本記事で、店舗を開業する流れと…
2022.12.14|店舗デザイン
店舗に適した床材の種類と費用!デザイン・施工事例・DIY・メンテナンス
本記事で、店舗に適した床材の種類と費用について解説します。床材をデザインするポイントや施工事例、メンテナンスとDIYなどもご紹介します。
「店舗に適した床材はどれ?」「業種に合った床材をデザインしたい!」とお悩みではありませんか?店舗の開業や移転、リニューアルなどを検討している方はぜひご覧ください。
目次
店舗に適した床材の種類と費用
店舗に施工できる床材には、さまざまな種類があります。理想的な床をデザインできるように、まず店舗に適した床材の種類と費用を確認しましょう。
床材の種類 | 費用相場(㎡あたり) |
デザインコンクリート | 1万〜2万5,000円程度 |
タイル | 6,000〜2万円程度 |
フローリング | 5,000〜1万5,000円程度 |
フロアタイル・ラバータイル | 4,000〜1万円程度 |
カーペット | 3,000〜8,000円程度 |
クッションフロア・長尺シート | 2,000〜5,000円程度 |
各床材の費用はグレードや機能性などにより差が出ますので、ご注意ください。引き続き各床材の特徴をご紹介します。
デザインコンクリート
デザインコンクリートはコンクリート製の床材で、レンガ風や岩石風、木目調などのデザインが可能です。屋外に施工できるほど耐久性があり、重厚感もあるため、豪華さやスタイリッシュさをコンセプトにする店舗に適しています。
また加工方法によって、スタンプコンクリートやスプレーコンクリート、モルタル造形などがあります。モルタル造形に関して次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
タイル
タイルは陶磁器製の硬質な床材で、耐火性や耐水性、耐久性があります。水や火を扱う部屋の内装仕上げに適しています。
ただし滑りやすいため、従業員や顧客が激しく動く部屋には適していません。
フローリング
フローリングは、木の床材です。構造(単層と複合)によって、特徴が異なります。
単層フローリングは天然木材で製造されているため、耐久性に優れて風合いがあります。ただし水に弱く、内装空間の環境によって木材が反ったり隙間が空いたりする恐れがある点にご注意ください。
複合フローリングは複数の薄い合板が重ね合わせられて、表面に化粧板が張り合わせられています。単層よりも強度や風合いは劣りますが、加工次第で耐水性やデザイン性が高まるので費用を抑えやすいです。
フロアタイル・ラバータイル
フロアタイルは、樹脂で製造されたタイル状の床材です。耐久性や耐水性に優れています。表面がガラス加工された床材は滑りやすいので、動きを伴う床にはざらざらした質感のフロアタイルがおすすめです。
ラバータイルは、ゴムで製造されたタイル状の床材です。滑りにくく防音性があるので、動きを伴う床に適しています。
カーペット
カーペットは、繊維製の床材です。防音性が高く、室温を保つ効果も期待できます。タイル状のカーペットなら、床の色を部分的に変えたり、パターンを作ったりすることが可能です。
ただし水をこぼすとシミになりやすい点に注意が必要です。店舗には毛が短い平坦なカーペットを施工すると、メンテナンスしやすくなります。取り外せるタイルカーペットであれば、汚れた部分だけ洗ったり取り替えたりできます。
クッションフロア・長尺シート
クッションフロアや長尺シートは、合成樹脂(ポリ塩化ビニール)の床材です。フロアタイルよりも薄いですが、中間層のクッション性があるので柔らかく、重みのある什器を置いても凹みづらくなります。
また加工次第で遮音性を出すことができ、水に強く摩擦や薬品に対する耐性もあります。表現できるデザイン(木目調や石材風など)の幅が広く、店舗のコンセプトに合わせやすいです。
ただし火に弱い特徴がありますので、火や熱を用いる部屋には適しません。
店舗業種・業態別の床材をデザインするポイント
各床材の特徴を踏まえて、店舗業種・業態別に床材をデザインするポイントをご紹介します。店舗で販売する商品・サービスや顧客・従業員の行動などを想定しながら、適した床材を選びましょう。
飲食店
飲食店の床には、耐久性や手入れのしやすい床材をデザインする必要があります。ダイニングフロアで飲み物をこぼしたり、厨房で水や油が跳ねたりする恐れがあるからです。
ダイニングフロアの床には、クッションフロアや長尺シートなどの耐水性に優れた床材がおすすめです。フローリングにウレタン塗装などの加工をすれば、床の耐水性を保つことができます。
また厨房の床には、不浸透性の床材を施工するように定められています。飲食店営業許可の施設要件を把握したうえで、滑りにくい長尺シートや磁器タイルなどを施工しましょう。
参考:東京都福祉保健局「食品関係営業許可申請の手引き」(P.5)
パン屋
パン屋の床には、商品の魅力を引き立てられる床材をデザインしてください。例えば木材やレンガ調などの温かみを感じさせる素材が、パンと相性がよいです。
また飲食店のダイニングフロアと異なり、水を使用しない陳列・販売スペースの床には耐水性が必要ありませんので、フローリングなどがおすすめです。
ただしイートインスペースの床には、耐水性のある長尺シートやフロアタイルがおすすめです。販売スペースとイートインスペースの床材を切り替えるデザインもありますので、パン屋の製造販売方法に適した床材にしましょう。
販売店
コンセプトに合わせたおしゃれな空間が求められる販売店の床には、デザイン性のある床材がおすすめです。また土足で入店するフロアには、耐久性も必要です。
したがってフロアタイルや長尺シートなら、デザイン性も耐久性もあります。コンセプトによってフローリングやタイル、モルタルなども、販売店の床に適しています。
ただしホコリやちりの舞いやすいカーペットは、雑貨やアパレルなどの販売店の床には適していません。顧客と従業員の行動を想定して、メンテナンス性も考慮しましょう。
サロン
サロンにはリラックス空間を求めて顧客が来店するため、機能性とデザイン性のバランスを図りながら床材をデザインしましょう。サロンの施術には薬剤やオイルなどが使用されるため、汚れても掃除しやすい床材が理想的です。クッションフロアや長尺シート、タイル、モルタルなどをおすすめします。
また内装空間の非日常性やおしゃれさを演出するためには、天井や壁のデザインと調和させましょう。例えば明るい壁紙に対しては、落ち着きのある色味の床材を選ぶとよいです。サロンの雰囲気に合わせて色味や素材を選んでください。
クリニック
クリニックの診察室では液体や薬品が使用されるため、耐水性のある床材を選びましょう。長尺シートやクッションフロア、ラバータイルなどがおすすめです。不安を感じて診察を受ける患者に落ち着いてもらうためには、穏やかさや温かみを感じさせる色味や素材を選んでください。
また転倒する恐れのある高齢者や子どもが来院するなら、待合室や通路に柔らかいクッションフロアやタイルカーペットなどが適しています。ただしカーペットは水に弱いため、待合室や廊下などに使うようにしてください。
ジム
ジム・ヨガスタジオの床には、顧客の足腰に負担がかからない床材や器具の重みや落下に耐えられる床材が適しています。クッション性の高い床材を選ぶことで、ジム外に対する防音効果も期待できます。
したがってトレーニングマシンのあるエリアには、クッションフロアやラバータイルが適しています。またダンスやヨガのスタジオでは、室内シューズと相性のよい木製フローリングやフロアタイルがよいです。
オフィス
オフィスの床は一般的にひどく汚れる恐れが少ないため、快適性や通信環境などを考慮して床材を選びましょう。保温効果のあるタイルカーペットやフロアタイル、フローリングなどがおすすめです。
また床を含めた内装空間の配色によって印象が変わり、集中力やリラックス効果を期待できます。オフィスの床をデザインするポイントについて次の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。
店舗床材の施工事例
業種・業態に合うように床をデザインするために、実際に店舗に施工されている床材の事例を参考にしましょう。IDEALの施工した事例を取り上げながら、デザインポイントをご紹介します。
商品を引き立てるシンプルな床材
「Beyond Vape Japan 中野店」様は、アメリカのVAPE(電子タバコ)専門店です。カラフルでデザイン性のある電子タバコ本体やリキッドが並ぶ店内に、商品を引き立てるようにシンプルな床材が施工されています。
商品が陳列されるガラスケースが目立つように、床材には天井や壁と同様にグレーが選択されました。床材は、デコボコしていない掃除のしやすい滑らかな素材です。
温かみを演出する床材
「Fior Di Maso (フィオールディマーゾ)渋谷店」様は、株式会社カ・フォルム・ジャパン様の運営するチーズやサラミなどの小売店です。内装空間に温かみを演出できるように、暖色系の床材やレンガの壁やホワイトの商品陳列台などが選択されています。
また店舗の入り口に壁やドアがないため、店外の通路と異なる質感とデザインのフロアタイルによってゾーニングされています。
スタジアムをイメージさせる床材
「Dr.ストレッチ本厚木店」様は、独自の手技「コアバランスストレッチ」を用いたストレッチの専門店です。スタジアムをイメージさせる内装の雰囲気に合わせて、床材として人工芝が施工されています。
顧客の動線に基づいて床材を変えることで、ストレッチエリアと通路がゾーニングされています。柔らかい人工芝が施工されているため、施術台付近を素足で歩いても負担がかかりづらいです。
自然の雰囲気を感じさせる床材
「Clandestino Italian Bar」様は、イタリア人オーナーが本場から輸入したこだわりの食材を提供しているバーです。イタリアの田舎の雰囲気を感じてもらえる内装を目指して、デザインされました。
自然の雰囲気を感じさせるように、床に木材が施工されています。コンクリートで壁や天井が施工されているので、カジュアルさや温かみを出せるように床だけではなくテーブルや棚にも木材が施工されています。
オリジナルの柄を取り入れた床材
「inno.Tokyo(イノ ドット トーキョー)」様は、有名店出身のスタイリストが在籍しているヘアサロンです。落ち着きと可愛らしさのある内装空間がデザインされ、アクセントとしてオリジナルの柄を取り入れた床材が施工されました。
大理石風の床材は、一部が切り抜かれてドット柄にデザインされています。またカットされた髪の毛などを掃除しやすいように、ツルツルとした質感の床材です。壁や天井の色を引き立てられるように、シンプルな色味が選ばれました。
店舗床材のDIYとメンテナンス
店舗の床工事を開始する前に、店舗床材のDIYとメンテナンスについてもご確認ください。費用を抑えるDIYには注意点があり、施工後の適切なメンテナンスは床の寿命を長くします。
DIYの注意点
店舗の内装において床はDIYしやすいですが、床材や施工技術がDIYの注意点です。DIYしやすい床材として、例えば置き型のフロアタイルや剥がしやすい長尺シートなどが挙げられます。フローリングもDIYで施工できますが、施工技術が求められます。
特に飲食店やサロンにおいては、床材に対する法的な制限が定められている点に注意してください。飲食店には防水性やメンテナンス性、平な仕上げなどが、サロンには不透明性材料(コンクリートやタイル、リノリューム、板など)が施工条件として定められています。
参考:東京都福祉保健局「食品関係営業許可申請の手引き」(P.5)
DIYによる床工事が不安なら、内装業者への依頼をご検討ください。DIYの注意点についてまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
メンテナンスのコツ
店舗に施工した床材のメンテナンスのコツは、屋外の汚れを持ち込まない工夫と日々の掃除です。汚れを持ち込まない工夫として、玄関マットを置く方法が挙げられます。顧客に靴の泥を落としてから入店してもらえると、掃除が楽になります。
また日々の掃除のコツは、床材の特徴に合った方法です。例えば酸性洗剤を使用すると変色したり傷んだりする恐れがありますので、素材に適した洗剤と掃除道具を選びましょう。定期的なワックスがけや貼り替えなども必要になります。
店舗の業種・業態に適した床材を選ぼう!
店舗の床材にはさまざまな種類があり、種類ごとに特徴や費用が異なります。デザイン性だけでなく機能面も考慮して、店舗の業種・業態に適した床材を選びましょう。
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監修者
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IDEAL編集部
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