2018.01.17  2020.08.04|店舗運営ノウハウ

【禁煙・分煙・喫煙可の3パターン】飲食店の喫煙規制における店舗設計の考え方

【禁煙・分煙・喫煙可の3パターン】飲食店の喫煙規制における店舗設計の考え方

近年、健康志向が高まってきており、禁煙することが大きなトレンドとなっています。

一昔前までは飲食店のほぼ全てで喫煙することができましたが、最近ではカフェやファーストフード店、お酒を飲みながら長時間滞在する居酒屋でも完全禁煙にしているお店が増えています。

「全席喫煙可」「分煙」「完全禁煙」と大きく分けて3種類の方法があり、どのような設計にするかで来店客のターゲット層なども変化してきます。タバコを考慮した飲食店設計において必要な仕組みや気をつけるべき点についてご紹介します。

飲食店における分煙・禁煙の現状

厚生労働省による受動喫煙防止対策の強化に伴い、飲食店での「全面禁煙化」を進める方針が強くなってきています。

売上が下がるなどの懸念事項もあるお店では「禁煙席」を設けるなどして、受動喫煙の被害を最小限にする対策などが進められています。

分煙・禁煙にするメリット

まず、分煙や禁煙にすることによって新たな顧客層を獲得できる可能性があります。タバコの臭いを嫌う女性や子供連れのお客様などは「お店が禁煙かどうか」を気にしている傾向があるとされています。

特にママ友のランチ会などでは会社員などで賑わうランチタイムからずれた時間帯での来店も期待できるため、アイドルタイムでの売上アップなどに繋がる可能性があります。

そのようなグループの人達は口コミでお店を広げてくれることもあり、良い印象を与えることで更なる集客アップも期待できるでしょう。

また、店内にタバコの臭いがこもらないため、料理やコーヒーなどの香りをより一層楽しめる空間になります。そうなることで、提供する料理に対する印象アップも期待ができます。

全面禁煙にすると売上が下がると考える経営者の方もいますが、様々な検証が実際に試されており、喫煙と禁煙による売上の差はほとんど無く、検証結果では誤差の範囲であるとされています。

全面禁煙にする事によって離れてしまったお客様に代わって、新たなお客様が入ってくるからとも言えるでしょう。

分煙・禁煙にする際に気をつけるべきこと

完全禁煙のお店にする場合、店外に灰皿などを置いて喫煙スペースを設けるのが効果的でしょう。そうする事で、喫煙者もターゲット層から外れることがなくなります。ただし、分煙にする場合にはいくつかの注意点があります。

まず、喫煙席から禁煙席に煙や臭いが漏れないようにする店舗設計が必要となります。空気の流れや充分な換気設備を設置するなど特別な対策が必要となります。

また、喫煙席を区画するために間仕切り壁や扉の設置が必要となる場合があるため、店内のスペースが狭いと圧迫感のある空間になってしまう可能性があります。

店舗の設計者や内装業者に相談をしながら、分煙の専門家(JTの分煙コンサルタント)などにも相談をすると、より良い分煙空間を作り上げることが出来るでしょう。

全席喫煙可にするメリット

反対に全面喫煙可能なお店にする事によって、会社員などの夜に長時間滞在する層の獲得ができます。

喫煙率が減少していると言われていますが、まだまだ喫煙者が多いのが現状です。人数が多いグループでは、少人数に比べ喫煙者がいる可能性が高いです。

その喫煙者がグループ内で立場が高いとなると、完全禁煙の飲食店は避けるかもしれません。

お酒を飲むと余計にタバコを吸いたくなる人が多いと言われているため、お酒の提供をメインとしているお店などでは喫煙できる方がメリットが大きいのかもしれません。

また、特殊な例ではありますが、バーなどでは「葉巻」を好んで吸うお客様もいます。そのようなお客様は葉巻とお酒をセットで考えているため、禁煙のお店には足を運ばなくなるかもしれません。

全席喫煙可にする際に気をつけるべきこと

喫煙可にすることによって店内の臭いはもちろん、壁紙などの変色や劣化なども起きてしまいます。

濃い色を使っている壁などではそこまで気にならないですが、白を基調とした内装にしている場合には特に注意が必要です。特に壁紙などでは掃除が大変で、汚れが落ちない場合は、壁紙を張り替えることとなり余計な費用が掛かってしまいます。

喫煙可のお店を検討する場合には白や淡い色のデザインは避けて、濃い木目の色などを基調とすると良いでしょう。

海外の完全禁煙事情

G8やG20の主要先進国の中で受動喫煙に対する対策が進んでいないのは日本だけと言われています。特に欧米などでは国の法律として店内での禁煙が定められています。

喫煙者はタバコが吸いたくなると、店外に設置されている喫煙スペースで吸うという光景をよく目にします。これは路上喫煙が比較的寛容であるという面もあります。

このような場合、店内は綺麗なのに喫煙所が灰だらけだったり、灰皿から吸殻が溢れていたりなど新たな問題が生まれたりしています。

まとめ

健康意識の高まりによって、「タバコ=悪い物」といった印象が世間に生まれつつあります。

必ずしも「完全禁煙」にする事がお店にとってベストな判断とは限らないため、お店の経営方針や目指すべき店作りをしっかりと考え、コンセプトに合った店内空間を作り上げていくことがベストとなります。

喫煙者も非喫煙者も一緒に楽しめるような居心地の良い店舗空間を作ってください。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
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