2023.01.16  2023.01.18|新規開業ノウハウ

脱毛サロン開業は儲かる?開業準備の失敗例と対策を紹介!

脱毛サロン開業は儲かる?開業準備の失敗例と対策を紹介!

本記事で、「脱毛サロン開業は儲かるか?」について解説します。脱毛サロン開業によくある失敗例と対策もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

脱毛サロン開業は儲かる?業界の動向

脱毛サロン開業は儲かる?業界の動向

脱毛サロンを開業して儲かるのでしょうか?サロン業界の動向を調査したうえで、消費者のニーズや廃業率、利益率、経営者の平均年収をご紹介します。

消費者のニーズ

脱毛サロンに対するニーズは増加傾向にありますが、消費者の属性によってニーズが細分化しています。

ホットペッパービューティーアカデミーが2017ー2021年に行った脱毛サロンの利用に関する実態調査によると、利用の回数や金額については男女ともに増加傾向にあります。ただし施術部位については女性がワキとVライン、全身を、男性がヒゲとワキと脚を選ぶ傾向にあります。

参考:ホ ットペッパービューティーアカデミー「【美容センサス 2021 年上期】≪エステサロン[脱毛]編≫ 」

また人件費を抑えることで低価格で脱毛できるセルフ脱毛をはじめ、小中学生を対象としたキッズ脱毛や将来の介護を想定した40代以上へのVIO脱毛(介護脱毛)などが提供されています。

参考:TBCグループ株式会社「10年で約55倍*!エピレのキッズ脱毛増加中」

廃業率

脱毛サロンだけを対象として廃業率を調査した結果は、Web上に見当たりません。しかし中小企業庁の調査によると、起業5年目の企業生存率は8割程度です。つまり2割程度の企業が5年以内に廃業していると推測できます。

参考:中小企業庁「中小企業白書2017」(109ページ)

ただし脱毛サロンを含むサロン業界の廃業率は、他業界より高い可能性があります。美容脱毛の提供に国家資格が不要なため新規参入しやすく、競合サロンとの競争を強いられるからです。集客を安定させるために、競合との差別化を図る独自サービスを提供しましょう。

利益率

脱毛やエステなどの美容サロンの利益率は、一般的に10~30%程度です。利益率は売上に対する粗利(売上‐経費)の割合で、「粗利÷売上×100」で計算できます。経費には、営業に必要な人件費や広告費、賃料や水道光熱費、施術機器の修繕費などが含まれます。

利益率を高めるポイントは、無駄な経費の削減や適切な施術料金の設定、集客数の増加などです。本記事の後半で、脱毛サロンの収支計画や集客方法についてご紹介します。

経営者の平均年収

脱毛サロン経営者の平均年収に関する調査は、Web上に見当たりません。ただし個人事業主8割と法人経営者6割の平均年収は、500万円未満です。したがって脱毛サロン経営者の平均年収も500万円未満だと想定されます。

参考:中小企業庁「第3節 小規模事業者の事業基盤」

ただし個人事業主1割と法人経営者2割の平均年収は1,000万円以上です。サロン業界においても複数店舗を安定して経営できれば、年収1,000万円以上を得るチャンスがあります。

脱毛サロンの開業資金

脱毛サロンの開業資金

脱毛サロン業界の動向を踏まえて、必要な開業資金を計算しましょう。開業資金の相場は100万~1,000万円程度で、店舗の立地や規模、物件の種類(店舗兼住宅か賃貸物件、居抜きかスケルトンなど)などによって変動します。

なおサロン業態別の開業資金についても紹介していますので、次の記事もご覧ください。

それでは本記事では、脱毛サロンの開業資金(開業前に支出される初期費用と開業後に支出される運転資金)について詳しくご紹介します。

初期費用

自宅を改装して脱毛サロンを開業する初期費用は、100~300万円程度です。物件取得費がかからない分だけ、賃貸物件より安くなります。また自宅の内装を活かすことで、工事費を抑えることもできます。

一方でスケルトン物件に開業する初期費用は、500万円〜1,000万円程度です。賃貸物件の取得費用と内装工事費用がかかります。スケルトン物件(賃料月20万円・10坪)に開業する初期費用の内訳を一覧表にまとめました。

初期費用の内訳割合スケルトン物件
(賃料月20万円・10坪)
物件取得費全体の15%程度
賃料の3~6か月分程度
80万円程度
内装工事費全体の30%程度200万円程度
設備費
(業務用脱毛器など)
全体の30%程度200万円程度
什器・備品費
(施術台やパソコン、制服など)
全体の20%程度100万円程度
広告宣伝費全体の5%程度20万円程度
合計100%600万円程度

運転資金

脱毛サロンの運転資金には物件の賃料や人件費、水道光熱費、修繕費、宣伝広告費、仕入れ費などが含まれます。スケルトン物件スケルトン物件(賃料月20万円・10坪)に開業した脱毛サロンについて、運転資金の内訳を一覧表にまとめました。

運転資金の内訳割合スケルトン物件
(賃料月20万円・10坪)
人件費
(従業員の雇用)
月間売上の30%程度月60万円程度
(従業員2名分)
賃料月間売上の20%程度月20万円程度
仕入れ費
(施術に用いる消耗品など)
月間売上の10%程度月10万円程度
水道光熱費月間売上の5%程度月5万円程度
広告宣伝費月間売上の5%程度月5万円程度
修繕費月間売上の5%程度月5万円程度
合計月間売上の70%以下月105万円

上記の例では月間売上150万円以上なら、運転資金として月100万円の経費を支出しても、経営者が利益45万円(利益率30%)を獲得できます。

開業前に正確に運転資金を計算して、6ヶ月分程度を蓄えておきましょう。開業から集客が安定するまで赤字が想定されますが、賃料や人件費を支出しなくてはなりません。特に物価が高い地域に開業したり、集客に苦労したりすると、経費がかさむのでご注意ください。

脱毛サロン開業によくある失敗事例

脱毛サロン開業によくある失敗事例

必要な開業資金を計算したうえで、脱毛サロン開業によくある失敗例も確認しましょう。赤字や廃業のリスクを減らすために、失敗の原因を把握しておくことが重要です。

運転資金の調達と管理

まず運転資金の調達と管理を失敗しないようにしましょう。脱毛サロンの営業に必要な資金を調達しておかないと、思うように集客が伸びない時期に経費を支払えない状況に陥ってしまいます。

また運転資金の管理が不適切だと、無駄な経費を支出しやすくなります。売上目標や利益率、必要経費を適切に管理できないと、「客数が足りない」「客単価が少ない」「無駄なコストがかかっている」などの問題点が発生してしまう恐れがあります。

施術の料金設定

また施術の価格設定にも失敗しやすいです。大手の脱毛サロンに価格を合わせてしまうと、目標とする集客数を獲得しづらくなります。特に高性能の施術機器を導入できない場合やマーケティング施策が不十分な場合には、施術の独自性や魅力をアピールできません。

反対に競合サロンより安すぎる価格を設定しても、利益率が下がり経営を継続しづらくなってしまいます。経費を削減して内装や接客の質を下げると、サロンの特別な空間を求める顧客を満足させにくくなります。

施術の内容と接客

続いて施術の内容と接客にも失敗してはなりません。競合から差別化したサービスを提供できないと、脱毛サロンのブランディングが進まず、競争の激しいサロン業界で売上を伸ばせません

確かに美容脱毛には特別な資格や経歴は不要ですが、脱毛サロン経営にとってメインサービスである施術が最重要です。脱毛に関する知識や技術が不十分だと、顧客満足度を高められず、リピーターを獲得できません。

施術機器のサイズやメンテナンス

さらに脱毛機器のサイズやメンテナンスが適切でないと、脱毛サロンの利益獲得に失敗します。例えば施術室に対してサイズの大きすぎる施術機器を選ぶと、顧客に圧迫感を与えて、コストパフォーマンスも悪くなります。

また購入後のサポートが不十分なメーカーから購入すると、修理を依頼してもすぐに対応してもらえずに、休業を招きます。また中古品は新品より安価ですが、状態が悪い設備を選ぶと余分な修繕費がかかる恐れがあります。

集客活動

なお集客活動に失敗すると、顧客に情報が伝わらず、来店してもらえません。例えばファッション雑誌に脱毛サロン開業の広告を出稿しても、雑誌の読者層と脱毛サロンのターゲット層が合っていないと、集客につながりません。

また脱毛サロンの施術内容と接客について宣伝できないと、ターゲットに興味を抱いてもらえないばかりか、安心感を与えられません。競合サロンと比較した独自性や魅力を発信しなくてはなりません。

脱毛サロン開業に失敗しないための対策

脱毛サロン開業に失敗しないための対策

脱毛サロン開業の失敗原因を把握したうえで、開業前に対策しておきましょう。脱毛サロンを含むエステサロンを開業する流れは、以下の通りです。

  • ステップ1:事業計画書を作成する
  • ステップ2:店舗物件選びと内装デザイン・工事をする
  • ステップ3:開業に必要な資金を調達する
  • ステップ4:開業に必要な資格取得や人材採用をする
  • ステップ5:営業に必要なものを揃える
  • ステップ6:開業に必要な届出や許可を申請する
  • ステップ7:集客方法を決めて宣伝広告する

上記の流れについてポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

本記事では、脱毛サロン開業に失敗しないための準備についてご紹介します。

収支計画

まずサロン開業後の収入と支出を計算して、正確な収支計画を立ててください。利益が出るように収入と支出のバランスをチェックして、価格設定や経費削減を検討します。

安定した収入が得られる収支計画は、融資や補助金の申請などに際して必要になります。また目標とする集客数や顧客単価、売上額などを把握できると、運転資金の管理もしやすくなります。

施術料金の計算方法

目標とする月間売上を計算したら、次の式を用いて客単価と客数、リピート率を計算しましょう。

  • 月間売上=客単価×客数×リピート率

例えば客単価5,000円として顧客150人に月2回ずつ利用してもらえたら、月間売上は150万円(5,000円×150人×2回)となります。脱毛サロンを開業してから目標とする売上を獲得できない場合には、集客方法を改善したり、客単価を見直したりする必要があります。

資格取得や研修会参加

次に脱毛サロンの施術に独自性や専門性を出せるように、資格取得や研修会参加を検討しましょう。施術を担当する従業員に対して、資格を取得する費用や研修会に参加する機会を提供してください。

例えば認定電気脱毛士(CPE)は、AEA(米国電気脱毛協会)が推奨している資格です。取得から5年間有効で、更新するために再受験が必要になります。継続して新しい知識を学ぶことができます。

参考:一般社団法人日本スキン・エステティック協会(JSA)「エステティシャンの方へ CPEとは|

また一般社団法人日本エステティック振興協議会は、美容ライト脱毛安全講習会や認定美容ライト脱毛技術者講習会(上位)を開催しており、講習後の試験に合格すると合格証を取得できます。

参考:一般社団法人日本エステティック振興協議会「CBT-Solutions CBT/PBT試験 受験者ポータルサイト

なお美容脱毛には抑毛や除毛を期待できますが、永久脱毛を期待できる医療脱毛の提供には医師免許が必要ですので、提供できる施術や購入できる脱毛機器にご注意ください。

参考:厚生労働省「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」

施術機器の選び方

また施術機器の選び方をチェックしましょう。

  • 本体価格と状態(新品か中古品・リース品)
  • サイズや機能性
  • 安全性と耐久性
  • 照射の範囲と回数、単価(ワンショット当たりの費用)
  • サポート体制やアフターサービスの充実度

本体価格が安くても、機能性が低いと顧客に満足してもらえません。またリース品を利用すると、初期費用を抑えることができます。さらに照射の範囲と回数、単価は、提供する施術の時間や料金に影響します

なお店舗におしゃれな什器を選ぶポイントもご紹介していますので、次の記事も併せてご覧ください。

集客方法

開業する脱毛サロンのターゲットを踏まえて、適した集客方法を選びましょう。ターゲットの購買行動を予測して、オンライン集客とオフライン集客を組み合わせる点がポイントです。

例えば無料のオンライン集客には、次の方法があります。

  • ポータルサイト
  • SNS
  • SEO
  • MEO(Googleビジネスプロフィール、旧Googleマイビジネス)
  • プレスリリース
  • メールやメルマガの配信
  • ウェビナー

また紙媒体のオフライン集客には、次の方法があります。

  • 新聞・雑誌広告
  • ポスティング
  • DM (ダイレクトメール)

上記以外にも、有料のオンライン集客方法や街頭や実店舗のオフライン集客方法があります。次の記事でまとめて紹介していますので、併せてご覧ください。

利益を上げる脱毛サロンを開業しよう!

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監修者

IDEAL編集部

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