2021.06.10|店舗運営ノウハウ

事業再構築補助金は個人事業主やフリーランスの方は申請できるのか

事業再構築補助金は個人事業主やフリーランスの方は申請できるのか

「事業再構築補助金って、フリーランスでも申請できるの?」
「開業届を出してないと申請できないって本当でしょうか?」
というお客様への記事です。

この記事の内容↓
・個人事業主やフリーランスが申請する場合のポイント
・個人事業主やフリーランスが申請できる理由

これまでお店の開業、運営に多く携わってきたIDEALが、どこよりも分かりやすく、見やすくお伝えしますね。

まず、冒頭の質問にお答えしましょう。

事業再構築補助金は、個人事業主、フリーランスでも申請できます。

ただし「開業届を提出している」というのが大前提です。
かと言って「申請すれば誰でももらえる」という制度ではありませんからね。

補助金は返済義務が無い分、クリアするべき条件が厳しく設けられています。

事業再構築補助金を利用したい事業主は、決して少なくありませんよ。

厳しいながらも競争率が非常に高くなります。
支給対象に選ばれるのは、針の穴に糸を通すかのごとく狭き門なのだと心得ましょう。

※当記事は、2021年6月時点の内容です。
今後、申請方法や応募条件が変更される場合があるので、
公募要件URLを、都度ご確認くださいね。

[現時点での情報]

◇二次公募の予定:5月26 日〜7月2日18:00まで申請受付

今すぐ公募する場合はこちらのページをチェック↓
事業再構築補助金 公式ページ

※補助金に関連する当ページの情報について※
当ページの記載事項に基づいてすべてを判断せず、必ず公募要領を確認してくださいね。
当ページの見解に従い不採択となった場合でも、当方は責任を負いかねます。
当ページの情報や見解は、予告なしに変更することがございますのであらかじめご了承ください。

お客様には、当記事を通して『事業再構築補助金と、個人事業主、フリーランスの関連性を、きちんと理解している人』となっていただきますね。

事業再構築補助金の定義

事業再構築補助金の定義

まず、事業再構築補助金の定義を改めましょう。

事業再構築補助金は、国が作った企業や事業主への支援制度の1つです。

簡単に言いますと「新しいことを始めて事業規模を大きくします!」という企業や事業主へ、補助金支給を通して支援する制度のことです。

事業再構築補助金は、返済義務がありません。
補助金額もMAXで1億、少なくても100万円もらえるのですよ(企業や事業の規模に寄ります)

ですから、その分
・審査が厳しい
・倍率が高くなりがち
ですので、補助金がもらえるのは狭き門だと心得ておきましょう。
(補助金額については、後の項目でお伝えしますね)


「持続化給付金とどう違うの?」と感じた方もいるでしょう。

持続化給付金は、今のまま事業を続けていくための給付金です。
「新しいことや事業をスタートする」という企業は対象ではありません。


事業再構築補助金を申請できる条件は下記のとおりです↓

①5つの分野に該当していること
②コロナ禍になる前よりも、10%以上売上が減っていること
③補助金額が3000万円を超えるなら”認定機関”と計画を組むこと
④補助金をもらえた”あとの3〜5年間”を想定した事業計画書を作ること

より詳しいことは、こちらの記事で解説していますよ↓

個人事業主、フリーランスでも事業再構築補助金を申請できるのか

個人事業主、フリーランスでも事業再構築補助金を申請できるのか

結論、できます。

(あくまで上の①〜④の条件をクリアした上で、です)

個人事業主、フリーランスも審査をクリアできれば、支給されます。

ただし
・従業員がいる
・開業届を提出してある
・厳しい条件をクリアしないといけない
が求められます。

また個人事業主またはフリーランスとして申請するときは「緊急事態宣言特別枠」を利用しましょう。

その理由を含め、より詳しくお伝えするのに、

①申請するときの条件を知る
②「緊急事態宣言特別枠」を利用する
③「緊急事態宣言特別枠」の申請について

の順で解説していきますね。

個人事業主、フリーランスが申請するなら①条件を知っておこう

2021年6月時点で、個人事業主とフリーランスは、事業再構築補助金の支給対象です。

求められる条件は「開業届を出しているか」と「従業員が何人いるか」の2点だけ。

なぜなら、個人事業主とフリーランスには『資本金』が無いからです。

従業員の人数については下記のとおり↓
(参考までに中小企業verの従業員人数も記載)

[製造業、建設業、運輸業]
20人以下(中小企業=300人以下)

[卸売業]
5人以下 (中小企業=100人以下)

[サービス業(ソフトウェア業又は情報処理サービス業、旅館業を除く)]
5人以下 (中小企業=100人以下)

[小売業]
5人以下 (中小企業=50人以下)

事業再構築補助金は「法人か、法人でないか」が基準ではありません。

従業員の数と資本金の条件が満たされてさえいれば、申請できます。

ただし「申請できる」=「選ばれる」というわけではありませんからね。

そもそも事業再構築補助金は、その後の経済をより良くしてくれる見込みがある企業、事業主を救済するための制度ですから。

その姿勢が審査員に伝わるような『事業計画書』の作成が、個人事業主、フリーランスにも求められるのだと理解しましょう。

個人事業主、フリーランスが申請するなら②『緊急事態宣言特別枠』を利用しよう

個人事業主、フリーランスが申請するなら②『緊急事態宣言特別枠』を利用しよう

個人事業主、フリーランスが申請するなら『緊急事態宣言特別枠』を利用しましょう。

『通常枠』だと申請の対象に成りえないからです。

通常枠では、
・資本金が5000万〜3億であること
・従業員の数が50人〜300人いないといけない
などの条件をクリアしないといけません。

個人事業主やフリーランスの場合、ほぼ資本金がありませんからね。

従業員もそこまで多くないはず。

だからこそ個人事業主やフリーランスは『緊急事態宣言特別枠』で申請するべきなのです。

緊急事態宣言宣言枠は『緊急事態宣言』による時短営業や外出自粛の影響で、売上が減ってしまった企業、事業主、フリーランスのための救済枠。

メリットとしては下記が挙げられます↓
・『通常枠』よりも審査が早い
・『通常枠』よりも補助率が高い
・従業員の数が少なくても支給対象になる
・『緊急事態宣言特別枠』で落ちても『通常枠』で再審査ができる
・従業員の数が多い中堅、中小企業は対象外なので、採択される可能性が高くなる

基準となる従業員の人数と、補助金の上限額は下記のとおりです↓

・5人以下:100万〜500万
・6〜20人以下:〜1000万
・21人以上:〜1500万

補助率:再構築に関わる支出の4分の3を支給
(『通常枠』の場合は3分の2)

支給対象となる経費も押さえておきましょう。

経費とは、おもに下記が挙げられます↓
・研修費
・運搬費
・外注費
・建物費
・広告宣伝
・販売促進費
・技術導入費
・知的財産権等関連経費
・専門家(コンサル)経費
・クラウドサービス利用費
・機械、システム構築費(リース料を含む)

ここでお伝えしておきたいのは『緊急事態宣言特別枠』は、今回の募集で最後を予定しているということ。

公式ページでも↓


「緊急事態宣言特別枠については、今回の公募で終了を予定しておりますので、申請を検討されている方はご注意ください」

と明記されています。

7月2日18:00まで公募していますが、早めに申請することをオススメいたします。

応募ページはこちら↓
事業再構築補助金 公式ページ

個人事業主、フリーランスが申請するなら③「緊急事態宣言特別枠」の申請で必要なこと

個人事業主、フリーランスが『緊急事態宣言特別枠』を申請するときは、下記の書類を用意しましょう↓

・売上高減少に関わる証明書類
・緊急事態宣言の影響を受けた旨の宣誓書

[緊急事態宣言の影響を受けたことの宣誓書ってなに?]

緊急事態宣言の影響で売上が減ったことを宣言する文書のこと

事業再構築補助金ホームページから様式をダウンロードできますよ↓

ダウンロードページ:事業再構築補助金 (ページ内下の『その他の参考書類』にてダウンロード可)

見本ページ:宣誓書 見本


[売上高減少に関わる証明書類ってなに?]
・売上が減った月の売上台帳
・前年(か、前々年)の確定申告書
などが挙げられます。

「去年のこの月と比べて、これだけ減りましたよ」と分かる書類が必要ですね。

事業再構築補助金の予算規模

事業再構築補助金の予算規模

事業再構築補助金の予算規模についても把握しておきましょう。

事業再構築補助金の総予算は、1兆円1,485億円ほど。

その中で、中堅、中小企業、個人事業主、フリーランスと割り振られていくのですが、1社当たりの補助金額は決まっていますからね。

1社当たりの補助金額と最大補助金額

事業再構築補助金は、1社当たりの補助金額と最大補助金額が決まっています。

それが下記のとおりです↓

[中小企業]
・通常枠:補助金額100万円~6000万円(補助率3分の2)

多くの中小企業はこちらに該当するでしょう

・卒業枠:6000万〜1億円(補助率3分の2) 
    中小企業から中堅企業へ成長する事業者向け
    限定400社かつ、計画期間内に

    ✓組織再編
    ✓新規設備投資
    ✓グローバル展開
    のどれかを実行するのに資本金あるいは従業員を増やす企業が対象

[中堅企業]

・通常枠:補助金額100万円~8000万円(補助率2分の1)

・グローバルV字回復枠:8000万〜1億円(補助率2分の1)

  条件↓
  ✓グローバル展開していく事業であること
  ✓直前6カ月間のうち、3カ月の合計が、コロナ前の同3カ月の合計よりも15%以上減少していること
  ✓3~5年で付加価値額(または従業員1人当たりの付加価値額)の年率5.0%以上UPを達成すること
 

[個人事業主、フリーランス]
・緊急事態宣言特別枠:従業員の数による↓

   ✓5人以下:100万〜500万円
   ✓6〜20人以下:〜1000万円
   ✓21人以上:〜1500万円

個人事業主とフリーランスは「資本金はいくらだ」という条件はありません。

ですが何度も繰り返しますが、
・開業届を出している状態
・従業員を雇っている状態
でなければ、申請の対象になりませんからね。


ちなみに「外注していれば、従業員がいるのと同じ?」と疑問に思う方も中にはいるでしょう。

結論を言いますと「従業員がいる」と「外注している」は別です。

そして”外注だけ”では、事業再構築補助金を申請できません。
なぜなら契約と、雇用状態が変わってくるからです。

簡単に言うと↓
・従業員=雇用契約を結ぶ(雇い主と労働者という契約を結ぶ)
・外注=業務委託(成果を提供する、という契約を結ぶ)
とイメージしましょう。

事業再構築補助金は、従業員がいる個人事業主やフリーランスが申請できる制度だと理解してくださいね。

事業再構築補助金の背景

事業再構築補助金の背景

お伝えしてきたように、事業再構築補助金は「新しいことにチャレンジする企業の背中を押す制度」です。

そしてこの制度は、実は”コロナになる前から求められていたこと”、でもあるのですよ。

「新しいことをしたいのに、資金が無くてできない」という企業は、コロナ禍よりも前からありました。

経営状況によっては、新しいことをスタートしないと潰れてしまう。

倒産する企業が増えてしまうと、日本経済が回らなくなる。

かと言って新しいことをするにも、エネルギーが必要(人手や資金力のことですよ)

だけども経営状況が良くならない企業は、優秀な人材確保に苦戦する。

人手が足りず、生産性が下がり、売り上げも減少。

売り上げが減っているため、新しいことを始めるための資金確保すらできない。

新しいことをスタートさせるのに、経営者やオーナーの資金だけでは、どうしても限界があります。

オーナーが持っている資金だけで、大きな工場を作ったり研究、開発することはほぼ無理なのですよ。

新しいことをするには、誰かに出資してもらうか、融資を得やすくする他ありません。

あくまで、コロナの影響は「国が、企業を支援しないといけないのだ」と、必要性が明るみに出てきたキッカケにすぎないのです。

そのように聞くと、事業再構築補助金のような「国が企業を支援する」という制度が生まれたのは「むしろ遅いくらいだ」と感じる方もいるでしょう。

ですから今回生まれた事業再構築補助金をキッカケに、日本の経済がより良くなることを願いましょう。

まとめ:事業再構築補助金は個人事業主、フリーランスも申請できます

まとめ:事業再構築補助金は個人事業主、フリーランスも申請できます

「事業再構築補助金って、個人事業主やフリーランスも申請できるの?」というお客様へ、申請できる旨と条件、申請するときのポイントをお伝えしてきました。

前半でもお伝えしたように「個人事業主やフリーランスも申請できる」=「審査に通る」ではありませんからね。

補助金額が大きく、かつ返済義務が無い分、クリアすべき条件が厳しいものだと心得ましょう。

厳しいことを言いますと、個人事業主やフリーランスは「審査で有利になる点は少ない」と言えます。

なぜなら個人事業主やフリーランスは、中堅、中小企業よりも
・従業員の体制が安定していない
・資金の調達と運用状態のバランスがとれにくい
というイメージがまだまだ強いからです。

事業再構築補助金の真の目的は『事業の成長』=『日本の経済回復』ですからね。

個人事業主とフリーランスにも、そのような姿勢が見えるよう事業計画書を作成しなければなりませんよ。

かと言って「じゃあ無理かな」と諦めることはありません。
ご自身の事業が、日本経済への貢献につながるのであれば、申請するべきです。

※補助金に関連する当ページの情報について※
当ページの記載事項に基づいてすべてを判断せず、必ず公募要領を確認してくださいね。
当ページの見解に従い不採択となった場合でも、当方は責任を負いかねます。
当ページの情報や見解は、予告なしに変更することがございますのであらかじめご了承ください。

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IDEAL編集部

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