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2019.05.23 2024.08.25|店舗運営ノウハウ
O2Oとは?マーケティング施策のポイントやユニクロの事例などを紹介
本記事で「O2Oとは?」という疑問にお答えするために、施策のポイントやユニクロの事例などをご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。
目次
O2Oとは?基本情報を紹介
そもそもO2Oとは、どういったマーケティング施策なのでしょうか?そこで基本情報(O2Oの定義と必要とされる理由、メリット・デメリット、OMOとの違い)をご紹介します。
定義
まずO2Oの定義は、オンラインで消費者を誘導して、オフライン(実店舗)で商品・サービスを購入させるマーケティング施策です。O2Oは、「Online to Offline」の略語になります。
例えばSNSでキャンペーン情報を発信すれば、実店舗の集客を増やすことが可能です。O2Oの施策(ECサイトやSNS、モバイルアプリ、デジタルクーポン、スマホの位置情報、QRコード)については、後ほどご紹介します。
必要とされる理由
次にO2Oが必要とされる理由は、モバイルデバイスの普及やECサイト利用率の増加、SNSによる情報共有などです。以下の調査によると、携帯電話所有者の9割以上がスマートフォンを使用しています。
参照元:モバイル社会研究所「2024年調査 スマートフォン比率97%:2010年は約4%」
以下の資料によると、10~60代の幅広い層が日常的にECサイトやSNSを利用しています。消費者の変化に対応しながら、実店舗の集客と売上を向上させるためには、O2Oの施策を展開しましょう。
参照元:
博報堂「HAKUHODO EC+×博報堂買物研究所、生活者のEC利用実態・生活意識などを聴取した『EC生活者調査2023』を実施」
総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(11ページ)
メリット・デメリット
それからO2Oのメリットは、新規顧客の獲得やデータの分析などです。ECサイトやSNSから実店舗へ新規顧客を誘導したり、デジタルクーポンやスマホの位置情報などから取得したデータを分析したりできます。
しかしコストや購買率低下のリスクなどは、O2Oのデメリットです。SNSやデジタルクーポンなどを運用するためにはコスト(通信費や人件費など)が必要で、実店舗に誘導しても顧客の購買は必ずしも約束されていません。
OMOとの違い
そしてO2OとOMOとの違いは、購買体験の場所と質です。O2Oの施策はオンライン(ECサイトやSNSなど)からオフライン(実店舗)へ送客し、実店舗での購買を促します。
一方で、OMOは「Online Merges with Offline」の略称で、オンラインとオフラインを統合した購買体験を提供します。OMO型店舗のメリット・デメリットをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
O2Oの施策
基本情報だけではなく、O2Oの施策も確認しましょう。本記事では、O2Oの施策6点(ECサイトとモバイルアプリ、SNS、デジタルクーポン、スマホの位置情報、QRコード)をご紹介します。
ECサイト
まずECサイトが、O2Oの施策として挙げられます。実店舗でサービスを提供する業態(サロンや介護施設など)においては、オンラインで情報を発信したり、予約を受け付けたりするために、ECサイトが必要です。
商品・サービスの予約受付や販売などに利用されるECサイトに対して、ポータルサイトには特定ジャンルの情報が整理されています。店舗の業種に合うポータルサイトに登録することでも、実店舗への送客が可能です。
モバイルアプリ
次にモバイルアプリも、O2Oの施策です。モバイルアプリを運用すれば、プッシュ通知による情報発信や会員登録の管理、デジタルクーポンの発行、購入履歴の分析などを実施できます。
以上の機能をECサイトにも実装できますが、モバイルアプリのほうが顧客が手軽に利用できます。ただし顧客のモバイルデバイスに、アプリをインストールしてもらうコストがかかります。
SNS
それからSNSも、O2Oの施策です。以下の資料によると、全世代においてLINEとInstagram、Xが利用されています。ターゲットとする顧客層に適したSNSの種類を選び、情報を発信しましょう。
参照元:総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(11ページ)
SNSの種類だけではなく、集客と売上を伸ばすためには、投稿のルールや運用状況の評価・改善なども重要です。店舗のSNS集客を展開するコツをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
デジタルクーポン
またデジタルクーポンも、O2Oの施策です。ECサイトやモバイルアプリ、SNSなどからデジタルクーポンを発行すれば、実店舗へ誘導できます。紙媒体のクーポンとは異なり、印刷・郵送などのコストがかからず、利用データを施策の評価・改善に活用できます。
ただしECサイトやモバイルアプリからデジタルクーポンを発行する場合には、顧客に会員登録してもらうコストがかかります。会員登録からデジタルクーポンの利用、リピートまでの流れを検討しましょう。
スマホの位置情報
続いてスマホの位置情報も、O2Oの施策です。スマホの位置情報を活用すれば、モバイルアプリ会員の居住エリアに関するキャンペーン情報をプッシュ通知で発信できます。
しかしスマホの位置情報を活用する際には、モバイルアプリ会員情報の管理に注意しましょう。O2Oにおけるセキュリティ対策については、後ほどご紹介します。
QRコード
そしてQRコードも、O2Oの施策です。実店舗にQRコードを記載しておけば、来店した顧客にECサイトやモバイルアプリの会員登録を促せます。会員登録をしてもらえれば、プッシュ通知やデジタルクーポン発行などが可能です。
実店舗に記載するだけではなく、紙媒体のチラシにもQRコードを記載できます。リピート率を高めて売上を伸ばすために、ECサイトやモバイルアプリの会員登録を促す方法を検討しましょう。
O2Oのポイント
マーケティング施策を展開して集客と売上を伸ばせるように、O2Oのポイントも確認しましょう。6点(予算とマーケティング戦略、コンセプト、適した施策、売上の管理、セキュリティ)をご紹介します。
予算の確保
まず予算の確保が、O2Oのポイントとして挙げられます。ECサイトやモバイルアプリ、SNSを運用するためには、コスト(開発費や人件費など)が必要です。内部留保だけでは予算が不足する場合には、資金の調達方法を検討しましょう。
資金の調達方法には、出資や借入、融資、補助金・助成金などがあります。O2Oの施策にも活用できる資金を調達する際のポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
マーケティング戦略の立案
次にマーケティング戦略の立案も、O2Oのポイントです。O2Oの施策は、マーケティング戦略の手段です。明確なマーケティング戦略を立てたうえで、O2Oの施策を位置づけましょう。
店舗のマーケティングとは、集客と売上を伸ばすために「市場調査から商品・サービスの企画・開発、営業、販売促進まで」の一連の仕組みをつくる活動です。店舗マーケティングの流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
コンセプトの設計
それからコンセプトの設計も、O2Oのポイントです。ターゲットとする顧客層を集めるためには、店舗経営の基本方針であるコンセプトに基づいて、O2Oの施策を展開しましょう。
コンセプトの設計は、事業計画書の作成や競合店との差別化などのためにも重要です。店舗のコンセプトを設計する流れと方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
適した施策の選定
また適した施策の選定も、O2Oのポイントです。ターゲットとする顧客層に応じて、適した施策が異なります。例えばInstagramやTikTokの利用率は若年女性層において高いですが、XやFacebookの利用率は男性層において高いです。
参照元:総務省「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」(11ページ)
ターゲット層だけではなく、販売する商品・サービスによっても、適した施策(ECサイトやモバイルアプリ、SNSなど)は異なります。設計したコンセプトに基づいて、ターゲットとする顧客層に適した施策を選定しましょう。
売上の管理
さらに売上の管理も、O2Oのポイントです。O2O施策のコストを支出しても、売上が伸びなければ効果を得られません。施策を評価・改善するために、適切に売上を管理しましょう。
そこで売上目標を設定したうえで、定期的に達成率を計算しなければなりません。幅広い業種・業態の店舗に活用できる売上を管理する方法をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
セキュリティ対策
そしてセキュリティ対策も、O2Oのポイントです。ECサイトやモバイルアプリ、SNSなどを運用する際には、個人情報保護法に基づいて会員情報を適切に管理して、情報漏洩を防止しなければなりません。
参照元:緊急時等における位置情報の取扱いに関する検討会「位置情報プライバシーレポート」(8-9ページ)
インターネットセキュリティに加えて、店舗経営においては、顧客と従業員の安全を守るために、防犯対策が重要です。店舗を防犯対策するポイントをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。
O2Oの事例
ポイントを押さえてO2Oの施策を展開できるように、参考となる事例を調査しましょう。事例5点を取り上げて、各事例の特徴(ECサイトとSNS、モバイルアプリ、スマホの位置情報、QRコード)をご紹介します。
ECサイトを活用したららぽーと
まず「ららぽーと」は、ECサイトを活用してO2Oの施策を展開しています。ECサイト(&mall)で注文した商品を実店舗で受け取るだけではなく、商品の試着・返品・交換もできます。
ECサイトだけではなくLINEも活用し、会員情報の分析やキャンペーン情報の発信なども行われています。ECサイトやLINEを活用して売上アップを目指すO2Oの施策です。
参照元:
&mall「購入した商品を各施設の&mallデスクでお受取!」
impress「ユーザーのエンゲージメントを高める! LINEで行うO2O施策とは?」
SNSを活用したコメダ珈琲店
次に「コメダ珈琲店」は、SNSを活用してO2Oを展開しています。公式Xアカウントにて「くつろいでいるときの写真」の投稿を集め、eギフトカードをプレゼントするキャンペーンです。
日常生活全般の写真を受け付けていますが、コメダ珈琲店でくつろぐ写真も投稿されています。リピーターの獲得だけではなく、新規顧客の獲得も期待できるO2Oの施策です。
参照元:グルメWatch「コメダ珈琲店、eギフト1000円分が100名に当たる『くつろぎフォトキャンペーン』」
モバイルアプリを活用するユニクロ
それから「ユニクロ」は、モバイルアプリを活用してO2Oを展開しています。モバイルアプリ会員は、アプリで商品情報を検索できたり、デジタルクーポンを取得したり、商品レビューを確認したりできます。
モバイルアプリのデジタルクーポンは、アプリダウンロードやバースデー、お友達紹介などの際に発行されます。ライブ配信も視聴できるモバイルアプリです。
参照元:
スマホの位置情報を活用するローソン
続いて「ローソン」は、スマホの位置情報を活用してO2Oを展開しています。ローソンの購買データに、KDDIの保有する位置情報や決済などのデータを連携させて、おすすめ商品や特典などの情報をモバイルアプリからプッシュ通知する仕組みです。
実店舗に誘導されて商品を購入した顧客には、ポイントが還元されます。消費期限が近づいた商品の値引き情報を配信して、廃棄ロス削減によるSDGsへの貢献も目指すO2Oの施策です。
参照元:
日経クロステック「KDDI髙橋社長が語るローソンとの価値共創、リアル店舗とPonta経済圏を生かす」
ビジネスネットワーク「KDDIとローソン、位置情報を活用して購買客ごとに値引き通知や特典を配信」
QRコードを活用した楽天市場
そして「楽天市場」は、QRコードを活用してO2Oを展開しています。韓国コスメの店舗と協業して実店舗(Kulture Market Supported by Rakuten)をオープンし、顧客に商品の体験を提供しています。
実店舗で商品を体験した顧客は、QRコードから楽天市場の商品ページにアクセスできます。韓国コスメの最新トレンド商品を取り扱うO2O型の実店舗です。
参照元:
楽天市場「Kulture Market(カルチャーマーケット)」
日経クロストレンド「楽天が韓国発商品のO2O店舗を原宿に展開 若年層顧客獲得を狙う」
O2Oの施策を検討しよう!
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監修者
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