2021.01.15  2022.07.18|店舗運営ノウハウ

ゴーストレストランとは?メリット・デメリットや事例を紹介!

ゴーストレストランとは?メリット・デメリットや事例を紹介!

「ゴーストレストランとは何?」「ゴーストレストランのメリットや成功事例は?」とお悩みではありませんか?ゴーストレストランを開業するためには、基本知識や実店舗の飲食店との違いを理解する必要があります。

そこで本記事では、ゴーストレストランの基本知識を解説します。メリット・デメリットや事例もご紹介しますので、ゴーストレストランの開業をご検討中の経営者・担当者の方はぜひご覧ください。

ゴーストレストランとは?

ゴーストレストランとは?

ゴーストレストランとは、実店舗の存在しない飲食店です。調理施設(飲食店のキッチンやシェアキッチンなど)だけを所有・利用して、調理した食品をデリバリー・テイクアウトで提供します。一般的にゴーストレストランは、次のシステムで営業されています。

  • Web上のサイトやアプリで注文を受け付ける
  • 所有・利用している調理施設で調理する
  • 調理した食品をデリバリー・テイクアウトで提供する

シェアキッチンは、複数の利用者が調理場を共同で使いながら料理できる施設です。「ゴーストレストラン」だけではなく、「クラウドキッチン」や「バーチャルレストラン」を経営するために、不可欠なサービスです。

なおゴーストレストランと混同されやすい業態として、シェアレストランがあります。ゴーストレストランがキッチンだけを所有・契約して食品をデリバリーする業態であるのに対して、シェアレストランは複数の経営者により実店舗が経営される業態です。

ゴーストレストランのメリット

ゴーストレストランのメリット

キッチンだけを所有・契約するゴーストレストランには、さまざまなメリットがあります。実店舗を所有・契約する飲食店と比較しながら、ゴーストレストランへの理解を深めましょう。

開業費用を抑えられる

1つ目のメリットは、実店舗を所有・契約する飲食店に比べて、開業費用を抑えられることです。ゴーストレストランには物件の取得費や内装工事費がかからないため、シェアキッチンを借りる費用を確保できれば開業可能です。シェアキッチンを借りる初期費用は、数万円程度です。

一方で店舗物件を所有・賃貸する飲食店の開業費用は、300万~1,000万円程度です。物件の取得費と内装工事費、採用費、広告費などがかかります。下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

運転資金も抑えられる

2つ目のメリットは、実店舗を所有・契約する飲食店に比べて、賃料や光熱費、消耗品、修繕費、人件費などの運転資金も抑えられることです。配達エリアを想定してシェアキッチンを借りればよいため、駅や住宅になどに近いエリアに限定する必要がありません。割高な賃料を支払う必要がないのです。

一般的に飲食店の運転資金の中では人件費と材料費の割合が高くなりやすいのですが、ゴーストレストランならば調理スタッフの人件費だけで済みます。飲食店の運転資金について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

調理やメニュー開発に集中できる

3つ目のメリットは、基本的に調理やメニュー開発に集中できることです。ゴーストレストランには、飲食店に不可欠な接客が不要だからです。接客をしない文だけ、調理やメニュー開発に時間を費やすことができます。

デリバリーシステムに蓄積される注文履歴や顧客情報を利用することで、人気メニューや伸び悩んでいるメニューを分析できます。分析結果を調理方法やメニュー開発に反映すると集客につながりましょう。

経営を軌道修正しやすい

4つ目のメリットとして、ゴーストレストランは経営を軌道修正しやすいです。実店舗の飲食店でコンセプトやメニューを変更しようとすると、改装工事や販促資料の再印刷などに費用がかかります。

一方でゴーストレストランは、Webサイト・アプリのデザインを変更すれば、コンセプトやメニューを変えることができます。例えばお惣菜中心のメニュー画面に対して、デザートやコーヒーなどの画像と共にオプションメニューを付け足すことが可能です。

ゴーストレストランのデメリット

ゴーストレストランのデメリット

ゴーストレストランにはメリットだけではなく、デメリットもあります。4点に整理してデメリットをご紹介しますので、開業前に対策しておきましょう。

開業場所を見つけにくい

1つ目のデメリットは、開業場所を見つけにくいことです。シェアキッチンなどの共同利用できる調理施設は限られています。デリバリーが人気のエリアにおいては、飲食店の調理施設がシェアキッチンとして提供されている場合があります。

デリバリー需要の少ないエリアでシェアキッチンを借りても、集客や売上を期待できません。シェアキッチン探しに難航すると、ゴーストレストラン開業までに時間がかかる危険性があります。

調理施設探しを対策するために、利用できる調理施設の情報を常にチェックしてください。調理施設を含めた物件の探し方について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

ターゲットが限られる

2つ目のデメリットは、ターゲットが限られることです。ゴーストレストランは食品をデリバリー・テイクアウトで提供するため、デリバリー・テイクアウトを希望しない顧客をターゲットにしくいといえます。

実店舗を所有・賃貸する飲食店であれば来店客はもちろん、デリバリー・テイクアウト希望者を集客しやすいです。また来店をきっかけとして、デリバリー・テイクアウトの利用を促せます。

競合対策として、独自のメニューとサービスを開発してください。また開発したメニューとサービスの魅力を発信することも必要です。飲食店のコンセプト設計について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

集客方法がオンライン中心になる

3つ目のデメリットは、集客方法がオンライン中心になることです。実店舗で内外装のおしゃれさや従業員の接客などをアピールできないため、Webサイト・アプリを活用しなくてはなりません。

もちろん登録するデリバリーやセルフオーダーのサイト・アプリ上で集客できます。しかし登録されている店舗数が多いと、自店舗の認知度を上げて集客・売上を伸ばすことが困難になります。

集客対策として、ゴーストレストランの公式WebサイトやSNSアカウントなどの媒体も幅広く活用してください。Web集客について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

顧客との関係性を築きにくい

4つ目のデメリットは、顧客との関係性を築きにくいことです。飲食業を始めとする接客業では顧客と良好な関係性を築ける分だけ、リピーターを増やせる可能性が高まります。しかしゴーストレストレンでは顧客と対面する機会が少ないため、関係性を構築しにくいです。

接客対策として、Web集客を展開するうえでは店舗から一方的に情報を発信するだけではなく、顧客との双方向のコミュニケーションを図る仕組みを取り入れてください。例えばアンケートやお問合せなどの機能が挙げられます。

ゴーストレストランの事例

ゴーストレストランの事例

先ほどご紹介したメリットを活かして、デメリットを対策することで、ゴーストレストランの営業を安定させることができます。事例をいくつかご紹介するので、各ゴーストレストランの営業方法をご覧ください。

高級食パン専門店どんだけ自己中

「高級フレンチトースト専門店どんだけ自己中」は、人気の食パンをフレンチトーストで楽しめるゴーストレストランです。経営する株式会社リデファインダイニングは、居酒屋も経営しています。

コロナ禍で居酒屋の売上げが伸び悩み、既存の厨房設備を活かして、ゴーストレストランの経営を始めました。製造販売の様子や商品の写真をSNSに掲載しながら、Web集客に取り組んでいます。

参考:高級食パン専門店どんだけ自己中「「自己中に思われても構わないっ!」パン職人のこだわりが詰まった渾身の高級食パンをお楽しみください!」

CRISPY CHICKEN n’ TOMATO

「CRISPY CHICKEN n’ TOMATO」は、韓国のトレンドを楽しめるフライドチキン専門店です。甘いメニューから辛いメニューまで幅広く、ソースが続々と新登場して、テイクアウトやデリバリーだけではなくイートインにも対応できる点が特徴的です。

経営する株式会社E-MATは、2020年3月よりシェアリングブランドサービスをスタートさせました。提携する飲食店がゴーストレストランとして「CRISPY CHICKEN n’ TOMATO」のメニューを提供しており、250店舗以上と提携しています。

参考:CRISPY CHICKEN n’ TOMATO「シェアリングブランドサービス」

Ghost Kitchens

Ghost Kitchensは3種類のゴーストレストランブランドを企画して、Uber Eatsなどのデリバリーサービスを活用してメニューを届けています。差別化を図るために、顧客の好みに合わせて注文できるメニューを開発したり、食材にこだわったりしています

例えば「すーぷのあるせいかつ」は、バラエティに富んだベーススープにさまざまなトッピングを追加できる点が特徴です。他にも「さらだのあるせいかつ」と「NY飯!チキンオーバーライス」など、20種類を超えるブランドのメニューが開発されています。

参考:Ghost Kitchens「BRANDS」

NY飯!チキンオーバーライス

ローソンはゴーストレストランの実証実験として、「NY飯!チキンオーバーライス」を開始しています。ローソン店内でデリバリー専用メニューを調理して、デリバリーサービスで顧客に届けます。

顧客はWebアプリを利用して注文します。店舗で取り扱う飲料や酒類、お菓子、日用品などの注文も可能です。差別化を図るために、多種多様な商品を合わせて購入できる利便性を提供しています。

参考:LAWSON「<参考資料>注文を受けてから作る宅配調理事業に参入」

からあげファクトリー

「からあげファクトリー」は、「大衆酒場かんぱい家」が経営する「から揚げ」専門ゴーストレストランです。店内メニューのからあげではなく、配達時間を経てもカリッとした触感を保てるデリバリー用の衣を改良しました。

からあげに加えてサイドメニュー(サラダなど)も開発して、幅広いメニューを顧客に届けています。集客を増やすために、WebサイトやSNSアカウントなどの媒体を利用しています。

参考:からあげファクトリー「 からあげファクトリーとは?」

なお飲食店や調理施設の内装デザインについて下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

参考:IDEALショップ「店舗デザイン事例」

独自性のあるゴーストレストランを経営しよう!

独自性のあるゴーストレストランを経営しよう!

ゴーストレストランは、デリバリーやテイクアウトの需要に応えることができます。メリットを生かしてデメリットを対策したうえで、独自性のあるメニューやサービスを開発してゴーストレストランを経営してください。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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