2020.07.20 2020.09.09|店舗デザイン
店舗デザインの効果は流行やブランディング化にどう影響するか
店舗を運営する場合、集客のために大切なのは商品・サービスばかりではありません。店舗のデザイン自体が店舗の売り上げを大きく左右する場合もあるのです。
そこで今回は店舗のデザインが顧客にもたらす効果・印象、店舗デザインの流行事例やブランディング化の考え方など、店舗デザインに関して意識したいことをご紹介します。
目次
店舗デザインが顧客に与える効果・印象
まずはそもそも店舗にとって店舗デザインとはどのような役割を果たすのか、店舗デザインは顧客にどのような影響を与えるのかということから説明していきましょう。
店舗デザインとは、店舗の外装や内装のデザインを指すものです。店舗は商品・サービスを提供するための単なる箱、というわけではありません。
想像してみてください。例えば何のデザインもされていないただの建物の中に商品を陳列したとします。果たしてどれだけの顧客が店舗に入ろうと思うでしょうか。
よしんば入店したとして、積極的に商品を手に取りたいと思うでしょうか。どんなに良い商品・サービスでも、顧客に興味を持ってもらわない限りは売れません。
顧客の興味を引くための”店舗デザイン”
顧客の興味を引くための手段の1つが店舗デザインです。顧客は何の店かわからないとなかなか入ってきてくれないものです。
そこで、店舗の外装を、提供する商品やサービスを連想しやすいようなデザインにすれば、入店したことがない顧客が外から見たときにわかりやすいでしょう。
また、スタイリッシュなデザインやユニークなデザインなど、人の目を引くようなデザインを施せば、特に商品・サービスを必要としていなくても好奇心で入店してくれる可能性があります。
なお、内装のデザインは、店舗のコンセプトを伝える上で非常に重要です。
例えば、自然素材をテーマにした商品を販売しているのに、店内が人工的な素材に溢れたデザインなら、顧客はちぐはぐなイメージを持つかもしれません。
そのようなギャップを敢えて狙ってつくり、それがマーケティング戦略として成功しているなら良いでしょうが、単にデザインをよく考えていないのであれば失敗です。
反対に、自然素材の商品に合わせ、内装もナチュラルテイストにまとめれば、商品だけでなく店舗全体で商品のイメージをさらに膨らませることができます。
つまり、店舗のデザインによって、商品・サービスやそれを提供する側の世界観をよりわかりやすく顧客に伝えることができるのです。
店舗デザインにも流行を取り入れるべきか
店舗デザインには、提供する商品・サービスや業界によって、定番のスタイルなどが存在します。デザインを考える上では、見た目だけを重視すれば良いわけではありません。
実際に顧客がどのように動くか、従業員がどのように動くか、人の流れを意識しながらデザインを考えないと、機能性に欠いた使い勝手の良くない店舗になってしまいます。
そのような動線は業界によって大体同じような部分もあるので、基本的なレイアウトが似通う場合も多々あります。動線に難がない範囲内でどのようなデザインにするかは、それぞれの店舗のセンス次第です。
なお、店舗デザインにも流行があります。事例としては、壁にモルタルを使用しシンプルで無造作な雰囲気を作るデザインや、木材・天然素材を多く取り入れ、ナチュラル・ボタニカルな雰囲気を演出するデザインなどはよく用いられました。
また、アクセントとしてメタリックな質感をプラスすることで、スタイリッシュな印象を際立たせるデザインもさまざまな店舗で取り入れられています。
ほかには、古い家屋の年代感を敢えて活かした、いわゆる「古民家」風のデザインも人気を集めました。飲食業、製造・販売業、宿泊業など、多様な業種との相性がよいことも特徴です。
このようなデザインのトレンドは、顧客の注目を集めやすいため、集客の起爆剤となる可能性が高いでしょう。しかし、一概に流行さえ取り入れれば良いのかというとそういうわけではありません。
なぜなら、流行はいずれ廃れる場合があるからです。ブームの真っただ中であれば、流行を取り入れた店舗デザインは顧客の目におしゃれに映るでしょう。
一過性のトレンドを重視したデザインは控える
しかし、流行が去ってしまったら、ただの1店舗デザインとして見られるだけです。あまりトレンドばかりを追い求めたデザインにすると、ブームが終わった後、一気に時代遅れな印象になってしまう可能性もあります。
もしデザインを変更するにしても、内装・外装は短期間ですぐに変えられるものではありません。
店舗デザインに流行を取り入れる場合は、流行が終わってもそのまま継続して顧客の興味を引けそうなデザインか、そもそも商品・サービスやコンセプトには合致するのかなど、
シンプルにデザインとしてどうなのかよく見極め、しっかり分析する必要があるでしょう。
店舗デザインで”ブランディング化”
店舗デザインは商品・サービスなどブランドのコンセプトを伝えるために有効なものの1つですが、それ自体をブランディング化するという方法もあります。
例えば、複数店舗を展開する有名なブランド・メーカー・チェーンの中には、どの店舗も内装・外装を同じようなデザインで統一している場合が少なくありません。
これは、顧客に大きな効果・印象をもたらします。多くの人は、初めて見る店舗にはなかなか入店しづらいと感じるものです。
それは、どのような雰囲気の店なのか、商品・サービスの内容や質はどうなっているのか、よくわからないことが多いためです。
しかし、初めて見る店舗が、過去に入ったことがある店舗と同じようなデザインをしていたらどうでしょう。一気に入店のハードルが下がるのではないでしょうか。
もし過去に利用したことがある店舗と同じチェーンの店舗なら、例えその店舗自体には入ったことがなくても、すんなり入店できる人が多いでしょう。
これは、その店舗のブランド力のおかげです。飲食店なら提供されるメニューや味を、アパレルなら販売されている商品の種類を、すでに顧客は知っているので、スムーズに受け入れることができるのです。
そして、そのブランド力を伝えるための大きな手段が店舗デザインなのです。
店舗デザインとブランディング化
すでに認知している店舗と同じデザインの店舗を見つけることで、顧客は自然とその店舗の平均的な商品・サービスをイメージできます。
また、店舗デザインそのものの雰囲気を好んでいる顧客にとって、ブランディングによりパッケージ化された店舗が増えれば、さまざまな場所で店舗デザインが楽しめます。
なお、店舗デザインのブランディング化は、複数店舗の品質を一定に保つという意味でも非常に重要です。店舗を複数出店する場合、気を付けなければならないのは店舗の水準です。
店舗によって周辺環境、従業員など異なる部分もあるため、ある程度のバラつきは仕方がないにしろ、あまりにも品質に差が出ることは好ましくありません。
しかし、店舗デザインをブランディング化すれば、顧客にはどの店舗でも同じような雰囲気を感じてもらえるため、印象をアップすることが可能です。
また、店舗デザインを統一することで、人の動きも読みやすくなるため、従業員の働きやすさを確保できることも利点と言えるでしょう。
店舗デザインを工夫して集客に活かそう
実は商品・サービスの売上に大きく関わる店舗デザイン。
現実的な使い勝手はもちろんのこと、顧客が思わず入店したくなるような、そして店内で商品・サービスを購入したくなるような、興味関心をそそるデザインを考えることが大切です。
ぜひこの記事を参考に、店舗デザインに関してさまざまな面から検討し、集客に活かしてみてください。
監修者
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IDEAL編集部
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