2017.07.07 2020.09.09|店舗デザイン
スターバックスの店舗デザイン・内装の魅力とは?
スターバックスはシアトル生まれのコーヒーショップです。今では世界中に広がったチェーン店ですが、どの店舗をとってもユニークなデザインが施されています。
今回はスターバックスの店舗デザインに目を向けながら、人気の秘密を探り、店舗を開業するときのアイデアなど拾っていきたいと思います。
目次
スターバックスの店舗デザイン形態
スターバックスはシアトル生まれの喫茶店で、日本では、2016年12月現在で1245店舗が開業しており、2020年までに1500店舗の開業を目指しているとのことです。
1990年代に日本に進出して以来、売り物のコーヒーだけでなく、店舗デザインの美しさが話題になっています。スターバックスのデザインは、すべて社内のデザイナーが担当するそうです。
チェーン店なのに、同じデザインの店舗はなく、店舗のある地域の文化や歴史に合わせて設計しているので、観光スポットに行くような感覚で訪ねてみたくなりますね。
しかも、開業したらそのまんまということはなく、その地域の変化、例えばそこに住む人の年齢層の変化などに合わせて、必ず5~6年に一度は店舗をリフォームし、常に新鮮さを保つようにしているのです。
スターバックス1号店
スターバックス1号店は1971年にシアトルのバイク・プレイス・マーケットの通りに建てられましたが、今でも同じ場所で操業しています。
店舗自体もそれほど大きくなく、むしろ普通の店よりも幅が狭いですが、天井が高いのでスペースを感じさせます。現在は、スターバックスのグッズショップになっていて、座ってコーヒーを飲むことはできません。
印象的なのがその高い天井からつりさげられたペンダントランプで、このランプのおかげで店舗が明るくあか抜けた雰囲気が作り出されています。
スターバックスの店舗コンセプト
スターバックスのコンセプトは「リラックスした雰囲気」と「フレンドリーなサービス」です。
リラックスした雰囲気を出すために、ゆったりとしたソファーを使ったり、木の椅子やテーブルを取り入れたり、少し薄暗い感じの照明を使って落ち着いた雰囲気を演出しています。
「あそこに行けばリラックスした雰囲気の中でコーヒーが飲める」、そんな気持ちにさせてくれます。
フレンドリーなサービスの一つは、注文を受けるときに顧客の名前を聞くことですね。
最初は、なんだか慣れなくて戸惑いませんでしたか。でも、番号札をもらうより、どこか温かみがあっていい気持ちがするものです。
リラックスした雰囲気を作り出すデザイン
スターバックスの店舗の持つリラックスした雰囲気造りの最も大きな要素は照明です。店舗内の照明装置を見るといろいろな工夫がされているのがわかります。
スポット的な灯りを造り出すダウンライト。かわいらしさを醸し出すペンダントランプ。そして壁に取付けて光の方向性を楽しむブラケットランプ。こうした照明器具の一つ一つがスターバックスの店舗内の雰囲気を演出しているのです。
そしてこの照明とマッチしているのが内装の木材や家具に使われている配色です。
スターバックスでは原色は使われていません。どちらかというと、茶系や緑系の地味な色が使われているので、こうした色は主役ではなく、バックグラウンド化し心地よくなるのです。
くつろげるレイアウト
スターバックスの店舗のもう一つの特徴は、ゆったりとしたレイアウトです。
シアトルの1号店に見られるように天井が高いことも特徴の一つですが、中央に吹き抜けをアレンジし店舗全体のスペースを大きく演出しているところもあります。
また、通りに面した窓側にオープンテラスを作り、そこで外気に触れながらコーヒーを楽しむことができるようアレンジしている店舗も多いのです。
例えば、表参道B-SIDE店は「都会の中のオアシス」をコンセプトとしてデザインされた店舗で、テラスにもソファーが置かれています。
天気の良い日には太陽の光が注ぎ、また、店舗の窓からは、すてきな庭園も見え、あわただしい都会の中にありながら、ゆっくりとくつろいだ時間を過ごせるよう設計されています。
また、2階建ての店舗では、本棚を作って、顧客が持ち寄った本や雑誌などを共有できるようにしたところもあります。
地域の特徴を織り込んだ店舗
先にも触れましたが、スターバックスの店舗の中には地域の持つ特徴を織り込んだ店がいくつかあります。その代表的なのが「鎌倉御成町店」「京都三条大橋店」「出雲大社店」などです。
鎌倉御成町店
この店舗は、漫画家の横山隆一氏の邸宅を利用して造ったものです。その邸宅内にあった庭の一部(桜や藤など)をそのまま残し、鎌倉の文化人が集まる喫茶店に作り変えられました。
京都三条大橋店
京都の三条大橋のたもとに作られた店舗です。三条大橋が掛かっている鴨川では毎年5月になるとやぐらが立ち、そこで宴を開き京都の風情を楽しみますが、そのやぐらの上にできたのがスターバックスの京都三条大橋店です。
出雲大社店
出雲大社の参道の入口に建てられた店舗です。2回の席では出雲大社のみごとな風景を見ながらコーヒーを楽しむことができます。店舗内は切妻屋根をデザインした天井など日本的な要素を取り入れています。
まとめ
スターバックスの店舗デザインの魅力をいろいろな角度から探ってみました。やはり、人気の秘密は、手を抜かない高いレベルのデザイン、そして地域の良さを十分に取り入れた店舗デザインを常に追求していることです。
言い換えれば、顧客がどんなものを求めているのかを忘れない心、それが素晴らしいデザインにつながっていると言えるのではないでしょうか。
監修者
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IDEAL編集部
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