2022.05.27|新規開業ノウハウ

ロードサイド店舗とは?意味やメリット、注意点、物件選びまで解説

ロードサイド店舗とは?意味やメリット、注意点、物件選びまで解説

駅前ではなく交通量の多い沿道にあるロードサイド店舗。集客と売上を伸ばすためには、ロードサイド店舗を経営するメリットや注意点を把握したうえで、慎重に物件選びをする必要があります。

そこで本記事ではロードサイド店舗の定義や種類、メリット、注意点を解説します。物件選びのポイントや適した業種・業態も紹介しますので、ロードサイド店舗開業をご検討中の経営者・担当者の方はぜひご覧ください。

ロードサイド店舗とは?

ロードサイド店舗とは?

ロードサイド店舗とは「交通量の多い道路の沿線上にある店舗」で、幹線道路など車やバイクで通行する顧客を主なターゲットとします。「ロードサイド」(roadside)の意味は「沿道」で、ロードサイドはRSと略されます。

駅前に比べると地価が安い点と駐車スペースを併設した大規模な店舗が多い点が、ロードサイド店舗の特徴です。公共交通機関の発達している都市部よりも、自動車所有者の多い郊外に適した店舗形態です。

なおロードサイド店舗には独立して駐車場を所有するタイプと隣接する店舗と駐車場を共有するタイプがあります。隣接店舗の業種・業態と相性が良いと集客効果が上がりますので、周辺環境や隣接店舗などについて契約前の立地調査が必須です。

ロードサイド店舗を経営するメリット

ロードサイド店舗を経営するメリット

ロードサイド店舗の経営に興味をもったら、まずはメリット・デメリットを把握することが大切です。メリットを生かせる業種や業態を検討して、集客と売上を伸ばしましょう。

集客しやすくなる

ロードサイド店舗は交通量の多い大通りに店舗を構えることで多くの人の目に留まるので、集客しやすくなります。交通量を踏まえて営業時間を検討するために、事前に交通量調査を実施しましょう。

また顧客から認知されやすくするために、看板や広告を設置することで店舗の視認性を上げられます。日ごろからロードサイド店舗の沿道をよく通行する顧客だけでなく、初めて通行する顧客の獲得も図りましょう。

商圏を広げられる

ロードサイド店舗は車やバイクを利用する顧客をターゲットにするため、駅周辺の店舗に比べて商圏を広げられます。渋滞具合や曜日によって変化しますが、一般的には車やバイクで10〜15分以内の距離が商圏になります。

商圏内の人口やターゲットの生活行動、競合店の分布などを調査分析したうえで、集客や売上の目標を立てることがポイントです。個性的なコンセプトの店舗にすれば遠方からの集客も狙えますが、商圏を広げると競合店も多くなる点にご注意ください。

幅広いターゲット層を狙える

ロードサイド店舗の立地によって、幅広いターゲット層を狙えます。集客数が通勤・通学時間に左右される駅前と比べると、ロードサイド店舗は出勤前の早朝から残業終わりの深夜まで営業時間を長く設定できます。

また生活道路周辺はファミリー層が居住しているので、若者から高齢者までターゲットにできます。幅広い層の顧客層を想定して定番メニューから季節限定メニューやキャンペーンを企画することで、リピーターを獲得しましょう。

駐車場を確保しやすい

郊外にある商業施設には一般的に駐車場が完備されているので、出店するときに自ら駐車場を確保する必要がありません。郊外は地価が安いため駐車場を広く整備することができる点は、出店側にも消費者側にもメリットです。

また隣接店舗から独立して店舗を経営する場合にも駐車場は必須ですが、標準装備されて貸し出されているロードサイド店舗があります。建物を賃貸する場合には、内装だけではなく外装や駐車場についても検討してください。

外装や内装を自由にデザインできる

独立した土地や建物を賃貸する場合には所有者から制限を受けることがなく、外装や内装を自由にデザインできます。個性的な外装や機能的な内装空間をデザインできれば、独自性を出して隣接店舗との差別化を図りやすくなります。

また駅前に比べて地価が安い分だけ賃料を工事費用に回せますので、外装や内装をデザインできる幅が広がることになります。ロードサイド店舗においては特に視認性が集客に大きく影響しますので、外装デザインを検討してください。

ロードサイド店舗を経営するデメリット

ロードサイド店舗を経営するデメリット

集客と売上を減らさないように、ロードサイド店舗を経営するデメリットを対策する必要があります。適切な対策を講じて、ロードサイドに適した業種や業態の店舗を開業しましょう。

お酒を提供する業種に不利である

顧客が自動車やバイクでロードサイド店舗へアクセスするので、居酒屋や結婚式場などのお酒を提供する業種に不利です。運転する顧客にお酒を提供して売上を伸ばせないだけではなく、顧客が飲酒運転をして事故を起こした場合にお酒を提供した点について罪に問われる危険性があるからです。

参考:道路交通法第65条第3項

ロードサイド店舗でお酒を提供するときの注意点は、次のとおりです。

  • 提供前に帰宅方法や運転手を確認する
  • 運転手にソフトドリンクを割引して提供する
  • ソフトドリンクとアルコールのグラスを分ける
  • 顧客のためにタクシーを手配する
  • 宴会用に無料や割引で送迎バスを出す

競合度合いが強い

ロードサイド店舗の商圏は広いので、競合度合いが強いです。郊外でも集客しやすいエリアには競合店が参入しやすいことを頭に入れておきましょう。競合の少ない郊外エリアにも、集合住宅や商業施設が建設されることで競合店が参入してくる可能性があります。

また大手チェーン店が大規模なロードサイド店舗を出店する場合にご注意ください。異業種の店舗であれば相乗効果として集客につながりますが、隣接店舗の出退店をコントロールできません。

競合対策として、独自のコンセプトを設計して、自店舗の強みをアピールしましょう。価格競争してしまうと経営が立ち行かなくなる危険性がありますので、他店舗にはない独自の商品やサービスを提供することで差別化を図りましょう。

ロードサイド店舗に適する業種・業態

ロードサイド店舗に適する業種・業態

ロードサイド店舗のメリット・デメリットを踏まえて、適する業種と業態を選択しましょう。たとえ同業種の競合店が隣接していても、業態に変化を出すことで集客と売上を伸ばすことができるからです。

業種

ロードサイド店舗に適する業種として、ガソリンスタンドや自動車販売店、物販店、アミューズメント施設、飲食店などが挙げられます。特にガソリンスタンドと自動車販売店は自動車やバイクに関する商品やサービスを提供しており、ターゲットの生活行動と相性が良いです。

また物販店やアミューズメント施設は、地価の安いロードサイドの特徴を生かして大規模な店舗を出店しやすいです。店舗のダイナミックなサービスや品ぞろえの豊富さを売りにできます。

飲食店の中でも特にファミレスやカフェ、回転寿司店、ファストフード店、ラーメン店などがロードサイド店舗に適しています。休日のファミリー層や平日休憩中の働き世代をターゲットにしやすいです。

業態

ロードサイド店舗に適する業態として、飲食店ならイートインでもテイクアウトでも集客可能です。また物販店やガソリンスタンド、アミューズメント施設なら、早朝から深夜まで営業時間を設定できます

ロードサイド店舗の賃貸方式

ロードサイド店舗の賃貸方式

業種と業態を選択したら、ロードサイドの店舗を確保してください。賃貸方式は、主に2つあります。土地や建物を所有するかどうかは利益率や資金調達に影響しますので、賃貸方式の違いを理解しておきましょう。

リースバック方式

リースバックは、地主の所有する建物を事業主が借りて土地と建物に対して賃料を払う店舗の賃貸方式です。建物を建築するために経営者から地主へ「協力金」を支払う場合には、協力金分だけ賃料が割安になります。

建物の所有権は地主にありますが、協力金を払うことで建物に対する希望を伝えやすくなります。建物の施工主である地主との綿密なやりとりが、スムーズに開業準備を進めるためのポイントです。

事業用定期借地方式

事業用定期借地は、事業主が地主に地代を支払うことで借りられる土地です。リースバック方式と異なり、事業主が建物を建設して所有権を持ちます。地主が建物の建築に対して深く関与しないため、店舗を自由にデザインできます。

ただし土地を返却する際には、原状回復する(建物を解体して更地にする)義務があります。廃業や移転するために解体費用がかかるため、数年で土地の賃貸を解約してしまうと利益率が下がる恐れがあります。

ロードサイドにある店舗物件の選び方

ロードサイドにある店舗物件の選び方

ロードサイドにある店舗物件の選び方は、集客率を左右します。エリアによってアクセスする顧客層が異なりますし、業種や業態によって物件に必要な条件が違います。物件の選び方について特に注意したいポイントをご紹介します。

自動車やバイクでアクセスしやすい立地を選ぶ

自動車やバイクでアクセスしやすい立地を選ぶことは、最重要ポイントです。「運転中でも見つけやすいか」「駐車場に出入りしやすいか」と、運転する顧客目線から検討してみましょう

例えば信号の直前に店舗があると駐車場へ出入りしにくいので、リピーター獲得に不利となりやすいです。店舗が信号や交差点の手前にあると、駐車場を利用しやすいうえに停車中に店舗の存在を確認してもらいやすいです。

物件周辺を出入りする顧客層を分析する

道路によって通行する顧客層が変わるため、物件周辺を出入りする顧客層を分析することが必要です。物件周辺を通行する顧客層を観察するだけではなく、周辺の施設や環境を調査したうえでターゲットとする顧客層を集客できる可能性を検討しましょう。

一般的に生活道路沿いにはファミリー層が居住しており、産業道路沿いには通勤・通学する学生層や社会人層が通行しています。したがって生活道路沿いにはショッピングセンターやドラッグストアが、産業道路沿いには短時間で利用できるコンビニやガソリンスタンドなどの需要が高いです。

交通量を分析する

ロードサイドにある店舗物件を選ぶために、交通量を分析することも必要です。営業時間中に何台の自動車やバイク、自転車が通行しているかを調べるために、地方自治体のWebサイトに主要道路の交通量が掲載されているかを確認してください。

なお交通量は曜日や時間帯によって変わります。通勤・通学に利用される道路なら平日朝方に上り方面が混むことが予測されます。平日夕方に帰宅する人をターゲットにするなら、下り方面のロードサイドに店舗を構えるほうが集客しやすいです。

競合店も分析する

ロードサイドにある店舗物件を探すときには、物件周辺の競合店も分析することが必要です。駅周辺の物件よりも商圏が大きいので、広い範囲を調査してみましょう。同業種の競合店が多いと集客が困難になりますが、隣接店舗が全くないエリアでは集客不可能かもしれません。

競合店の規模や混み具合、商品・サービスなどを調査することで、商圏内の顧客層のニーズを把握することができます。また独自のポジションでロードサイド店舗を経営するために、集客できていない潜在層を洗い出すヒントを見つけれることもあります。

ポイントを押さえてロードサイド店舗の経営を成功させよう

ポイントを押さえてロードサイド店舗の経営を成功させよう

ロードサイド店舗の経営を成功させるためには、ロードサイド店舗の特徴を活かして業種や業態を選び、集客に適した物件を確保してください。競合と差別化を図りながら独自の経営を展開できるように、市場調査が重要です。

IDEALはロードサイド店舗を始めとする店舗全般のコンセプト設計から物件探し、デザイン・工事、集客までをワンストップソリューションとしてご提供しております。

店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討する際には、ぜひお気軽にご相談・お問い合わせください。

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監修者

IDEAL編集部

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