本記事で、店舗を開業する流れと…
2022.07.04 2024.06.09|新規開業ノウハウ
開業資金の調達方法!出資・借入・融資・補助金・助成金の種類と特徴
「開業資金を調達する方法を知りたい!」「調達するときの注意点は何?」などとお悩みではありませんか?開業資金の調達方法はいくつもあるので、種類と特徴を理解したうえで適した方法を選ぶ必要があります。
そこで今回は、開業資金の調達方法の種類ごとに特徴を解説します。開業資金を調達する際のポイントも紹介していますので、飲食店やサロンなどの店舗を開業や移転、リニューアルしたい方はぜひご覧ください。
開業資金の調達方法
さっそく店舗の開業資金を調達する方法をご紹介します。調達方法はいくつも存在しますが、主に4つに分類できます。開業する店舗に適した調達方法を選べるように、各調達方法の特徴を把握しましょう。
出資
出資とは、事業の成長を見込んで資金を援助してもらう調達方法です。一般的には投資家から株式を購入してもらうことで、資金が援助されます。また基本的に出資を受けた側に資金を返済する義務はありませんが、株主に信頼され続けるための経営努力を求められます。
借入
借入とは、主に個人として親族や知人などからお金を借りる調達方法です。双方の信頼関係によって成り立っており、借入する金額や利息が相談のうえで決定されます。次にご紹介する融資とは異なり、審査はありません。
融資
融資とは、主に事業主として金融機関や公的機関から資金を借入れる調達方法です。審査基準を満たせば、数百万円から数千万円という多額の資金を調達可能です。しかし借入れた金額に利息を加えて返済しなければなりません。
補助金・助成金
補助金・助成金とは、国や地方自治体などから事業資金の一部や全額を受給する調達方法で、基本的に返済義務がありません。補助金の受給には審査に受かる必要があり、申請すれば必ず受給できるとは限りません。一方で補助金については、申請条件を満たすことで受給することができます。
出資による開業資金調達
開業資金の調達方法を把握したところで、各調達方法の種類をご紹介します。まず出資は、出資者によって4種類に分類されます。種類ごとにメリット・デメリットを把握したうえで、出資を募りましょう。
事業者の自己資金
個人事業主や法人経営者である事業者が、店舗開業のために自己資金から出資することができます。自己資金から出資するメリットは、以下のとおりです。
- 自由に出資を判断できる
- 返済する必要がない
- 出資者とのトラブルが発生しない
一方で自己資金のデメリットとして次の点が挙げられますので、出資額を検討しましょう。
- 資金額に限りがある
- 廃業すると自己資金を失う
ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルとは、未上場の企業に対して出資する投資会社です。出資した企業が上場すると、株式を売却して売却益を得ています。
ベンチャーキャピタルから出資を受けるメリットは、以下のとおりです。
- 出資元の企業から経営ノウハウの提供を期待できる
- 出資元の企業から顧客紹介も期待できる
- 順調に成長できれば追加出資も期待できる
しかし次のようなデメリットが挙げられますので、ご注意ください。
- 「利益の見込みがない」と判断されると早期に出資金を回収される
- 基本的に上場を予定していないと出資を期待できない
エンジェル投資家
エンジェル投資家とは、起業を目指す事業者に資金を援助する個人投資家です。主に株式の売買益を目的に投資しています。
エンジェル投資家から出資してもらうメリットは、以下のとおりです。
- 経営に対するアドバイスを期待できる
- 豊富な人材紹介も期待できる
- 他と比べて出資までの時間が短い
エンジェル投資家からの出資には、「ベンチャーキャピタルに比べると出資額が小規模になりやすい」というデメリットがあります。多額の出資を希望する場合には、他の方法を検討する必要があります。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、オンラインサービスを利用して実現させたい事業内容と目標資金額を掲げて、賛同者から資金を援助してもらう資金調達方法です。目標とする資金額に達すると事業が開始されて、収益の一部は何らかの形で出資者に還元されます。
クラウドファンディングにより資金調達するメリットとして、以下の点が挙げられます。
- 掲載料無料や成果報酬型のサービスなら経済的リスクがない
- 起業前から知名度を高められる
手軽に始められる一方で、次のデメリットにご注意ください。
- ストーリー性やインパクト、ユニークさに欠けると資金調達が難しい
- 出資を募る間に類似する事業を立ち上げられる危険性がある。
借入による開業資金調達
次に借入は、借入元によって2つに分類されます。借入には返済義務があるため、計画的に事業利益を獲得して返済していくことが求められます。種類ごとにメリット・デメリットを確認しておきましょう。
親族・知人
親族や知人から開業資金を借入するメリットは、以下のとおりです。
- 利息や返済期間の融通が利きやすい
- 信頼関係があれば審査が不要
- 経営に関与されにくい
デメリットとして、計画的に返済できないとトラブルになる危険性があります。返済に関するトラブルを回避するためには、借用書を作成する必要があります。
民間金融機関
民間金融機関によっては、フリーローン(使用目的を問わない貸付け)を取り扱っています。一般的に申込みから審査、入金までに、1週間程度かかります。
フリーローンのメリットは、以下のとおりです。
- カードローンより金利が低い
- お金の使い道は自由である
デメリットとして、基本的に1回だけしか借入できません。返済の時期や金利を確認して、無理のない返済計画を立ててください。
融資による開業資金調達
さらに融資を受けるためには、各融資機関の審査を受ける必要があります。審査基準をクリアできるように、各制度の申請条件を把握して必要書類を準備しましょう。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は政府系金融機関で、さまざまな融資制度を整備しています。開業を支援する融資制度もあります。
日本政策金融公庫から融資を受けるメリットは、以下のとおりです。
- 基本的に民間金融機関よりも金利が低い
- 高額の融資を申請できる
- 初めて開業する場合でも申請しやすい
次のデメリットにご注意ください。
- 他の方より審査期間が長い
- 申請する支店や申込の担当者をが選ない
融資を受けるまでに1か月程度かかる場合がありますので、開業までに余裕をもって申込む必要があります。日本政策金融公庫の融資制度について、最新情報をご確認ください。
民間金融機関
民間金融機関(銀行や信用金庫など)も、開業のために融資を行っています。
民間金融機関へ融資を申し込むメリットは、以下のとおりです。
- 融資を受けることで事業に対する信用度が増す
- 銀行からの融資は金利が低い傾向にある
- 他の機関と比べると信用金庫から融資を受けやすい
デメリットは
- 銀行であれば創業計画書など多岐にわたる書類を用意する必要があることです。
- 審査のハードルも高く、場合により融資を受けられない可能性があります。
- 信用金庫は銀行よりも金利が高い傾向です。
- 審査に時間がかかる点もデメリットになります。
制度融資
制度融資は地方自治体と民間金融機関、信用保証協会の連携により運営されています。制度融資を申請するメリットは、以下のとおりです。
- 他の融資制度よりも金利が低い傾向にある
- 審査のハードルが低い傾向にある
- 比較的長期間の借入が可能である
制度融資を申請するデメリットとして、関係機関のやり取りによって申請手続きに時間がかかります。相談から融資を受けるまで3か月程度を見込んでおきましょう。
補助金・助成金による開業資金調達
最後に補助金・助成金の種類ごとにメリット・デメリットをご紹介します。補助金・助成金には返済義務がないですが、審査や手続きに時間がかかります。申請したい補助金・助成金を決めたら、最新情報をご確認ください。
地方自治体の創業補助金・助成金
地方自治体の創業補助金は、雇用創出による経済活性化を目的として、創業に必要な経費の一部が補助される制度です。申請条件や補助額が自治体ごとに異なりますので、自治体の公開している最新情報を確認しましょう。
受動喫煙防止対策支援補助金(東京都)
受動喫煙防止対策支援補助金は、「喫煙専用室」や「指定たばこ(加熱式たばこ)専用喫煙室」を設置する費用を東京都が補助する制度です。東京都内の飲食店や宿泊施設を対象にして、上限400万円まで補助されます。
インバウンド対応力強化支援補助金(東京都)
インバウンド対応力強化支援補助金は訪日外国人旅行者への対応を目的として、東京都内の宿泊施設や飲食店、免税店などの取り組みを支援する制度です。多言語による接客や災害時の受け入れなどの事業が受給対象になります。
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業(東京都)
若手・女性リーダー応援プログラム助成事業は、東京都中小企業振興公社が運用する助成事業です。創業予定の個人事業主(女性または39歳以下の男性)を対象に、東京都内の商店街に開業する費用が助成されます。
参考:東京都中小企業振興公社「若手・女性リーダー応援プログラム助成事業」
感染症対策サポート助成事業(東京都)
感染症対策サポート助成事業は、新型コロナウイルス感染症対策を行う事業者に対して経費の一部を助成する制度です。業界団体による感染拡大予防ガイドラインに沿った設備工事や備品購入などが対象となります。
なお店舗の経営に活用できる補助金と助成金について下記の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。
開業資金を調達する際のポイント
開業資金を調達する方法の種類と特徴を踏まえて、開業する店舗に適する方法を選びましょう。自己資金と資金計画、事業計画書について解説しますので、ポイントを押さえて開業資金の調達を成功させましょう。
一定額の自己資金を蓄える
店舗を開業してしばらく赤字が続く危険性があるため、まずは一定額の自己資金を蓄えましょう。開業資金の3割程度を自己資金として用意しておきましょう。
なお一定額の自己資金を用意しないと、融資や補助金を申し込めない可能性があります。例えば日本政策金融公庫の「新創業融資制度」には「創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる」という条件が定められています。
緻密な資金計画を立てる
次に融資や補助金の審査のために、緻密な資金計画を立てることも重要です。開業してからの売上予測や返済計画などについて、審査機関は事業者から提出された資金計画書を基にして審査するからです。
審査に通過するためには、説得力のある資金の使い道や返済の予定を資金計画書にまとめてください。資金計画立案に不安がある場合は、店舗の開業支援サービスや税理士などに相談しましょう。
事業計画も詳細に検討する
融資や補助金の申請には、基本的に事業計画書を提出する必要があります。事業計画書に事業の目的や方針などについて詳しく記載しましょう。大まかな内容を紹介するだけでは事業の魅力をアピールできないため、審査を通過できない危険性が高まるからです。
具体的な内容として、事業が満たす社会的ニーズや事業を必要な従業員数、上記の資金計画などを盛り込んでください。業界の動向や競合店舗の分析も踏まえて、開業する店舗の独自性についてもアピールすることが重要です。
開業する店舗に適した資金調達方法を選ぼう
開業資金を調達する方法のメリットやデメリットを踏まえて、開業する店舗に適した方法を選びましょう。審査を受ける必要がある場合には、分かりやすく資金計画や事業計画をまとめて、必要書類を提出することがポイントです。
IDEALは開業資金調達の支援をはじめ、店舗のコンセプト設計から物件探し、内装デザイン・工事、集客支援までをワンストップソリューションとしてご提供しています。
店舗の開業だけではなく移転やリニューアルにも対応しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
監修者
-
IDEAL編集部
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