2024.02.05  2024.02.06|内装工事

飲食店の排気ダクト工事費用!法律・種類・事例・注意点も紹介

飲食店の排気ダクト工事費用!法律・種類・事例・注意点も紹介

本記事で、飲食店の排気ダクト工事費用を解説します。また排気ダクトの法律・種類・事例・注意点もご紹介します。店舗の開業や移転、リニューアルなどをご検討中の方は、ぜひご覧ください。

飲食店の排気ダクトに関する基本情報

飲食店の排気ダクトに関する基本情報

飲食店の排気ダクト工事を計画する前に、基本情報を確認しましょう。基本情報を押さえることで、工事を計画しやすくなるからです。それでは排気ダクトの役割や法律、基準、設置場所をご紹介します。

役割

まず飲食店における排気ダクトの役割は、店内の臭いや煙、熱などを店外へ排出することです。適度に排気することで、飲食店の快適性を高めることができます。排気効率が悪いと、従業員の業務効率や顧客の満足度を下げてしまいます。

なお飲食店の業態(イートインやテイクアウト・デリバリーなど)によって、必要な排気ダクトの種類や台数が異なります。飲食店の排気ダクトに関する注意点について、後ほどご紹介します。

法律

次に飲食店の排気ダクトに関する法律には、悪臭防止法があります。悪臭防止法の目的は、地域の生活環境の保全と住民の健康保護です。特定悪臭物質が政令で指定されており、臭気指数によって悪臭の程度が規制されています。

また悪臭防止法の規制地域は、都道府県知事によって指定され、規制基準を守らない事業所は改善を勧告・命令されます。そして悪臭を伴う事故に対する措置や悪臭の測定などについても定められています。

参照元:環境省「悪臭防止法の概要」

基準

また飲食店の排気ダクトに関する基準は、悪臭防止法に基づいて、都道府県ごとに定められています。例えば東京都においては、火災予防条例に厨房の排気ダクトに関する基準が定められています。

具体的には、排気ダクトの素材や位置、構造、接続などについて、基準が定められています。基準を満たさない場合には、排気効率の低下や火災時の被害拡大を招く恐れがあります。

参照元:

東京消防庁「資料1 関係法令(抜粋)」(1ー2ページ)」

東京消防庁「厨房設備に附属する排気ダクト等の運用基準の改正の周知について」

設置場所(壁・天井・屋上)

そして飲食店における排気ダクトの設置場所は、壁や天井、屋上などです。排気ダクトの設置場所ごとに、メリット・デメリットがあります。

ダクトの設置場所メリットデメリット
他の場所より費用が安い周辺環境によっては設置できない
天井厨房やトイレに適している周辺環境によっては設置できない
屋上高層ビルに適している他の場所より費用が高い

以上のメリット・デメリットを踏まえて、排気ダクトの適した設置場所について、工事業者に相談しましょう。

飲食店の排気ダクトに使用される送風機の種類

飲食店の排気ダクトに使用される送風機の種類

飲食店の排気ダクトに関する基本情報だけではなく、送風機の種類も調査しましょう。本記事では4種類(軸流式・遠心式・斜流式・横流式)を取り上げて、各送風機の特徴をご紹介します。

軸流式

まず軸流式の送風機が、飲食店の排気ダクトに使用されます。ケーシングやモーター、羽根車などから構成されており、ファンの軸方向へ空気を送る仕組みです。油汚れで機能性が落ちるため、メンテナンスが必要です。

住宅や店舗に設置される一般的な換気扇には、軸流式の送風機が搭載されています。また空調設備のダクトやトンネル内にも適した種類です。ただし他の種類よりも風圧が低いため、重飲食店(焼肉屋や中華料理屋など)の排気ダクトには向いていません。

遠心式

次に遠心式の送風機も、飲食店の排気ダクトに使用されます。シロッコファンやリミットロードファン、ターボファンなどの形があり、ファンの軸に対して直角に空気を送る仕組みです。

レンジフードや天井埋込型換気扇などに、遠心式の送風機が搭載されています。他の種類と比べて風圧が高いため、重飲食店(焼肉屋や中華料理屋など)には、遠心式の送風機が合います。

斜流式・横流式

また斜流式・横流式の送風機も、飲食店の排気ダクトに使用されます。斜流式の送風機は、ファンの軸に対して斜めに空気を送る仕組みです。他の種類より騒音が少なくコンパクトであるため、排気ダクトに適しています。

一方の横流式の送風機は、ファンの軸に対して横に空気を送る仕組みです。ラインフローファンやクロスフローファンなどとも呼ばれ、家庭用エアコンなどに搭載されています。

飲食店の排気ダクトに関する注意点

飲食店の排気ダクトに関する注意点

送風機の種類と併せて、飲食店の排気ダクトに関する注意点もご確認ください。8点(業態や悪臭発生源、階数、排出口、脱臭装置、清掃とメンテナンス、消防法、クレーム対応)を取り上げます。

悪臭発生源の特定

まず悪臭発生源の特定が、飲食店の排気ダクトに関する注意点です。以下の資料によると、飲食店の悪臭発生源は主に3点に分類されます。

  • 調理の臭い:厨房内の調理設備など
  • 排水の臭い:厨房内のグリストラップや飲食店内の排水処理設備など
  • ごみの臭い:厨房内の洗い場やごみ箱など

参照元:環境省「飲食業の方のための『臭気対策マニュアル』」(10-12ページ)

例えば調理の臭いを排出するためには、調理設備の付近に排気設備が必要です。悪臭の発生源を特定したうえで、適切な位置に必要な種類の排気ダクトを設置しましょう。

飲食業の業態

次に飲食業の業態も、飲食店の排気ダクトに関する注意点として挙げられます。飲食店の業態は、調理中に発生する油や煙の量によって、重飲食店(焼肉屋や中華料理屋など)と軽飲食店(カフェやバーなど)に分類されます。

以下の資料によると、重飲食店のなかでも焼肉屋や弁当屋、ラーメン屋、焼き鳥屋、居酒屋、中華料理屋において、悪臭に対する苦情が発生しています。業態に合わせて、排気ダクトの性能や設置場所などを決めましょう。

参照元:環境省「飲食業の方のための『臭気対策マニュアル』」(3ページ)

店舗の階数

また店舗の階数も、飲食店の排気ダクトに関する注意点です。建築物の1階に位置する店舗においては、店舗裏に室外機を設置できます。しかし店舗裏のスペースが狭い場合や高層階に位置する場合などには、屋上まで排気ダクトを上げなくてはなりません

一般的には、排気ダクトを引き上げるほど、工事費用が高くなります。また屋根や外壁に室外機を配置する場合にも、追加費用が必要です。予算に応じて、排気ダクトを設置する場所や方法を検討しましょう。

排出口の高さと向き

そして排出口の高さと向きも、飲食店の排気ダクトに関する注意点です。下層階に位置する店舗においては、店舗裏に室外機を設置できますが、周辺の店舗や住民から臭気に対するクレームを受ける恐れがあります。

そこで臭気に対するクレームの防止策として、排気設備の排出口の高さと向きを工夫しましょう。例えば屋上まで排気ダクトを引き上げる方法や隣接するビルのない方向へ排出口を向ける方法があります。

参照元:環境省「飲食業の方のための『臭気対策マニュアル』」(15ページ)

脱臭装置の種類

それから脱臭装置の種類も、飲食店の排気ダクトに関する注意点です。以下の資料によると、排気ダクトに接続される脱臭装置は、臭いを除去する仕組みによって8種類に分類されています。

  • 燃焼式
  • 吸着式
  • 洗浄式
  • 生物式
  • 光触媒式
  • オゾン式
  • プラズマ式
  • 脱臭剤式

参照元:環境省「飲食業の方のための『臭気対策マニュアル』」(24-25ページ)

したがって排出したい臭いの特性に応じて、適した脱臭機を選びましょう。例えば燃焼式の脱臭機は多くの臭いに対応できますが、燃料費がかかります。

清掃とメンテナンス

続いて清掃とメンテナンスも、飲食店の排気ダクトに関する注意点です。排気設備にはフィルターの目詰まりやダンパーの油汚れ、ベルトの緩みが、排気ダクトにはファンや排気口の油汚れなどが発生します。

参照元:環境省「飲食業の方のための『臭気対策マニュアル』」(13-14ページ)

定期的な清掃やメンテナンスを怠ると、臭いが飲食店の室内や店外へ漏れてしまいます。店舗メンテナンス業者を選ぶ際の注意点をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

消防法の遵守

さらに消防法の遵守も、飲食店の排気ダクトに関する注意点です。消防法に基づいて、厨房設備を点検・整備しなければなりません。排気ダクトについては、ファンやフィルター、排気口などを点検・整備しましょう。

参照元:東京消防庁「飲食店の厨房設備等に係る火災予防対策ガイドライン」(4ー7ページ)

また消防法に基づいて、設置基準を満たす飲食店には、消防用設備が必要です。店舗に対する消防法の規定をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

臭いに対するクレーム対応

なお飲食店の排気ダクトに関する注意点には、臭いに対するクレーム対応も含まれます。以上の注意点に気をつけて排気ダクトを設置しても、臭気に対するクレームを受ける場合には、速やかに対応しましょう

クレーム対応に失敗すると、飲食店の信用を失ったり、顧客満足度を下げたりしてしまいます。飲食店のクレーム対応マニュアルをまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

飲食店の排気ダクト工事費用

飲食店の排気ダクト工事費用

注意点に気を付けながら飲食店の排気ダクト工事を依頼するためには、工事費用が必要です。そこで排気ダクト工事費用の相場と内訳をご紹介します。無駄な経費を削減できるように、節約法も確認しましょう。

相場

まず飲食店の排気ダクト工事費用の相場は、数万~数百万円程度(坪単価1万~5万円程度)です。ただし飲食店の業態(重飲食店と軽飲食店)や物件の階数、排出口の高さ、排気ダクトの本数や機能性などによって、工事費用は変動します。

内訳

次に飲食店の排気ダクト工事費用の内訳について、下表にまとめました。参考情報として、20坪でスケルトン物件の重飲食店に要する排気ダクト工事費用を試算してあります。

費用の内訳各費用の目安費用の試算
諸経費
(見積もりや出張費など)
全体の10%前後3万円前後
(20坪でスケルトン物件の
重飲食店)
レンジフード1台5~10万円前後1台10万円前後
換気扇1台1~5万円前後3台15万円前後
排気ダクトm単価で5千円前後20mで10万円前後
合計数十万~数百万円程度
(坪単価1万~5万円程度)
40万円程度

上表のとおり、排気設備の台数や長さが増えるほど、工事費用が増額します。特に屋上まで排気ダクトを上げる場合には、数百万円を要するため、ご注意ください。

節約法

そして飲食店の排気ダクト工事費用の節約法には、相見積もりや居抜き物件、補助金・助成金などがあります。相見積もりを取って、複数の工事業者の提案内容(工事の費用や期間など)を比較すれば、無駄な費用を削減できます。

排気ダクトの施工された居抜き物件を選ぶと、新規工事費用を節約できます。ただし居抜き物件に飲食店を開業するデメリットもありますので、次の記事を併せてご覧ください。

補助金・助成金を受給できれば、基本的に返済義務のない資金を獲得できます。飲食店が申請できる補助金や助成金をまとめてありますので、次の記事も併せてご覧ください。

飲食店の排気ダクト工事を計画しよう!

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監修者

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