2026.01.14 2025.12.24|お知らせ
パーソナルジム内装デザインの基本|空間設計で重視すべき3つの要素
目次
ジム経営において、内装デザインは単なる装飾ではなく、ビジネスの成果に直結する戦略要素です。特にパーソナルジムでは、限られた空間をどう活かすかが差別化の鍵になります。本記事では、実際の開業・改装を見据えた内装設計の具体的な進め方や重視すべきポイントを、実践的な視点から解説します。
パーソナルジム内装デザインとは?

店舗デザインとの違いと共通点
パーソナルジムの内装デザインは、一般的な店舗とは異なる前提で設計されます。たとえば、利用者が体を動かすことを前提とするため、スペースの広さや安全性、動線の設計が重要になります。
共通点としては、どちらも「空間を通じてサービス価値を伝える」という役割を持つ点が挙げられます。内装の印象や快適さは、顧客体験の満足度に直結します。しかしパーソナルジムでは、ただ“魅せる”だけでなく、“使いやすさ”が問われます。
トレーナーと利用者が限られた空間で適切にコミュニケーションを取れるよう、視線の動きや距離感、器具の配置にまで配慮が必要です。このような要素は、他業種の店舗設計にはない、ジム特有の設計要件です。
なぜ内装が経営に直結するのか
パーソナルジムでは、内装が集客やリピートに与える影響が大きく、単なる装飾とは捉えられません。空間が不快だったり、使いにくいと感じられたりすると、サービスの品質そのものまで疑問視されてしまいます。
また、競合との差別化を図る上でも、内装は大きな武器になります。機材や指導内容が似通う中で、空間が持つ印象が「選ばれる理由」になることは少なくありません。
さらに、写真や動画によるプロモーションにおいても、内装は視覚的な訴求力を高める要素になります。SNSやWebサイトにおけるビジュアルは、来店前の顧客が最初に触れる情報です。魅力ある空間であるかどうかが、来店動機に直結します。
このように、内装デザインは「空間で伝える経営戦略」としての側面を持っています。ジムの特性や顧客像に合わせた設計ができているかどうかで、事業の成果が左右されるといっても過言ではありません。
内装設計の流れと構造を理解する
物件選定から設計・施工までの基本フロー
パーソナルジムの開業において、内装設計は初期段階から戦略的に進めるべき工程のひとつです。特に物件の選定は、その後の設計・施工に大きな影響を与えるため、慎重に進める必要があります。
一般的に、物件は「居抜き物件」か「スケルトン物件」に分類されます。前者は既存設備を活用できる点でコスト面のメリットがありますが、レイアウトの自由度は限られます。一方でスケルトン物件はゼロから設計できる反面、初期投資が大きくなる傾向にあります。目的と予算に応じて選択することが重要です。
物件を決定した後は、設計会社や施工業者とともにゾーニング・レイアウト設計に入ります。この段階では、器具の配置、動線、視線の抜け、天井高、換気の取り回しなど、運営に直結する要素を整理します。併せて、受付・更衣室・トイレといった付帯施設の設計も必要になります。
設計図面が確定したら、詳細な見積もりと工事スケジュールの策定へと移行します。この時点で、設備機器の選定やカラーコーディネートも進めておくことで、全体の統一感を保ちやすくなります。
初期段階で設計に失敗しないための準備
内装設計の失敗は、事前準備の甘さに起因することが少なくありません。たとえば、消防法や建築基準法など、法的な要件を確認せずに設計を進めると、後から修正が必要になり、時間やコストのロスにつながります。特に換気設備や防火区画に関しては、パーソナルジム特有の要件もあるため、早期に専門家の確認を取っておくことが求められます。
また、給排水設備や電源容量も重要な検討項目です。トイレやシャワールームの増設を検討している場合、既存の配管では対応できないことがあります。後から対応しようとすると、大規模な工事が必要になることもあるため、物件選定の段階で設備条件を見極めておく必要があります。
設計に入る前には、提供するサービスの内容とその動線を明確にしておくとよいでしょう。たとえば、トレーニング前後の導線や待機スペースの使い方など、利用者視点での動き方を設計に反映させることが、ストレスのない空間づくりにつながります。
加えて、開業後の運営を想定した可変性も意識すべきポイントです。利用者の増加やサービス内容の変化に柔軟に対応できる設計にしておくことで、長期的に見たコストパフォーマンスを高めることができます。
パーソナルジムにおける内装デザインのメリット・デメリット

内装がもたらす3つの効果
パーソナルジムの内装設計には、見た目の美しさだけでなく、明確な経営的メリットがあります。第一に挙げられるのはブランディング効果です。空間の印象がジムの世界観や価値観を伝える手段となり、競合との差別化につながります。
次に、顧客満足度の向上です。利用者が快適さや清潔感を感じられる環境は、継続利用を後押しします。トレーニング時の心理的な安心感や集中力にも影響するため、結果的にサービスの質が向上しやすくなります。
三つ目は運営効率の改善です。動線や設備の配置が最適化されていれば、トレーナーやスタッフの移動がスムーズになり、時間や労力のロスを減らせます。これにより、サービス提供の質とスピードを両立できる体制が整います。
これらの効果は、単に高級感を演出することではなく、「誰に・どのような体験を提供するか」という視点から設計された空間によって実現されます。よって、見栄えだけに偏るのではなく、機能と体験の両立を図ることが求められます。
コスト・時間・制限のリアルな課題
一方で、内装デザインには一定のデメリットや課題も存在します。まず考慮すべきはコストの負担です。素材や仕様にこだわるほど、初期費用は大きくなります。特に居抜き物件を活用する場合、既存設備との調整や再構築に予想以上のコストが発生することがあります。
また、工事期間の長期化もリスクのひとつです。設計から施工までの工程で不備があれば、開業スケジュールに影響が出る可能性があります。さらに、設計変更が必要になった場合は、再見積もりや工程の見直しが発生し、費用面だけでなく人的リソースにも影響します。
他にも、法的・構造的な制限により、希望するデザインを実現できないケースもあります。たとえば、建物の構造や消防・換気に関する制約があると、意図したレイアウトや仕上げが採用できない可能性があります。このような制限を事前に把握し、許容範囲内で設計を進めることが求められます。
さらに、空間演出を重視するあまり、使い勝手や清掃性が犠牲になる場合もあります。長期運営を見据えるのであれば、見た目と機能のバランスを冷静に判断する必要があります。
初心者が見落としがちな設計ポイントと誤解
「おしゃれ」だけでは集客できない
内装デザインを考える際、初めてジムを開業する方の多くが「おしゃれさ」を重視する傾向にあります。確かに視覚的な印象は重要ですが、それだけで顧客を惹きつけることは難しいのが現実です。特にパーソナルジムでは、利用者が空間に長く滞在し、体を動かす前提があるため、見た目よりも機能性や快適性のほうが影響力を持ちます。
たとえば、照明が明るすぎる空間や冷暖房が行き届かないレイアウトは、トレーニング中の集中力や満足度を下げる要因になります。床材の選定においても、見た目だけを重視してしまうと、滑りやすかったり衝撃を吸収できなかったりと、安全面でのリスクが高まります。
また、写真映えを意識した装飾を過度に取り入れることで、器具の配置や動線が制限されてしまうケースもあります。空間の印象は重要ですが、それがサービス提供の妨げになるようであれば、本末転倒です。集客の成果を求めるなら、デザイン性と実用性を両立させたバランス感覚が必要です。
設備投資とROI(投資対効果)を誤解していないか
内装にかける費用は「コスト」ではなく「投資」として捉えるべきですが、その前提には明確な設計方針と事業計画が必要です。初心者が陥りやすいのは、見積もり額だけを見て判断し、どこにどれだけ投資すべきかを戦略的に考えないことです。
たとえば、内装費を削減しようとして必要な換気設備や防音対策を後回しにすると、運営開始後にクレームや機器トラブルに繋がる可能性があります。結果として、余計な修繕費や休業リスクを抱えることになり、短期的な節約が長期的な損失を招くことになります。
また、トイレや更衣室などの共用スペースにおける設備投資を軽視する傾向もあります。こうした空間は利用者にとって快適性や清潔感を判断する重要なポイントであり、サービス全体の印象に影響を与えます。直接的な売上に関係しない箇所だからといって、予算を抑えるだけでは運営に悪影響を及ぼすことがあります。
投資判断は、単に「高い・安い」ではなく、「目的に対して合理的かどうか」という視点で行うべきです。設計段階で優先順位を明確にし、長期的な利益を見据えた判断が求められます。
理想的な内装デザインをつくる3つの要素
ターゲット顧客に合わせた空間の演出
内装デザインを成功させるには、まず「誰のための空間か」を明確にすることが前提になります。パーソナルジムでは、対象とする顧客層によって求められる空間の印象や機能が大きく変わります。たとえば、静かな環境で集中してトレーニングしたい層と、開放的な雰囲気を好む層では、好まれるデザインは異なります。
対象がビジネスパーソンであれば、洗練されたデザインや高級感を意識することで信頼感が高まります。一方で、運動初心者や主婦層を想定する場合は、親しみやすく落ち着いた空間設計が求められます。このように、内装はサービスの延長線として考えるべきであり、ただ整っていれば良いというものではありません。
ターゲットに最適化された空間は、トレーニングそのものの成果にも好影響を与えます。心理的な安心感や快適性が高まれば、継続率にもつながるため、経営的な視点からも重視すべきポイントといえます。
ブランディングを支える素材・色・照明の統一
空間の印象は、細部の要素の積み重ねによって形作られます。中でも、素材・色使い・照明計画は、ジムのブランドイメージを伝えるための重要な構成要素となります。たとえば、木材や石材を使ったナチュラルな素材感は、落ち着いた印象を与えるのに有効です。
カラーリングも同様に、ブランドメッセージと一致しているかが重要です。無機質でモノトーンの配色はストイックさを演出できますし、アクセントカラーを加えることで活力や個性を表現することもできます。色の選定は利用者の感情に影響を与えるため、単なる好みではなく戦略的に決定することが必要です。
照明についても、演出と機能の両面から設計を考える必要があります。トレーニングスペースは明るさを確保しつつ、過度な眩しさを避ける配慮が必要です。リラクゼーションやカウンセリングを行うスペースでは、照度を落とし、落ち着きある雰囲気を演出するのが適しています。
こうした要素に一貫性を持たせることで、ジムとしての世界観が伝わりやすくなり、来店者に強い印象を残すことができます。
長期運用を見据えた耐久性と可変性
理想的な内装を実現するには、初期の美しさや印象だけでなく、「長く使える設計」であることも欠かせません。ジムは多くの人が日々利用する空間であり、床・壁・設備などには相応の負荷がかかります。素材選びにおいては、見た目の良さと同時に、耐摩耗性や清掃性にも配慮した選定が必要になります。
また、将来的なサービス内容の変化や拡張にも対応できる柔軟性があると理想的です。固定された間取りでは、機器の追加やトレーニング方法の変化に対応できなくなる恐れがあります。可動式の間仕切りやレイアウト変更がしやすい設計を取り入れておくことで、変化するニーズに柔軟に対応できる環境が整います。
このように、内装設計は短期的な完成度だけではなく、時間の経過に耐えうる設計思想が求められます。空間を「育てていく」という視点で計画することが、長期的な経営の安定にもつながっていきます。
成功するジム設計の実例から学ぶポイント
居抜き物件を活かしたローコスト設計
ジム開業時にコストを抑えたいと考える場合、居抜き物件の活用はひとつの選択肢になります。すでにある程度の内装や設備が整っている状態であれば、ゼロからの工事が不要なため、時間と費用を抑えることが可能です。
ただし、居抜き物件を選ぶ際には、既存の構造や配管設備が現在の運営方針と合致するかを慎重に確認する必要があります。空間の形状がジムの動線や機材配置に適していなければ、かえってレイアウトの自由度が下がってしまいます。
成功しているケースでは、既存の間取りや仕上げを上手に活用しつつ、必要な部分だけに手を加えるという判断がなされています。過剰な改修を避けながら、限られた条件の中で機能性と印象を両立させている点が特徴です。
内装に手を加える部分と残す部分を明確に分け、目的と予算のバランスを取ることが、コストパフォーマンスの高い設計へとつながります。
スケルトンからのブランド空間構築
一方で、スケルトン物件からジムを立ち上げる場合は、設計の自由度が高く、ブランドの世界観を一から空間に反映させることができます。壁の配置、天井の高さ、動線、素材の選定に至るまで、すべてを戦略的に決定できるため、独自性の高い空間を実現しやすいのが特徴です。
成功している事例では、サービスの特徴や想定顧客に合わせて空間を設計し、照明・カラーリング・素材などのディテールを統一することで、店舗全体に一貫したメッセージを持たせています。特に、高価格帯のサービスを提供するジムでは、空間が持つブランド価値が顧客の納得感に直結するため、内装の完成度は重要な要素となります。
ただし、スケルトン物件ではゼロからすべてを構築する必要があるため、初期費用がかかる傾向があります。設計段階で費用対効果を意識し、予算の配分を綿密に計画することが求められます。
このように、選択する物件形態に応じた設計の考え方を持つことが、成功するジムづくりには欠かせません。
パーソナルジムの内装を成功させるために
パーソナルジムの内装設計は、空間づくりという枠を超えて、経営そのものに関わる重要な要素です。開業時のコンセプト設計から物件選定、レイアウト、素材選びに至るまで、すべてがサービス価値を形成する要因となります。利用者が感じる快適性や信頼感、通い続けたいと感じるかどうかも、空間の設計次第で大きく変わります。
また、ブランドを構築するうえでも、内装の一貫性と完成度は重要な意味を持ちます。視覚的な印象はもちろん、動線や設備配置が戦略的に計画されているかどうかは、顧客の体験に直結します。感覚的な好みだけでなく、機能とビジネスの両立を前提とした判断が求められます。
開業後の運営を想定した可変性やメンテナンスのしやすさなど、長期視点での設計も欠かせません。空間が劣化したり、サービスの幅が広がったりした際に柔軟に対応できる設計かどうかは、経営を安定させるうえで大きな分かれ道になります。
内装に対する投資は決して安価ではありませんが、適切な設計と判断を行えば、それは“費用”ではなく“価値を高める手段”になります。そのためには、業種特化の知見と空間デザインの技術を兼ね備えたパートナーの存在が欠かせません。
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監修者
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IDEAL編集部
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