2025.11.29  2025.11.27|お知らせ

居抜き店舗のリノベーションで失敗しないための7つの確認項目

居抜き店舗のリノベーションで失敗しないための7つの確認項目

限られた予算で効率的に店舗を立ち上げたいと考えるとき、居抜き物件の活用は魅力的な選択肢となります。しかし、安易に契約や工事を進めると、開業後に想定外のトラブルに直面する可能性があります。内装や設備が整っているように見えても、見えないリスクが潜んでいるケースは少なくありません。本記事では、失敗を防ぎ、リノベーションを成功に導くために押さえるべき7つの確認項目を具体的に解説します。

居抜き物件選定前に押さえるべき基本知識

居抜き物件選定前に押さえるべき基本知識

居抜き物件とは何か?

店舗を構える際、初期投資を抑える手段として居抜き物件を検討するケースは少なくありません。居抜き物件とは、前のテナントが使用していた内装・設備がそのまま残されている貸店舗のことを指します。通常、空調設備・照明・厨房機器・什器などが引き継がれる形となっており、新たに導入する設備の数を抑えることができます。

この物件形態は、限られた予算で開業を目指す場面や、オープンまでの時間を短縮したいと考える際に候補となりやすい傾向があります。ただし、前テナントの業種や利用状況によって残されている設備の質や量には差があり、同じ居抜き物件という呼び方であっても状態は大きく異なります。そのため、物件情報に記載された表面的な条件だけでは判断できない点に注意が必要です。

スケルトン物件との違い

店舗物件は大きく分けて「居抜き物件」と「スケルトン物件」の2種類があります。スケルトン物件は、内装や設備が完全に撤去された状態で貸し出される物件であり、一から設計・施工を行える自由度の高さが特徴です。一方、居抜き物件は既存の構造を活用する分、レイアウトや動線が制約される場合があります。

この違いは、事業のコンセプトをどの程度反映させるか、改装にどの程度の予算を投下できるかといった点に直結します。自由に店舗をつくりこみたい場合にはスケルトン物件が向いている一方、コストや工期を重視する場合は居抜き物件が選ばれやすくなります。ただし、初期の費用が抑えられても、長期的な視点で業態とマッチしない造りが障害となるケースもあるため、慎重な見極めが求められます。

物件選定で重視すべき観点とは

居抜き物件の選定にあたっては、家賃や立地だけで判断するのではなく、設備の汎用性やレイアウトの柔軟性、将来的な変更のしやすさといった要素を合わせて確認する必要があります。前テナントの業態と自社の業態が異なる場合、既存設備が活かしきれない可能性があるため、設備の再利用だけを目的とした選定は避けた方が賢明です。

さらに、物件の使用履歴や改修履歴を確認し、どのような使われ方をしてきたかも判断材料になります。長く空室だった場合や頻繁にテナントが入れ替わっている物件は、構造や契約条件に注意が必要です。貸主や管理会社から得られる情報に加えて、可能であれば専門業者による現地調査も行うと、より正確な判断が可能になります。

物件選びの段階では、「どこが安いか」ではなく「どの物件が事業に適しているか」という視点を持つことが重要です。見た目のコスト削減に意識を集中させると、後から想定外の費用が発生するリスクもあります。将来的な店舗運営を見据え、計画的かつ多面的な選定が求められます。

契約前に必ず確認したい設備と構造の状態

見えない老朽化リスク

居抜き物件では、表面的には整って見える内装や設備でも、内部に劣化や不具合が潜んでいることがあります。特に長期間使用されてきた物件や、業種特有の負荷がかかっていた物件では、天井裏や壁内の配線・配管、床下の腐食など、外からは確認しにくい部分に問題があるケースが少なくありません。

契約後にこれらの問題が明らかになると、補修や改修に想定外の費用がかかるだけでなく、工期が延びる可能性も高まります。そのため、契約前の段階で劣化状況を把握するための点検や調査を実施することが重要です。自社で判断がつかない場合は、設備や建築の知識を持つ専門家の意見を取り入れると、見落としを減らせます。

厨房・配管・電気設備の耐用確認

とくに注意したいのが、飲食店における厨房設備や給排水・電気設備です。これらは店舗の根幹を支える部分であり、稼働状況が業務に直結します。既存の設備がそのまま使えると判断して導入を見送った結果、稼働開始後に設備不良が発覚する例は決して珍しくありません。

また、法令に基づく基準を満たしていない古い設備が残されている場合は、更新や追加工事が求められることもあります。配線の容量が足りない・分電盤が現行の仕様に合わない・排水経路に問題があるなど、トラブルの要因は多岐にわたります。これらを見落とすと、開業後のトラブルに直結し、営業停止などのリスクも伴います。

物件を引き継ぐ前に、機器や設備の稼働状況を実際に確認できる機会を設けることは有効です。加えて、設備の取り扱い説明書や点検履歴などが保管されていれば、それらも必ず確認しておくべき対象となります。

内装の再利用可否と費用影響

居抜き物件では、残された内装をどこまで再利用できるかが、改装コストの見積もりに大きく影響します。一見すると状態が良好なように見える壁面・床材・造作家具なども、使用されていた素材や施工の質によっては再利用が難しい場合があります。

また、現状の内装が自社のブランドや業態に合っていない場合、すべてやり直さなければならない可能性もあるため、結果的にコストが膨らむことになります。こうしたリスクを避けるためにも、内装の状態だけでなく、構造や仕上げの情報をしっかりと把握し、自社の計画に合致するかどうかを見極めることが求められます。

再利用する内装が耐火・防音・衛生などの面で必要な基準を満たしているかどうかも事前に確認が必要です。保健所や消防との事前協議が必要となるケースもあるため、設計段階に入る前から、改装方針と照らし合わせた精査が不可欠です。

原状回復義務と過去の契約履歴のチェック

原状回復義務と過去の契約履歴のチェック

過去の契約条件が影響する場面

居抜き物件を契約する際には、前テナントの契約内容や退出条件を確認することが重要です。なぜなら、原状回復の条件が現状と異なる内容で設定されている場合、契約時の認識と実際の責任範囲にズレが生じる恐れがあるからです。

前契約で「原状回復不要」とされていた場合、設備や内装がそのまま残されている状態で次のテナントに引き継がれることになります。しかし、その内容を把握せずに契約を進めてしまうと、撤去や修繕の責任が曖昧になり、貸主とのトラブルを招く可能性があります。

重要なのは、現状の内装・設備が法的にどの契約に基づくものであり、それを誰がどの条件で使用していたかという情報を正しく把握することです。可能であれば、管理会社や仲介業者を通じて、過去の契約書や解約書類を確認するとリスクが抑えられます。

撤退時にトラブルになりやすい例

入居時の条件が明確でないまま契約を進めると、将来的に原状回復の範囲をめぐる問題が起こる可能性があります。とくに、居抜きで残された設備や什器が「借主の所有物」としてみなされていた場合、退去時に撤去義務が発生することも考えられます。

このようなケースでは、残したまま退去するつもりでいた設備の撤去費用が後から発生し、予期せぬ出費につながることがあります。また、内装の一部が改修されていた場合、どの範囲までを回復対象とするのかが契約書に明記されていないと、貸主との見解に食い違いが出ることも少なくありません。

トラブルを避けるためには、契約時に「原状回復の定義」と「撤退時の条件」を正確に明文化し、自社の負担範囲を具体的にしておくことが大切です。

現テナントと貸主の交渉関係の把握

物件の現状がどのように形成されたかを知るには、現テナントと貸主の関係性を確認することも有効です。円滑に契約が引き継がれている場合と、過去にトラブルがあった場合とでは、貸主側の対応姿勢や契約内容の条件にも違いが出てくることがあります。

現テナントが残していく設備や内装について、貸主がどのような意向を持っているかを事前に確認しておくことで、入居後の修繕・維持管理に関する判断材料が増えます。貸主と現テナントの間に特別な取り決めがある場合、それが次の契約にどこまで影響するかについても注意が必要です。

また、貸主側が原則としてスケルトンでの返却を求めている物件では、居抜きでの契約が成立していても、将来的に内装の撤去義務が発生する可能性があります。契約の起点だけでなく、終了時の条件も含めて、全体像を把握したうえで判断する姿勢が求められます。

内装・導線を自店仕様に変える設計視点

業態に合わない内装が招くミスマッチ

居抜き物件は、既存の内装や設備を活用できる点が魅力ですが、前テナントの業種と現在の業態が異なる場合、店舗の構造が運営に適さないケースがあります。たとえば、厨房の配置や配膳導線、客席の間取りが非効率なレイアウトになっていると、日常業務に支障をきたす原因となります。

特にサービス業では、来店客の動きや従業員の作業効率が店舗の売上や顧客満足に直結します。こうした観点から、自社の業務フローに合ったレイアウトを前提とした設計への切り替えが必要です。現状をそのまま活かすか、部分的に解体するかの判断は、業態ごとの動線や必要スペースをもとに精査することが求められます。

リノベ時に優先すべき改修ポイント

限られた予算内で効果的なリノベーションを実現するには、改修の優先順位を明確にすることが重要です。たとえば、客の第一印象に関わるエントランス周辺や、ブランドの世界観を伝える店内デザインなどは、改修効果が高いエリアとして優先されやすくなります。

一方で、構造部分の変更を伴う大掛かりな施工は、時間・コストの両面で負担が大きくなるため、必要性と実現性を慎重に見極める必要があります。什器や照明の配置を変更するだけでも、空間の印象や使い勝手が大きく変わるため、細部の設計にも注目すべきです。

また、法令や安全基準を満たすかどうかの確認も欠かせません。リノベーションの自由度に気を取られすぎず、保健所や消防のチェックをクリアできる設計であるかを事前に把握しておく必要があります。

既存内装を活かすための工夫

居抜き物件では、すべてを新しくするよりも、既存の構造や素材を活かしながら工夫を加えることで、コストを抑えつつ独自性のある空間を実現できます。たとえば、壁面や天井の仕上げ材を活かしたうえで、照明計画や什器の色味を調整することで、印象を大きく変えることが可能です。

このようなアプローチを取るには、現状の内装にどのような価値があるかを的確に評価する力が求められます。デザインの方向性を明確にしたうえで、既存要素とのバランスを意識することで、統一感のある空間設計がしやすくなります。

さらに、手を加える箇所とあえて手を加えない箇所を明確に分けることで、リノベーションのメリハリが生まれます。結果として、無駄なコストを避けつつ、ブランドイメージに沿った空間を創出することにつながります。

スケジュールと工事工程の事前計画

営業開始までの逆算スケジュール

居抜き物件でのリノベーションを成功させるには、開業予定日から逆算した計画が欠かせません。思い描いた通りに進行しないリスクを想定したうえで、各工程に適切な余裕を持たせておくことが求められます。

物件の引き渡しを受けてからすぐに工事が始められるとは限らず、図面作成・行政への確認・近隣との調整といった段階が発生します。また、資材の手配や施工人員の確保にも時間がかかるため、あらかじめ全体像を把握したうえで段取りを組む必要があります。

さらに、改修後には内装検査や営業許可申請などの行政手続きも控えているため、事務的なスケジュールと工事の進行を並行して管理する力が重要になります。

見積もり精査の重要性

工事を進めるうえで見落とされがちなのが、見積もり内容の詳細な精査です。居抜き物件は既存設備がある分、見積もりにも“含まれるべき項目”と“除外されるべき項目”が混在しやすくなります。

たとえば、既存の配管や空調設備をそのまま使う前提で見積もられていたとしても、実際には修繕や交換が必要になるケースがあります。このような差異が後になって判明すると、追加費用の発生やスケジュール遅延につながる恐れがあります。

見積もりの段階では、工事項目と仕様を細かく確認し、不明点があれば必ず質疑を行うことが大切です。また、数社から相見積もりを取ることで、金額だけでなく内容の差異や施工方針の違いを把握しやすくなります。

項目ごとの内訳が丁寧に説明されている業者を選ぶことで、認識のズレを防ぎやすくなり、結果としてスムーズな工程管理につながります。

工期がずれた場合のリスク管理

工事スケジュールは計画通りに進まない可能性もあるため、想定外の遅延に備えたリスク管理が必要です。たとえば、資材の納品遅れや天候による影響、施工時に発見される構造上の問題などが挙げられます。

こうした不確定要素を踏まえ、リスクを最小限に抑えるには「進捗の見える化」と「判断の早期化」が鍵となります。週単位での進捗確認や、関係者との定例ミーティングを設けることで、トラブルの兆候を早い段階で察知することが可能になります。

また、万が一スケジュールが大きく遅れた場合の対処法も事前に検討しておくことが求められます。例えば、仮オープンやソフトオープンという形で段階的な開業を計画しておくと、機会損失を最小限に抑えながら対応が可能になります。

リノベーションの工程管理は、単なる作業の積み上げではなく、営業戦略の一環として設計されるべき要素です。開業までの道のりを計画的に組み立てることが、事業成功の初動を支えることにつながります。

業者選定で押さえるべき比較軸

見積もり額だけで判断しない

リノベーション業者を選ぶ際、見積もり金額の安さだけを重視してしまうと、工事の品質や対応面で想定外のリスクを抱える可能性があります。たとえば、見積もりに含まれる工事項目の範囲が狭かったり、仕上げの精度に差があったりする場合、後から追加費用が発生することもあります。

費用が抑えられていても、短期的なコストだけに目を向けてしまうと、開業後にトラブルが発生した際の対応や修繕のしやすさに差が出るため、長期的な視点で総合的に判断する姿勢が重要です。提示された見積もりは、単なる金額比較ではなく、工事内容・使用素材・アフター体制を踏まえた上で読み解く必要があります。

また、打ち合わせ段階での説明の丁寧さや、こちらの要望を的確に理解しようとする姿勢も、業者の信頼性を見極める手がかりになります。

業態別の実績があるか

店舗リノベーションにおいては、業種によって求められる設計や施工のノウハウが大きく異なります。たとえば、飲食業であれば厨房設備や換気ダクトの設計、美容系店舗であれば給排水や照明のレイアウトに関する知識が必要です。

そのため、業者を選定する際には、自社の業態に近い施工実績があるかどうかを確認することが欠かせません。過去に同様の業種で施工を行った経験がある業者は、想定される課題や必要な仕様について理解が深く、スムーズな対応が期待できます。

加えて、物件特有の構造や地域の条例などに関する知見がある業者であれば、設計段階から実現性を踏まえた提案を受けやすくなります。見た目だけでなく、実用性や保守性を重視した設計が求められる店舗改装においては、こうした実績が非常に重要な判断材料となります。

現地対応力・アフター対応の有無

施工が始まった後も、現地での対応力が不足していると、工期の遅れやトラブル時の連絡遅延につながることがあります。特に現場管理の体制が整っていない業者では、工事中の確認事項が曖昧になりやすく、想定外の変更や手戻りが発生するリスクが高まります。

選定においては、現場責任者の配置状況や、現地との連携方法について事前に確認しておくことが推奨されます。また、施工後のトラブルや調整依頼に対応するアフター体制の有無も、安心して依頼できる業者かどうかを判断する要素となります。

たとえば、引き渡し後に軽微な補修が必要になった場合や、使用開始後に不具合が見つかった場合など、迅速に対応してもらえるかどうかは、運営上の負担を左右します。工事完了がゴールではなく、開業後も一定期間にわたって伴走できる業者であるかを見極めることが、長期的な店舗運営の安定につながります。

まとめ:居抜きリノベ成功の鍵は「確認の質」

コスト・時間・安心を手に入れるには

居抜き物件のリノベーションは、初期費用や開業準備期間を抑えるという点で有効な手段です。しかし、その利点を最大限に活かすには、物件選定から設計、施工、契約までの各段階で「確認すべきこと」を正確に見極める姿勢が不可欠です。

表面的な状態や価格に引きずられるのではなく、自社の事業計画と照らし合わせながら本質的な判断を積み重ねていくことで、無駄なリスクを避け、スムーズな開業につなげることができます。

確認→判断→実行の流れを徹底する

店舗運営を軌道に乗せるためには、準備段階での確認作業の質が、後の運営安定性を大きく左右します。工事工程の見通し、原状回復の取り決め、設備の実用性など、それぞれの局面で「確認・判断・実行」の流れを丁寧に進めていくことが肝心です。

特に居抜き物件のように、事前にすべての要素が可視化されにくいケースでは、確認の積み重ねが唯一のリスク管理手段となります。思い込みや期待に頼るのではなく、現場の情報と専門的な視点を融合させた判断を重ねることで、後悔のない選択ができるはずです。

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監修者

IDEAL編集部

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