2025.09.07  2025.08.29|お知らせ

ケンドン式とは?飲食・物販店舗で人気の可動構造を徹底解説

ケンドン式とは?飲食・物販店舗で人気の可動構造を徹底解説

目次

  1. ケンドン式とは何か?その基本構造と特徴
    1. ケンドン式の定義と基本的な構造
    2. 主な特徴:工具不要で取り外し可能な設計
    3. 「押し込んで、落とす」独特の設置方法の仕組み
  2. どんな場面で使われているのか?ケンドン式の代表的な活用例
    1. 飲食店におけるカウンター下収納や間仕切り
    2. 物販店舗でのバックヤードや収納スペースの仕切り
    3. ショールーム・展示スペースでの応用
  3. ケンドン式の構造はどうなっているのか?押さえておきたい基本仕様
    1. ケンドン式の「可動構造」とは
    2. 使用される部材と構成要素
    3. ケンドン式を導入する際の下地・設計への配慮
    4. 現場での調整とフィット感の確保
  4. ケンドン式が活躍するシーンとその理由
    1. 飲食店における柔軟な空間運用
    2. 小売店でのディスプレイ自由度の向上
    3. サービス業での短期イベント活用
    4. 内装設計における可変性の提案力
  5. 設計・施工で注意すべきポイント
    1. ケンドン式導入前に確認したい建具の条件
    2. 寸法誤差が致命的になる可能性
    3. 接触部分の仕上げと精度への配慮
    4. 施工現場での可動テストは必須
    5. メンテナンスのしやすさも設計段階で考慮
  6. ケンドン式の活用事例と運用時の工夫
    1. 活用シーンの広がりと代表的な用途
    2. 限られたスペースでも機能性を損なわない工夫
    3. 視線制御や空間演出としての活用
    4. 想定外の使い方を防ぐためのルール設定
  7. ケンドン式を導入する際の注意点と確認ポイント
    1. 設置環境の条件を把握する
    2. 運用面での負担を想定する
    3. メンテナンス性と安全性の両立
    4. 事前に共有しておくべき事項

洗練されたデザインと高い機能性を両立する「ケンドン式」。一見シンプルな構造ながら、店舗の設計や改装で大きな効果を発揮します。本記事では、その仕組みから用途、導入時の注意点までを網羅的に解説し、空間づくりに活かすための具体的なヒントを提供します。

ケンドン式とは何か?その基本構造と特徴

ケンドン式とは何か?その基本構造と特徴

ケンドン式の定義と基本的な構造

ケンドン式とは、板状の部材(主に木製や合成樹脂製)を特定の溝に対して“差し込んで落とす”という独自の手法で設置する構造のことを指します。蝶番や金物による可動構造とは異なり、工具を使わずに容易に取り外し・取り付けが可能である点が特徴です。

基本的な構造は、上下いずれか一方、または両方に凹状の受け(溝やスリット)が設けられており、そこに扉や仕切りのパネルを垂直方向に差し入れて自重で固定するというシンプルな仕組みです。この構造により、設置面がフラットに仕上がり、可動部の主張が少ない、洗練された印象を空間にもたらします。

主な特徴:工具不要で取り外し可能な設計

ケンドン式の最大の利点は、何といってもその手軽さです。特別な工具や専門知識を必要とせず、誰でも簡単に部材を着脱できる構造は、短時間でレイアウトを変更したい場面や、清掃・保守が頻繁に発生する環境において重宝されます。

特に飲食店や物販店舗のバックヤード、カウンター周辺など、限られたスペースの中で効率的な導線を確保したい場合においては、その柔軟性が大きなメリットとなります。空間の利活用を柔軟に行いたい事業者にとって、ケンドン式は設計の自由度を高める選択肢として有力です。

また、開閉構造に比べて可動部の摩耗が少なく、破損のリスクも抑えられることから、メンテナンス面でも高い評価を受けています。こうしたシンプルながらも機能的なデザイン思想が、近年さまざまな現場で採用されている理由のひとつです。

「押し込んで、落とす」独特の設置方法の仕組み

ケンドン式の取り付け方法は、いわば“差し込むだけ”の簡便な操作です。具体的には、まず上部の受け部材にパネルを斜めに差し込み、次に下部の溝へパネルの底辺を落とし込む形で固定されます。この二段階の動作が“ケンドン”という名称の由来ともなっています。

この方法によって、パネル自体が重力を利用して安定し、側面からの圧力にも比較的強い構造となります。一方で、横からの激しい衝撃には弱いため、使用場所や人の導線との関係を考慮したうえで設計に組み込む必要があります。

また、設置・脱着時に部材を斜めに傾ける必要があるため、上部のスペースにある程度の余裕を持たせることが前提条件となります。この点は、他の可動構造と比較して設計自由度がやや限定される場面もあるため、あらかじめ設置環境に応じた寸法や納まりの検討が求められます。

どんな場面で使われているのか?ケンドン式の代表的な活用例

飲食店におけるカウンター下収納や間仕切り

飲食店舗では、厨房とホールの間をスムーズに仕切る必要がある場面が多く存在します。ケンドン式は、そうした空間において脱着可能な仕切りとしてよく活用されます。たとえば、カウンター下の収納スペースの目隠しとして設置されるケースでは、掃除や物の出し入れの際にサッと取り外すことができる点が非常に便利です。

また、営業時間外には開放しておき、営業中には視線を遮るパネルとして使用するなど、時間帯によって空間の使い方が変わる場所にも適しています。開閉の手間が少ない分、スタッフの動線を妨げず、無駄な動きを減らすことにもつながります。

物販店舗でのバックヤードや収納スペースの仕切り

アパレルや雑貨などの物販店舗では、限られた売り場面積の中でバックヤードと売り場を明確に分ける必要があります。ここでもケンドン式の構造が活躍します。固定された壁を設けず、状況に応じて開け閉めができる可動式のパネルは、陳列や在庫整理の柔軟性を高める選択肢となります。

さらに、店舗什器や棚の配置を変更したい場合にも、構造全体に影響を与えずに取り外しができるため、レイアウト変更が容易です。こうした可変性は、季節ごとのイベントや売り場づくりに敏感な店舗設計において重宝されます。

ショールーム・展示スペースでの応用

商品展示を行うショールームやギャラリースペースでは、演出や視線誘導のために空間を一時的に仕切る手法が求められることがあります。ケンドン式のパネルであれば、展示テーマに応じて簡単に構成を変えることが可能です。

また、来場者の導線を調整したり、搬入・搬出時に開放して作業効率を上げたりと、使用目的に応じた柔軟な空間運用がしやすくなります。特に、設営と撤収のスピードが求められる短期イベントなどでは、軽量かつ簡便なケンドン式のパネルは理にかなった選択です。

ケンドン式の構造はどうなっているのか?押さえておきたい基本仕様

ケンドン式の構造はどうなっているのか?押さえておきたい基本仕様

ケンドン式の「可動構造」とは

ケンドン式とは、主に脱着可能な建具やパネルを支えるための構造方式を指します。その最大の特徴は、「上下から差し込むだけで簡単に設置・取り外しができる」という点にあります。建具やパネルの下部に突起があり、床側の溝に先に差し込んだ後、上部を天井側の受け部に押し上げてはめ込む、という動作で設置されます。

この一連の動作は、工具や特別な技術を必要としないため、専門的な施工知識がなくても誰でも短時間で取り扱うことができるのが特徴です。また、着脱を繰り返しても摩耗や変形が生じにくいよう、ガイドの形状や材料には工夫が凝らされています。

使用される部材と構成要素

ケンドン式に使われるパーツは、一般的に以下のようなものが中心です。

  • 天井側の受け部材:建具やパネルの上部を支えるためのレール状の受け金具です。しっかりと固定されており、上に押し上げた際にずれないような設計になっています。
  • 床側のガイドレール:下部の突起がはまるガイドとなる部材で、パネルの位置決めを正確に行うための役割を果たします。
  • 建具本体:合板、フラッシュ構造の木製パネル、化粧板などが一般的です。軽量かつ剛性のある素材が選ばれる傾向にあります。

これらの部材が一体となって機能することで、安定感と可動性を両立させています。特に、床と天井のクリアランス(隙間)が適切であることが、スムーズな取り付けのために重要です。

ケンドン式を導入する際の下地・設計への配慮

ケンドン式の構造は、見た目以上に建物側の設計とも密接に関わっています。とくに天井側の強度や床の平滑性、ガイド部の寸法など、いくつかのポイントに配慮する必要があります。

たとえば、天井側に受け金具を取り付けるためには、十分な強度のある下地が必要です。これが不十分だと、建具を押し上げる際にグラつきが生じたり、長期的に金具が緩んだりする恐れがあります。また、床面に段差や傾斜がある場合には、建具のはまり込みに不具合が生じやすくなるため、あらかじめレベル出しが重要となります。

さらに、パネルが脱着を繰り返しても傷みにくいよう、突起部分や接地部には樹脂製のカバー材を用いるケースもあります。これは視覚的な美しさだけでなく、実用性にも寄与する配慮です。

現場での調整とフィット感の確保

施工後の微調整もケンドン式には欠かせません。とくに、建具の左右の隙間が均一でなかったり、脱着時に引っかかりがあると、使用者にとってストレスになるため、現場での微調整が必要です。

この調整は、床・天井の状況や建具の反り具合などに応じて行われます。特別な道具を用いず、パネルの微妙な位置決めで解決できる点も、ケンドン式の構造的な魅力のひとつです。

ケンドン式が活躍するシーンとその理由

飲食店における柔軟な空間運用

飲食店舗では、営業時間帯やイベント内容に応じて空間の使い方を変化させる必要があります。たとえばランチタイムには通路を広く確保し、ディナータイムには間仕切りを使って個室感を演出したいという要望が出てくる場面も少なくありません。ケンドン式の構造であれば、開閉が簡易で場所を取らず、急なレイアウト変更にもスムーズに対応できます。

また、清掃や搬入の際に一時的に開放しておきたいといったニーズにも、取り外しやすさが役立ちます。扉の取り外しや再設置に工具が不要なため、スタッフだけで対応可能な点も大きな利点です。

小売店でのディスプレイ自由度の向上

物販店舗では、季節ごとの商品構成やキャンペーンごとに陳列方法を大きく変える必要があります。ケンドン式を使えば、展示棚や仕切りを一時的に外して商品スペースを拡張したり、逆に限定的な空間演出をしたりと、フレキシブルなディスプレイ設計が実現できます。

さらに、狭小なテナントにおいては動線の最適化が重要です。ケンドン式は構造がシンプルで余計な可動スペースを必要としないため、通路や導線の確保を妨げることなく間仕切りができるという利点があります。

サービス業での短期イベント活用

短期間の催事やポップアップショップでは、常設の壁や仕切りがむしろ制約になるケースもあります。ケンドン式であれば、設営・撤去のスピードが早く、装飾や什器と組み合わせた運用にも適しており、限られた準備時間の中で柔軟な対応が可能になります。

こうしたシーンでは、「工具なしで設置できる」「複数回の設置や撤去に耐えられる」「省スペースで収納可能」といったケンドン式の特徴が、特に有利に働きます。

内装設計における可変性の提案力

設計者やデザイナーにとっても、ケンドン式はプレゼンや提案の幅を広げる手段となります。単に「仕切る」「隠す」ための機能にとどまらず、演出や動線設計のパーツとして活用できるからです。たとえば、イベント時には開放して広い空間に、普段は仕切って落ち着きある空間に、というような変化を前提とした設計が可能になります。

結果として、クライアントのニーズに合わせて空間の多様性を提示することができ、満足度向上にもつながります。

設計・施工で注意すべきポイント

ケンドン式導入前に確認したい建具の条件

ケンドン式を採用する際、まず重要なのは、設置予定の建具がその構造に適しているかどうかの確認です。ケンドン式は取り外しやすさが特長である一方、建具自体が軽すぎたり、反対に重すぎたりすると、使用時の安定性や安全性に支障をきたす可能性があります。そのため、素材の選定や厚み、構造のバランスには注意が必要です。

また、建具の上下にかかる荷重や、繰り返しの取り外しに耐える強度も考慮すべきポイントです。経年劣化による変形を防ぐためにも、反りやすい素材の使用はできるだけ避けるようにしましょう。

寸法誤差が致命的になる可能性

ケンドン式は、支柱などに対して差し込み・はめ込みで固定する構造であるため、寸法の正確さが非常に重要です。特に、上下のクリアランスが不十分であった場合には、スムーズに脱着できなくなるだけでなく、破損のリスクも高まります。

そのため、設計段階からミリ単位での精密な計測が求められます。建具と枠の間に適度な余白を設け、温湿度による木材の伸縮も考慮して寸法設計を行うことが基本です。

接触部分の仕上げと精度への配慮

ケンドン式は手動での着脱が前提となるため、手が触れる部分の加工や仕上げにも気を配る必要があります。エッジ部分の面取りや、滑りやすさを意識した塗装など、日常的に使用される前提での配慮が求められます。

また、支柱や床面との接触箇所では摩耗や汚れが発生しやすいため、耐久性のある素材や部品の採用を検討しておくことも施工段階での重要な判断材料です。

施工現場での可動テストは必須

設置後に「外れにくい」「がたつく」といったトラブルを未然に防ぐためにも、施工現場での事前確認と試験運用は必ず実施すべき工程です。特に、店舗内での設置となる場合には、開閉の頻度やスタッフの操作環境も想定しながら、繰り返しのテストを行うことで、実使用に近い感覚でのチェックが可能になります。

この段階で生じた微調整については、現場対応で即座に修正可能なように、施工業者との連携体制も整えておくことが求められます。

メンテナンスのしやすさも設計段階で考慮

ケンドン式は繰り返し使用される構造だからこそ、長期間にわたって安定した性能を維持するためには、メンテナンス性の良さも考慮すべきです。たとえば、取り外したパーツを一時的に保管する場所を確保したり、清掃しやすい素材を採用したりすることで、日々の業務の中で無理なく運用できる体制が整います。

設計段階から、メンテナンスのしやすさや修繕時の交換対応についても視野に入れることで、長期的な運用コストの最適化につながるでしょう。

ケンドン式の活用事例と運用時の工夫

活用シーンの広がりと代表的な用途

ケンドン式は、取り外しが容易な構造であるという特長から、さまざまな店舗空間での使い方が見られます。たとえば、間仕切りとしての利用や、営業時間外に区画を限定する用途、スタッフ動線の確保など、日常業務の中で柔軟に形状を変化させたいシーンに適しています。

特に飲食店や物販店など、時間帯によって必要とされるスペースの使い方が異なる店舗では、簡単に設置・撤去できるケンドン式の仕組みが活かされる場面が多くあります。限られた空間を最大限に活用するための一手として導入されるケースが少なくありません。

限られたスペースでも機能性を損なわない工夫

運用の中で工夫されているポイントの一つに、「収納場所の確保」が挙げられます。ケンドン式は取り外しが簡単な反面、外した建具の保管スペースが必要になるため、運用面での配慮が不可欠です。店舗設計時に、建具の収納スペースやスタンドなどを事前に設けておくことで、スムーズな運用が可能となります。

また、建具の重量やサイズによっては、一人での取り外しが難しくなるケースもあります。こうした場面では、脱着補助具の導入や、スタッフ動線に配慮した設計を行うことで、運用の負担を軽減する工夫がなされています。

視線制御や空間演出としての活用

ケンドン式は、物理的な仕切りとしてだけでなく、空間の印象を変えるための演出ツールとしても活用されています。たとえば、視線を遮る高さで建具を設置することで、プライバシーを確保しながらも閉塞感を与えない空間が実現できます。

また、色や素材に変化を持たせることで、営業中と営業時間外で異なる雰囲気を演出するなど、店舗ブランディングの一部として活用されることもあります。機能性とデザイン性の両立を意識した設計が、空間に深みを与えています。

想定外の使い方を防ぐためのルール設定

ケンドン式は構造的に自由度が高いため、使用方法にバリエーションが生まれやすい一方で、適切な運用がなされない場合には安全性が損なわれるおそれもあります。そのため、現場での運用ルールの設定も重要です。

たとえば、建具の設置・撤去を行う担当者を明確にしたり、取り扱いに関する簡易マニュアルを設置したりすることで、操作ミスや破損を未然に防ぐことが可能になります。日々の業務の中に自然と組み込まれるような工夫が、長期的な運用の安定につながります。

ケンドン式を導入する際の注意点と確認ポイント

設置環境の条件を把握する

ケンドン式の建具は、構造上「引っ掛ける」「取り外す」といった動作を基本とするため、設置場所にある程度のスペースと安定した受け側の構造が必要になります。たとえば、壁面や床面の精度、平滑性、強度などが不十分な場合には、スムーズな設置や脱着が難しくなることがあります。

導入前には、実際の施工現場の条件を正確に確認し、取り付ける建具の重量やサイズに応じて補強や調整が必要かどうかを検討することが重要です。

運用面での負担を想定する

可動性に優れたケンドン式であっても、現場での運用が煩雑になれば、その利便性が損なわれてしまいます。建具の取り外しに力を要する構造であったり、収納場所の確保が不十分であったりする場合、スタッフの作業負荷が増える可能性があります。

設計段階で、日常的な運用を想定しながら、誰がどのように建具を扱うかという視点で導入計画を立てることが望まれます。

メンテナンス性と安全性の両立

ケンドン式は頻繁な取り扱いを前提としているため、ヒンジや受け金具などの消耗部品が劣化しやすい傾向にあります。そのため、メンテナンスのしやすさもあらかじめ確認しておくことが大切です。

また、建具を一時的に外している状態でも、通行や作業に支障が出ないよう、安全性に配慮したレイアウトを設計する必要があります。たとえば、撤去時の一時置きスペースを動線から外して確保するなどの工夫が求められます。

事前に共有しておくべき事項

実際の導入にあたっては、施工業者や店舗スタッフとの間で、設置目的や運用ルール、メンテナンス頻度などを明確に共有することが欠かせません。全体の認識を合わせておくことで、導入後の混乱や不具合を防ぐことができます。

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監修者

IDEAL編集部

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