2021.01.25  2022.10.15|新規開業ノウハウ

店舗開業・経営に活用できる補助金・助成金!共通点・相違点や個人事業の注意点

店舗開業・経営に活用できる補助金・助成金!共通点・相違点や個人事業の注意点

本記事で、店舗開業・経営に活用できる補助金・助成金について解説します。補助金と助成金の共通点・相違点や種類、注意点をご紹介します。

「補助金と助成金の違いとは?」「店舗経営に活用できる補助金・助成金を知りたい!」とお悩みではありませんか?店舗の開業や移転、リニューアルをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

補助金とは?助成金とは?

補助金とは?助成金とは?

補助金・助成金とは、国や地方公共団体などから事業資金の一部または全額が給付される制度です。補助金・助成金ごとに目的が設定されており、公共のために有益であると判断される事業が受給対象となります。

ただし補助金を受給するためには審査が必要になるため、申請しても受給できない場合があります。一方で助成金については、申請条件を満たせば受給できます。加えて補助金・助成金の財源や運営者が異なったり、申請から支給までに時間がかかったりする点に注意が必要ですので、後ほど詳しく解説します。

なお開業資金の調達方法には出資・借入・融資もあり、下の記事で解説していますので併せてご覧ください。

補助金と助成金の共通点

補助金と助成金の共通点

補助金と助成金の概要を理解したうえで、補助金と助成金の共通点を押さえておきましょう。店舗を開業前や経営中にスムーズに申請できるようにするためです。

基本的に返済義務がない

まず基本的に返済義務がない点が、補助金・助成金の共通点です。なぜなら企業や労働者が納める税金や保険料を財源としているからです。財源元について、後ほど解説します。

返済義務のある融資や借入と異なり、開業後の負担になりにくい点が補助金と助成金の魅力です。ただし受給条件を満たさない申請は認められませんので。ご注意ください。

申請から受給までに時間がかかる

申請から受給までに時間がかかる点も、補助金・助成金の共通点です。したがって店舗開業の初期費用(物件取得費や内装工事費)に直接充てることはできないため、ご注意ください。

例えば一般的な補助金・助成金の申請条件として、目的に沿った事業や取組を既に展開している必要があります。加えて申請書類を提出してから審査結果が出るまでに数か月から1年程度かかります。

ただし一定の条件を満たせば開業資金に活用できる補助金・助成金をご紹介していますので、下の記事も併せてご覧ください。

事業計画書が必要になる

多くの補助金・助成金の申請や審査には、事業計画書が必要になる点も共通点です。事業計画書には、店舗のコンセプトや創業の理由、売上目標などを記載します。資金調達に重要な役割を果たすと共に、経営の評価・改善にも活用可能です。

事業計画書の書き方について下の記事にまとめてあり、無料テンプレートもご紹介していますので、併せてご覧ください。

補助金と助成金の相違点

補助金と助成金の相違点

補助金と助成金の共通点だけでなく、相違点も確認しましょう。目的や条件などの違いを理解していなければ、申請書類の準備に手間取ったり、正しく受給できなかったりする恐れがあるからです。

財源元

まず補助金と助成金の相違点として、財源元が異なります。店舗の開業・経営に活用できる補助金の財源元は、主に地方税や法人税などの税金です。公的資金である税金が財源元になるため、申請数が限られています。

店舗の開業・経営に活用できる助成金の財源元は、主に雇用保険料です。雇用保険料は、雇用保険に加入している企業や個人によって納められています。よって助成金の受給は、雇用保険料の還付に繋がります。

運営者

次に運営者も、補助金と助成金の相違点です。店舗の開業・経営に活用できる補助金の運営者は、主に経済産業省です。

店舗の開業・経営に活用できる助成金の運営者は、主に厚生労働省(雇用に対する助成)と経済産業省(研究開発への助成)です。

ただし地方自治体が運営する補助金・助成金もあります。

制度目的

また制度目的も、補助金と助成金の相違点です。補助金・助成金ごとに目的が設定されているため、応募する際に事業内容に合致するのか見極める必要があります。

店舗の開業・経営に活用できる補助金の制度目的は、主に国の経済発展のために事業主を支援することです。例えば日本の技術力向上を推進する補助金がありますので、後ほどご紹介します。

一方で店舗の開業・経営に活用できる助成金の制度目的は、主に雇用促進や労働環境改善などです。例えば従業員の正社員登用を促す助成金がありますので、後ほどご紹介します。

申請期間

さらに補助金と助成金の相違点として、申請期間も異なります。時期によって窓口が混雑して確認に時間を要する恐れがあるため、事前に申請期間を確認することをおすすめします。

補助金の申請期間は、助成金よりも限定的です。例えば創業者向けの補助金には自治体ごとに募集期間が設定されますが、1か月前後で締め切られます。

一方で助成金の申請期間は、補助金よりも長めに設定されています。ただし助成金の種類ごとに募集期間は異なりますので、ご注意ください。

申請条件

なお申請条件も、補助金と助成金の相違点です。店舗の事業内容や労働環境などに応じて、申請条件を満たす補助金や助成金が異なります。

補助金には種類ごとに申請条件が設定されており、条件に合致すれば申請可能です。例えば数年の事業実績や売上の減少などを証明しなければなりません。

一方で雇用保険料を財源とする助成金に対しては、雇用保険に加入する従業員1名以上の在籍が申請条件とされています。加えて保険料を滞りなく納めていることや労働関連法規に違反していないことが必須条件です。

店舗の開業・経営に活用できる補助金・助成金の種類

店舗の開業・経営に活用できる補助金・助成金の種類

補助金・助成金の共通点と相違点を踏まえて、店舗の開業・経営に活用できる補助金・助成金の種類をご確認ください。次の記事に代表的な補助金・助成金をまとめてありますので、併せてご覧ください。

今回は上記の記事に取り上げられていない補助金・助成金をご紹介します。店舗経営の安定や拡大のために申請をご検討ください。

店舗の設備投資

店舗の設備投資に活用できる助成金として、厚生労働省の「働き方改革推進支援助成金」があります。「生産性を高めながら労働時間の縮減等に取り組む」企業を支援する制度で、以下の4つのコースが設けられています。

  • 「労働時間短縮・年休促進支援コース」
  • 「勤務間インターバル導入コース」
  • 「労働時間適正管理推進コース」
  • 「団体推進コース」

例えば「勤務間インターバル導入コース」は、勤務終了から次の勤務までに一定以上の休息時間を設けることを目的にしています。各コースの支給対象や申請方法については、以下の公式ページをご確認ください。

引用:厚生労働省「労働時間等の設定の改善」

人材の採用と育成

人材の採用と育成のために活用できる助成金には、厚生労働省の「中途採用等支援助成金(UIJターンコース)」があります。地方活性化のために、都心からの移住者を雇い入れた事業主に採用活動費の一部を支給する制度です。

ただし地方公共団体の移住支援事業を利用して、定められたマッチングサイトで移住者を採用しなければなりません。詳しい受給要件については、公式ページをご確認ください。

引用:厚生労働省「中途採用等支援助成金(UIJターンコース)」

コロナ対策

コロナ対策に活用できる補助金には、観光庁が公募する「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」があります。コロナ対策のために多様化した旅行スタイルに応えるために、各観光地の「ポストコロナの反転攻勢につなげるための取組」を支援する制度です。

本補助金には、3類型(「地域一体型」「国立公園型」「交通連携型」)があります。「地域一体型」では地域選定後に事務局から専門家が派遣されて、専門家による支援を得ながら計画を実行して、有識者による審査が行われます。

引用:官公庁「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」

個人事業主が活用できる補助金・助成金

法人だけでなく個人事業主が活用できる補助金・助成金もありますので、いくつかご紹介します。

中小企業庁の「事業継承・引継ぎ補助金」は、事業継承・引継ぎによって経営革新を図る企業や小規模事業者(個人事業主)を支援する制度です。「経営革新」「専門家活用」「廃業・再チャレンジ」の3タイプがあり、各タイプに申請類型が設定されています。例えば「経営革新」の「創業支援型」は、廃業予定の法人または個人から株式や事業を譲渡してもらい経営資源を引き継ぐ経費の一部を補助してくれます。

参考:事業承継・引継ぎ補助金事務局「補正予算 事業承継・引継ぎ補助金」

また江戸川区の「販路拡大支援事業助成金」は、受発注拡大を目指す法人や個人事業主を支援する制度です。事業用のWebサイトや紹介動画を制作したり、展示会に出展したりする経費の一部を受給できます。例えば製造事業者のWebサイトの制作費の2分の1以内(最大50万円)を受給できます。

参考:江戸川区「販路拡大支援事業助成金」

さらに中小企業庁の「JAPANブランド育成支援等事業費補助金」は、優れた技術やサービスを海外に向けて展開したい中小企業や個人事業主を支援する制度です。「支援パートナー」に指定されているプロフェッショナル事業者と事業計画を立案して、補助金を申請します。審査を通過すれば、海外展開に必要な旅費や通訳・翻訳費などの3分の2が補助されます。

参考:中小企業庁「令和4年度当初予算「JAPANブランド育成支援等事業費補助金」」

なお厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金」は、個人事業主である保護者が「子どもの臨時休校などに伴い契約した仕事ができなくなった時」に申請できる制度です。例えば令和4年7月1日‐9月30日の間に休業した場合に、1日当たり4500円が支給されます。ただし休業期間によって支給額が変わり、支援対象の要件が細かく設定されています。

参考:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)」

店舗開業・経営に補助金・助成金を活用する注意点

店舗開業・経営に補助金・助成金を活用する注意点

本記事の最後に、店舗開業・経営に補助金・助成金を活用する際の注意点を解説します。申請できる補助金・助成金を見逃したり、思わぬ出費を出したりしないように注意深く進めましょう。

公式サイトで最新情報を確認する

まず補助金・助成金について、常に公式サイトで最新情報を確認するようにご注意ください。補助金・助成金の種類ごとに申請期間や申請条件が異なるからです。

申請準備を進めている間に申請期間が終了していては、コストが無駄になってしまいます。各省庁や各市町村のWebサイトを閲覧して、補助金・助成金の情報を調査しましょう。

参考:

経済産業省中小企業庁「ミラサポplus」

独立行政法人中小企業基盤整備機構「J-Net21」

事業の見直しや拡大を検討する

次に補助金・助成金を申請する前に、事業の見直しや拡大を検討するようにご注意ください。補助金・助成金を受給できると資金面で安心できますが、立案した計画を展開する必要があります。また実際に受給できるまでに追加報告をしたり、最終審査を受けたりしなくてはなりません。

さらに審査を通過しても、指定された用途以外に資金を使ってしまうと申請が取り消されたり、受給額を返還しなければならなくなったりする恐れがあります。店舗の事業展開のために、補助金や助成金を正しく活用してください。

申請期限までに計画的に準備する

また補助金・助成金を申請期限までに計画的に準備するようにご注意ください。すでに解説したように、申請期間の短い補助金やすぐに申請を締め切られる助成金があるからです

申請を検討している補助金・助成金があれば、公式サイトで情報収集したうえで早期に準備を開始してください。申請期限内に必要書類を準備できるように、計画を立案しましょう。

課税対象を確認する

更なる注意点として、補助金・助成金の課税対象を確認しておきましょう。例えば消費税は、原則的に補助金や助成金には課税されません

ただし補助金・助成金に対して、法人には法人税が課税されて、個人事業主には所得税が課税されます。「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」のように、非課税対象の補助金・助成金もあります。

計画的に準備して補助金・助成金を活用しよう!

計画的に準備して補助金・助成金を活用しよう!

補助金・助成金の種類はさまざまで、制度ごとの目的が異なります。各制度の最新情報を確認しながら、計画的に準備して補助金・助成金を活用しましょう。

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監修者

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