2020.07.28|店舗デザイン

”店舗デザイン”とはなにか

”店舗デザイン”とはなにか

店舗を出店する際にどういったデザインにするのか、デザイナーや施工会社に依頼して設計してもらうことを店舗デザインと呼びます。

それぞれの店舗に合ったデザインは出店にあたって、とても大事なことになっています。

今回は、そんな店舗デザインについて、意味とその歴史、また店舗デザインの基本的流れまでを徹底的に解説していきます。

店舗デザインの歴史

店舗デザインの歴史、ひいてはそれに従事するインテリアデザイナーの歴史は浅いです。

有史に登場するのは、19世紀後半のイギリスです。産業革命によって、機械化による大量生産が定着するようになると、それまでの職人が持っていた技術やデザインは消えるようになってしまいました。

それに異を唱えたのがモダンデザインの父とも評されるウィリアム・モリスです。モリスは、友人や知人と共にアーツ・アンド・クラフツ運動と呼ばれる中世への芸術、デザイン回帰運動をおこないました。

そこの影響力は大きく、装飾品からはじまり家具、そして室内全体の調和を図るという店舗デザインの原型が生まれました。

1919年にドイツのワイマールにおいて、ドイツ語で建築の家を意味するバウハウスが設立されました。

この学校は、ナチス政権下で弾圧が加えられて閉鎖するまでのわずかな期間で、世界中の製品で2020年でも使われるような先進的なデザインや技術を作り上げました。

それまでの中世の職人的技術と大量生産を融合させ、現代デザインの基礎を作ったバウハウスの歴史は店舗デザインの歴史と同じです。

創立者はインテリアデザインを含めるすべてのデザインは、建築がベースとなって出来上がるという理念を掲げており、この理念は2020年の店舗デザインにおいても残り続けています。

例えば、見た目だけを重視するのではなく、来店客が安心して商品を見ることができるようにすることなどは、デザインより前に建築として優れているからこそです。

日本で店舗デザインが定着したのは1960年代後半のことです。

世界に日本のデザインを広めた第一世代ともされる剣持勇や渡辺力といったインテリアデザイナー達が、日本インテリアデザイナー協会を立ち上げ、県庁や美術館などを手掛けだした時代です。

高度成長期においては、多くの店舗がデザインありきで作られています。2020年ではすっかりお馴染みの企業も、もともとはインテリアデザイナーの店舗デザインから始まったということも珍しくありません。

店舗デザインの基本的な意味と効果

店舗デザインの基本的な意味と効果

店舗の設計を意味する店舗デザインは、狭義の意味では、デザイナーによる設計のことのみを指します。

すなわち、店側が求めている雰囲気を出すために壁の色から使用する素材、さらには商品を陳列するための什器のレイアウトなどを図面に落とし込む作業です。

一般的に使われる店舗デザインの意味では、ここからさらに発展をして、施工会社が完成した図面を元に内装工事を着工するところも含みます。

この段階になると、デザイナーが積極的に関与することはなくなります。また、着工のみならず竣工までを含めて店舗デザインの完成とするのが業界における実情です。

店舗デザインの効果

店舗デザインをおこなう理由として、最も挙げられるのが集客効果です。

一切の工夫がなくコンセプトが統一されていない店舗と、店舗デザインにのっとって内装にこだわった店舗では後者のほうが来店客も多く、売上もあがるとされています。

その一方で店舗デザインは、基本的に出店時以外に変更することが難しいので、少しでもオリジナリティを出したり、ターゲット層に波及させたいという目的で店舗デザインを依頼するオーナーもいます。

集客効果を狙った場合は、さまざまな工夫が内装でもおこなわれますが、共通しているのは、いかに来店客を長く滞在させて購入してもらうのかという点です。

ただ単に見た目を良くしたり、奇抜にして注目を浴びるのではなく、来店客の動線がしっかりと長くなるようにしておくことが求められます。

また、周辺の環境、例えばどういった年代が多い地域なのか、近隣の店舗の客はどういった属性なのかを事前にリサーチした上で、店舗デザインを依頼すると効果的です。

店舗デザインのカラーによる効果

店舗デザインのカラーによる効果

内装工事をおこなうだけではなく、どのようなカラーを選択するかによって、店舗デザインの効果は変わってきます。

基本的には、同じような明度と彩度の色を組み合わせたトーンを揃えることによって、内装の統一感を出していきます。例えば飲食店では、赤や橙色などの暖色系のカラーを店舗デザインで用いることが多いです。

これは暖色系のカラーには料理を美味しく見せる効果や、エネルギーを与える効果があるとされているためで、まさに飲食店にはもってこいのカラーとなっています。

反対に寒色系のカラーは食欲減退などの効果があるので、飲食店ではあまり使われません。しかし、ファッション系の店舗デザインでは、リラックス効果があり、来店客が商品を購入しやすくなる寒色系のカラーがよく用いられます。

カラーの効果は店舗の広さにも関わってきます。白などの明るい膨張色はベースとして使うと、店舗が広く開放的なスペースになります。

反対に黒などを使うととても重厚感あふれる店舗になります。ファッションにおいて、白が太って見え黒が痩せて見えるとする理屈とまったくおなじです。

どちらか片方のみを選択するのではなく、例えば天井や壁などの開けていてほしい部分には白、床や段差などのある程度の重厚感がほしい部分に黒を用いることで両方のいいとこ取りも可能です。

店舗自体が奇抜な店などの場合は、思い切ってヴィヴィッドなカラーが選択されることが多いです。内装を全体的にピンクにすることで俗に言うインスタ映えがしやすくなったり、黄色や水色を使うことでサイケデリックな空間へと変わります。

店舗デザインを依頼する相手

店舗デザインを依頼する相手

店舗デザインを依頼する相手となるのは設計事務所です。デザイナーや設計士が所属しており、内装の設計を主な業務としています。

設計事務所といってもさまざまなスタイルがあり、大手の事務所などでは所属する多くのデザイナーが、チームを編成して商業施設や公共施設の設計のみをしていたり、かたや個人で住宅の設計のみをおこなっている設計事務所もあります。

また、店舗デザインを依頼できるような事務所では、それぞれのジャンルに特化して設計をするというケースもざらです。よくある例としては、医療機関のみを扱う設計事務所、飲食店のみを扱う設計事務所があります。

また、そういった設計事務所では、店舗のロゴやイメージキャラクターの作成、パッケージデザインに店舗のプロデュースまでをおこなう事務所も珍しくありません。設計デザインを依頼する際には、目的に合った事務所に依頼することが重要です。

店舗デザインの流れと費用

店舗デザインの流れと費用

店舗デザインが完成するまでには、数多くのプロセスを進める必要があります。まずはデザイナーとの打ち合わせです。

どういったモノを販売する店舗なのか、内装のコンセプトはどうしたいのか、予算はどれだけの範疇なのかをしっかりとデザイナーに伝え、共有します。

この時に、設計してほしい店舗の具体的な例を名前や写真で提示すると、デザイナーと情報を共有しやすくなります。

共有した情報をもとに、デザイナーは1週間~1ヶ月ほどで3Dのイメージパースと、完成予想図のスケッチを作成します。

施主が求めているデザインと合致するように、何度も提案と打ち合わせを繰り返していきデザインの原型を作り上げていきます。この際に、複数の事務所に依頼をしてデザインを比較する方法をデザインコンペと呼びます。

スケッチ、パース代が発生してしまいますが、複数のデザイン案を比べることができるのは大きな強みです。また、スケッチ、パースのみであれば無償でおこなってくれる事務所もあります。

ここで作り上げられたデザインの原型を、デザイナーがよりコンセプトに沿うように整えていき、設計図が完成します。

施工会社の決定

内装工事に取り掛かるにあたって、施工会社を決定します。ある程度の規模の設計事務所にデザインを依頼していると、そのデザインでの工事を完了できる施工会社を紹介してくれます。

仮に紹介してくれなかった、自分で施工会社を決定したいときなどは、依頼したい業者に見積もりを出してもらいます。見積もりは専門性が高い情報なので、その取り扱い方には注意が必要です。

施工会社が決定したら、いよいよ着工に入ります。施工会社が内装工事に必要なすべてを取りまとめてくれるので、施主がなにかをする必要はありません。

竣工したら依頼したデザインとの間に問題がないか、内装や什器において不備はないかを確認して問題なければ、サインをして引き渡しが完了します。ここまでが店舗デザインの流れです。

店舗デザインの費用の内訳

まず、デザイン事務所にデザイン料を支払います。デザイン料はもちろんそれぞれの店舗や事務所によって変わってきますが、平均的な計算式としては坪数×単価が挙げられます。

その他にも設計監理費や雑費も発生します。施工会社には電気工事などの設備工事費と、細かい内装を含める造作工事費を支払いますが、この費用はデザインによってはとても高くなるので注意が必要です。

施工会社に支払った工事費の10%~20%分の額をデザイン料として、受け取るデザイナーもいます。また、店舗デザインの費用は予算をオーバーしてしまうことがザラです。

これは、実際に工事をしなければどういった問題に遭遇するかデザイナーや施工会社もわからないような不確定要素が多いために起きる現象です。

店舗デザインは出店に必要

今回は店舗デザインについて、その意味から依頼する方法、歴史などを解説してきました。

出店する場合は、集客方法として、あるいはコンセプトを分かりやすく伝えるために店舗デザインは必要になってきます。

その際には、得意な業種や予算、デザインのテイストが目的と合致をするデザイナーを選び、きちんと仕事をしてくれる施工会社に依頼することがおすすめです。

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