2021.06.28 2021.08.04|店舗運営ノウハウ
事業再構築補助金の申請条件をおさらい
「事業再構築補助金の申請条件ってなんですか?」
「どんな事業なら申請できるのでしょうか」
というお客様への記事です。
この記事の内容↓
・事業再構築補助金の申請条件
・事業再構築補助金の対象となる条件
これまでお店の開業、運営に多く携わってきたIDEAL(の中の人)が、どこよりも分かりやすく、見やすくお伝えしますね。
今回は「どんな企業や事業主が、事業再構築補助金に申請できるのか」について解説していきましょう。
お客様には、当記事を通して『事業再構築補助金の条件について理解している人』となっていただきますね。
※当記事は、2021年6月時点の内容です。
今後、申請方法や応募条件が変更される場合があるので『公募要領』をよくご確認くださいね。
[現時点での情報]
◇2次公募の予定:5月26 日〜7月2日18:00まで申請受付
今すぐ公募する場合はこちらのページをチェック↓
事業再構築補助金 申請ページ
※補助金に関連する当ページの情報について※
当ページの記載事項に基づいてすべてを判断せず、必ず公募要領を確認してください。
当ページの見解に従い不採択となった場合でも、当方は責任を負いかねます。
当ページの情報や見解は、予告なしに変更することがございますのであらかじめご了承ください。
目次
- 事業再構築補助金とは?
- 事業再構築補助金でもらえる金額について
- 事業再構築補助金の『申請枠』について
- 前提として中小企業と中堅企業であること
- 事業再構築補助金の申請枠とは①通常枠の条件
- 事業再構築補助金の申請枠とは②通常枠の補助金額
- 事業再構築補助金の申請枠とは③卒業枠の条件
- 事業再構築補助金の申請枠とは④卒業枠の補助金額
- 事業再構築補助金の申請枠とは⑤グローバルV字回復枠
- 事業再構築補助金の申請枠とは⑥グローバルV字回復枠の補助金額
- 事業再構築補助金の対象者について
- 事業再構築補助金の対象者①対象となるには〇〇〇を満たすことが必要
- 事業再構築補助金の対象者②”みなし大企業”はあてはまるのか?
- 事業再構築補助金の対象者③事業再構築の5つの定義にあてはまっていることが前提
- 事業再構築補助金の5つの定義を解説
- 事業再構築補助金の5つの定義①新分野展開
- 事業再構築補助金の5つの定義②事業転換
- 事業再構築補助金の5つの定義③業種転換
- 事業再構築補助金の5つの定義④業態転換
- 事業再構築補助金の5つの定義⑤事業再編
- まとめ:事業再構築補助金の条件は細かいが、クリアさえすれば申請できる
事業再構築補助金とは?
事業再構築補助金は「企業や事業主の生まれ変わり」を手助けする制度。
たとえ苦しいコロナ禍でも、経営し続けるために、ビジネスのやり方を変えて経営を続けていこうとする企業や事業主を支援、救済するのが目的です。
とは言うものの、コロナの影響を受けていれば誰でも申請できる制度ではありません。
細かくも厳しい条件が定められています。
「どんな企業や事業主が申請できるのか」については、この後の項目で解説していきますね。
事業再構築補助金でもらえる金額について
補助金額は次のとおりです↓
◇中小企業の場合
通常枠:100万〜6000万 補助率=3分の2
卒業枠:6000万〜1億 補助率=3分の2
(卒業枠=中堅企業へステップアップする企業のこと。400社のみ)
◇中堅企業の場合
通常枠:100万〜8000万 補助率=2分の1
(4000万を超える場合は、補助率が3分の1になる)
グローバルV字回復型:8000万超〜1億 補助率=2分の1
パッと見て「そんなにもらえるの?」という印象を抱くかもしれませんね。
ですが、お店の運営スタイルや業績から判断されて支給されます。
そのため、上限MAXもらえるとは限りませんよ。
事業再構築補助金の『申請枠』について
事業再構築補助金における『申請枠』について理解しておきましょう。
大前提として
・コロナの影響があった
・前年度よりも売上が減った
・事業計画書をきちんと作成できる
などの条件をクリアした上で、下記の申請枠が設けられています↓
・通常枠
・卒業枠
・グローバルV字回復枠
それぞれの枠について、条件と補助金額を添えながら解説していきましょう。
前提として中小企業と中堅企業であること
事業再構築補助金を申請できるのは、中小企業と中堅企業だけです。
大企業は申請できません。
また、個人事業主やフリーランスは申請できることになっています。
ただし、
・開業届を出していること
・従業員がいること
上の2つの条件が満たされていることが前提です。
個人事業主やフリーランスについては、下記の記事で解説しています↓
『事業再構築補助金の概要』によると、中小企業とは以下を指します↓
[製造業その他]
資本金:3億円以下
従業員数:300人以下
[卸売業]
資本金:1億円以下
従業員:100人以下
[小売業]
資本金:5千万円以下
従業員:50人以下
[サービス業]
資本金:5千万円以下
従業員:100人以下
中小企業の定義:中小企業庁より引用
中小企業は、業種別に「資本金または出資の総額」と「従業員の数」で定められています。
一方で、中堅企業とは、経済産業省で次のように説明されています↓
中小企業の範囲に入らない会社のうち、資本金10億円未満の会社
事業再構築補助金の概要より引用
申請する前に、これらの条件に当てはまっているかを確認しましょう。
その上で、
・通常枠
・卒業枠
・グローバルV字回復枠
・緊急事態宣言特別枠
に分かれます。
事業再構築補助金の申請枠とは①通常枠の条件
まず『通常枠』について。
通常枠は、一般的な中小企業と中堅企業が申請できる枠です。
事業再構築補助金を利用する多くの事業者は、この”通常枠”で申請することになるでしょう。
事業再構築補助金の申請枠とは②通常枠の補助金額
通常枠で申請した場合の補助金額は、下記のとおりになります↓
[中小企業]
補助金額:100万円〜6,000万円
補助率:2/3
[中堅企業]
補助金額:100万円から8,000万円
補助率:1/2(4,000万円を超える場合は1/3になる)
事業再構築補助金の申請枠とは③卒業枠の条件
続いて『卒業枠』についてです。
卒業枠は、中小企業のみが対象です。
中堅企業には卒業枠がありません。
その代わり『グローバルV字回復枠』が定められています(後に解説しますね)
[中小企業の卒業枠とは]
事業再構築補助金を利用して、中小企業から中堅企業となる予定の企業または事業主のこと。
合わせて、以下をクリアすることが条件です↓
事業再構築補助金を利用して、事業を拡大していく間に
1:組織再編
2:新規設備投資
3:グローバル展開
のいずれかにより、資本金または従業員を増やし、中小企業から中堅企業へ成長する事業者であること
1〜3の具体的な定義ですが、実はまだ明確になっていません。
ですが、下記のように予想されています↓
1:組織再編=M&Aや合併などで、大幅な会社体制の見直しをすること
2:新規設備投資=新事業に関わる大規模な設備投資をすること(大型設備の設置など)
3:グローバル展開=海外への販路拡大、事業拡大のための設備投資や事務所設置などに投資すること
これらの条件に当てはまるのであれば、卒業枠で申請することになります。
事業再構築補助金の申請枠とは④卒業枠の補助金額
卒業枠で申請した場合、補助金額は下記のようになります↓
[中小企業のみ]
補助金額:6,000万円~1億円
補助率:2/3
注意:400社限定
事業再構築補助金の中でも、優遇されていると言えるでしょう。
ただし、400社のみが対象となるので、競争率が高くなることが見込まれます。
早めのアクションを取ることが望ましいですね。
事業再構築補助金の申請枠とは⑤グローバルV字回復枠
グローバルV字回復枠は、中堅企業のみが申請できる枠です。
以下の条件をクリアすると、申請できます↓
1: 2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前の同じ3か月の合計売上高と比較して、15%以上減少していること
2:補助事業終了後3〜5年で付加価値額または従業員1人当たり付加価値額の年率5.0%以上増加
達成を見込む事業計画を作ること
3:グローバル展開を果たす事業であること
さらに注意点なのは、100社限定とされている点です。
(各年度で設定されている限定数なのか、それとも複数年度にわたってのものなのかは不明)
事業再構築補助金の申請枠とは⑥グローバルV字回復枠の補助金額
グローバルV字回復枠で申請した場合の補助金額は下記のとおりです↓
[中堅企業のみ]
補助金額:8000万円〜1億円
補助率:1/2
事業再構築補助金の対象者について
続いて、事業再構築補助金を申請できる企業や事業主、について理解を深めていきましょう。
ここでは
・補助金の対象になる2つの条件
・みなし企業は対象になるのか
・5つの定義にあてはまっていること
の順で解説していきます。
事業再構築補助金の対象者①対象となるには〇〇〇を満たすことが必要
まずは、対象となる条件についてです。
補助金の対象となるには、以下の1と2の両方を満たさなければなりません↓
1:申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1月~3月)の同じ3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。
2:経済産業省が示す事業再構築指針にもとづいて、事業再構築の定義に該当していること。
また、3~5年の事業計画書を認定支援機関と共同で策定すること。
『認定支援機関』とは、国が審査、認定する公的な支援機関『認定経営革新等支援機関』のことです。
企業や事業者が、”経営に関わる相談”ができる機関でもあります。
商工会議所や商工会など中小企業を支援する人の他に、
・弁護士
・税理士
・金融機関
・公認会計士
・中小企業診断士
などが挙げられます。
事業再構築補助金の対象者②”みなし大企業”はあてはまるのか?
結論、みなし大企業は、事業再構築補助金の対象外です。
また、みなし大企業は、中堅企業として申請することもできません。
もう少し細かく言いますと、たとえば、子会社や関連会社を多く持っている企業の場合。
「子会社または関連会社そのものは、中小企業だから」と、申請できてしまうのが事実。
ですが、政府はNGと定めています。
以下引用です↓
大企業の子会社等の、いわゆる「みなし大企業」は支援の対象外です
事業再構築補助金の概要 5ページ目 注1より引用
事業再構築補助金は、中小企業、中堅企業、個人事業主やフリーランスを支援するための補助金です。
子会社や関連会社が多くある”みなし大企業”は、補助金の対象外だと覚えておきましょう。
事業再構築補助金の対象者③事業再構築の5つの定義にあてはまっていることが前提
補助金の対象となるには、事業再構築の定義にあてはまっていることが前提です。
事業再構築の定義とは、以下の5つを指します↓
1:新分野展開=新しいサービスや新製品で、今までと違う市場に進出すること
2:事業転換=今までの事業のやり方を変えていくこと
3:業種転換=今までやってきた業種を変えてしまうこと
4:業態転換=サービスの提供方法や製造方法などを変えていくこと
5:事業再編=事業再編(吸収合併など)を通じて新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換のどれかを行うこと
より詳しい内容について、次の項目で解説していきますね。
事業再構築補助金の5つの定義を解説
改めますが、事業再構築補助金は、”5つの定義のどれか”にあてはまっていないといけません。
5つの定義は『5つの分野』とも言われ、以下を指します↓
・新分野展開
・事業転換
・業種転換
・業態転換
・事業再編
それぞれ解説していきますね。
事業再構築補助金の5つの定義①新分野展開
1つ目は『新分野展開』です。
「新しいサービスや新製品で、今までと違う市場に進出するといった形で事業拡大、再構築していく企業や事業主」があてはまります。
「今までやってきた業種または事業を変更せずに」というのがポイントです。
新分野展開に該当するには、
・売上高10%要件
・市場の新規性要件
・製品等の新規性要件
以上3つを全てクリアする必要があります。
「このように3つの要件をクリアしていきますよ」と、事業計画書で示さなければなりませんよ。
事業再構築補助金の5つの定義②事業転換
2つ目は『事業転換』です。
「今までの事業のやり方を変えて、事業拡大、再構築していく企業や事業主」があてはまります。
「今までやってきた業種を変えずに、新しいサービスや製品を作る」というのがポイント。
事業転換に該当するには
・市場の新規性要件
・売上高構成比要件
・製品等の新規性要件
の3つを全てクリアする必要があります。
①と同様に「こうやって3つの要件をクリアしていきますよ」と、事業計画書で示さなければなりません。
事業再構築補助金の5つの定義③業種転換
3つ目は『業種転換』になります。
「今までやってきた業種を変えて、事業を再構築していく企業や事業主」があてはまります。
業種転換に該当するには
・市場の新規性要件
・売上高構成比要件
・製品等の新規性要件
の3つを全てクリアしなければなりません。
それらの要件をクリアする旨、事業計画書で示さなければなりません。
事業再構築補助金の5つの定義④業態転換
4つ目は『業態転換』です。
「サービスの提供方法や製造方法などを変えて事業を拡大、再構築していく企業や事業主」があてはまります。
業態転換に該当するには
・売上高10%要件
・製造方法等の新規性要件
・製品の新規性要件(製造方法の変更の場合)
・商品等の新規性要件又は設備撤去等要件 (提供方法の変更の場合)
の4つ全てをクリアしなければなりません。
同様に「このように要件をクリアしていきますよ」という旨を事業計画書で示しましょう。
*商品等の新規性要件又は設備撤去等要件とは↓
新たな方法で提供される商品またはサービスが、新規性を有するもの(今までに無い新しいタイプのものか)または既存設備の撤去や既存の店舗の縮小等を伴うものであること、を指します。
事業再構築補助金の5つの定義⑤事業再編
最後に『事業再編』です。
事業再編は、他の企業と吸収合併などをした上で、
・新分野展開
・事業転換
・業種転換
・業態転換
のどれかを行う場合にあてはまります。
具体的には
・合併
・会社分割
・株式交換
・株式移転
・事業譲渡
などを指します。
大がかりな組織再編を行った上で、新しく事業を拡大、再構築する場合は『事業再編』で申請することになります。
まとめ:事業再構築補助金の条件は細かいが、クリアさえすれば申請できる
「事業再構築補助金の申請ってどのような条件なのでしょう」というお客様へ、申請枠ごとの条件について解説してきました。
事業再構築補助金は、これまでの制度よりも大きく注目されています。
公式が提示している条件を見たとき「理解するのが難しいな」と感じるかもしれませんね。
さらに言うと、たとえ補助金が支給されたとしても、
・正しく補助金を活用されているか
・事業計画書通りに補助金を使えているのか
・事業とは関係のないことに補助金を使ってないか
といったことを都度、報告することが求められます。
補助金をもらう以前よりも、事務的なコストや手間が大きくかかると心得ましょう。
「返済しなくていいし、補助金がもらえるなら……」と、安易に判断するのは避けるべきです。
事業や企業にとって「メリットになるのか、あるいはデメリットになってしまうのか」を考えた上で、賢く活用できたらいいですね。
※補助金に関連する当ページの情報について※
当ページの記載事項に基づいてすべてを判断せず、必ず『公募要領』を確認してくださいね。
当ページの見解に従い不採択となった場合でも、当方は責任を負いかねます。
当ページの情報や見解は、予告なしに変更することがございますのであらかじめご了承ください。
監修者
-
IDEAL編集部
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