2022.02.18  2022.07.14|店舗デザイン

造作家具とは?メリット・種類・費用・作り方・施工事例をご紹介!

造作家具とは?メリット・種類・費用・作り方・施工事例をご紹介!

「造作家具は高そうだけどオーダー費用を知りたい」「興味があるけど置き家具との違いが分からない」とお悩みではありませんか?

店舗デザインをするときには、どんな家具をどのように造作するとよいのかを知ることが大切です。効果的に造作することで集客や売り上げを伸ばすことができるからです。

そこで今回は造作家具の定義やメリット、種類、費用、作り方を詳しく解説してから、施工事例をご紹介します。店舗開業をご検討中の経営者・担当者の方はぜひご覧ください。

「造作」とは?

「造作」とは?

そもそも「造作(ぞうさく)」とは、どういった意味でしょうか?内装デザインにおいては、造作は「建物の内装設備」を意味します。

また「造作する」と使用されるときには、「内装設備を備え付ける」や「内装工事をする」という意味になります。内装とは、建物の躯体(柱や梁、壁といった構造体)に備え付ける「天井や床、階段といった設備」のことです。

したがって「造作家具」とは、「内装として構造体(壁や床、階段など)に造り付けられた家具」のことを指し、「オーダーメイド家具」とも呼ばれます。反対に工場で生産されて室内に配置される一般的な家具は、「置き家具」と呼ばれます。

なお広義には、造作(ぞうさく)は「物をつくること」や「家を建てること」を意味します。また「造作(ぞうさ)」と読むときには「費用や手間がかかること」や「面倒なこと」という意味になります。

造作家具のメリット

造作家具のメリット

内装の一部として備え付けられる造作家具。わざわざオーダーメイドする必要があるのでしょうか?置き家具を配置する方が手っ取り早いのではないでしょうか?

それでは造作家具のメリットについて、置き家具と比べながら4点に整理して解説していきます。

家具選びの手間を省くことができる

まず造作家具をオーダーすると、「理想の家具を購入するため」に家具屋を何件も探し回る手間を省くことができます。開業前は何かと忙しいですが、浮いた時間を他の開業準備に費やすことが可能になります。

また経験豊富な店舗向け家具作りのプロに任せることで、自分では思いつかないアイディアを提案してもらえるでしょう。店舗のコンセプトやレイアウトなどを伝えると、適した家具の形や素材などを設計してもらうことができます。

サイズ・色・素材を自由にデザインできる

次にサイズ・色・素材を自由に選べるので、店舗のコンセプトに合ったオンリーワンの家具を作ることができます。イメージカラーや商品・サービス、顧客に与えたい印象などを考慮しながらオーダーしましょう。

また造作家具を内装全体(床や壁、家具)の色や素材と調和させれば、店舗全体のコンセプトを統一させることができます。一貫したコンセプトに基づいて商品・サービスを提供することで、来店する顧客やSNSユーザーなどに対してブランディング効果を発揮します。

またミリ単位でサイズを調整できるので、収納する商品・サービスや使用する顧客に適した家具を設計することができます。例えばバーにおいて椅子の高さにマッチしたカウンターを造作することで、来店する顧客の満足度を上げることができるでしょう。

空間を有効に活用できる

さらに収納する商品や顧客の行動、店舗の広さなどに合わせて家具を造作すれば、限られた空間を無駄なく有効に活用することが可能です。例えば壁や階段下に穴を開けて、収納棚を埋め込む方法があります。

店舗内において邪魔にならないように家具が備え付けられると、顧客と従業員にとってスムーズな動線を確保することができます。快適な空間において商品・サービスを提供することができれば、顧客のストレスが軽減されてよい評判が広がることを期待できます。

耐震性や安全性を確保できる

なお壁や床に備え付けられることで、家具の耐震性や安全性が確保されます。具体的には地震や洪水などの災害時に、家具が倒れて人が下敷きになったり、避難経路を家具にふさがれたりする二次被害を防ぐことができます。

もちろん店舗の経営者や担当者は、利益を追い求めて経費を節約することも必要です。しかし店舗の安全を第一に考えて家具や設備の購入を検討して、安心して顧客が来店して従業員が働ける環境を保障することが必要です。

造作家具のデメリット

造作家具のデメリット

理想とする店舗のコンセプトを実現するために、造作家具は効果的です。しかし置き家具と比べたときに、問題点はないのでしょうか?

造作家具のデメリットを事前に把握するために、2点に整理してご紹介します。

造作工事に時間と費用がかかる

まず造作家具はオーダーメイドで一から作られるので、置き家具に比べると注文や製作、工事に時間がかかり、費用も高くなる傾向にあります。また工場で精巧な家具を作る場合には、店舗までの運搬費もかかります。

移動や撤去に手間がかかる

次に家具を店舗内に造作すると、簡単には移動や撤去をすることができません。しかし店舗物件を賃貸している場合には、移転や閉店に伴い造作家具の撤去(原状回復工事)が必要です。移動や撤去について造作家具業者と事前に打ち合わせしておきましょう

造作できる家具の種類

造作できる家具の種類

先ほど造作家具のメリット・デメリットをご紹介しましたが、具体的に店舗のどこにどんな造作家具をデザインすればよいのでしょうか?

店舗デザインを始める前に、造作できる代表的な家具の種類と特徴を確認しておきましょう。

テーブル・チェア・ソファ

内装に合ったテーブル・チェア・ソファを造作して固定すると、向きを調整する手間がなくなり、店舗の整然とした雰囲気を保つことができます。

また造作する家具に荷物を入れるスペースを内蔵することで、大人数の顧客が利用しても広く感じられる空間を提供することが可能です。

収納・陳列用の棚や台

収納・陳列用の棚や台は、業態や業種によって適切なサイズや素材が異なります。店舗や商品に合わせて棚や台を造作することで、空間を有効活用しながら顧客に魅力を最大限アピールできます。

なお棚板を可動式にしておけば、家具を内装に固定したとでもディスプレイの配置を簡単に変更することが可能になります。

受付・バーのカウンター

店舗の顔といえる受付・バーのカウンターは、顧客に与える店舗の第一印象に大きく影響します。コンセプトに基づいてカウンターの素材や色を選ぶことで、店舗の雰囲気(優しさ・レトロなど)を表現しましょう。

また高さをオーダーして調整できるので、座って使うカウンターも立って使うカウンターも造作することができます。カウンター席をデザインするポイントについて下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

造作家具の費用

造作家具の費用

色々な種類をオーダーできる造作家具ですが、やはり費用が気になりますよね?先ほどご紹介した造作家具の種類について、オーダー費用の相場を下の表にまとめました。

造作家具の種類サイズオーダー費用の相場(円)
テーブル100㎝四方1卓10万〜50万程度
椅子1人用1脚5万〜10万程度
ソファ2人用1脚10万〜50万程度
200㎝四方1台10万〜50万程度
カウンター横幅400㎝1台50-100万程度
※サイズや素材によって費用は大きく変動します。
※工場で制作する場合には店舗までの運搬費が加算されます。
※内装に固定する場合には施工費用が加算されます。 

造作家具のオーダー費用相場を知っておくことで開業資金の内訳を計算しやすくなり、無駄な出費を防ぐことができます。集客や売上に効果をもたらすことができれば、必ずしも費用対効果が低いわけではありません

ただし造作家具は置き家具よりも高くなりますので、店舗に配置する家具を全てオーダーすることは難しいでしょう。したがって重要な家具に絞ったうえで、コンセプトに合う魅力的なオンリーワンの家具をオーダーしてはいかがでしょうか?

造作家具の作り方

造作家具の作り方

造作家具をオーダーするときには、「いつ」「どこに」「何を」相談すれば良いのかを把握しておきましょう。事前に相談内容を準備しておけば、限られた時間の中でスムーズにオーダーすることができるからです。

施工する2か月以上前に相談する

一般的に造作家具のデザインと依頼に1-2週間ほどかかり、さらに製作に4週間ほどかかります。したがって店舗に施工する2か月ほど前には業者に相談を持ち掛けて、契約手続きを進めましょう。

店舗専門のオーダー家具業者や内装業者に依頼する

造作家具を依頼するときには店舗専門のオーダー家具業者に直接依頼するか、内装工事を依頼する内装デザイン業者・工務店・設計事務所などに依頼しましょう。

特に内装のデザインから施工までをワンストップソリューションで支援してくれる業者に依頼することで、一貫したコンセプトに基づいて店舗全体をデザインすることができます。

複数の業者に相見積もりを取る

デザイン・施工の費用を節約したり、理想に近い家具を造作したりするために、複数の業者に相談を持ち掛けて、見積もりを出してもらいましょう。

店舗開業のために内装工事を依頼するときには、まず業者とコンセプトや間取をデザインしてから、造作家具を含む内装設備を一つずつ決めていきます。

家具の種類や製作方法などを相談する

依頼する業者を決めたら造作する家具の種類や予算、製作方法などを具体的に決めていきます。

特に制作方法については、「大工工事」(店舗内で製作)と「家具工事」(工場で製作されて現場へ運搬)がありますので、特徴を比較しておきましょう。

メリットデメリット
大工工事・制作中に色やサイズを調整可能
・ローコスト
・大工の技量により品質にバラつき
・長い工期
家具工事・品質が精巧
・短い工期
・製作中に色やサイズを調整不可
・ハイコスト

なお造作家具の制作や施工の費用を抑えたい場合には材料を独自に調達したり、DIYすることも可能です。しかしスキルや時間が必要ですので、注意しましょう。

造作家具の施工事例

造作家具への興味が高まると、実際に店舗に施工された家具の事例を見てみたくなりませんか?本記事の最後に、IDEALが施工した造作家具の事例をいくつかご紹介します。

商品の陳列棚

商品の陳列棚

「クリスベーカリー 吉祥寺」様の内装には、店舗のベースカラーである白色の商品陳列棚を配置しました。温かな色の照明を照らすことで、商品の魅力が引き出されています。白色の内装が、食品を扱う店舗の衛生面への配慮を示してくれています。

カウンター

カウンター

カウンターや収納棚、ドアなどが造作された「HARUKAZE STUDIO」様の内装。パソコンが設置されるカウンターは、限られたスペースにおいて作業しやすいシンプルなデザインです。

テーブル

テーブル

「Clandestino Italian Bar」様の内装には、「牛乳タンクをリメイク」して造作されたテーブルが配置されています。造作家具で店舗の「おしゃれさ」や「独自性」を表現した事例です。店舗の理想やイメージを造作家具デザイナーに伝えることで、思わぬアイデアが生まれることがあります。

洗面台

洗面台

手洗い用の洗面台が造作された「personal gym NONVARBAL byMF」様。スタイリッシュな店舗の内装にマッチしており、ターゲットである女性に清潔感やおしゃれさを提供しながら、収納スペースを確保しています。

店舗デザインに造作家具を効果的に取り入れよう

店舗デザインに造作家具を効果的に取り入れよう

造作家具は内装の一部として店舗のコンセプトを表現したり、ブランディング効果を発揮したりと重要な役割を果たします。予算内に費用を抑えるために、置き家具とのバランスを考えながら造作家具のオーダーを検討しましょう。

IDEALは造作家具のデザイン・施工を始め、開業資金の調達から店舗デザイン、Web集客までをワンストップソリューションでご支援することが可能です。

店舗の開業やリノベーションをご検討中の経営者・担当者の皆様からのご相談やご依頼をぜひお待ちしております。

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監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
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