2022.06.08|内装工事

スケルトン物件とは?メリットや向いている店舗・探し方・工事費用

スケルトン物件とは?メリットや向いている店舗・探し方・工事費用

「スケルトン物件とは?」「メリットや探し方を知りたい」とお悩みではありませんか?スケルトン物件に店舗を開業するために、居抜き物件との違いを理解して内装をデザインすることが大切です。

そこで本記事ではスケルトン物件の定義と向いている店舗をご紹介します。メリット・デメリットや物件の探し方、内装工事費用についても解説しますので、店舗の開業や移転をご検討中の経営者・担当者の方は、ぜひご覧ください。

スケルトン物件とは?

スケルトン物件とは?

スケルトン物件とは、建物内に内装設備が施工されていない躯体だけの状態にある物件です。内装設備には床や天井、壁紙、間仕切りなどが含まれ、躯体とは建物の骨組み(柱や壁、屋根など)です。ある程度の内装設備が施工されている場合には、居抜き物件と呼ばれます。

スケルトン物件に店舗を開業する場合には全ての内装をデザインできますが、工事の費用と時間がかかります。居抜き物件の場合には内装設備が施工されている分だけ工事を減らせますが、内装デザインが制限されます。

なおスケルトン物件の賃貸借契約においては、退去するときに「入居前の状態に戻す原状回復義務」が一般的に設定されます。事前に物件所有者の了承を得ることができれば、施工した内装を次の借主へ譲渡することで、原状回復工事の費用を削減できます。

居抜き物件について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

スケルトン物件に店舗を開業するメリット

スケルトン物件に店舗を開業するメリット

スケルトン物件の定義を確認したところで、店舗を開業するメリット・デメリットを詳しく確認していきましょう。集客と売上を伸ばすためには、スケルトン物件のメリットを活かして効果的に内装をデザインすることが必要です。

内装デザインの自由度が高い

スケルトン物件には間仕切りや壁などが施工されていないので、内装デザインの自由度が高いです。内装空間のレイアウトやカラーなどを自由に決めることができますので、内装にこだわりたい店舗に向いています。

店舗のコンセプトに基づいて内装をデザインできれば、商品やサービスの魅力を引き出すことができます。内装空間を通じて店舗の経営方針や理念、魅力などを発信しましょう。

必要な設備・什器を導入しやすい

レイアウトやカラーだけではなく、スケルトン物件には必要な設備や什器を導入しやすいです。例えばおしゃれなカウンターを造作したり、最新設備を施工したりできるわけです。

居抜き物件に施工されている設備・什器の状態によっては修繕や交換の費用がかかりますので、スケルトン物件を契約する方が内装工事費用を抑えられる場合があります。

店舗物件を選びやすい

スケルトン物件は幅広い業種・業態に対応できるので、店舗物件を選びやすいです。居抜き物件を探すときのように「立地や外観が良いのに内装がコンセプトに合わない」ということが起こらないからです。

つまり立地や外観などの希望条件に合う候補物件が増えますので、理想に近い物件に出会える可能性が高まります。もちろん内装空間の状態を確認する必要もありますが、上記のとおりにデザインやレイアウトをデザインしやすいです。

前店舗のイメージを引きずりにくい

スケルトン物件の内装を一からデザインすることで、前店舗のイメージを引きずりにくいというメリットもあります。前店舗にネガティブなイメージやレイアウト上の問題などがあっても、影響を受けにくいです。

居抜き物件の場合には前店舗の内装を引き継ぐので、良くも悪くもイメージを引きずってしまいます。居抜き物件の内装デザインを変更する場合には、設備の撤去や交換の費用がかかります。

スケルトン物件に店舗を開業するデメリット

スケルトン物件に店舗を開業するデメリット

理想的な店舗をデザインしやすいスケルトン物件ですが、デメリットもあります。決して居抜き物件とスケルトン物件のどちらかが優れているというわけではありません。デメリットを克服する方法をご紹介しますので、内装をデザインする前に把握しておきましょう。

居抜き物件よりも工事費用がかかる

スケルトン物件の内装空間を一からデザインして間仕切りや建具、水道、電気、空調などの設備を施工しますので、居抜き物件よりも工事費用がかかります。店舗の業種や業態によって変動しますが、開業資金において内装工事費の占める割合は低くありません。

予算をオーバーしないようにするためには、優先順位を付けて施工したい設備の数やグレードを検討してください。内装工事費用の相場について、後ほど詳しく紹介します。

店舗開業までの時間もかかる

スケルトン物件には居抜き物件よりも工事する内装が多いので、店舗開業までの時間もかかります。一般的にデザインから施工まで2ヵ月〜半年ほどかかり、工事期間中から賃料が発生します。

したがって開業準備の開始期間を検討して、なるべく賃料を抑えてください。ただし集客や営業に必要な備品・機器の搬入のためには、開業1-2か月ほど前には竣工できるように工事業者と相談しましょう。

宣伝広告の手間もかかる

スケルトン物件に店舗を開業すると認知度が低い状態ですので、宣伝広告の手間もかかります。居抜き物件のように前店舗の固定客が来店してくれることを期待できないからです。

そこで開業数か月前には集客手段を決定して、宣伝広告活動を開始しましょう。具体的なWeb集客方法について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

退去時に原状回復工事が必要になる

スケルトン物件の賃貸借契約には一般的に原状回復義務が設定されますので、退去時に原状回復工事が必要になります。店舗を移転・閉店する場合には原状回復工事の費用と時間がかかることを頭に入れておきましょう。

対策として、入居前にスケルトン物件の所有者と交渉して、施工する内装設備を次の借主へ有料で譲渡する方法があります。原状回復工事が不要になれば、費用と時間を削減できることになります。

スケルトン物件に向いている店舗

スケルトン物件に向いている店舗

スケルトン物件のメリット・デメリットを踏まえて、スケルトン物件に向いている店舗をご紹介します。居抜き物件とスケルトン物件にはメリット・デメリットがありますので、開業したい店舗の業種や業態に応じて判断することが重要です。

こだわりと独自性を出したい店舗

スケルトン物件の内装を一から自由にデザインできるため、こだわりと独自性を出したい店舗に向いています。競合との差別化を図る独自の内装空間をデザインできれば、ブランディング効果を発揮してターゲットを集客しやすくなります

例えばレイアウトを工夫して最新設備を設置したり、特殊な什器を造作したりする場合には、居抜き物件よりもスケルトン物件の方が適しています。

経営を拡大して開業する店舗

経営を拡大して開業する店舗にもスケルトン物件が向いています。1店舗目の経営ノウハウや失敗談を踏まえることで、より優れた店舗をデザインできるからです。

反対に初めて店舗を開業するなら、居抜き物件を選ぶと開業準備をスムーズに進められます。ノウハウも予算も限られた状態ですと、何もかも一から自由にデザインすることは難しいためです。

スケルトン物件の探し方と契約方法

スケルトン物件の探し方と契約方法

スケルトン物件に店舗を開業すると決めたら、スケルトン物件の探し方と契約方法を確認しましょう。基本的な流れは居抜き物件を探す方法と同様ですが、いくつか注意点があります。

Web検索する

まずはWeb検索で募集されているスケルトン物件を探しましょう。希望条件に合う物件の情報を知らせてくれるWebサイトに登録しておけば、物件探しの手間を省けます。

また設計事務所や工務店、店舗の開業支援サービスなどへ相談すると、物件探しから支援してくれる場合があります。物件探しに時間をかけられない場合には、相談してみましょう。

スケルトン物件を内覧する

希望条件に合う物件を見つけたら、内覧を申し込みましょう。業種・業態ごとに必要な電力や換気、面積などの条件がありますので、内覧をしながら確かめることが必要です。

可能な限り内覧前に内装業者を決めておき、内覧に同行してもらいましょう。内装だけではなく外観や共用部分の状態を確認して、理想のデザインを施工できるかを確かめるためです。搬入・施工をできる設備・什器の大きさを確認するために、採寸もしてください。

賃貸契約を申し込む

内覧した中から理想に近い物件を選んだら、賃貸契約を申し込みます。条件の良い物件にはすぐに申し込みが殺到しますので、期限を決めて他物件と比較検討してください。申し込み後にキャンセルすることも可能です。申し込むために必要な書類(契約者の身分証明書や連帯保証人のサイン、事業計画書など)を準備して、賃貸仲介業者に提出します。

物件の賃貸契約を申し込むと、賃貸仲介業者と物件所有者による入居審査を受けます。審査の目的は安定して長期的に賃料を支払える能力を確かめることですので、信頼性のある事業計画書を提出してください。面談を求められることもあるので、事前準備が必要です。

審査を通過したら契約する

審査を通過したら、契約手続きを行います。あとでトラブルにならないように、隅々まで契約書に目を通してから署名してください。契約期間や初期費用、解約通知の方法、原状回復義務などの条件に同意して、不明な点がないように注意しましょう。

なお店舗物件の探し方について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

スケルトン物件の内装工事費用

スケルトン物件の内装工事費用

居抜き物件と比べると、スケルトン物件の内装工事費用は基本的に高くなります。事前に費用の相場と内訳を把握して、予算を超えないように注意しましょう。

内装工事費用の相場

スケルトン物件の内装工事費用は業種や業態によって変動しますが、坪単価30万〜50万円程度が相場です。業種別の坪単価を下表にまとめて、いくつかご紹介します。

業種スケルトン物件に内装工事する費用(坪単価)
サロン40万~100万円程度
クリニック30万~80万円程度
飲食店20万~60万円程度
物販店10万~50万円程度

同じ業種でも、店舗の規模や業態によって坪単価は変動します。例えば飲食店の場合には、軽食を提供するカフェには簡易的な厨房設備を施工するだけで済みますが、焼き肉店には給排気設備やロースターを施工しなくてはなりません。

なおスケルトン物件の取得費用として賃料6〜12ヵ月分程度が必要で、主に敷金(保証金)と礼金、前払い賃料、仲介手数料などから構成されます。内装工事費用とは別に必要になりますので、ご注意ください。

内装工事費用の内訳

スケルトン物件の内装工事では、一般的に水道やガス、電気の設備を施工してから、壁や天井などの内装を施工します。下の一覧表に、内装工事費用の内訳と相場をまとめました。

内装工事費用の内訳費用相場
仮設工事費10万-50万円
設備工事費(空調・水道・ガス・電気など)100万-500万円
軽鉄・ボード工事10万-100万円
内装仕上げ工事(壁・床・天井など)30万-100万円
建具工事30万-100万円
造作家具工事30万-100万円
合計210万-950万円

店舗の規模や素材によって、内装工事費用は変動します。複数の業者から見積もりを取って、工事の内容と費用を比較検討することが必要です。相場よりも極端に高い見積りだけではなく、安すぎる見積も疑ってください。

また内装のデザインと工事を別々の業者に依頼するよりも、ワンストップで対応してくれる業者に依頼する方が時間も費用も抑えられます。内装工事について下の記事に詳しくまとめてありますので、併せてご覧ください。

スケルトン物件の特徴を理解して理想の店舗づくりをしよう

スケルトン物件の特徴を理解して理想の店舗づくりをしよう

スケルトン物件を選ぶと内装をデザインしやすいですが、予算をオーバーしないように費用を削減する必要があります。開業予定日に間に合うように物件を探して、内装工事を依頼してください。

IDEALはスケルトン物件と居抜き物件のどちらにも対応しており、店舗のコンセプト設計から物件探し、内装のデザイン・工事、資金調達、W集客までをワンストップでご支援しております

店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の経営者・担当者の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

キーワード :

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。

> IDEALの編集者ポリシー

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

店舗作り、集客の
無料見積もり・相談をする