2022.09.16  2022.09.21|店舗運営ノウハウ

居酒屋経営が難しい原因と対策!運転資金と年収、資格、経営事例も紹介

居酒屋経営が難しい原因と対策!運転資金と年収、資格、経営事例も紹介

本記事で、居酒屋経営が難しい原因と対策について解説します。開業準備や運転資金と年収、コンセプト設計とメニュー開発、集客ポイント、経営に活かせる資格経営手法の事例などをご紹介します。

「居酒屋経営は難しい?」「利益を上げるポイントを知りたい!」とお悩みではありませんか?居酒屋の開業や移転、リニューアルなどを検討している方はぜひご覧ください。

居酒屋の開業準備

居酒屋の開業準備

まずは居酒屋の開業準備について確認しましょう。開業までの流れを把握して内装デザイン・工事のポイントを押さえることで、スムーズに準備を進められます。なお今回の記事では、主に開業後の居酒屋経営について解説していきます。

居酒屋開業準備の流れ

居酒屋開業準備の流れは、次のとおりです。

  1. コンセプト設計と事業計画書の策定
  2. 物件探しと内装デザイン・工事
  3. 開業資金調達と補助金・助成金の申請
  4. 開業に必要な資格・スキルの取得
  5. 開業に必要な届出・許可の申請
  6. 集客手段の決定

上記の各ステップについて下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

居酒屋の内装デザイン・工事

居酒屋の内装デザインは顧客に与える印象を左右するだけでなく、集客や売上に影響します。内装工事を始める前に、コンセプトに基づいて動線や居心地の良さなどを検討しましょう。

また内装業者に工事を依頼するときは具体的な要望を伝えたり、余裕をもって工期を組んだりしてください。認識のズレが発生しにないようにして、万が一工事が遅れた際のリスクを減らすためです。

なお居酒屋の内装デザイン・工事について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

居酒屋経営の運転資金と年収

居酒屋経営の運転資金と年収

居酒屋経営を始めるにあたり、お金事情は気になるところです。居酒屋経営の運転資金、年収、利益率の目標についてご紹介します。

運転資金の相場と節約方法 

居酒屋経営に必要な運転資金の相場は、賃料6〜12ヶ月分程度です。日本政策金融公庫の調査によると、飲食店の約6割において開業から軌道に乗るまで半年以上かかっています。つまり少なくとも半年分程度の運転資金が必要です。

参考:日本政策金融公庫「新たに飲食業を始めるみなさまへ 創業の手引き+」(P.3)

また運転資金を節約するためには、内訳と相場を把握しなくてはなりません。運転資金の内訳と相場について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

年収の実態

居酒屋を含む飲食店経営者の年収実態について、2018年にある調査が行われています。同調査によると、飲食店経営者約半数の年収が500万円未満となっています。

年収500万〜1000万円の経営者は全体の25%程度で、1000万円以上の経営者はさらに少なく5%程度です。なお回答者の70%程度は、個人事業主でした。

参考:PR TIMES「飲食店経営の実態に関するアンケート調査を実施。経営における課題や業績、経営者の年収は?」

利益率の目標

居酒屋経営を安定させるためには、利益率の目標を定めておく必要があります。利益率とは、売上高に対する利益(売上から経費を引いた額)の占める割合です。居酒屋を含む飲食店の利益率は、10ー20%程度が目安となります。

また利益率を定めることで、理想の年収に到達するために必要な年商を計算できます。例えば利益率20%で年収1000万円を目指す場合には、下の計算式のとおり年商5,000万円以上が必要です。

1,000万円(年収)÷0.2(利益率20%)=5,000万円(年商)

居酒屋経営が難しい原因と対策

居酒屋経営が難しい原因と対策

居酒屋を含む飲食店の経営が難しい理由として、主に以下の点が挙げられます。

  • 競合が多くて固定客の獲得競争を強いられるから
  • 価格競争とコスト管理不足のために利益率が低くなるから
  • 長時間労働と低賃金で人材が集まらないから
  • 初期費用が高くて回収に時間がかかるから

上記の点について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

今回は、居酒屋特有の経営が難しい原因と対策を2点ずつ取り上げます。

集客が立地に左右されやすい

他業種と比べると、アルコールを提供する居酒屋の集客は、立地に左右されやすいです。コンセプトに合ったエリアに開店しても、駅から離れていて車を利用しないとアクセスできない場合は、集客が難しくなります。

集客対策として、コンセプトを基に開業エリアを絞り込む段階で、開業エリア周辺の交通の便を調査してください。顧客がアクセスしにくい場所に開業するなら送迎バスを提供したり、アクセスしやすいエリアへの変更を検討したりしましょう。

従業員の負担が大きい

他業種に比べて、居酒屋従業員の負担が大きい傾向にあります。深夜まで働いたり、アルコールに酔った顧客に対応したりしなくてはならないからです。特に宴会シーズンには、体力が求められます。

採用対策として、従業員のモチベーション向上を図りましょう。具体的には魅力的な雇用条件や労働環境を整備する方法があります。モチベーション向上だけでなく、不満や負担をフォローする体制整備も求めれれます。

居酒屋のコンセプト設計とメニュー開発

居酒屋のコンセプト設計とメニュー開発

居酒屋の経営は難しいとお伝えしましたが、利益を上げるためにはコツがあります。特に居酒屋のコンセプト設計が重要な要素です。コンセプトを明確にすることでターゲットを効率的に集客できると、売上につながるからです。下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

またターゲットのニーズに応えるメニューを提供することでも、新規・リピーターの獲得が可能になりますので、居酒屋メニュー開発のポイントをご紹介します。

集客メニューを開発する

まずは集客メニューを開発することがポイントです。集客メニューとは、顧客が来店する動機となるメニューです。居酒屋の顔となる商品を開発することで、競合店との差別化を図りましょう。

集客メニューを開発するときには、コンセプトに基づきます。例えば20代のビジネスパーソンをターゲットにしている居酒屋でしたら、低価格のセットメニュー(ビールとおつまみなど)や大盛メニュー(揚げ物や串物など)が該当します。

利益率を上げるよりも集客費の一部だと捉えて、ターゲットへの訴求力を重視した集客メニューを開発しましょう。

利益率が高いメニューを用意する

居酒屋メニューのなかには、利益率の高いメニューと低いメニューが存在します。利益率が低いメニューばかりでは売上につながりませんので、利益率が高いメニューを用意することが必要です。

居酒屋のメニューのなかで利益を出しやすいのは、アルコール類や業務用のアイスクリーム、唐揚げ、フライドポテトなどです。ただし仕入れ価格は市場変化(原材料の高騰や不足など)に左右されますので、定期的に動向を把握してメニューの変更をご検討ください。

居酒屋経営の集客ポイント

居酒屋経営の集客ポイント

居酒屋を含む店舗の集客ポイントは、ターゲットに適した集客方法を選ぶことです。ターゲットの人物像だけでなく、新規顧客もしくはリピーターの獲得を目指すかによっても、適した集客方法が変わります。

また効率的に情報を発信して店舗へと呼び込むためのポイントは、オンライン集客とオフライン集客の組み合わせです。下の記事にまとめてありますので、ご覧ください。

上記2点以外にも居酒屋経営の集客ポイントがありますので、さらに2点をご紹介します。

コースメニューやセットメニューをアピールする

宴会やイベントのために来店する顧客へ向けて、コースメニューやセットメニューをアピールしましょう。顧客にコスパが良いと感じてもらえれば、来店を促せるからです。また予約や仕入れを管理しやすい点もメリットになります。

なおコースメニューやセットメニューの価格や内容をターゲットに合わせて設定してください。例えば20〜30代の主婦層をターゲットにするなら、季節の食材を使用したヘルシーコースや女子会用の個室などを提供します。

キャンペーンやイベントを企画する

新規顧客やリピーターを獲得し続けるためには、キャンペーンやイベントを企画することも重要です。2021年に実施されたある調査によると、回答者の61%がリピートする居酒屋があると回答しています。

参考:PR TIMES「居酒屋についての意識調査」

キャンペーンやイベントの具体例として、季節限定メニューやポイントカード、クーポンアプリ、地域の地酒提供などが挙げられます。SNSアカウントとWebサイトも連動させながら、キャンペーンやイベントを展開しましょう。

居酒屋経営に活かせる資格

居酒屋経営に活かせる資格

居酒屋経営に活かせる資格は、多岐にわたります。資格取得により専門的な知識・技能を得られると、競合店との差別化を図ることができます。

特にアルコールに関する資格の取得を検討しましょう。具体的には、ビアアドバイザーや唎酒(ききさけ)師などがあります。下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

またウィスキーやテキーラに関する資格もありますので、詳しくご紹介します。

ウィスキー検定

「ウィスキー検定」は、ウイスキー文化研究所が認定している資格です。ウィスキーの歴史や原料、製法、飲み方などの知識が問われます。全般的に学んで取得できる総合級と特定分野(バーボンウィスキーなど)に特化した特別級があります。

費用は級ごとに4,000〜7,000円程度で、受験対象は20歳以上です。公式テキストや過去問集で試験対策できます。合格者には無料で合格認定書が贈呈されて、店舗に飾ることが可能です。

参考:ウィスキー検定 Webサイト「ウイスキー検定とは」

テキーラ・マエストロとグラン・マエストロ・デ・テキーラ

「テキーラ・マエストロ」は、日本テキーラ協会が認定している資格です。テキーラの歴史や製法、産地ごとの特性、飲み方などをテイスティングしながら学べます。上級資格として「グラン・マエストロ・デ・テキーラ」があります。

費用は全4回の講義と教材、認定試験を含めて43,200円(税込)で、追試は有料となります。合格者にはテキーラ・マエストロバッチが授与されますので、資格保有をアピールできます。

参考:日本テキーラ協会 Webサイト「テキーラ・マエストロ」

居酒屋経営手法の事例

居酒屋経営手法の事例

居酒屋経営のポイントを実際の場面に落とし込むために、営業している居酒屋の経営手法を調べましょう。コンセプトを基にメニュー開発や集客方法を検討するための参考となるように、居酒屋経営手法の事例をいくつかご紹介します。

近江鶏料理 きばり屋

「近江鶏料理 きばり屋」様は、滋賀県産の地鶏と自家製のタレにこだわった焼き鳥屋です。素材にこだわるだけでなく、顧客とのコミュニケーションを大切にしながら、多店舗を展開されています。

「状態のよい地鶏を使う」というこだわりを軸に、近江牛ホルモンなどの目玉メニューを店舗ごとに開発。例えば1号店には家族で楽しめるように、目玉メニューの焼き鳥に加えてサイドメニューが豊富に揃えられています。

参照:近江鶏料理きばり屋 公式Webサイト

魚とおでん SAKE BAR サカナノトモ

「魚とおでん SAKE BAR サカナノトモ」様は、魚と鯛出汁おでんのメインメニューとこだわりの日本酒を提供している居酒屋です。「酒好きの大人の酒場」をコンセプトにして、気軽に立ち寄ってもらえるようにカウンターが施工されています。

集客に活かせるように、通行人の目を引く大きな垂れ幕が入り口に設置。軒先の「杉玉」は日本酒の作り酒屋のシンボルであり、20種類以上の日本酒を取り揃えるこだわりが外観にも反映されています。

参照:魚とおでん SAKE BAR サカナノトモ 柏店 公式Webサイト

我ー喰う

「我ー喰う」(がーくう)様は、新鮮な魚介料理と炉端焼きを楽しめる居酒屋です。日本酒にこだわっており、全国各地の銘酒・地酒が日替わりで提供されています。「貝のバケツ盛り」が名物メニューです。

集客には、SNSアカウントが積極的に活用されています。インスタ映えする「貝のバケツ盛り」のハッシュタグが作成されており、公式インスタグラムをフォロー・フィード投稿した顧客に逸品がプレゼントされています。

参照:我ー喰う 公式Webサイト

村木屋 横浜店

「村木屋 横浜店」様は、駅徒歩0分の好立地で朝4時まで営業している居酒屋です。集客メニューとして、長年つぎ足して煮込まれた「特製もつ煮」が提供されています。

また「顧客に財布を気にせず楽しんでもらえる居酒屋」「毎日通いたくなる酒とつまみの旨い店」をコンセプトにして、低価格メニューやコースメニューが豊富に提供されています。例えば低価格で最長5時間楽しめる飲み放題メニューがあります。

参照:村木屋 横浜店 公式Webサイト

手打ち蕎麦と和食・楽

「手打ち蕎麦と和食・楽」様は、多種類のお酒を取り揃えている和食店です。特に日本酒にこだわっており、食事とともに約30種類の日本酒を楽しめます。メインメニューは手打ち蕎麦で、数種類の定番メニューのほかに季節メニューが用意されています。

また大人の隠れ家をコンセプトにして、落ち着いた雰囲気の白を基調とした内装がデザインされています。デートや女子会などに利用しやすいように、プライベート感を演出できる半個室も用意されています。

参照:手打ち蕎麦と和食・楽Webサイト

ポイントを押さえて居酒屋経営を成功させよう!

ポイントを押さえて居酒屋経営を成功させよう!

居酒屋経営には難しさがありますが、ポイントを押さえることで利益率を向上させることができます。コンセプト設計やメニュー開発などで競合店との差別化を図りながら、居酒屋経営を成功させましょう。

IDEALは居酒屋を含む店舗のコンセプト設計から資金調達、物件探し、内外装のデザイン・工事、集客までをワンストップソリューションとしてご提供しております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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