2022.03.04  2022.09.06|店舗デザイン

店舗のカウンター席の高さごとのメリットは?幅・奥行き・素材も解説

店舗のカウンター席の高さごとのメリットは?幅・奥行き・素材も解説

「店舗のコンセプトに合うカウンター席をどのようにデザインしたらよいか」「カウンター席の高さや幅・奥行・素材の選び方が分からない」とお悩みではありませんか?カウンター席はお店の雰囲気や印象だけでなく、顧客の滞在時間や注文数、回転率、さらに満足度に大きく影響します。

そこで今回はカウンター席の高さごとのメリット・デメリットを解説します。幅・奥行き、素材の選び方も紹介しますので、店舗の開業や改装に参考にしてください。

カウンター席の高さ

カウンター席の高さにはローカウンターとミドルカウンター、ハイカウンターの3種類があります。店舗のコンセプトやターゲットによって適した高さは大きく異なり、店舗の雰囲気をガラリと変えることが可能です。

カウンター席の高さによって顧客の目線が変わるため、顧客の店舗に対する印象が大きく変わります。カウンター席が低すぎると、顧客が圧迫感を感じてしまいます。適度な高さに施工されていると顧客の目線の高さが従業員に近づくので、親しみを感じてもらえるでしょう。

それではカウンター席の高さごとの特徴とメリット・デメリット、適した店舗の種類などを解説します。

ローカウンター

ローカウンター

ローカウンターの高さは家庭用ダイニングテーブルと同じくらいですので、顧客が使い慣れています。「高さ70cm程度のカウンター席」に「高さ40㎝程度のイス」が施工されていると、平均的な身長(男性170㎝前後、女性155㎝前後)の日本人が座ったときに足が床について長時間座っても疲れにくくなります。

参考:e-Star「国民健康・栄養調査14 身長・体重の平均値及び標準偏差」

したがってローカウンターは、顧客に長時間滞在してもらうことを狙う店舗(ホテルのバーや小料理屋、居酒屋など)に適しています。またローカウンターのメリットとして、次の点が挙げられます。

  • 滞在時間が長くなり、客単価を上げやすい
  • 幅広い年齢層に対応できる
  • カウンターの裏側(従業員の作業スペース)を顧客に見られない

一方でローカウンターのデメリットは、従業員が顧客を見下ろして圧迫感を与えてしまう点です。対応策としてしゃがみこんで顧客と同じ目線で会話することで、圧迫感を軽減できます。

ミドルカウンター

ミドルカウンター

ミドルカウンターの高さは家庭用キッチンと同じくらいで、ローカウンターとハイカウンターの中間にあります。「高さ85cm前後のカウンター」に「高さ65㎝程度のイス」が適しており、平均的な日本人が座ったときに足のつま先がギリギリ床につくほどの高さになります。

つまりミドルカウンターを施工すると従業員と顧客の目線が近くなるので、親しみやすい雰囲気を出すことができます。カジュアルレストランや寿司屋などの飲食店におすすめです。ミドルカウンターのメリットは、次の点です。

  • ハイカウンターよりも顧客がゆったり座れる
  • 高身長の顧客には長時間の滞在を期待できる
  • ハイカウンターと同様に従業員が顧客と会話をしやすく安心感を与えやすい。

一方でミドルカウンターのデメリットは、対応しているイスが少ないので店舗のコンセプトに合わせにくい点です。したがって事前に対応しているイスを調べる必要があります。

ハイカウンター

ハイカウンター

ハイカウンターの高さは立ち飲みカウンターと同じくらいです。「高さ100cm前後のカウンター」に「高さ75cm前後の椅子」が適しており、大半の日本人が座ると足を床につけることができません。

従業員と顧客の目線が同じ高さになるのでコミュニケーションが取りやすく、圧迫感を与えることが少なくなります。バーや立ち飲み屋などの飲食店でよく施工されるカウンターです。ハイカウンターのメリットは、次の点です。

  • 従業員が顧客とコミュニケーションしやすいため安心感や信頼感を与えやすい
  • 間口が狭い店舗においてもレイアウトしやすい
  • 回転率をあげやすい

ハイカウンターのデメリットは、顧客の滞在時間が短くなる点です。ローカウンターに比べると顧客がリラックスしづらいため、ゆったりした空間を提供する店舗には適しません。対策として足をかけることができるイスを配置しましょう。

カウンター席の幅や奥行き

カウンター席の幅や奥行き

カウンター席の高さだけではなく適した幅や奥行きを選ぶことで、集客率や利益率が変動します。異なるグループの顧客同士の距離が近すぎては問題ですし、同じグループの顧客同士の距離が離れすぎていてもいけません。

それでは適切なカウンターの幅と奥行きの決め方を確認していきましょう。

適切な幅を決める

平均的な日本人の体形を想定すると、顧客1人当たりのカウンターの幅は60cm前後が適しています。カウンター全体の幅が480cmなら8席、540㎝なら9席を確保することができます。

しかし1人当たりのカウンター席の幅によって、顧客の居心地や回転率が変わります。顧客にゆったりした空間を提供する店舗では、1席の幅を60cmより広めに取りましょう。顧客同士の密着度を高めたり、回転率を上げたりしたい場合には1席の幅を60cmより狭くすることが必要です。

1席当たりの幅を決めたら、必要な席数を計算しましょう。例えば6席必要なら360cmのカウンター、7席必要なら420cmのカウンターをデザインします。店舗の広さやレイアウト、売上目標などに応じて、座席数を検討することがポイントです。

適切な奥行きを決める

奥行き60cm前後が、平均的な日本人の体形に適しています。「1席の幅が60㎝のハイカウンター」であれば、奥行きが35cmほどでも足りる場合があります。開業する店舗の業態や間取りを踏まえて、奥行きを決めましょう。

例えば飲食店においては顧客1人当たりの注文する料理や飲み物の数を想定して、カウンターの幅を決めることが必要です。幅や奥行きを感覚で決めて施工してしまうと、顧客が居心地悪さを感じても簡単に修正することができません。

したがって実際にお皿やグラスなどを並べながら、必要なカウンターの奥行きを計算しましょう。「顧客が一度に注文する量はどのくらいなのか」「どれくらいのペースで食べ終わるのか」などを考えることがポイントです。

カウンター席をデザインするポイントについて下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

カウンター席に使う素材

カウンター席に使う素材

高さや幅・奥行きだけではなく、カウンター席の素材選びも重要です。適した素材を選ぶことで開業する店舗のコンセプトを表現することができるからです。また店舗の雰囲気だけではなく、費用や修繕費にも大きく影響します。

それではカウンター席によく使用される3つの素材について、特徴やメリット・デメリットを解説します。店舗のコンセプトや費用を想定しながら、カウンター席の素材を選びましょう。

木材

一口に木材といってもさまざまな種類があります。カウンターの材料となる木材として、合板や集成材、突板、無垢材などがあります。

合板(ごうはん)は、薄く剥いた木の板(ベニヤ)を繊維方向が直角になるように互いに重ね合わせた木材です。カウンターに使用する一番のメリットはなんといっても価格が安いことです。しかしデメリットとして、節があるためラフな感じに見えてしまいます。

集成材(しゅうせいざい)は、小さく切り分けた天然の木材を接着剤で再構成した木材です。カウンターに使用するメリットは、反りが出にくく強度や品質が安定しているので扱いやすい点です。また効率的に木材を切り出せるので費用を抑えることができます。一方で集成材には無垢材ほど木の風合いがない点がデメリットです。

突板(つきいた)とは、薄くスライスした木材を他の板(ベニヤなど)に張り合わせた木材のことです。突板でカウンターを作る一番のメリットは、天然の木材の質感を出すことができる点です。デメリットとして、傷ついてしまうと下地が見えてしまうことがあるので丁寧に扱う必要があります。

無垢材(むくざい)は、天然の木からそのまま切り出した無加工の木材です。とても強度が強いので、業務用家具に使われることが多いです。また天然の木材ならではの木目や木の風合いを味わうことができます。しかし上の木材よりも高級な点がデメリットです。

左官素材

左官素材は2000年代まではあまりカウンターに使われる機会がありませんでした。しかし2010年代頃から新素材が利用されるようになって、飲食店などのカウンターに使われるようになりました。

具体的にはモルタルやセメント、モールテックといった無機質な左官素材がカウンターの仕上げに利用されており、耐久性や耐火性に強い点が特徴です。

また左官素材はカウンターをモダンな雰囲気に仕上げることができ、落ち着いた雰囲気のバーやカフェに向いています。近年ではさまざまな左官素材が流通しており、好みのカラーや質感を選びやすくなりました。

一方で左官素材はコストが高く、他の素材と比較したときにヒビ割れが生じる可能性が高い点に注意しましょう。見た目が似ていても、仕上げの方法によって施工費用が変動します。

メラミン樹脂

メラミン樹脂はメラミンとホルムアルデヒドから合成される樹脂で、木材や左官素材よりも最近に使われるようになりました。木目柄や石目柄、金属柄などのさまざまな模様があるので、自分好みのカウンターをデザインするときに最適です。

また低コストでカウンターを施工することができ、傷や汚れがつきにくく水にも強いため手入れしやすいです。抗ウイルス機能を備えている素材もあり、カウンターを衛生的に保てます。

一方でメラミン樹脂の模様はプリントされているため本物の質感を出しにくく、人工的な印象になります。清潔感やカジュアルな雰囲気を出したいときに向いているカウンター素材ですので、店舗のコンセプトに合わせて検討しましょう。

なおカウンターを始めとする造作家具について下の記事にまとめてありますので、併せてご覧ください。

居心地と雰囲気の良いカウンターで集客を増やそう!

居心地と雰囲気の良いカウンターで集客を増やそう!

店舗のコンセプトに合うように高さや幅・奥行き、素材をデザインすることで、居心地や雰囲気の良いカウンターを施工することができます。カウンター席に座る顧客の満足度が高まれば、将来的に集客が増えることを期待できます。

IDEALはカウンターを含む店舗デザインや施工、資金調達、Web集客までをワンストップソリューションでご支援しています。

店舗の開業や改装についてお悩みの経営者や担当者の皆様はぜひご相談ください。

キーワード :

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

監修者

IDEAL編集部

日本全国の美容室・カフェ・スポーツジム等の実績多数!
店舗づくりをプロデュースする「IDEAL(イデアル)」が運営。
新規開業、店舗運営のお悩みや知りたい情報をわかりやすくお届けいたします。

> IDEALの編集者ポリシー

店舗工事のご相談・お問い合わせはこちら

店舗作り、集客の
無料見積もり・相談をする