 円
乙種防火管理講習     1,700 円
防火・防災管理再講習   1,400 円
甲種防火管理再講習    1,400 円
※日程については公式サイトを確認してください。

参照:東京消防庁「防火・防災管理講習」

調理に役立つ資格

カフェを含む飲食店を開業するために、法的には経営者にも従業員にも調理師免許取得の義務はありません。しかし取得することで、次のような飲食店経営上のメリットを得ることができます。

  • 食品衛生責任者養成講習を免除される
  • 食品を衛生的に管理・調理できる
  • 有資格者が食品を提供していることを宣伝できる

また調理師資格以外にも、次のような調理や食品に関する資格・知識・経験をカフェ経営に生かすことができます。

  • 栄養士
  • マクロビオテック
  • 食育インストラクター
  • フードコーディネーター
  • スポーツフードアドバイザー

上記の資格を取得することで、例えば「栄養士が提供する栄養バランスの良いカフェメニュー」や「フードコーディネーターが経営する食の最新トレンドを取り入れたカフェ」、「スポーツフードアドバイザーがおすすめするカフェでの食事」などのコンセプトを設計することができます。

コーヒー提供に役立つ資格

食べ物を調理する調理師に対して、カウンターでコーヒーを淹れるバリスタ。カフェでコーヒーを提供するために、法的に取得が義務づけられている国家資格はありません。しかし下の表にまとめた通り、民間の法人や団体が主催する資格がたくさんあります。

資格名主催者習得できる知識・技能取得方法取得費用
コーヒーソムリエ認定試験日本安全食料料理協会コーヒー全般の知識(豆の種類や産地、品質、焙煎方法など)在宅受験税込10,000円程度
JBAバリスタライセンス日本バリスタ協会コーヒー基礎知識やエスプレッソマシンの仕組み、エスプレッソの知識・抽出技術・テイスティング、カプチーノの知識・製造技術などJBA認定校による学科・実技の講座と試験合計で税込70,000円程度
コーヒーインストラクター検定全日本コーヒー商工組合連合会コーヒー製造業者に求められる知識と鑑定技術(商品設計や生豆鑑定、品質管理)加盟企業による学科・実技の講座と試験税込1,500‐50,000円程度(級により異なる)
コーヒースペシャリストformieコーヒーを入れる技術(ラテアート、デザインカプチーノなど)やコーヒーに関する知識(スイーツレシピ、ブレンディングなど)オンライン通信講座税込40,000円程度

上記のようなバリスタ資格を取得することで、「バリスタ監修の淹れたてコーヒを味わえるカフェ」や「コーヒーマイスターの淹れるスペシャルラテアートが味わえるカフェ」などの独自のコンセプトに基づいてカフェを経営することができます。

経理・財務・税務・労務に関するスキルや経験

カフェの経理・財務とは資金の調達・管理、帳簿の記帳、請求書発行、財務諸表・決算表の作成などです。経理・財務のスキルや知識、実務経験、資格(MBA・ファイナンシャルプランナーなど)があるとよいですが、専門家に相談・依頼することもできます。

またカフェの税務とは税金(所得税・法人税・消費税など)の計算と会計帳簿付け、確定申告などで、カフェの労務とは労働環境整備や給与計算、労働管理、社会保険手続き、就業規則作成などです。税務や労務の知識や経験があるとよいですが、税理士や社会保険労務士など有資格者に相談・依頼することもできます。

カフェ開業に必要な届出・許可

カフェ開業に必要な届出・許可

開業するためには資格やスキルと併せて、開業の届出・許可の申請も必要です。業態や業種に応じて、開業するために必要な届出・許可は異なります。

カフェ開業に必要な届出・許可申請を紹介しますので、必要な書類などを確認して計画的に進めましょう。

個人事業主に必要な届出

個人事業主としてカフェを開業するためには、2つの手続きが必要です。まず開業から1か月以内に、「個人事業の開業・廃業等届出書」を税務署へ提出します。所得税や消費税などの確定申告のために必要です。

また所得税の特別控除を受ける場合には、開業から2か月以内に「青色申告承認申請書」を税務署へ提出します。白色申告よりも帳簿付けが複雑になりますが、節税できます。

法人に必要な届出

法人を設立してカフェを開業する場合にも、2つの手続きが必要です。まず法人を設立してから2週間以内に、法務局に会社登記をします。所在地や社名などの基本情報を一般公開するためです。

また法人設立から2か月以内に、法人設立届を税務署に提出します。法人税や消費税などの確定申告に必要です。カフェを開業する場合には節税の観点から個人事業として始めて、規模を拡大する段階で法人を設立することが一般的です。

カフェ開業の届出・許可申請

なおカフェを開業する個人と法人に共通で必要な手続きとして、まず営業開始3週間前くらいに、飲食店営業許可を保健所へ申請します。事前に食品衛生責任者養成講習会で取得した食品衛生責任者手帳が必要です。店舗の設備に関する規定があるので、内装工事前に保健所に相談にしておきましょう。

次に消防署へ下の防火管理に関する届出を申請します。

  • 火を使用する設備等の設置届:内装工事の7日前まで
  • 防火対象設備使用開始届  :開業の7日前まで
  • 防火管理者選任届     :営業開始の前日まで

参考:東京消防庁「<申請様式>」

またカフェ内でパンやマフィンをカフェで焼いて提供するためには「菓子製造業許可」が必要です。申請する場合には厨房を密室にする工事が必要になるため、工事費がかかります。

最後に深夜0時以降にお酒を提供する場合には、「深夜酒類提供飲食店営業開始届」を警察署に提出します。主に提供するものが食事である場合には提出不要です。接待を伴う飲食店には「風俗営業許可」の申請が必要ですが、一般的なカフェには該当しないでしょう。

人材採用に必要な手続き

開業するカフェに従業員を雇用する場合には、雇用する日から2週間以内に下に示した社会保険の加入手続きをします。

  • 労働基準監督署で労災保険
  • ハローワークで雇用保険
  • 年金事務所で健康保険と厚生年金

ただし事業形態や従業員の人数・雇用条件により、各社会保険の加入義務が異なります。

カフェを含む飲食店開業に必要となる届出・許可の申請について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

「飲食店開業の流れと準備を解説!開業の資金・資格・届出・内装など」

カフェ開業によくある失敗事例

カフェ開業によくある失敗事例

多くの経営者が開業前後に資金調達や集客、財務処理などの課題を抱えて売上を伸ばすことに苦労しています。

 参考:日本政策金融公庫「2021年度新規開業実態調査」

そこでカフェを開業する前に開業準備や経営のポイントを理解しておくことで、集客を伸ばしながら売上を確保し続けることが必要です。今回の記事の最後に、カフェ開業によくある失敗事例を5つご紹介します。

経営能力が不足している

調理やコーヒー製造のスキルと経験があっても、経営状態を評価・改善できなければ収益を上げ続けることに失敗します。バリスタや調理師としての経験は必要ですが、カフェ経営能力も必要です。

カフェ経営にはコンセプト設計から内装デザイン、資金調達、集客、税務・財務・労務管理、コミュニケーション能力などが含まれています。社会情勢やニーズの変化に応じて、商品・サービスを進化させ続けることも必要です。

初期投資が大きすぎる

初期投資である開業資金を支出したあとの運転資金が少ないと、開業してから固定費やローン返済、リース料の支払いをすることができなくなり、廃業に追い込まれる危険性が高まります

開業してから6カ月前後は赤字が続くことを想定して、6-12カ月分の運転資金を確保した状態でカフェを開業しましょう。利益が出てから改修工事をすることも可能ですので、開業準備にかかる経費を予算内に収めましょう。

収支計画が甘い

人件費や原材料費が売上の60%を越えていると、利益を確保できないばかりか固定費の支払いもままならなくなります。収支計画が甘いと利益を出せずに、閉店に追い込まれかねません。

カフェを含む飲食店は客単価が低く薄利多売な傾向にあります。食材一つの値段や水道の使い方などについて細かく経費を算出して、節約したり代替手段を検討したりしましょう。

効果的に集客できない

開業前や経営中に効果的に集客できないと、新規顧客を呼び込んだり、固定客を獲得したりすることができなくなります。安定した集客を獲得できないと、食品廃棄率が高くなったり、人件費の割合が高くなったりしてしまいます。

そこで開業するカフェのターゲット層の生活行動を分析したうえで、広告宣伝活動やWeb集客(ブログサイトやSNSアカウントを運用してカフェの魅力をアピール)に取り組みましょう。スキルや経験が足りない時にはWebマーケティングコンサルタントに相談することが可能です。

人材不足に陥ってしまう

経費を削減したいために給与を低くしたり長時間労働を強いたりすると、従業員の離職率が高まるだけではなく、スキルの高い人材を採用できずに商品・サービスの質が低下します。余分な採用費を支出していると、返って人件費が増えてしまいます。

経費削減は大切ですが、カフェ経営者として貴重な人材を採用・育成する視点をもちましょう。カフェ経営が拡大してきたら、補助金・助成金制度をうまく活用しながら長期的に正社員として雇用する仕組みを検討しましょう。

予算内にカフェ開業準備を計画的に進めよう

予算内にカフェ開業準備を計画的に進めよう

カフェを開業するときには、限られた時間において一貫したコンセプトに基づきながら計画的に準備を進めることが必要です。利益を上げるためには必要な経費を正確に計算した上で、資金の貯蓄や調達をしましょう。

IDEALは飲食店を始めとする店舗のコンセプト設計から物件探し、資金調達、内装工事などをワンストップソリューションでご支援しております

皆様の資金・時間・労力を削減できるように務めますので、ぜひご相談ください。

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